7月1日(水)


 午前6時起床。あ〜、眠い。
 バカだと思いつつ、朝のワイドショー前の番組のスポーツ情報を
はしごする。昨日のベイスターズの大逆転を噛みしめるためだ。つ
いでにビデオに録った『プロ野球ニュース』をもう一度見る。へっ
へっへ。気分いいなあ。本当にバカだ。

 午前中、ゲーム『虎十郎天下御免!』の原稿書き。
 午前10時30分。高円寺の整体さんへ行く。手首がだいぶよく
なってきたと言われる。といってもまだ何も持てない。
 お昼12時。中野へ行く。ブロードウェイのいつもズボンを買う
お店へ行くが、仲の良い人がお休みだったので、そのそばの梅家で
食事。ここは、お稲荷さん、おはぎ、おにぎり、あんみつといった
ものを売っている、いかにもの甘味屋さん。
 前からおいしいと思っていたのだが、きょうは特においなりさん
が美味しく感じられた。

 午後1時30分。帰宅。
『チョコバナナ』初の単行本『わるわ〜るど』の見本が届く。
 すごいね〜。とうとうやっちゃったね〜。『チョコバナナ伝説』
の始まりだ。
 午後2時。続々お客さんが来る。野沢ちゃん、土居ちゃん、タカ
ラの高田さん、小林さん、池田さん、小沢くん。
『さくま式人生ゲーム』の第1稿が出来上がって来たので、みんな
で見る。まだチューニングに入る直前のロムだということだ。
 ところがおもしろい。早くも遊べる。
 いちばん恐れていた盤ゲームの「人生ゲーム」と似ても似つかな
いと言われてしまうことだったけど、間違いなく『人生ゲーム』だ。
よかった。よかった。グラフィックはめちゃめちゃいい!
 次から次へと、『チョコバナナ』の投稿者の絵が登場する。
 これはまさしくチョコバナナ・ゲームだ。
 と言っていると、横山智佐ちゃんから電話「これからえのサンの
事務所に行くので、帰りに寄ってもいいですか?」。OK、OK!
 しばらくして、ひさびさに横山智佐ちゃんの登場。
 そういえばこの家は初めてだった。前より痩せてしまっているけ
ど、元気そうだ。『さくま式人生ゲーム』のえのクンを見て、大笑
いする。話題はやっぱり『ジャンプ放送局』のメンバーでラジオや
りたいねえという話になる。実際その話はしているところではある。
 
 忙しい横山智佐ちゃんは、次の仕事場に向かう。
 その後もみんなで『さくま式人生ゲーム』のテストプレイ。
 あれ? 前に見たミニゲームのグラフィックがどれも豪華になっ
てるぞ。おっ、幻の「がんばれ!風小僧」も入っている。『チョコ
バナナ』の投稿者が描いた女の子のパンチラが見えるミニゲームだ。
何たって16人分も入っているから、ボツにならないでほしいとは、
土居ちゃん(濡れ衣)。

 夜。みんなでちゃんこ料理屋「天海地」へ行く。
 土居ちゃんに、たくさんちゃんこを食べさせて太らせる。
 帰り道、ベイスターズ・ダイヤルに電話すると、すでに10対0
で負けている。ははは。さすがにきょうは無理だ。
 きょうこそ、佐々木様の休養日だ。
 私もきょうはゆっくり休もう。

7月2日(木)  お昼。青山キラー通りに新しく出来たハンバーガー屋さん「ホー ムワークス青山店」に行く。  最近青山、原宿では、フレッシュネスバーガーとか、高級ハンバ ーガー屋さんがじわじわ増えていて、いずれもおシャレで、ちょっ と値段が高い。  午後1時。レイアウターの野沢ちゃんが来る。 『チョコバナナ』16巻の漫画部分指定開始。まだどの作品を掲載 するか決定していないが、必ず載る作品から先に作業開始。 『チョコバナナ』投稿者・藤川かつらサンが来る。16巻用の『た すけて!福助!!』が完成する。引き続き『たすけて!福助!!』の強 化トレーニング。かなり高度。藤川かつらサンは厳しく育てないと、 漫画界にとって、もったいないからね。  午後2時。ぶんか社の西永くんが来る。  新雑誌を企画中だというから、すかさず『チョコバナナ』をやろ うよとそそのかす。ゲーム4コマ本でもいいぞ。来年から『チョコ バナナ』のメンバーに他流試合を経験させたいのだ。  午後5時。講談社の山畑雅夫が来る。週刊モーニング編集次長。 実は私の高校時代の同級生。  さすが山畑だ。しっかり『チョコバナナ』を読んでくれている。 『虎十郎天下御免!』『夢追い絵師』『青春番長』に将来性を感じ るという。即戦力ではなく、将来性というのが、いかにも山畑らし いチョイスだ。確かに時間がかかるタイプばかりだ。    午後6時。山畑雅夫と天現寺の「プティ・ポワン」に行く。 初めてこの日記でプティ・ポワンの文字を見て「すげー!」と叫ん だら、相当な食い道楽。  フランス料理業界では有名すぎるお店だ。  この日記をずっと読んでいる人にとっては、「プティ・ポワン」 のオーナーは、私のグルメの師匠・すぎやまこういち先生と毎年、 京都でごいっしょさせていただく、北岡さんご夫婦ということにな ってしまうが、北岡さんはフランス料理界の巨匠だ。  わかりやすい形容でいうと、本当の鉄人は『料理の鉄人』に出て 来ないってことかな。そのくらいすごい人だ。  で、きょうは何で山畑雅夫といっしょに来たかというと、実は 北岡さんの息子さんが講談社の社員で、ずっと山畑の部署にいて、 すごくよく知ってるというので、紹介しようということに。もちろ ん味のほうが第一の目的なんだけどね。山畑に聞いたら、北岡さん の息子さんはすごく将来を嘱望されているホープだそうだ。  縁て不思議なもんだねえ。北岡さんの息子さんが、講談社で山畑 の後輩で、北岡さんを紹介していただいた、すぎやまこういち先生 は、私と山畑雅夫にとって、高校の先輩ということになる。  それにしても相変わらず、どの料理もべらぼうに美味しい。  みんなにとっては一生に一度行ってみてねランクってやつかな。  もしお金持ちの人がこれを読んでいたら? あんまりいないか? 一応そういう人のためにメニューを紹介しましょう。    ・ミリン米とマグロ漬けサラダ    ・炭火焼きしたフォアグラのテリーヌ    ・小子内浜のウニと冷たいヴィシソワーズ    ・たらば蟹の軽いパート包み焼き    ・子羊のピカタとオーストラリアンリーフ    ・本日のデセール    ・珈琲  ああ、書いているうちにまた食べたくなってしまった。   でも5年前だったら、まったくこのメニューの名前がちんぷんか んぷんだっただろうなあ。  私の食い道楽も、実はまだここ5年間ぐらいなもんなのだ。  帰宅後、ついにスカイ・パーフェクTVでベイスターズ対広島戦 を見ることができた。しかし9回裏2死満塁で、ローズ様が三振。  う〜〜〜。く・や・し・い。  きょう勝つと優勝に一歩大きく前進できたんだけどなあ。  まあ終盤追い上げるようなチームになったことを喜ぼう!  ところで、インターネットの世界では、「バナー」というものが あるらしい。嫁に見せてもらったのだが、洋服のタッグみたいなや つだ。ああ、そうか。みんなはこの日記を読めるくらいなんだから、 バナーっていうだけでわかるんだったよな。わからないのは私だけ だった。はっはっはっ。  で、嫁からの伝言で、嫁のメール友だちがバナーを作ってくれた ので、いる人は持って行ってくださいとのことです。 「いる人」って、どういう意味なんだろう?  まあ、これもみんなのほうがよく知ってるんだろうな。  それより、お〜い、嫁! その友だちの名前を書いてくれないと、 お礼が言えないじゃないか〜。  とりあえず、友だちさん。ありがとうございます。
※さくま嫁:ろんサン、どうもありがとうね!
