6月13日(日)


 午前10時。京都、寺町夷川のパン屋さん「進々堂」で食事。
 フレンチトーストにコーヒー、400円。
 きょう東京に帰る。
 朝早くから移動している。
 実は今回の旅行中に、週刊少年サンデーの石川くんから電話で、今夜の『スター・
ウォーズ』試写会に招待してもらえるという連絡が入っていたからだ。
 やっぱり、京都より『スター・ウォーズ』だよねえ。
 これも自宅のトイレを全部『スター・ウォーズ』のグッズ一色に染めたおかげだ。
やっぱり好きなことは、他人に伝え続けていないといけないということを痛感する。
 もう今回絶対試写会見れないと思い込んでいたからなあ。
 うれしいよ〜。

 午前11時10分。京都駅のぞみ10号。500系だ。
 先日700系に乗っているので、ものすごく揺れが激しく感じる。必死に走ってる
ような気になる。

 午後2時。帰宅。何だか家がひさしぶりのような気がする。
 TVをつけると、ちょうど中日対横浜ベイスターズ戦をやっていた。デーゲームだ。
 仮眠しようと思ったのだけど、やっているなら見てしまう。
 悲しいファンの性だ。
 と思ったら、いきなり野村投手がバカスカ打たれて、6対0!
 そげなベイベー!
 拍子抜けして、眠れなくなる。

 午後4時。嫁と東京国際フォーラムへ。
 朝、トーストだけだったので、お腹が減っている。
 地下の讃岐うどんの店「讃兵衛(さんべい)」に入る。
 先日高松で讃岐うどん食べたばっかなんだけどね。
 しつこく、生しょうゆうどんを食べる。
 う〜ん、う〜ん。
 大根おろしがパサパサに乾いている。
 どうやるとこういうまったく味がない大根おろしを作れるんだろう。切ったまま置
きっぱなしにした、リンゴみたいだ。
 大根おろし以外は、けっこう美味しいんだけどなあ。
 しかしこうして見ると、初めて大阪梅田の「はがくれ」で食べた生しょうゆうどん
は本当に美味しかったんだなあ。
 いきなり4番打者に当たってしまったのかあ。
 期待しすぎちゃいけないな。
 でも近いうちに高松の「山越(やまごえ)」というお店に行ってみたい。

 午後4時30分。週刊少年サンデーの石川くんと落ち合う。
 このところいろいろ石川くんに迷惑をかけていたことがあるので、試写会に誘って
くれたのは、むちゃくちゃうれしい!
 地下の喫茶店「ロイヤル」でお茶を飲む。
 週刊少年サンデーの漫画家さんたちといっしょ。
『ARMS』の皆川亮二くん。『スプリガン』のたかしげ宙くん。高野くん、毎日コ
ミュニケーションズの藤本学さん。
 たかしげ宙くんは、小池一夫劇画村塾の後輩。
 私が1期生で、たかしげ宙くんが6期生。
 劇画村塾の同窓会でも、期が違うとなかなか話す機会がないので、じっくり話すの
は初めて。 
 みんなゲームついてくわしいので、こっちが一生懸命質問なんかしてしまう。情け
ない。

 きょうの試写会は小学館主催らしい。
 でも「週刊少年サンデーですよ〜!」と、会釈でのんきに入れる態勢ではなくて、
引換券をもらっておいて、社員でも並んで試写会の券を手に入れる大変なものだった。
 長いこと私もこの業界で生きてきたけど、指定席の試写会というのも初めてだ。
 なにしろ1回5000人の試写会なのだから、一大イベントだ。
 もう芸能人、漫画家さんのオンパレード。

 午後7時。いよいよ映画が始まる。
 拍手が沸き起こる試写会というのも珍しい。 
 結論からいうと、おもしろい? おもしろくない?と聞かれたら、絶対おもしろい!
 お金を出して、映画館で見たら、絶対損した気にはならない。
 テンポもいいし、SFXは本当に素晴らしいし、今回のヒロインはかわいいし、ア
ナキン・スカイウォーカーは人気で人生狂っちゃうだろうなあ。

 でも私は、クリエイターだから、いろんな角度から見てしまうので、非常に気にな
るところの多い映画だ。
 それぞれのキャラクターの因縁が薄いし、主要キャラを均等に扱ってしまったので、
主役が誰の物語なのかわかりづらい。
 今までの『スター・ウォーズ』に比べて、フィギュアやシールになりやすいキャラ
が少ない。
 メカも商品化しづらいのが多かったなあ。

 とにかくクリエイターが陥りやすい失敗が随所に見られたのだ。
 私なんか、何回この失敗したかわからない。
 まあ、こういうことを言い出したらきりがない。
 クリエイターにしか気づくことができない部分だと思う。
 何はともあれ、私とってはものすごく勉強になることの多かった映画だ。
 少なくとも、10倍の制作費を上げるから、『スター・ウォーズ/エピソード1』
を作ってくださいと言われても、絶対作れない自信がある。うははは。
 そのくらい気づかないところで苦労しているのがよくわかる。
 7月10日の公開後、すいている時間に当たったら、もう一度ゆっくり見てみたい。
 絶対見て損することはない。

 午後9時30分。有楽町の喫茶店「べにしか」で嫁とふたりでお茶を飲みながら、
映画のあのシーンがああだった、こうだったとぐだぐだ言い合う。
 この喫茶店、出るときわかったのだが、日本で最初にピザ・トーストをメニューに
出したお店だそうだ。
 何だか元祖ピザ・トーストのお店の注釈が書かれていて笑えた。

 午後10時。帰宅。
『ダウンタウンのガキのつかいやあらへんで』が、原宿でロケ。
 私の散歩コースをずっと回るのでおもしろかった。
 いつもの「カフェヴァジー」のお兄ちゃんが写っていた。

 明日は新聞休刊日だから、一応横浜ベイスターズの敗戦シーンを見ておくかと、T
Vのプロ野球速報関係を見ていたら、9回裏5点差をひっくりがえして、8対9。
さよなら勝ちしたという。
 信じられない。
 野球のこういう筋書きの無いドラマって、すごいなあ。
 でもこういう筋書きの無いドラマに匹敵する映画を作ってしまうジョージ・ルーカ
スはやっぱりすごいなあと改めて思った。
 ひさしぶりに寝つけないような映画を見れたことはうれしい。
 眠れるかなあ…。 


-(c)1999/SAKUMA-