5月27日(木)


 午前8時30分。表参道のロイヤルホスト。
『さくま式人生ゲーム2(仮)』のアイデア出し。
 絶好調〜〜〜〜〜!
 わっはっはっは! アイデア出しはここのロイヤルホストに限るね。完璧に自己暗示
のかかりやすいお店になって、ぽんすか、ぽんすか、アイデアがポップコーン炒ったと
きのように出てくる。
 もうここに住んでしまいたいぐらいだ。
 でも飽きっぽいから、毎日ここに来ると、出なくなっちまうんだなあ、これが。
 苦しい時の神頼みの場所としてキープしておかないと。
 食後、ちょっと散歩するが、やたらこまかい雨が降って来て、湿度が高くなってくる。
 身体が重くなってくる。

 午前11時30分。帰宅。
 税理士の赤根豊くんが来る。
 いろいろな仕事の打ち合わせ。珍しくここで書けないような話題。 
 私でも日記に書けないような仕事もけっこうあるんだなあと、妙なところで感心する。

 午後12時。赤根豊くんとの打ち合わせが終わったので、青山「穂積」にランチを食
べに行く。
 夜、値段の高いこのお店に、あの榎本45歳が10人以上の社員を連れて食べに来た
らしい。昨日土居ちゃん(土居孝幸)からも、この噂を聞いた。
 むむむ? 実は榎本45歳、最近思いきり儲かっているのでは?
 と思ったら、弟子の原口一也のホームページ日記に、榎本45歳がギャラを踏み倒さ
れた話が書いてあった。
 あいかわらず悲しいところで、タイミングの合う男だ。

 午後1時。食後、ルナ・アンジェロでコーヒー。
 赤根豊くんと、6月5日、6日の旅行の打ち合わせ。
 赤根豊くんとの旅だから、もちろん歴史の旅。
 旅行のプランを練るのが一番楽しいねえ!

 午後2時。プロスペックの江口貴博くんが来る。
 きょう、うちの家族はサザンオールスターズのコンサートに行くので、神宮球場の横
浜ベイスターズ対ヤクルト戦を見に行くことができない。今シーズン、横浜ベイスター
ズ観戦全部勝利と縁起のよい江口貴博くんに代わりに見に行ってもらうために、チケッ
トを渡す。勝ってくれよ〜。
 などと言いながら、いつも通り横浜ベイスターズ談義。
 おっと、サザンオールスターズの関口和之くんから電話。
「東京ドームの受付に、チケットを用意しておいたから」と、わざわざ電話して来てく
れたのだ。
 きょうこれからコンサートなんだよ。
 たぶん今、リハーサル中だと思う。
 すごいでしょ? 5万人の観客が待っているのに、バカ家族の席のことを気遣ってく
れるんだよ。
 しかもサザンオールスターズのコンサートといえば、1曲目から総立ちで、最後まで
立ちっぱなしなのは、有名。
 だから私は今回のコンサートは辞退していたのだ。まだ足が不自由なので、総立ちで
身体がぶつかってしまうと、カメがひっくり変えるみたいに転んでしまうんでね。
 ところが、関口和之くんが、わざわざ立たなくてもいい、スタンド席を用意してくれ
たのだ。
 こういう気遣いができる人がいるバンドが、サザンオールスターズなんだねえ。しみ
じみ…。

 私なんか、この2週間というもの、頭の中の98%ぐらいが、『さくま式人生ゲーム
2(仮)』のことでいっぱいで、人に気をつかう余裕なんて、まったく無かったよ。
 
 午後3時。『さくま式人生ゲーム2(仮)』の仕様書作り。
 今朝出たアイデアを清書する。
 あまりにも多く出たので、モーレツな勢いで、キーボードを叩き続けたら、酸欠状態
になってしまった! ふはっ! ふはっ!
 さっき反省したばかりなのに、もう誰にも気をつかわず、部屋にこもって、キーボー
ドを叩いていた。
 しょーがないやつだ。