7月3日(金)  午前中『チョコバナナ』16巻の編集作業。  お昼。赤坂の津つ井で岸本さんと待ち合わせ。  岸本さんは、インターネット上で、オムライスのホームページを 開いている人。最近すっかりネット・サーファーとなってしまった 嫁が以前から、この人すごい、すごいを連発していて、例によって、 プリント・アウトしてもらって、何件かオムライスを食べに行って いた。  岸本さんはラーメンで『TVチャンピオン』にも出ているそうだ。  そのうち嫁が「書き込み」とかいうやつをやったのかな?  またインターネットのことになると、結びつきを説明するのが難 しいぞ。いまわかりました。  メールを送ったそうです。    そこでお互いの素性がわかって驚いた。  岸本さんというのは、ナムコの人で、なんとあの『ファミスタ』 生みの親だったのです。ゲーム通の人に聞いたら、まさしく『ファ ミスタ』といえば、岸本なのだそうだ。まったく私はゲーム業界に ついてほとんど知らないので、とんでもない偶然となってしまった。  というわけで、一度会いましょうということになって、きょうの 津つ井での待ち合わせということになる。ふう。長いイントロだ。  赤坂の津つ井は、洋食屋さんとしても有名なお店。  本来はオムライスの話で燃えるはずだったのだが、野球と歴史の 話を始めてしまったら、珍しく私が饒舌になって止まらなくなって しまった!  何たって、お城の名前を注釈をまったく入れずにしゃべれる相手 に会うなんて、本当にひさびさ。 「京都の伏見城は、いかにも秀吉らしくていいと思いません?」  なんて言われると、ぞくぞくしてしまう。  変態同士がその趣味をついに告白したみたいだ!というと、どー もたとえが悪すぎる。  さらに野球の話をすると、2軍選手の名前を出してもわかっても らえる。こんな人に会うのは、プロ野球業界の人に会って以来だ。  すごいや。すごいや!  野球と歴史の話をして、私よりも詳しい人に会えるなんて! 『ドラゴンボール』の悟空が、強敵に会ってよろこんだみたいだぞ。  食後も近くの喫茶店に場所を移して、野球の話に熱中。  すっかり嫁をそっちのけにしてしまった。ゴメン。  ダメだよ。横須賀の隣にある追浜球場まで、ベイスターズの2軍 戦を見に行くような人が目の前にいたら。岸本さんはいろんなチー ムの2軍戦をよく見に行くそうだ。  すごいや、すごいや!  3時すぎ。嫁が近視手術の検査で、病院に行かなければならなく なって、会話はストップ。はっはっはっはっは。  このまま『朝まで生テレビ』になってしまうところだった。  それにしても世の中には凄い人が、まだまだたくさんいるもんだ なあ。うれしいなあ。  午後4時過ぎ。錦糸町の錦糸医院へ行く。  病院なので、待たされること、待たされること。  嫁の検査が終わったのは、なんと6時過ぎ。  駅まで歩いて、千駄ヶ谷駅からまた歩いたら、きょうのあの熱中 病で死者まで出た暑さ。  家の手前でついにダウン。  喫茶店で、涼む。口パクパク。  午後7時。喫茶店の前の居酒屋「ぎっちょん」で食事して帰宅。  そのままベッドにばたりで、寝てしまった。  ちゃんとテレビ神奈川のベイスターズ天国だけは見たけど。
7月4日(土)  午前中。弟子の原口一也からFAX。このあいだ原口に会った時、 原口の日記にいつも出てくる、焼き肉の「ねぎし」が気になって仕 方ないということを言ったら、「ねぎし」のMAPを送ってくれた。  それじゃあ、さっそく行くかと、新宿へ。  お昼。「ねぎし」は新宿だけでも5〜6件あるようなので、西口 電気街の「ねぎし」へ嫁と行く。原口は「W(ダブル)ねぎし定食」 だろうな、などと言いながら「ねぎし定食」を注文。  たん焼、とろろ、麦めし、テールスープ、お新香で860円は安 いなあ。味もいい。麦めしも卵の加減がほどよい。  美味かった。また行こう。  帰りに「MacのG3でも買うか」などと言っていたのだが、あま りの暑さに京王デパートで、娘の昼飯を買って、速攻で家に帰る。  午後1時。『さくま式人生ゲーム』のテストプレイを始める。  おもしろいや! 無責任な感想だけど、想像してたより、何倍も おもしろい! これは行けそうだぞ! 前半のチューニングは快適 なので、後半のチューニングをどうするかが課題。  それぞれのイベント、ミニゲームなどは良好。  何よりゲームの雰囲気が明るくていい。  先頭のプレイヤーがあと1マスというところで、バグった。 惜しい! でも3人プレイヤーで、プレイ時間2時間とちょっと。 まさに理想型だ。この調子で、こまかいチューニングをして行かな きゃ。  これからが本当は大変なんだけど、まずは原型がしっかり出来上 がったので、肩の荷がすーっと降りた。『怪物パラ☆ダイス』の あの悪夢を見なくてすみそうだ。  午後6時。元麻布の「内儀屋(かみや)」に初挑戦。  少し早く着いたので、界隈を散歩。実は11年前、あの『桃太郎 伝説』はこのへんで製作していたのだ。当時はまったくお店など まったくない淋しい住宅地だったのに、今ではデザイン会社、フラ ンス料理のお店、陶器のお店とかたくさんあって、当時の面影が全 然感じられない。  けっきょくあまりの猛暑に、気持ち悪くなって来て、製作現場を 発見することができなかった。 「内儀屋(かみや)」は、おしゃれな日本料理のお店で、店内には いい器が多く飾られている。  地下のカウンターで食べるというのも、一風変わっていておもし ろい。味の方も、じっくり手の込んだ料理ばかりで、なかなか。私 と嫁の評価は非常に高かったのだが、グルメ・バカ娘の評価はまあ まあと、珍しく意見が分かれた。  食後、少しだけ暑さが和らいだので、六本木方向へ歩くと、あり ました! 江戸川乱歩の小説に出てきそうな、ぼろぼろの家が!  ここが『桃太郎伝説』誕生の地だ! 懐かしい!  病院を改造した家で、広告代理店の持ち物だったので、ここを借 りて、ファミコン版の『桃太郎伝説』を作ったのだ。糸井重里さん に初めて会ったのもここだ。ゲームをホメてもらった。ファミコン 版の『桃太郎電鉄』もここで作ったんだっけ。『忍者らホイ』も途 中までここだ。今も昔テレビで『桃太郎伝説』が出来るまでという ドキュメント番組を見たことがありますよと言われることが多いの だけれど、その撮影現場もここだった。すごい場所だな。  暗くてよくわからないけど、どうも廃屋のままのようだ。  このままずっと残っていてくれないかな。  帰宅後、スカイ・パーフェクTVでベイスターズ対ヤクルト戦を 見る。完勝! ベイスターズの連打、連打で、安心して見てられる 試合は本当にひさしぶりだ。佐々木様もブルペンに行かず、ベンチ で楽しそうに観戦。いいなあ。  夜、鍼灸師の弓削くんが来るので、8対0のところで、風呂に入 る。余裕だぞ。
※さくま嫁:試合結果は9対Oでベイスターズの勝利でした。
7月5日(日)  昨日プロ野球ニュースを見ていたら、ダイエーの王監督が「昔の マスコミのほうが選手やチームに対して、好意的だったような気が する」と言っていた。  ビートたけしサンから始まった「毒舌」も、真似たマスコミの人 たちの言葉は「毒舌」ではなく「悪口」の場合が多い。  最近のサッカーといい、芸能人に対するワイドショーといい、マ スコミは悪口を言うことが「勇気」と勘違いしているような気がし てならない。  マスコミにいる人間として、気をつけて行きたい。   午前中。『チョコバナナ』16巻の編集作業。  漫画のふきだし部分のチェック。漢字が間違っていないか、改行 をどこで切ったらいいか、ひとつひとつ点検。  そろそろ『チョコバナナ』の投稿者にふきだしの書き方も教育し ないとな。でもわずか2年とちょっとで、こんなこまかい部分への アドバイスができるようになるなんて、うれしいかぎりだ。  お昼。新宿のおそば屋さん「たけがみ」が赤坂に移ったので行っ てみる。ところが「無休」とあったのに、お休み。ありゃりゃ。  仕方なくTBS前の「K」で、乾ききったパンのサンドイッチを 食べて、旭屋書店で本を買い、娘と帰る。嫁は趣味の着物屋に寄る。  帰宅後、再び『チョコバナナ』16巻の編集作業。  すでに必ず載る漫画13本が決定した。あとの3本ぐらいが未定。 10日の締切りまでに来る作品と戦って、勝てば載る。全部載せれ ばいいんだけどねえ。ページ数は赤字増幅のごちそうだからなあ。  夕方。『さくま式人生ゲーム』のテストプレイ。  テストプレイ2回目にして、早くも問題点がはっきりしてきた。  早く直したい箇所がたくさんある。こういう時は気分がまだ楽。 そのうちこの日記を書くこともできないくらいテストプレイが大変 になるかもしれない。今のところは順調。  夜。家で食事。  仕事しようと思ったが、スカイ・パーフェクTVで、きょうもベ イスターズ対ヤクルト戦がある。予想はしていたが、スカイ・パー フェクTVは、仕事の妨げになるなあ。  1対0で負けていたので、ついついご飯を食べらがら「行け!」 「よーし!」と突然叫ぶから、娘がいつも驚く。すまんのー!  そして6回。一挙1回9点の猛攻で大逆転!  まったく今シーズンのベイスターズは、ホレボレする。  嫁に「もう快勝なのに、まだ見るの?」と言われる。  わかってはいる。でも負け根性のしみついたチームを応援するフ ァンは、こんな展開はめったにない至福の時なのだ。ベンチの選手 たちの笑顔を見て、ブルペンで投球するリリーフ陣を見て、バック スクリーンの点数を見て、しみじみよろこぶのだ。  最終回うちの野村投手がかなり打たれるが、余裕。余裕。  気分がいいなあ。野球ニュースをはしごしながら、仕事しよっと。
7月6日(月)  午前中。『さくま式人生ゲーム』の原稿書き。  お昼。新宿のおそば屋さんに行ったら、閉店。やっぱりなあ。最 初の頃お水が出なかったのが、すごく嫌だった。お客のこと考えな いと、こうなるよなあ。  というわけで、有名な「追分けだんご」に行ってみる。確かご飯 もあったはず。お昼の膳というのがあった。きしめんに、竹の子、 おこわご飯、ちゃんと草団子も2個付いている。  午後1時。中尾淳が来る。明日から私と中尾淳は、福岡、大阪へ 行く。  レイアウターの野沢ちゃんが来る。  中尾淳と『さくま式人生ゲーム』のテストプレイ。  午後2時すぎ。増田景子さんが来る。  早くも『さくま式人生ゲーム』の手直し部分を検討する。  午後3時。宮路一昭くんが来る。  宮路一昭くんと中尾淳で『さくま式人生ゲーム』のテストプレイ。  わざとチューニング狂うやり方をしてもらったので、ゲーム内容 はムチャクチャ。それでもけっこうおもいしろい。机の上で作った おおよその数値のわりには、一発でよくこれだけ遊べるものだと、 妙なところで感心する。  午後6時。ムサシノ広告の伊東正義が来る。  原宿の「鳥良」で食事。グルメ・バカ娘は、きょうの親子丼はい つもより味がいいとうるさい。おなじ親子丼でも、私のより娘のほ うが美味しいという。  本当だ。恐ろしいガキだ。食い物に関してだけ。    午後9時。赤坂のTBSラジオへ。 『アリTOキリギリスの げーむ じんじんじん』に出演。放送日 は13日月曜日の深夜24時30分。  一応、桃太郎のRPGとまでは言ってもいいけど、『桃太郎伝説』 とまでは言ってはいけないというので、気をつけたんだけど、つい 話の流れから『桃伝』の料亭いしいと言ってしまった。『桃伝』は いかんよな〜。たぶんここはカットだろうな。約10分間の出演な ので、あっという間に終了。  それにしてもTBSまでタクシーで10分と近いので便利だ。  今年はこれからもいろいろとラジオ番組には多く出る予定らしい。 ラジオは楽しいので、いくつ来てもいい。   さて、またまた明日から旅行なので、この日記は1週間お休みで す。本当によく旅行しているなあ。今回は福岡と遠いので、寄り道 が難しそうだ。暑いしねえ。かなりへばってきてる。まあ、何が起 きるかはお楽しみに。それでは!
