4月13日(火)


 朝から、ゲーム。しかも『さくま式人生ゲーム』だ。
 昨日嫁と話していて、おぼろげながら見えて来た内容を、自分のゲームをやることで
確認する。
 なるほど、なるほど。そういうことか。
 この作品は売れたことは売れたんだから、十分勝ち投手になっているのだ。でもどうも
私には、8対5の乱打戦で、なんとか勝利投手にはなれたけど、自責点5というのは気に
くわないのだ。
 がんばってゲームを作って売れなかった人には、もうしわけないんだけどね。
 自責点5を、0にしたいばかりに、新魔球の開発に夢中になっていたようだ。そんな夢
を追いかけるより、もっとていねいなピッチングと配球で、コーナーをつく投球をしたほ
うがいいということに気がついた。
 そんなわけで、この気持ちが続けば、GOサインが出るだろう。
 自分に厳しすぎると、よく人に言われるけど、凡人がここまで来れたのは、自分に厳し
くして来たからだとという思いこみがあるんでねえ。
『知ってるつもり』で言っていた、黒澤明監督の100万分の1も、自分に対して厳しく
ないと思ってるんだけどなあ。

 午前11時。新人漫画家・吉開寛二くんが来る。
 午前11時30分。近所の「ルナ・アンジェロ」で食事。
   もう2年前になるが、夏目房之介さんのお声掛かりで、出演したTBSテレビ『輝く日 本の星』で、決勝まで残った吉開かんじクンというと、覚えている人もいるかもしれない。  以前から何度も連絡は来ていたのだが、7月ぐらいから週刊連載が決まりそうだという。 本当は雑誌もわかっているんだけど、縁起担ぎでナイショね。始まったら教える。  こういう風に、プロをめざす漫画家が羽ばたく寸前を見ることができるのは、うれしい 限りだ。 『チョコバナナ』の投稿者たちはどうかな?  午後1時。帰宅。『さくま式人生ゲーム』の続きをやる。  もやもやしていたものが少しずつ、晴れ間が見えるように消えて行く。と同意時に、大 勝負に出ようかなと思い始める。    午後3時。嫁と、原宿、竹下通りあたりを散歩する。  午後4時。原宿「カフェ・ヴァジー」で、『チョコバナナ』投稿者・吉野桜風さんと打 ち合わせ。    午後7時。グルメ・バカ娘が合流して、私の最近のイチ押しのお店、西麻布の「内儀屋 (かみや)」で食事。  このところこのお店は大繁盛。いつ行っても、満席だ。  グルメ・バカ娘が「このお店もっと広ければいいのに」という。  そんなことは、このお店のオーナーが一番思ってるわい!  「あたしって、生意気な小学生だね!」  おお! ちゃんとわかってるんじゃないか!  えらいぞ、グルメ・バ…。  おい、おまえもう小学生じゃなくて、中学生だろが!  まったく。こいつ頭いいんんだか、悪いんだか、本当にわからない。豪傑さんなことは 確かだ。豪傑がマヌケな場合が多い。  午後9時。なんとか『古畑任三郎』の時間までに帰って来れた。  万が一のことを考えて、留守録もしておいた。でもきっちり1時間に設定していた。放 送時間は1時間とちょっとだった。なんという中途半端な番組なんだよ。  アリtoキリギリスの石井正則くんが、このあいだより出番が少ないものの、一生懸命 演じてる姿を見ると、うれしいと同時に、自分ももうちょいとがんばらなきゃなあと思う。  どうも昨年の横浜ベイスターズの優勝で、自分の夢はすべて叶ってしまったなあという、 満足感からどうしても抜け出せないのだ。  そのぐらい横浜ベイスターズの存在が大きかったことに、自分でも驚いたんだけど、腑 抜け状態から抜け出すのは、けっこう大変だ。  毎日そこそこ以上の仕事をこなしているので、傍目からは、とっても腑抜け状態には見 えないだろうなあ。  でもふと気がつくと、自分のまわりの人間ががんばっている。  そろそろ私もがんばらないとね。  ふてぶてしいわが子に、さらに美味しい物をたくさん食べさせてあげないといけないか ら。ちっとも説得力が無い。 


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