 午後6時30分。東京ドームへ。
 巨人戦で見慣れているとはいえ、すごい人出だ。
 関係者受付から、裏口を通って、3階のスタンド席へ。
 野球でいうと、センターバックスクリーンのすぐ脇の席だ。
 なるほどここなら総立ちしなくても、よく見える。
 しかしうちのグルメ・バカ娘は若い頃から、こんな恵まれた席に座れちゃって、将来
の夢とか憧れがなくなってしまうのではないかと心配になる。
「おまえ楽しみなくなっちゃ…」
「あのステージに立ってみたいなあ!」
 げっ! ついにこいつ芸能界をめざそうとし始めたのか!?
「野球の選手になろうかなあ! 審判でもいいかなあ!」
 東京ドームなら何でもいいのか!
 やっぱり豪傑さんだ。

 それにしてもサザンオールスターズのコンサートというと、本当に芸能人がよく見に
来る。ちょっと見渡しただけでも、吉田照美さ
んとか、村上ポン太秀一さん、斎藤ノブさんといった顔ぶれが目に入る。
 しかしまあ、会場を見渡せる席だけに、壮観な眺めだ。
 歴史好きとしては、5万人の観衆というよりも、5万の軍勢に見えてしまう。
 ぷおーー! ぷおーー! 
 一応、法螺貝(ほらがい)の音ね。ぷおーー! ぷおーー!
 
 午後7時。コンサート開演。コンサート名は「セオーノ・ルーハ・ナ・キテス〜素敵
な春の逢瀬〜」。
 すごいなあ、桑田佳祐くん。あいかわらずサービス満点で、ステージをかけずり回っ
ている。とても土居ちゃん(土居孝幸)とおない年とは思えないよ。
 40歳以上があれだけがんばってるのを見ると、私もまだまだがんばらなきゃなあと
思う。
 どうもきょうは反省しきりだ。

 アルバム『さくら』からの曲を中心に、何10曲もぶっ通しで歌いまくる。
 一度下がって、アンコールで再び出てからも、3、4曲歌ってしまうんだもん、まい
った。
 とにかく映像ふんだん、花火どかーーん! ダンサーズの乱舞と盛りだくさん。
 王者がこれだけ盛りだくさんにするんだから、やっぱり『さくま式人生ゲーム2(仮)』
はもっと盛りだくさんにするかと、きょう何度目かの反省。

 午後9時30分。コンサート終了。
 近くのプリズムホールで、打ち上げ。
 なつかしい顔や、有名な顔やら、顔は覚えてるんだけど、名前が思い出せないスタッ
フなど、多数。
 200人ぐらいかな、いや300人いたかな。
 むか〜〜〜し、ラジオ番組でいっしょだった、音楽評論家の平山雄一くんに、10年
ぶりぐらいで会った。
 もはや押しも押されぬ大評論家のあの平山雄一くんだ。
「脱いでもすごいんです!」のCMのお姉ちゃんもいたような気がする。違うかな。
 引退した旭豊関もいた。
 まずは、関口和之くんにご挨拶。
 カズ坊(関口和之)とふたりでカメラに収まるのは、ひさしぶりで、なんだか照れく
さい。
『有限会社 桃太郎商店』のプロデューサーの牧さんがいた。  爆笑問題のふたりを連れて、挨拶していた。  ひときわ大きな人の輪の中に桑田佳祐くんがいる。  もう業界人が、桑田佳祐くんを奪い合いだ。  私も4〜5年ぶりに桑田佳祐くんにご挨拶。  忘れず覚えていてくれた。 「病気したって聞いたけど、大丈夫ですか?」  ありゃ、ありゃ。やっぱり一流はすごいなあ。  0、0何秒のあいだに、私に関する話題の拳銃をサッと抜き出してくる。  西部劇の果たし合いみたいだ。  すごいハヤワザだ。!  こっちが「コンサートよかったよ!」と言う前に気をつかわれてしまった。こっちは 拳銃に手を置いただけだ。  う〜〜〜、負けたあ。  情けないことに「うん、大丈夫。すっかり元気になったよ」というのが精いっぱいで あった。
   私はまだ、二流、三流、いや、五粒…五流と書こうとしたら、五粒と変換されてしま ったぞ。五粒というのが、妙に似合っていて、笑うに笑えないぞ!  きょう最後の反省だな。  午後11時。帰宅。  残念ながら、横浜ベイスターズは負けてしまったようだけど、きょうはたくさん勉強 をして来たから、いいや。  みなさんもごいっしょに、がんばりまっしょい! 


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