7月7日(火)  午前10時すぎ。嫁、鞄持ちの中尾淳の3人で東京駅へ。  午前10時30分。八重洲口の光澤堂眼鏡店で、眼鏡を受け取る。  トレードマークの太い縁の眼鏡から、縁の薄い遠近両用眼鏡にチ ェンジ。そろそろこういうイメージもいいだろう。  午前11時。高島屋デパートの食堂ででも食事するかと見たら、 目の前に丸善書店が。ここの丸善といえば!  日本最初のハヤシライスがある場所ではないか!  その昔『ジャンプ放送局』の「リットン調査団」で覚えている人 もいるだろう。  丸善の初代社長さんが、早矢仕有的(はやし・ゆうてき)さんと いう人が始めたせいで、ハヤシライスという名前になった。  この本屋さんの屋上に、ゴルフ練習場と、スナックがあって、こ のスナックでハヤシライスを食べることができる。  店の名前をいくら見ても、スナックとしかない。  スナックという名前なのだろうか? 「ハヤシライスはなくなり次第終了です」の張り紙があるので、こ の店に間違いない。  さて、ハヤシライス900円を食す。  こてこての甘ったるいレトロ味を想像していたのだが、意外とあ っさりしてマイルド味。これは絶品だ。旅行前に必ずここに寄って しまいそうだ。ハヤシライス食べて、階下で本を買って、新幹線の 中で読む。最高の旅だね。  午後11時56分。嫁とは別れて、私と中尾淳は500系のぞみ で、一路福岡へ。本当に一路だ。  車中では『さくま式人生ゲーム』の手直しと『虎十郎天下御免!』 のアイデア出しを交互に。 『チョコバナナ』16巻のおおまかなページ割りも作る。 『さくま式人生ゲーム』のほうで直したい部分がたくさん出てくる。 いいことなんだけど、納期を横で睨みながら直さないといけないの で、けっこう大変だ。  5時間ぶっ通しの仕事場はとても快適。    午後4時45分、博多に到着。  博多の町は年々活気に満ちてきているような気がする。  世界都市・福岡を叫び初めてから、ずいぶんたつが確実にその道 を歩んでいるような気がする。  午後5時。キャナルシティのグランド・ハイアットホテルへ。  もはや博多に泊まるなら、絶対ここというくらい、繁華街に近く て、豪華。豪華のレベルも相当なもの。この冬、ハドソンの高津く んが「映画なんかでこういう部屋を見ることはあっても、自分がこ うして泊まるとは思わなかった」という名言を残したホテルだ。  午後6時。待ってました! 行きますよ。「いけす河太郎」へ。  このお店は私が20年間かかさず通う、大好き中の大好きなお店。 そう。この日記を読んでいる人なら思い出したはず。  今年の冬。ハドソンのご褒美旅行で、男ばかり11人で来て、あ の榎本44歳が夢にまで見たイカを食べるはずだった、あの店です よ。「海が時化たら、イカの活き作りはないですよ」といつも言わ れながら、20年間一度もイカがない場面に出くわしたことがなか ったのに、榎本44歳がいっしょに行ったとたん、時化でイカが不 漁になったあの店ですよ。  あの衝撃的な事件のせいで、ものすごくひさしぶりに来たような 気がする。
 さて、今回の旅から、中尾淳がいっしょでも値段の高い物を食べ てもいいというお許しを、嫁からいただいたので、7000円の会 席コースを注文する。まだ嫁に遠慮があるのか、1万円のコースは やめる。1万円はちょっと味音痴の中尾淳にはもったいない。  まずはイカの活け作りから。おや? う〜ん? いつもの冴えが ないなあ。また私の口がおごったのかなあ。なんか味がいまいちだ。 板場でベテランの人がやたら若者を叱っている。そのせいなのかな あ。聞いたら、ブドウイカという品種だそうだ。始めて聞く。この 店はいつもその季節の旬のイカを出すことになっている。でも素人 にその品種を見ただけで当てることはほとんど無理。  それかいつもこの店に来るときは、冬だからかな。イカは冬のほ うが似合う気がする。  ヒラメのお刺身はまあまあ。  アラに煮染めは美味しかった。冬来た時もこれがいちばん美味し かった。忘れないようにしよう。  隣で、中尾淳がおばさんに「この魚はカレイですか」とヒラメを 指さして聞いている。アホなやつめ。わずかながら、ヒラメの刺身 に「えんがわ」が二切れほど入っていた。案の定「えんがわって何 ですか」とまたおばさんに聞いている。やっぱり知らぬな。ならば 二切れともいただいてやる。わっはっは。こんな美味しい部分を知 らないなんて、中尾くん、かわいそー! どーせ味がわかんないん だろうけど。ミスター・コンビニ食だからな。  食後。きょう1日新幹線に乗っていただけなので、どこかに行き たくなった。そういえば福岡ドームをまだ見ていない。  午後7時。ホークスタウンへ。  きょうはダイエーの試合がないので、人っこひとりいない。  ケンタッキーとか、バーガー屋さんはどこも手持ちぶさたでひま そう。試合のない日は休まないのか。見るところがないので、その まま隣接のホテルシーホークへ。  かなりバブリーなホテルなので、ところどころの大げさな調度品 に苦笑が漏れる。ティーラウンジなども古い大きな海図を展示した り、洋書を何100冊も壁に敷き詰めたりして、ちょっと滑稽。  紅茶を頼むと、長いドレスの女性がひざまづいて、ポットの紅茶 をいれてくれる。顔を紅潮させてその光景を見ている中尾は笑える。    ホテルからホテルへタクシーで戻る。  中尾淳は、夜の博多の町へ繰り出す。  私はホテルに戻り、テレビのスイッチを押すと、なんと!  あの佐々木様が打たれた!? 阪神に? ええっ!!!  連続セーブが途絶えただけでなく、逆転負け?  きえーーい! こんな場面なんて想像してなかった!  しかも打たれた場面も見ていない。  私が早くホテルに戻って、念を送っていれば、こんなことには!  嗚呼! しばし呆然とする。    寝る。  眠れない…。
7月8日(水)  前夜の佐々木様逆転負けのショックか、寝付けなかったあげく、 午前4時に目が覚めてしまう。  情けない性格だ。そんなにベイスターズが好きか! はい、好 きです。バカだなあ。  テレビで思わずサッカーW杯準決勝ブラジル対オランダを見て しまう。途中うとうとしたりしたのだが、けっきょくは寝不足ぎみ。  午前8時すぎ。ホテルで食事。  午前9時30分。石城(せきじょう)町の福岡コミュニケーシ ョン・アート専門学校へ。  開校2年目だけに、校舎がきれいだ。  いつも思うのだが、TCAグループの設備はうらやましいかぎ りだ。学生の頃この学校があったら、バンドの練習場所に困らな くてすんだろうなあ。重いアンプを担いで電車で30分、歩いて 20分かけて、毎日練習に行ったことなんて、全然美談になりそ うもない。  午前10時30分。授業開始。  あらかじめ質問事項を書いていてくれたので、話しやすかった。  その後も挙手による質問がたくさん出たので、うれしい。  質問は生徒の熱心さのバロメーターだ。  あとで担当の先生にも聞いたのだが、今年の1年生は非常に熱 心とのこと。東京校も、大阪校も、熱心な生徒ばかりだ。  不景気になると、自由業に逸材が出るの伝説は生きているのか もしれない。  けっきょく予定の時間を1時間近くオーバーして終了。  午後1時30分。博多駅へ。寝不足と、講義の疲れがけっこう 出たので、恒例の寄り道旅行を中止して、京都へ向かうことにし た。  とにかく博多もむせかえるような暑さで、アスファルトがむわ 〜んと音を立てているようだ。  それでも博多の町のそこらに祇園山笠の大きな山車が置いてあ って、祭りはまだなんだけど、得した気分。
 博多駅に着いて、忘れず行った場所は、駅の商店街。  松露(しょうろ)まんじゅうのお店。ここは焼きたての松露 まんじゅうを売ってくれるので、必ず寄る。  はふはふ。美味しいなあ。  いつもお世話になっている京都のマンションの管理人さんに、 この松露まんじゅうを買っていく。  地下の食堂街で昼御飯。  昨日のイカの活き作りがいまいちだったので、地下のお店「T」 でイカの活き作りを注文する。やっぱり昨日の河太郎のほうが何 倍も美味しいや。  午後5時すぎ。京都着。  午後6時すぎ。最近ごひいきのオムライス専門店「ルフ」で食 事。ここはいろんなオムライスがあるので、毎回違うものを食べ てみる。きょうは、カレーオムライス、850円。ビーフカレー &オムライス。これはいけた。  ビーフの味がしっかりしてるし、カレーも手を抜いていない。  ちなみに旅行ファンのために、きょう計画中止になった寄り道 旅行をおつたえします。  福岡から広島に行って、広島から呉へ。広島に戻って、お好み 村へ。翌日、錦帯橋で有名な岩国へ行って、徳山に出て、京都へ。 出来れば途中、柳井か大竹に寄ってみたかった。  いつかまたコースにチャレンジするぞ。  何たって、私は元デブだから、暑さには滅法弱い。  倒れたら、どーしようもないので、休養する。  食後もマンションに速攻で帰り、ベイスターズ対阪神戦をテレ ビ観戦。必死に念を送り、佐々木様を応援する。  よーし、勝った! 昨日のことが尾を引かなくてすんだ。  明日もベイちゃんは、大阪ドームで対戦か。近くにいるんだなあ。 行きたいなあ。
7月9日(木)  午前9時。ブライトンホテルへ行く。  ここのホテルは現在京都で料理がいちばん美味しいと評判だ。  美味しいのは夜のほうなのだろうが、ここの朝粥定食は、京都ホ テルと並んで、マイブーム・朝がゆの部(いつ出来たんだ、そんな もの)1位を争っている。  京都ホテルの朝がゆと違うところは、お粥にお好みで「とろみ」 をつけることができるところ。これがいい。老舗中の老舗で、朝粥 といえばな瓢亭(ひょうてい)の「とろみ」みたいなのが付いて来 る。ただホテルだから、やっぱり2500円と、ちと高い。  さて、食後。伏見桃山城へ向かう。  午前11時。桃山城着。
