3月3日(水)


 京都で迎える、ひな祭り。
 さすが京都。ショーウインドウには、ひな祭りの人形やケーキが並んで、東京よりも、
ひな祭りを意識させられる。

 午前11時。ハドソンの浦さんが来る。
 さっそく昨日のメールを東京に送れなかった問題を見てもらう。
 ところが電気屋さんが来ると、調子がよくなる電化製品みたいなもので、浦さんが、
フロッピー・ドライブのコードを違う穴に入れ換えるだけで、フロッピーを読めるよう
になってしまう。
 なんじゃ、それ!?
 まだまだiMacは、不安定だといわれるのだが、不安定なのは、こっちなのだから、
iMacまで不安定では困りまんがな!
 だそうで、まずは一件落着。でもないらしいが…。

 午後12時。浦さんと恒例の北野天満宮の側にある「おひるや豆魂(とうこん)」
まで食べに行く。
 最近この店は大人気で、店内は満員で、相席になる。
 相席どころか、席に着いたとたん、もう後ろには5人以上のお客さんが、空席待ち
している。すごい人気だ。
 お店の人「テレビにでも取り上げられたのですか?」と聞くと、ちょっと前に出た
ことがあるけど、それより北野天満宮の梅の季節のほうが影響が大きいとのこと。
 そうだ、北野天満宮の梅の季節だ!
 食後、浦さんと行くのも、色気のないものだけど、せっかく梅の季節に来たのだか
ら、行きましょうと、北野天満宮へ。

 午後1時。北野天満宮梅園。何だかんだ言いながら、ここ3年ずっと、この梅を見
に来ているような気がする。まだつぼみの時もあるし、開花の最後だったりもする。
 きょうは、見事なまでに、満開!  梅の香りも、かなりの芳香。  浦さんも「梅がきれいだなあと思える年齢になってしまったんですねえ」という。 私なんぞ、5〜6年前から、すっかり梅とか桜が楽しみになってしまった。  例によって、午前中からずっと歩きながら、新作『桃太郎電鉄』の打ち合わせを浦 さんとしていたのだが、北野天満宮の近くの喫茶店で、綿密な打ち合わせを開始する。  年末発売予定の『桃太郎電鉄』は、かなり気合いの入った内容なので、新たな問題 が続々登場で、検討事項が増える一方なのだ。  何も知らずにいつもの『桃太郎電鉄』のつもりでやると、びっくりすると思うよ。  さらにポケットステーション対応の部分も作らないといけないし、ミニゲームも充 実させたいと思うと、とにかく大変!  午後3時。寺町電気街で、浦さんと、iMac専用フロッピー・ドライブを買い、タニ ヤマCゾーンの鈴木千華雄くんに会っていく。  昨日発表の『プレステ2』など話題になる。  これ以上容量が増えて行くと、個人のゲームデザイナーなど生まれる余地はなくな ってしまいそうだ。  午後4時。帰宅。なおも浦さんと新作『桃太郎電鉄』の打ち合わせ。今後の桃太郎 シリーズをどうするかを睨みながら、新作『桃太郎電鉄』を作らないといけないのが、 大変だ。  午後6時30分。浦さんと、子どもの頃のごちそうというと、すき焼きだったなあ という会話になり、三条木屋町の「モリタ屋」に行き、すき焼きを食べる。  通常なら三嶋亭なのだが、三嶋亭のご主人が亡くなったそうで、この3日間臨時休 業なのだ。面識は無いが、あれだけ利用しているお店なので、複雑な気持ち。  というわけで、きょうは「モリタ屋」に。  ここの肉は1枚が大きい。大きい肉のインパクトを考えると、新作『桃太郎電鉄』 もイントロにインパクトがほしいという会話に。  かなり美味しい。肉は微妙に美味しいより、大きくて美味しいほうが、お店の売り になることは確かだなあ。しかも三嶋亭より値段が安いという点では、京都でちょっ とした贅沢をしたい人には十分満足のできるお店だと思う。  午後8時30分。なおも場所を喫茶店に移して、新作『桃太郎電鉄』の打ち合わせ。 さらに今後の桃太郎シリーズの長期計画の話も。  その前に『桃太郎伝説』のディレクターズ・カット版を作りたいという話も出る。 これはすぎやまこういち先生にもリクエストされていたことだけに、できれば実現さ せたい。  新作『桃太郎電鉄』もあるし、『さくま式人生ゲーム2』もあるし、ちょっとどう していいかわからない状態。  午後10時。帰宅。まずはきょう打ち合わせした新作『桃太郎電鉄』の見直し部分 をまとめないといけない。  さらにまたこの日記が東京の嫁のほうに送れるのか、とっても心配。きょうまたダ メだと、週末まで日記はお休みかもしれない。  ということもみんなに伝わらないんだなあ。  うまく、また明日という風になりたいもんだ。

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