1月27日(水)


 午前10時30分。高円寺の整体さんへ行く。
 いきなり「風邪はもう治った?」と言われる。あれ? なんで風邪引いたの知ってるん
だ? 
 とうとう整体のお兄ちゃんも、インターネットを初めてしまったのだった。これはまい
ったなあ! なんだかいよいよふだん会う人が全員日記を見ていることになってしまいそ
うだ。
 今のところ、トラブルはまったくないんだけど、これだけ普及すると何だか怖い。

 午後12時。高円寺「薔薇亭」のランチ。ここのキャベツは絶品。
 いちいち「ランチは量が少ないけど、いいですか?」と聞かれるが、こっちには好都合。

 高円寺駅前のゲーム屋さんで『マリオ・パーティ』を買う。
 ポケットステーションは「昨日ならあったのに!」と言われる。
 食後、荻窪天沼界隈を散歩。荻窪近辺に40年以上いながら、歩いたことのない道を通
ったものだから、すごく新鮮。意味なくだらだら家並みを見るのが好きなのだ。

 午後2時。帰宅。いろいろ明日からの京都行きの前にすましておくことを、ちょびちょ
びと。
 メールしとかないといけないところやら、送っておかないといけない原稿やら、ぶっ通
しでワープロ。
 ハドソンの武田くんがわざわざ送ってくれた、ポケットステーションの資料を読む。先
日私が「ゲーム雑誌読まないものだから、ポケットステーションの知識がなくて」と言っ
たら、武田くんがすぐ送ってくれたのだ。
 正直言って、4〜5年前のハドソンだったら、こんなことをしてくれる人なんて、絶対
いなかった。
 100万本売れた時も、ひとこともなかったハドソンが…!
 中本常務が2年前ハドソンを変えてみせると言っていたけど、本当にハドソンは変わり
つつある。
 1昨年から桃太郎を担当してくれた梶野くんも素晴らしいし、こういう人たちが、桃太
郎プロジェクトを組んでくれるのは、本当にうれしい。と同時に、いいゲームを作らない
といけないなあと身が引き締まる。
 でもポケットステーションのスペックを覚えるのは、あいかわらずメカ音痴の私にはけ
っこうつらい。

 午後6時。1日1時間ゲーム宣言2日目。『ドカポン!怒りの鉄剣』をやる。ドカポン
までポリゴンつかっちゃってて、変! やっぱり何だかみんな無理して、ポリゴンにして
いるだけのような気がする。スーファミの時のキャラのかわいらしさがなくなっている。
 ギャグもすごく下品になっていて残念。私のなかではけっこう、ドカポン・シリーズは
高い方の評価だったんだけどなあ。

 明日から京都の予定だけど、今回はひとりで行くので、あまり美味しいお店にはいけな
い。
 そう思うと、無性に美味しいお店に行っておきたくなる。
 ということで、近所の最近わが家のイチ押しの日本料理のお店「穂積(ほずみ)」に行
きたくなる。
 でも「穂積」へは、今度グルメの師匠である、すぎやまこういち先生ご夫妻といっしょ
に行きましょうと約束していたので、勝手に行くわけにはいかない。
 でも行きたい。今年まだ行ってないし。ということで、嫁に、ダメもとで、すぎやま先
生のお宅に電話をかけさせる。
 すると運良くというか、こちらにわざわざ合わせていただいたのか、穂積に行きましょ
うということに。ああ、無理して電話した甲斐があった。…といっても、電話したのは、
嫁なんだけど。
 
 午後8時。青山「穂積」で待ち合わせ。すぎやまこういち先生ご夫妻。私、嫁、グルメ・
バカ娘のおなじみのメンバーが勢揃い。
 いつも先生に、美味しいお店を教えてもらってばかりなので、なんだか緊張する。先生
に教えて、ホメられたのは、なんたって、京都のお正月のお餅付きが一番だから。ホメら
れたお店の値段が無料ってところが情けない。
 まずはここ2日間の話題で盛り上がる。先生ご夫妻は、昨日が人形町喜寿司(きずし)
で、きょうの昼が、プティ・ポアンだったそうで、前から決まっていたローテーションの
なぜか1日前に、私と嫁が2件とも行っていたので大笑い。日記を読んでびっくりされた
そうだ。
 もう一度プティ・ポアンのうずら料理の美味しさと、バナナ・ムースのデザートの美味
しさを語り合う。
 さて、穂積のほうの料理は、かなりすぎやま先生のメガネにもかなったようで、ひと安
心。まだまだわが家族の味覚は未熟だから、不安なのだ。
 海老芋の揚げたものとか、サワラの西京焼きなど、いい仕事をしているお店とおホメの
言葉をいただいた。何だか自分のことのようにうれしい。
 松葉蟹のメスが出て、すぎやま先生の奥様は、さすがにこの蟹が成長しない蟹であるこ
とをおっしゃられ、京都の方では、俗称で呼ばれているということを話題に。さすがだな
あ。私なんぞ、ずいぶん小さい蟹だなあ。もっと大きければいいのにと、真っ先に思って
しまった。やっぱりもう少しウンチクを傾けられるようにならないといかんなあ。

 このお店自慢のおそばも出て、最後の葛切りは、先生ご夫妻から、京都の「鍵善良房
(かぎぜんよしふさ)」よりも美味しいという、最大級の賛辞をいただいた。
 これはすごいことだよ! 「鍵善良房」といえば、葛切りマニアのサザンオールスター
ズのベーシスト・関口和之くんが「まいった」と言ったお店だからね。そこより上の判定
が出てるからね。一番最初に「鍵善良房」よりここのほうが上だといったのは、グルメ・
バカ娘なんで困ったやつなんだけど。
 いやいや、すごい評価が出た!
『新春かくし芸大会』の10点、10点、10点、10点みたいだ!
 とにかくすぎやまこういち先生のカーナビに、このお店は登録されるそうだ。
 これで安心して、京都に旅立てる。何が安心してなんだか、自分でもよくわからないけ
ど。

 というわけで、明日から私は京都なんで、またしばらく日記はお休み。それじゃまた!


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