 実は現在製作中のゲーム『虎十郎天下御免!』の最終面で、お城 を出したいなあと思っていて、どこかのお城をモデルにしたかった のだ。姫路城にしようかなとは思っていたのだが、先日『ファミス タ』の作者・ナムコの岸本さんが「伏見桃山城ってきれいですよね」 と言っていたのを思い出しので、まずは行ってみることにした。  もちろんすでに何回か行っているのだが、ゲームにしようと思っ て行くとまた見方が変わるものだ。  伏見桃山城は、豊臣秀吉が築いた城なんだけど、私の知識では、 関ヶ原の合戦の時、燃えて落城している。だからあとから建てたい いかげんなものだと思っていたのだが、昔のお城を昭和年代に復元 したそうなので、そのまま味わえばいいようだ。  ゲーム的には、ちょっと五層の城の脇にある、三層の城がジャマ で、MAP作りにつらいなあ。  グラフィックの参考にするには、すごくきれいな城だ。  娘の夏休みに、姫路城に行く予定なので、そっちと併せて検討し てみようと思う。  さて、お城のなかの年表を見ていると、またまた私の「信長暗殺 秀吉陰謀説」を裏付けるような記述が…。歴史学者なら「それがど うした」というようなこじつけだけど、私には電流が走った。  1852年6月・本能寺の変。  このあと秀吉くんは、明智光秀を山崎の戦いで破ったのだが、 その翌月の7月に、あの有名な太閤検地をすでに実施している。  これってやっぱり秀吉くんが天下を狙っていた証拠なんじゃない かなあ。どうも明智くんを倒してからの行動が迅速すぎる。  信長がいるかぎり、自分は天下が取れない。  自分が信長を暗殺すると、世間が味方してくれない。  そうだ。明智くんなら、いつも信長様にいじめられてるから、 明智くんをそしのかして、連立内閣を作ろうと持ちかける。  見事信長を倒した明智くんは、中国地方から戻った秀吉くんと合 流しようとしたら、秀吉が戦をいどんでくるではないかいな。 「そりゃ約束が違うじゃないか、秀吉くん!」  と、明智光秀が叫んだ時には、すでに遅し。  これが私の「信長暗殺秀吉陰謀説」だ。  いちばん信長にかわいがられていた秀吉は、信長のことを嫌って いたと思うんだ。嫌っていたから、それを悟られないように、気に 入られるようにふるまっていただけなんだと思うな。  あっ、この話始めると止まらなくなるから、タクシーに乗って、 寺町の電気街へ行く。  と思ったら、タクシーが運良く途中、東福寺の側を通ったので、 降ろしてもらう。土淵とうあん(OS8になったら、漢字が探せな くなった)で、抹茶が飲みたくなったのだ。  器を買いによくここへ来るのだが、発端は昔うちのグルメ・バカ 娘が小学校に上がった頃、この近くでトイレに行きたくなり、住宅 地でトイレがなく、仕方なく入ったのが、この土淵(つちぶち)さ ん。実はここが有数の有名な器の店と当時は知らなかった。  以来、器を買ったり、お茶を飲みに立ち寄る。 午後12時30分。寺町の電気街で、LDの安売りをやっていたの で、10枚ほど買って、錦市場へ。  午後1時30分。焼きあなご専門店「まるやた」で昼食。  穴子寿司、穴子キュウリ巻、共に1850円。  そーめんのお吸い物が付いて来て、これが冷たくて、いかにも 「涼味」といった感じで美味しい。これは夏はいける味だ。  ここのあなごは、甘味が強くなくて、いくつでも食べられるおい しさだ。ただ店員が暗くて、しゃべるのがそんなに嫌いなのかと思 うほど、愛想が悪い。お父さんはハンサムで、にこにこしているん だけどなあ。そういえば若者って愛想笑いが下手だよなあ、中尾淳 くん。相手をせせら笑っているように見えるぞ。  午後2時30分。京都のマンションで休む。中尾淳は大原の里ま で行くと言っていた。今からか!?  午後5時30分。案の定、中尾淳はまだ大原の里にいる。  だから言っただろうが!  若者は仕事とあそびの区別がつかないからなあ。  まあいいや。放っておこう。  午後7時。中尾淳から電話。「いま京都に付きました」と必死の 声。そうなのである。7時までにと言っておいたのである。  最近ヘマの連続というより、気配りがまったく出来ないので、そ ろそろ鞄持ちのバイトを解雇しようと思っていただけに、首の皮1 枚じゃの〜、中尾!  午後7時30分。初めてのお店「忘吾(ぼあ)」に行く。  この店は、我が家でも評価の高い「鹿ヶ谷山荘」の姉妹店だとい うので、けっこう期待していた。  結果! ひさびさの大当たり!  本当に美味しいお店とおいうのは、言葉でそのおいしさを伝える のは、非常に難しい。名人の技は、表面では何の変哲のないものが 多いからだ。  というわけで、はも落とし、鮎の塩焼き、穴子のけんちん汁と、 ネタで驚かすのではなく、どれも素直な味で勝負しているところが お見事。最近のバロメーターとしては、本来鮎の塩焼きが嫌いな私 が、食べられてしまうお店は美味しいお店だ。このお店で3件目。 ひとつは、東京イセタン7Fの正月屋吉兆、もうひとつはご存知、 グルメ・バカ娘絶賛の、京都「M」である。  これは早く家族でもう一度来なければ。木屋町三条と、京都のマ ンションから歩いて行けるのも、ポイントが高い。  ベイスターズも快勝! やっぱり大阪ドームまで見に行けばよか ったかなあ。  それより美味しいものを食べたあとの、ベイちゃんの勝利ほど、 格別なものはない。
7月10日(金)  午前9時。イノダ・コーヒー本店で食事。  午前10時。京都文化博物館。「越前朝倉氏・一乗谷」展の初日。 室町時代から戦国時代にかけての名家・朝倉氏の本拠地だった一乗 谷の遺跡調査40周年記念とかいう展示。  戦国マニアなら、大喜びしそうな企画。  もちろん私は大喜び。さらに初日の朝一番目だったので、ガイダ ンスのお姉さんがいちいち全部説明してくれたので、すごく得した 気分。何でも福井県一乗谷に、発掘中の遺跡が徐々に復元されてい るというので、行かなければ。今年福井に行った時、一乗谷は素通 りしてしまっている。  それにしても朝倉氏が織田信長に滅ぼされてから400年ぶりの 復活とは、朝倉さんもずいぶんと放っておかれていたもんだ。  午前11時。京阪電車で、大阪北浜へ。北浜から長堀橋へ。  大阪コミュニケーション・アート専門学校へ…と思ったら、校舎 を間違えていて、四つ橋へ。  お昼。マンガ科の太田先生と、四つ橋校舎近くの「ラク・シュミ」 という本格カレーのお店に行く。このお店は食べ物ガイドに載って いない隠れた行列の店らしい。ということは相当辛いなと思った時 はすでに遅し! 辛〜い! 私は脳内出血以来、辛い物は血圧を上 げてしまうので、ずっと食べていなかったのだ。
 昔は辛い物も大好きだったんだけど、ひ〜!  おかげで授業が始まってからも、カレーの辛さが上がって来て、 しゃべりづらいこと、しゃべりづらいこと。  それでも例によって、時間終了の頃に話がノリまくるパターンに なってしまって、福岡校に続いて、1時間半の予定が、2時間半に。
漫画の話がメインだしね。専門学校へは、ゲームの話で行くのがほ とんどだけど、やっぱり漫画の話のほうが楽だ。ゲームは作ってい るけど、業界についてあまりくわしくないからね。  午後4時。授業終了後もひとり生徒を個人教授。  午後5時。太田先生に、これから十三(じゅうそう)に行きます というと「ピンク・サロンですか?」と言われる。言われてみれば、 十三は一大歓楽街であった。  でも私にとって、十三と言えば、ねぎ焼の町なのだ。  午後5時30分。十三の「やまもと」へ。ねぎ焼きはほぼ関西だ けの食べ物。基本的にはお好み焼き。ただトッピングに大量のネギ の緑色の部分がつかわれる。大きさはクレープを広げたぐらい。け っこう大きい。あと、すじ肉が入っていて、これがちょっと下品で 美味しい味になる。  お好み焼きはどこか下品さが漂っていないと美味しくない。  そしていちばんの特徴は、ソースではなく、おばちゃんが醤油を 刷毛で、「の」の字に4回塗ってくれる。これが下品さに、郷愁を かもしだしてくれる。  私はイカねぎ焼、中尾淳は肉ねぎ焼。いずれも920円。
 午後6時30分。新大阪駅から、新幹線で東京へ。  本当は京都へ戻る予定だったのだが、いよいよ『チョコバナナ』 16巻の編集を開始しないとやばいので帰京する。  車中ずっと『さくま式人生ゲーム』の手直しと『虎十郎天下御免!』 のアイデア出し。  どうやら『虎十郎天下御免!』は完璧にゲーム化できそうだ。  午後10時。帰宅。  さすがに疲れたぞ〜! とても『北の国から』のビデオを見るこ とができない。もう寝る。
7月11日(土)  午前10時30分。中尾淳が来る。  午前11時。『チョコバナナ』投稿者・TKDくんが来る。漫画 の持ち込み。16巻のレベルの高さにショックを受ける。  漫画は『チョコバナナ』のハガキのほうではおなじみの『幽霊少 女さくらちゃん』。けっこういい作品だったんだけど、何しろ16 巻のレベルはもう! すごいことになっている! 「15巻だったら楽勝で載ったのにね〜!」 と私が言ったものだから、TKDくん、悔やむこと、悔やむこと。  1日中ずっと「何でもっと早く来なかったんだ!」とつぶやいて いた。  午後1時。『チョコバナナ』16巻の投稿ハガキが死ぬほど到着。 ハガキの仕分けだけで大騒ぎ。  中尾淳に手伝わせたいのだが、我が家ではハガキは「おハガキ様」 と呼ばれる神聖なもの。封を切って、判子を押して、コーナー名が 書いてないかのチェックは、嫁がひとりでやる。  最後のハガキをコーナー別に分ける作業だけが、中尾淳に許され た仕事。早い話お正月の郵便局のバイトだ。  午後2時。中尾淳とTKDくんが『さくま式人生ゲーム』のテス トプレイ。TKDくんは「ほとんど『チョコバナナ』の投稿者の絵 ばかりじゃないですか〜!」と驚く。  本当にこのゲームは、チョコバナナ・ソフトだと思う。  だからこそ成功させたい! このゲームがある程度の実績を上げ れば、チョコバナナの知名度も上がり、世間が騒ぎ出すはずだ。漫 画からゲームから、まだまだ『チョコバナナ』は攻め込むぞ!   それにしても2年半の『チョコバナナ』から、『怪物パラ☆ダイ ス』、『さくま式人生ゲーム』と2本のゲームが出るんだから、す ごいことだよ!  午後6時。私、うちの娘、中尾淳、TKDくんの4人お好み焼き の「さくら茶屋」へ行く。  嫁はインターネットのオフ会とかで、でかける。  グルメ・バカ娘はメニューから消えた「スタミナ焼」を注文。  店の人もそれほど美味しいと言われると、作りたくなりますね〜 と、特別に作ってくれた。  スタミナ焼を復活させる会を作りたいくらいだ。  それにしてもグルメ・バカ娘、美味しい物は絶対忘れない。  食べ終わったあと、中尾淳がガスの元栓をしっかり閉めず、あや うく爆死するところであった。  中尾淳のヘマで『チョコバナナ』16巻が出なかったら、読者は 黙ってないぞ〜と、みんなで中尾淳を脅す。  午後8時。中尾淳は、名古屋へ。TKDくんは市川市へ。それぞ れ帰る。  午後8時30分。『さくま式人生ゲーム』の手直し原稿。  今夜もこれから鍼灸師の弓削くんが来る予定。
7月12日(日)  午前中。『さくま式人生ゲーム』の手直し原稿を書く。  大幅に手直ししたくなるが、全部やると今年中に発売できなくな るから、どこで折り合いをつけるかがポイント。 『チョコバナナ』16巻の編集作業。  最終刊だからいろいろ派手な企画を考えていたんだけど、『チョ コバナナ』の活動自体は16巻で終了するわけではないから、ごく ふつうにいつも通りに、編集しようかなと思う。  どうせ何を言っても、揚げ足を取って文句を言ってくるやつはい るだろうから。  きょうも『チョコバナナ』終了に対して文句を延々書き綴って来 た投稿者がいた。この男は『ジャンプ放送局』終了の時も、文句を 言って来たし、『☆比喩魔』終了の時も文句を言って来た。  あげくに弟子にしてくれ、さらに読者ページの連載を自分にやら せろと、とんでもないことを言って来る。  弟子になりたいなら、かわいいところ、愛嬌のあるところを見せ てくれなきゃね。せめて『ジャンプ放送局』で優勝するとか、文字 ネタでも誰もが知ってるような投稿者になっていればいいのだが、 ハガキは少ない。ケチはつける。最終回に水を差す。  おそらく愛情の表現の仕方が下手なのだろうなあ。  午後2時。新宿歌舞伎町の「ロフト・プラスワン」に行く。  元社員のショッカーO野くんのトークショーに出演。  午後2時から5時まで延々3時間ぶっ通しでしゃべり続けるショ ッカーO野くんはえらい!  途中ゲストが多彩で、『バロム1』『ハカイダー』『宇宙刑事 シャイダー』などの悪の総統役でおなじみの飯塚昭三さん、声優の こうろぎさとみサン、ほかたくさんの若い女性の声優さんたち。有 名なんだろうけど、おじさんにはわからない。ハシモトミシオさん? イシダヨーコさん? アダチマリさん? 音で聞いただけでは、漢 字がわからない。  私は、神谷明さんといっしょに出演。ショッカーO野くんにとっ ては、声優の師匠が神谷明さんで、文筆業の師匠が私で、師匠がふ たりとも「アキラ」とオチがつくらしい。
    それにしても最近はすっかりショッカーO野くんを業界で説明し なくてよくなった。昔は必ず「ショッカーO野さんてどんな人なん ですか?」と言われたものだ。今や「さくまサン、ショッカーO野 さんってさくまサンのところにいたんですね!」と言われるように なった。どんどんみんな偉くなって行ってくれ!  夜。私は『チョコバナナ』投稿者・岩岡目々さんに電話。嫁は 『チョコバナナ』投稿者・汐崎じゅんサンに電話。  投稿作品の打ち合わせと、写植文字についての確認。  岩岡目々さんの絵コンテ、いつものレベルに達していたのだが、 もう単行本が出た作家なので、今回からプロレベルのトレーニング を開始することになった。なのであっさりボツ! 厳しい!  厳しいけど、こういうレベルでボツを出しても大丈夫になったこ とは感動だ。  早くも岩岡目々さんは来年度版の本に向けて始動開始だ。  昨日、一昨日とビデオに録った『北の国から』を少しでもいいか ら見ないと。それにしても合計7時間近くはつらいよ〜。  早く見ないと絶対そのままにしてしまうからな〜。『チョコバナ ナ』16巻の編集もしなきゃいけないしなあ。  とにかく見てみよう!
7月13日(月)  選挙で自民党大敗。  思った通り、マスコミは橋本龍太郎バッシング!  最近のマスコミは敗者に対して、滅法強い。  午前中。昨日の晩から、ずっと『北の国から98時代』の録画を ちょびちょび観ている。相変わらずセリフがお見事。日常語だけで 印象深いセリフにする倉本聰さんのシナリオは神業だ。  ただ私は『ジャンプ放送局』の作者なので、子どもの頃から、家 が焼けたり、母親が死んだり、子どもをおろしたりした純くんは、 どーしていつまでも行動が大人げないのだろうとツッコミを入れた くなる。  午前11時。表参道APETITEで、朝食。ベーグルサンドの ランチだ。  食後、散歩しながら帰る。途中まだニスの匂いが乾いていない新 しい喫茶店を見つけたので、入る。またお店の名前忘れた。
※さくま嫁注:「月光茶屋」というロマンチックな名前の喫茶店。  午後12時30分。『さくま式人生ゲーム』の手直し原稿を書く。 『チョコバナナ』16巻のイラストを澤くんに発注する。  午後1時。レイアウターの野沢ちゃんが来る。 『チョコバナナ』16巻のレイアウト。  増田景子さんが来る。『さくま式人生ゲーム』の打ち合わせ。  けっこう重要なイベント変更がままならない。  う〜ん。初めてのゲームは一度組んでしまうと、融通がきかなく なる。 『チョコバナナ』投稿者・藤川かつらサンが来る。 『さくま式人生ゲーム』の打ち合わせが急を要す内容なので、藤川 かつらサンとの漫画の打ち合わせができない! 藤川さんには山の ようなハガキの仕分けを手伝っていてもらう。  きょうは本当に忙しい!     午後1時30分。宮路一昭くんが来る。  ハドソンの浦さんが来る。  土居ちゃん(土居孝幸)が来る。 『さくま式人生ゲーム』の打ち合わせが終わらないので、待ってい てもらう。  午後2時すぎ。増田景子さんとの『さくま式人生ゲーム』の打ち 合わせがやっと終了する。増田景子さんにはそのまま、ソフトハウ スPOWさんに行ってもらう。  午後2時30分。「はい、次の患者さ〜ん!」とギャグを言いな がら、浦さん、土居ちゃん、宮路一昭くんを呼んで、今度は『桃太 郎伝説』の打ち合わせ。  新しいテストロムをみんなで見る。  かなり出来上がっている。  希望の都のミニゲームをどうするかという打ち合わせ。  午後4時30分。嫁にバナナグローブスタジオに『チョコバナナ』 16巻の原稿の一部を持って行ってもらう。  午後5時。『桃太郎伝説』の打ち合わせ終了。浦さんはそのまま 札幌のハドソンへ行くいう。  午後5時10分。宮路くんと土居ちゃんで『さくま式人生ゲーム』 のテストプレイ。土居ちゃん、すっかりゲームにはまっている!  まだ全然チューニングできていないヴァージョンなんだけどなあ。  そのうち負け始めて、ゲームに文句を言い出す。子どもなんだから。 おかげで戦略性アップのいいデータになった。土居ちゃんのこういう テストプレイのおかげで、今までずいぶんとゲームの要になる部分に 気づいたものだ。  午後5時30分。テストプレイを見ながら、やっと藤川かつらサン の絵コンテを見る。あっさりボツを喰らわす! もはや漫画組は 『チョコバナナ』16巻のレベルではOKを出さないことにしている。 岩岡目々さん、藤川かつらサン、『チョコバナナ』の主力組に2日続 けてボツはけっこうつらい。でも大きくジャンプアップするためには 仕方のないことだ。  午後7時。原宿ふるさとプラザで夕御飯。メンバーは土居ちゃん、 宮路一昭くん、野沢ちゃん、藤川かつらサン、嫁、グルメ・バカ娘。  土居ちゃんになるべくコロッケとかカロリーの高い物を食べさせて、 もっと高木ブーにしようとするのだが、最近パターンを読まれてしま ったようでひっかからない。  午後9時。帰宅。 『チョコバナナ』16巻の編集。 『バナナDAYS』の粗選び。36ページを予定しているのだが、ま たまたすごいレベルなので選考が難しい。16巻目にして、やっと最 初に予定していた『バナナDAYS』の内容になったような気がする。 いずれにしても、つくづく16巻は、最終刊ではなくスタート巻なん だなあと思う。     ひさびさにきょうは、入院前の頃の忙しさだ。  まだこれからもう一仕事して、『ヘイ!ヘイ!ヘイ!』の録画を見 て、『北の国から』の最後の部分を見て、本を読んで寝る予定。  こんな生活を20年以上続けていたんだなあ。  無理しないようにしよっと。
7月14日(火)  午前中。『チョコバナナ』16巻の編集作業。  午前11時30分。恵比寿の「筑紫楼」で昼食。  ここはいつも言うように、杏仁豆腐が現在のところ日本一美味し いのだが、フカヒレが自慢のお店なので、フカヒレのラーメンも抜 群に美味しい。  私と嫁が必ず食べるのは、かに肉ふかひれの煮込みスープ麺。 1400円。ムチャクチャ熱いので、小皿に移しつつ食べる。お水 をもらっておかないと、猫舌の人は間違いなく、べろんと皮がむけ ます。ひりひり。  午後12時30分。代官山。不動産のリアルエステートへ。  実はゲームのテストプレイをするのに、自宅だけでは手狭なので、 近所に仕事部屋を借りることになった。その契約をしに行った。  といっても契約は嫁に任せっぱなしで、私は横で「ふんふん」と うなずいているだけ。    午後1時30分。代官山ヒルサイドテラスの「れんが屋」でお茶 を飲む。この店は洋菓子の店として、昔から有名なお店。いけない と思いつつも、ラ・セーヌ(ケーキ)を食べてしまう。美味しい。  午後2時。帰宅。『チョコバナナ』16巻の編集。  この日記の日曜日に『バナナDAYS』を活字形式にして、罵詈 雑言を並べ立てて来た男・Kのことを書いたけど、それだけでは すまないのか、きょうはハガキに書いて来た。追加だそうだ。  最後までこういうハガキが来るのは予測していたが、わかってい ても嫌なものだ。  しかもさんざん、とんちんかんなことを言い続けたあげく、今後 もずっと私を応援して行きたいと堂々と書くのだから、恐れ入る。 「君は私のゲームも本も買わなくていい!」という手紙を出そうか と思ったほどだ。  でもこいつのせいで『チョコバナナ』が終われば、こんな嫌な手 紙を読まなくてすむのだと、よろこびたくなっていることが悲しい。 『チョコバナナ』は、最高の読者が多かった。  こっちの気持ちを考えた文章が多かったし、必死に自分を改革し ようとしている様が目に映るようなハガキが多かった。今回の最終 刊でも、圧倒的に「いままでありがとうございました。そしてここ からがスタートですよね!」というハガキが多くて、こんなうれし いことはない。  その反面、もう腸が煮えくり返って仕方のない読者も多かった。  とくにこのKという男は『☆比喩魔』の終了時にも罵詈雑言を 浴びせて来たあげく、『☆比喩魔』の連載の続きを自分にやらせて くれと言って来た。いつもこいつは連載中はずっとおとなしくて、 終わると見るや、ああすればよかった、こうすればよかったと言っ て来る。結果論なら誰でも言える。  今回も「おもしろくもなんともない本をずっと2年半も応援し続 けた」そうだ。ちなみにランキング表にも載っていない。  たいしたものだ。おもしろくもないものを応援できるなんて。  …と書くと、今度は「プロならそのくらいの文句に耐えるのは当 然でしょ。けっきょくあなたはプロ根性が足りないだけよ」という 意見が来るので、このくらいにしよう。  午後6時。人形町の親戚の家に行く。ここでTBSテレビの森勲 さんという方に会う。森さんといえば、関口宏の『クイズ100人 に聞きました』を制作された方で、私が20年以上前、テレビで下 っ端の放送作家をしていた時、大プロデューサーとして、テロップ で名前が流れていたようなお偉いさんだ。  ところがあれから20年後。実はなんとびっくり! 森さんと私 は親戚だということがつい最近わかったのだ! まったく縁という ものは恐ろしいものだ。  親戚のおばさん(いとこ)から、9年前に脳梗塞で倒れた親戚の 人がいるから会ってみないと言われて、教えられたのが、きょうの 森さんなのだ。何とも不思議な縁だ。  というわけで、人形町の「喜寿司」で、脳の病気談義に花を咲か せることとなった。花を咲かせるような内容ではないのだが、おな じ痛みをわかっている人との会話は、初対面でも、盛り上がるとい うことをきょうは嫌と言うほど教えられた。  ついでにおばんさんからも、いろいろ私のルーツの名所を何カ所 か教えてもらったので、いよいよさくまあきら、そのルーツを辿る 旅を始めようかと思う。けっきょく旅がしたいだけのような気もす るが…。  と言っておいて、またなのだが、日記を3日ほど休む。  明日からまた京都へ行く。  祇園祭に行く。  京都にマンションを購入してから、はや8年ぐらいたつのだが、 実はまだ一度も祇園祭を見たことがない。京都の人がいいと口を揃 える祇園祭の前夜祭である宵山(よいやま)、前々夜祭である宵々 山(よいよいやま)も、一度も見たことがなかったのだ。  いつもこの時期は娘の学校にぶつかって、夏休みに入ってから、 京都に行っていたので、行けなかったのだ。  このままだとずっと見ずに終わってしまいそうだし、『桃太郎電 鉄』のローカル版大全集までには見ておかないと、旅行王の名がす たるということで行くことにした。  忙しいのだが、行く。ヒマは無理してでも作るものだと『チョコ バナナ』の読者に言い続けて来たのだから、行く!  というわけで、それじゃまた。
7月15日(水)  午前11時30分。新宿南口駅前の「広島ゆめてらす」へ行く。  広島のアンテナショップなのだが、開店2日目ぐらいに行ったら、 大混乱中で、とても評価ができない状態だった。  そろそろ落ち着いたかなと思って行く。  広島セット950円。広島牛ステーキ丼、広島風お好み焼きハー フサイズ、みそ汁、フルーツゼリー。  広島風お好み焼きの味がまだいまいち。味に深みがない。  私は味にうるさいから、ふつうの人が行く分には、何の支障もな いと思う。一度はどーぞ。  午後1時。高田馬場駅から西葛西駅へ。東京コミニュケーション アート専門学校へ行く。ところが電車に乗り遅れて、着いたのは午 後1時20分。まだ足が不自由なのに、必死に歩く。  それにしても7月は、福岡、大阪、東京と、専門学校の講義が3 カ所も。けっこうしんどい。  ただ人間だんだんなれてくるもので、ようやくしゃべるテンポが 自分のタイミングでしゃべることができるようになってきた。  午後3時。講義終了。  そのままタクシーで東京駅へ。  午後4時。東京駅で、嫁とグルメ・バカ娘と合流。  もう小学校は夏休み?と思った人は、ブッブー! 不正解!  娘はズル休みをして、祇園祭を見に行くのでした。  親は何を考えているんだ! 親がそそのかしたのだ!  下手に学校なんぞ行ってるより、祭りを見たり、陶芸をしに信楽 まで行くほうが絶対将来の役に立つと思う。これがうちの方針だ。  午後6時30分。京都のマンションに着く。私の姉と合流する。  姉も一度も祇園祭を見たことがないというので、誘った。  午後7時。先週見つけた、ひさびさに大当たりの日本料理のお店 「忘吾(ぼあ)」に4人で行く。  娘も美味しいと認定! 姉も嫁も美味しいという。  今後このお店はこの日記に何度も登場するようになるだろう。  午後9時。いよいよ宵々山(よいよいやま)にでかける。  すごいねえ。夜11時までやってるそうだ。  どんなお祭りなのかよく知らなかったのだが、京都のメインの通 りを歩行者天国にして、夜店がずらりと並ぶ。  京都に詳しい人のためにいうと、四条通りと、烏丸通りが全部夜 店で両側がびっちり埋まってしまうのだ。  東京でいうと、銀座の歩行者天国の2〜3倍の距離と大きさの道 路にびっちり夜店が並ぶって感じかな。比べるのが難しい規模だ。  その道の途中に、巡行前の山鉾(やまほこ)を展示してあって、 町の人や観光客は結構自由に見ることができるようになっている。  テレビで祇園祭りを見ていると、ただ山車がずるずる道を進むだ けだと思ったら、こんな大規模な露店と、山車の展示があるという ことはまったく知らなかった。京都の人が口を揃えて、祇園祭より も宵山がいいというのか、やっとわかった気がする。  京都三大祭りの、葵祭りも時代祭も、行列を外に向かって見せる だけの祭りだけど、祇園祭は、京都市民が主役の大規模な村祭りな のだ。だから浴衣姿の女の子たちが多いのだ。  なるほどねえ。やっぱり祭りだけは、生で見てみないことには、 まったくその雰囲気と規模が想像できない。
 午後10時。あっというまに1時間がすぎる。  もう相当足が痛くなっている。とても全部を見ることができない。  宵山よりも人出が少ないと聞いて、この宵々山に来たのだが、人 の多いこと多いこと。だんだん前に進むこともつらくなってきたの で、横道に出て、大回りして、マンションに向かう。  かなりマンションから遠いところまで来てしまったので、まだま だ相当歩かないといけないようだ。  こういう時は、ベイスターズ・ダイヤルに電話だ。何で?  7対6で負けていると聞いてから、ずっとお話中のままだ。  もう30回ぐらい電話しているのにつながらない。  また延長戦か?  午後11時。京都のマンションに戻る。戻ってすぐ直通のほうの ベイスターズ・ダイヤルに電話。ぐげげぐわおおおおおおおっ!  両軍併せて40安打??????  清原、松井、高橋が本塁打???  7対0から逆転????????  13対12で勝った??????  2日連続さよなら勝ち?????  ええっ? こんなミラクルが毎日あっていいの?  何だか身体がふわふわして、ベッドに倒れ込めばいいのに、わけ もなく部屋を歩く。どうしていいのかわからないのだ。  勝ちなれていないチームのファンはよろこび方にバリエーション がない。  ああ、もう何だかわからない。今、泥棒が入って来たら、全部持 って行け!といったあげくに、代わりに借金までしてあげてしまう かもしれない。そのくらいうれしい!  ああ、奇跡的な試合が3試合続いたら、優勝と思っていたのだが、 今年すでにもう4試合目のミラクルだ!  もうテレビの野球ニュースをはしごする度に、涙腺がゆるんで、 ゆるんで、もうダメ! みんなよくやったぞ! 万永! 佐伯!  鈴木尚典! 五十嵐! 中根! 谷繁! 全員の名前を叫んでやり たいぞ〜!  念願だった祇園祭も見ることができたし、最高の夜だ! 
7月16日(木)  昨日歩きすぎたのと、ベイスターズの奇蹟をテレビで夜中まで梯 子してたせいで、午前8時には目が覚めたが、起きられない。  午前10時まで、ふとんの中。  姉に電話すると、たった今イノダコーヒー本店に入ったばかりだ というので、家族揃って行く。  この店にはスポーツ新聞がたくさん置いてあるので、片っ端から ベイスターズの奇跡的な試合結果を熟読する。この期に及んで、新 聞の1面はまだ巨人が勝ったかのように、清原、松井、高橋のホー ムランを大見出しにしているのは、どーいうことなのだろうか? アンチ巨人ではないけれど、もう少しベイスターズに対して、新聞 も好意的になってもいいんじゃない?  そのうち雨がぽつぽつ降って来たので、これなら祇園祭の前夜祭 である宵山(よいやま)も人出が少ないだろうということで、昨日 途中まで見て帰ってしまった、室町に向かっていく。  途中、六角堂に寄る。午後12時30分。  六角堂というと、戦国時代の六角氏と関係があるのかなあ程度の 知識しかなかったのだが、聖徳太子が建立したそうだし、あの小野 妹子(おののいもこ)が、当時花をいける大臣として任命されてい たようで、小野妹子こそ、いけ花の開祖として、歴史に名を残して いるのだそうだ。なるほど六角堂に池坊のビルが隣接しているわけ だ。歴史はこれだからおもしろい。1000年以上の前のことが今 としっかり繋がっている。
 午後1時。新町通りの南観音山(みなみかんのんやま)の山鉾 (やまほこ)を訪ねる。うちの嫁がまたインターネットでここの人 だか家に連絡を取っておいたようで、あの祇園祭の山鉾に、家の二 階から乗り移ることができた。
 祇園祭とインターネット。いかにインターネットが普及している かを証明するかのようだ。  その後も新町通り、室町通りを見物して歩く。
 この祇園祭の期間中のみ、家に伝わる屏風(びょうぶ)や、掛け 軸を観光客に公開するというのが、いかにも京都らしい。なかには あの加藤清正が着用した鎧を展示した町家まであった。こんなすご い物を民家が所有しているところが京都の歴史の底知れない深さだ。  そして日頃感情を顕わにすることがない京都市民が、祇園祭の話 になると、急に多弁になる気持ちがやっとわかったような気がする。  そのままのんびり歩いていると「おうすの里」に出くわす。  梅干し専門店だ。東京の吉祥寺にこのお店の支店があって、杉並 区に住んでいた3年前くらいは、いつもここで美味しい梅干しを切 らさず買っていたものだ。前からその本店が京都にあるとは聞いて いたのだが、こういう時に、偶然出くわすのもやはり祭りのせいな のだろう。祭りのせいで、いつも歩かない通りを歩くので、新しい 発見に出会える。  午後2時。偶然見かけたブティック「蔵人」に入る。  戦国時代の鎧をモチーフにしたコートを作っていたりして、ジョ ージ・ルーカスが見たら、次の『スター・ウォーズ』のコスチュー ムに使ってしまいそうな衣裳ばかりだ。  これはいいと、試着するのだが、嫁、娘、姉、揃って「似合わな い!」の大合唱。何という家族なのだ。店の人は大笑いするし。ま あ、確かに似合わない。  けっきょくTシャツを数枚買って帰る。  午後2時30分。高台寺の側の「鍵善良房(かぎぜん・よしふさ)」 に行く。葛切りの美味しいお店。おそらく日本でいちばん美味しい 葛切り。四条通りの本店があまりにも有名だが、あっちは夏休みに 行こうものなら、必ず20人以上待ちをしないといけない。この支 店はとっておきの穴場なのだ。
 午後3時すぎ。京都のマンションに戻る。  歩き疲れたので、仮眠する。  午後5時30分。いよいよ我が家のビッグ・イベント! わが グルメ・バカ娘が日本一美味しいお店と言いつづける、あの「M」 に行くのだ。もちろんめったに会わない姉も、大の「M」ファンだ。 しかもこのところ私は土居ちゃんとかと来ているので、グルメ・バ カ娘の登板は、桜の季節以来3ヶ月ぶりだ。  祇園祭の前日である、宵山(よいやま)のきょうは、どの道も通 行禁止なので、寺町通りの電気街をそぞろ歩きしながら、「M」に 向かう。  午後6時。「M」に到着。
 きょうは「はもすき」という初めてのものを出してくれた。出汁 がムチャクチャ美味しい鍋。  松茸、タマネギ、ゴボウなどに、はも落としをしゃぶしゃぶ風に およがせて、生玉子をといたやつにつけて食べる。  いつもこのお店はいまだかつてないものを食べさせてくれる。そ れも珍味ではなく、知っている食材をちょっとだけ変化球にして、 抜群のおいしさに変貌させてしまう技がすごい。  こういう仕事っぷりをしてみたいものだ。  午後8時30分。タクシーを呼んでいただくが、やっぱりそこら じゅうの道が封鎖中。仕方ないので、河原町三条の交差点で降ろし てもらう。  街は浴衣の列でいっぱい。新撰組のコスチュームに身を包んだ若 者もいた。そして明日は祇園祭も最高潮。山鉾巡行だ。はたして見 ることができるだろうか。
7月17日(金)  午前9時。いよいよ祇園祭のピーク「山鉾(やまほこ)巡行」が 始まる。  宵々山、宵山と、雨が降ったりやんだりの天気だったが、京都の 夏にぽつぽつ雨は、最高にいい天気だ。うだるような暑さを浴びな くてすむからだ。町のどの人も天気が悪いことを喜んでいるからお もしろい。  きょうも、たまにぽつんと雨が落ちるようなくもり空。  熱くもなくて、陽も少し出ていて、最高の天気だ。  錦市場を通って、山鉾巡行の出発点に向かう。  途中いつも京野菜を買う「かね松」に寄る。  嫁がここのお店の人と、すぎやまこういち先生を通じて、知り合 いになっている。ここで四条境町の「くじ改め」がおもしろいと教 えてもらう。  さあ、行こうとすると、うちのグルメ・バカ娘が「あっ、トマピ ーだ!」と叫ぶ。こいつは食い物だと本当に何でも興味を示す。話 題のトマトとピーマンの合いの子・トマピーだ。買うには量が多す ぎるなあと思っていると、店の人がひとつ娘にくれた。  京都では、子どもは本当に大事にされる。ひとり子どもを確保し ておけば一生のお客さんになるという発想が素晴らしい。  午前9時10分。長刀(なぎなた)山鉾が来る。毎年この山鉾が 先頭と決まっていて、あとは毎年くじ引きで順番が決まるそうだ。 長刀(なぎなた)山鉾は、オリンピックのギリシャみたいなわけだ。  長刀山鉾のあとは、次から次へと山鉾がやってくる。  蟷螂(かまきり)山鉾などは、てっぺんに大きなカマキリが付い ていて、カマを動かしたり、羽を開いたりと、けっこう動きがある。 「くじ改め」というのは、偉いさんの前で、巡行の順番を間違えて いませんよという、証文のようなものを見せる儀式。紐(ひも)で 結ばれた箱を、扇子だけで開くアクションが人気だ。このアクショ ンをまた、緊張で紅潮した小学生の男の子が演じたりするものだか ら、沿道から拍手喝采を浴びる。やはり動物と子どもはすべてに対 して無敵だ。  全部で20台以上の山鉾が巡行するようだが、身体が不自由な私 が1時間以上も立ちっぱなしはこたえた。むしろ耐えられたことは 快挙なのだが、腰が痛くなってしまった。  宵々山で、その山鉾の上まで昇った「南観音山鉾(みなみかんの んやまほこ)」が通るまで見ようと思ったのだが、なんと今年は最 後に通過するそうな。そりゃきつい。  午前10時すぎ。イノダコーヒー本店で休む。前からこのイノダ コーヒー本店は、京都での朝食として最多登場回数を誇っているの だが、きょう改めて看板を見たら「イノダコーヒ」とある。最後の 「ー」はないのである。そうだったのか。いかにも古い店内の雰囲 気にぴったりの看板だ。以後日記でも「イノダコーヒ本店」と正し く表記しよう。  後から姉が到着する。お祭りでも携帯電話は本当に便利だ。どこ にいるのか確認しあえるし、先に疲れて、喫茶店で休んでも伝える ことができる。  午後12時30分すぎ。山鉾巡行でどのみちも通行止めなので、 タクシーを拾う地点に行くまでが一苦労。くもり空で涼しいとは言 え、人混みは人間の体温でしっかり暑い。  ようやくタクシーを拾い、北野天満宮から少し離れた商店街の 「おひるや豆魂(とうこん)」へ行く。  ここの豆腐料理は最高に美味しい。まだ温かいおぼろ豆腐をすく って食べることができる。おからのふりかけが美味しくて。お土産 にも最適。黒豆で作ったコーヒーもいい。絶品はここのデザートの スイカゼリー。夏限定でもうすぐメニューに入るそうだ。また来る ぞ。きょうのデザート、コーヒーゼリーもしっかり美味しかった。  このお店は午前11時からお昼すぎぐらいまでなので、ご注意。  お勧めのお店。  午後1時。食後2、3歩商店街を歩いたら、大将軍八神社という のに出くわす。いきあたりばったり歩くのが好きだから、お参りす る。方位の神様だそうだから『桃太郎電鉄』にいいだろう。こじつ けだけど。  そのまま大将軍商店街を歩く。蓮の花もきれいな名もないお寺と かを覗いて歩く。  午後2時近く。北野白梅町に出る。へ〜。こんなところに出るん だ。これが当てもなく歩く楽しみだ。さあ、タクシーに乗って帰ろ うかと思ったのだが、どうも目の前にある、京福嵐山電鉄・北野白 梅町駅が気になる。しかも始発駅である。旅人には始発駅は甘いさ さやきだ。乗りたい。と思う間もなく、姉はすでに私たち家族と別 れてこの電車に乗ろうと思っていたことが判明。それならみんなで 乗ろうということになった。娘もこの嵐山電鉄が大好きで、5〜6 年前までは京都のマンションは、新京極のほうではなく、四条大宮 にあったので、よく娘とふたり意味無くこの電車に乗ったものだ。  途中、帷子(かたびら)の辻駅で乗り換えて、終点嵐山駅へ。  旅人の鉄則は、始発駅から終着駅まで、とりあえず行く。  午後3時30分。嵐山から嵯峨野の鳥居本へ。姉が大好きな古い 町並みだそうだ。時代劇の撮影でも必ずつかわれるそうな。確かに 古い。あゆ料理で有名な平野屋さんがあるが、すでに昼食をすませ たあとなので、入ることができない。近くの「つたや」というお店 に「おうす」の看板があったので、そっちに行く。  抹茶と和菓子のセットなのだが、和菓子の「さくら餅」が冷たく て、あんこぎっしりで美味しいこと! しかもさくら餅がもれなく 2個付いてくる。これは美味しいけど、苦しい! つい昔のペース でぺろりとたいらげてしまった。これがあとあと尾を引くから、ド ラマはおもしろい。ドラマか、これって?  午後4時。京都のマンションに戻る。読書。  松山猛さんの『京の「粋場」を歩く』という本を読む。  これほどまでにわが家族とおなじお店、料理店に行っている人は 珍しい。三嶋亭のオイル焼きステーキのファンクラブを作りたいく らいだとまで書いてあるが、この三嶋亭のオイル焼きを食べて、す ぐ横になりたいからと、マンションを買ったという話を松山猛さん に伝えたい衝動にかられる。面識がないのが残念。縁があればいつ か会えるだろう。  午後5時。さて、そろそろ東京に戻らないといけない。どうせな ら京都で食べてから帰りたい。しかしどのお店も食事に長時間かか るので、どーにも行けるお店が見つからない。  娘を夜9時に寝させるためには、新幹線の中で駅弁を食べるのが いいのだが。このところ私ばかり京都に来ていて、家族はひさびさ の京都登場だし、姉とは年に1度いっしょに旅行できるかどうかな ので、ついきょうも美味しい物を食べたくなる。  ええい、グルメ・バカ娘を犠牲者にしよう!  明日東京に戻って、通知表をもらうだけだ。遅く帰ろう!  午後5時30分。というわけで四条木屋町の「露庵菊乃井」へ行 く。有名な料亭「菊乃井」の支店でカジュアル版だ。廉価版のはず なのだが、しっかりした料理で、値段もしっかりしていた。  どのくらい美味しかったかというと、グルメ・バカ娘が途中苦し くなって、トイレに2回も立ったほど。夕方に食べた、さくら餅が まだ苦しいらしい。私も苦しい。なのに美味しいものだから、グル メ・バカ娘は残すことを知らない。苦しいより、美味しいが勝って しまうのだ、情けない。小学6年生になったとはいえ、まだ子ども だ。どのくらいが食べ過ぎの限界なのかまだわからないようだ。    午後8時すぎ。やっぱり遅くなってしまった。姉は日曜日に帰る というので別れ、新幹線のぞみで東京へ。家に着くのは午前11時 ぐらいになりそうだ。  それにしても駆け足旅行だったけど、祇園祭というメイン・テー マがあっただけに充実した3日間だった。  こんな涼しい夏の京都も初めてだったし、本で読むより、祇園祭 を生で見て、町の人の祇園祭の解説を直接聞くほうが、短時間でた くさんの知識がくっきり頭に入るものだ。取材は文章の基本という ことをひさしぶりに思い出した。  家に着くと、3日前くらいの「K」という投稿者に対するメール がけっこう来ていた。私が「K」とぎりぎりまで名前を書いてしま ったくらい怒ったのですねというメールが多かった。  そうなんだよね。私は絶対読者の実名を書かないで来たことをわ かってくれてるような思いやりのある読者もたくさんいるんだけど ねえ。100人素晴らしい人がいても、たったひとりの強烈に嫌な やつがいると、不愉快になってしまうのだから、人間って贅沢な動 物だねえ。
7月18日(土)  午前中。『チョコバナナ』16巻の編集作業。  お昼。グルメ・バカ娘が日本一の美味しさと推奨する京都の「M」 でいただいたカレーライスを食べる。  なんと、はもで出汁を取り、あわびにマツタケまで入ってる豪華 シーフードカレー。美味しすぎる〜!  午後1時。『チョコバナナ』投稿者・藤川かつらサンが来る。 『たすけて!福助!!』の絵コンテ、手直しの上、OKを出す。  午後2時。レイアウターの野沢ちゃんが来る。  予告部分のページの打ち合わせ。  『チョコバナナ』投稿者・えんらえんらサンが来る。  きょうは藤川かつらサンとえんらえんらサンが合作で『チョコバ ナナ』16巻の表紙カバーのイラストを描くのだ。  もちろん藤川かつらサンが福助!を描き、えんらえんらサンが虎十 郎を描く。  広告ページや目次の絵もふたりが自分で描く。  合間に漫画のコーチをしながらなので、大忙しだ。  午後6時。近所の「TO THE HARB」で食事。  帰宅後、みんなで出来上がった表紙カバーを見て、ああだこうだ という。けっきょくもっといい絵にしたいということで、きょう描 いた作品はそのままキープで、22日にもう一度描くことにした。  もっといいものにしたいという気持ちは大事だ。  やっとみんなに向上心が芽生えて来ている。  そんな話をしているところへ『チョコバナナ』投稿者・汐崎じゅ んサンから電話。9月から上京して、漫画家をめざすことになった という。何だかドラマの最高潮みたいに、どんどんみんなが上京し て来る。全国各地から。おもしろくなってきたぞ〜。いよいよチョ コバナナ伝説のスタートだ!  折しもテレビでは、ベイスターズがまたまた集中打で逆転!  本当に強いなあ! 野沢ちゃん、藤川かつらサン、えんらえんら サンがいるので、これでも遠慮しているのだが、つい「よーし!  行け! 行け!」「やった〜!」と叫ぶので、みんながだんだん目 を合わせてくれなくなる。  何だか38年ぶりの優勝が濃厚になってきている。  一体どうしたらいいんだろうなあ。  こんなこと初めてだから、どうしたらいいのかわからないよ〜。    とりあえず今から鍼灸師の弓削くんが来るから、優勝の時までは 健康でいよう。
7月19日(日)  朝から眠い。  家族も誰も起きてこない。  午前中。『チョコバナナ』16巻の編集作業。  午後2時。嫁といっしょに美容院に行く。眠い。どうもシャンプ ーの時寝てしまったような気がする。  美容院の若い男の子もベイスターズ・ファンなので、喜び合う。  いいねえ。日本中のベイスターズ・ファンに会いたいよ、今。  午後3時すぎ。ひさしぶりに原宿の竹下通りを覗く。  夏休みに入ったから、ものすごい人出。  大好きなアトム・ショップが、手塚治ワールドに変わっていたが、 中味はまったく変わっていなかった。新製品が出ない。  午後4時。渋谷駅のれん街で、お総菜を買う。  この頃にはもう足がふらふらで、歩くのがやっと。どうしたこと だろう。あれだけ旅先で長距離歩いても平気になったというのに。 やっぱり東京の人混みは、違うのかなあ。疲れた。  午後5時。帰宅。へばったので、少し寝る。  午後6時。ご飯。娘がご飯を炊き違えて、大笑い。水を入れなか ったようだ。運動会とか遠足というと自分でご飯を作るような娘な のだが、どーしたことか。そういえばきょうから夏休み。思い切り 気がゆるんでいるようだ。  午後7時。テレビ神奈川でベイスターズ対広島戦を見ながら『チ ョコバナナ』16巻の編集作業。  どうしてこうもおもしろいように点が取れるのだろう。  豆腐に包丁をすーっと入れるように、簡単に点が入っていく。  テレビ見ているより、実際はもっと大変なんだろうけど、広島が 追い上げても、追い上げても、ベイスターズはあっさり点を取る。  このまま秋まで行ってくれないかなあ。  けっきょく9対3で、7連勝。そういえば最近負けるところを全 然見ていないような気がする。昔は負けるところしか見ていない。  引き続き『チョコバナナ』16巻の編集作業。  今週に編集作業を終わらせないといけないので、スケジュールが 大変。
7月20日(月)  朝からずっと『チョコバナナ』16巻の編集作業。  午前11時。吉祥寺の武蔵野珈琲。例によって、ジャワロブスタ ーの豆を購入する。  午前11時30分。吉祥寺、カラン・ドリエで昼食。有機野菜の ココット 800円というわけのわからないものを食べる。目玉焼 きの有機野菜まみれといった感じで、まずくはない。けっこういけ る味。  午後1時。中野ブロードウェイの洋品店「Kent」に行く。  お客さんすべてのサイズを暗記している、努力の人・山口さんが この店にいるので、ズボンは必ずここで買う。  案の定「ちょっと太ったね」と言われる。体重にして、たった 1kg増加しただけなのである。その微妙な変化を見逃さない。たぶ ん半年ぶりぐらいだろうに。この才能にはいつも驚嘆させられる。  しかも2週間ほど前、この店を訪れた時、山口さんは休みの日だ ったのだが、それがちゃんと伝わっていて「このあいだ来てくれた んだってね」。やぱりいい店は、ホウレンソウがよくできている。  ホウレンソウは、ホウ(報告)レン(連絡)ソウ(相談)ね。  社会に出たら、いちばん大事と言われる3つの戒めだ。  若い人でこの言葉を知らない人が多いようなので、ぜひ本屋さん でホウレンソウについて書かれた本を呼んだ方がいい。  午後3時。帰宅。『チョコバナナ』16巻の編集作業。  『バナナDAYS』の選考が大変。36ページと増やしたのに、 粗選びだけで、倍以上残っていた。絞り込むのに苦労する。  午後6時。先日新宿南口の宮崎県のアンテナショップで買って きたレトルトの「冷汁(ひやじる)」で晩御飯。美味い! これ はいい! チープな味だけど、玉子醤油かけご飯に飽きた人には、 ラグジュアリーな逸品。  冷汁(ひやじる)は、前から『桃太郎電鉄』の物件に入れたか ったのだが、宮崎県では家庭料理。「冷汁屋」っていうのも変だ しねえ。変じゃないかな? ひらがなで「ひやじる屋」のほうが いいかな? 「冷や汁屋」「ひや汁屋」。どれがいいかな?  なんてことを考えながら、きょうもテレビ神奈川にスイッチを 入れる。オールスター戦前の最後の試合。ベイスターズ対広島戦。  前半、広島の高橋健投手を打ち崩せなくて、ちょっといらいら したのだが、相変わらずひとり打ち出すと、止まらないマシンガ ン打線! 1イニング9点の猛攻で、終わってみれば12対0の 圧勝。  これでまたまた8連勝!  今年パーフェクTVに加入したのは優勝を見るため。神宮球場 の年間シートを購入したのは、ベイスターズの優勝はこの球場に なるからだと、半分冗談でやった来たことが、現実化しそうで怖 い。  とにかくこんな経験したことないから、今後どういう行動をし たらいいのか、気が動転して浮かばなくなって来てしまった。  今夜は圧勝記念で『チョコバナナ』16巻の編集作業を午後11 時までやる! 昔だったら、うれしくて午前7時まで仕事したけど、 今は病人だから、おとなしく、おとなしく。と言ってもきょうはす でに10時間働いている。寝よう。明日からオールスター戦が終わ るまで、ずっと横浜ベイスターズは首位なんだぞ〜! うっひょっ ひょ。うれしーねー! ベイスターズに対するメール募集中!
7月21日(火)  きょうも朝からずっと『チョコバナナ』16巻の編集作業。  先週祇園祭に行ったツケが今頃影響が出ているので、とにかくが んばる。昔のピンチに比べられば、楽チンなもんだ。  午前11時。池袋の航海屋ラーメンに行く。夏になると、この店 の清流麺という絶品の冷やし中華が期間限定になるので、毎年楽し みにしている。ところがきょうのはちょっと味が違う。何か変だ。 オーナーとは知り合いなので、言ってみよう。  ふつうのラーメンのほうは大丈夫なようなので、温かいラーメン のほうはお勧め。ネギの好きな人には、おおよろこびの味。  午後1時。帰宅。レイアウターの野沢ちゃんが来て、引き続き 『チョコバナナ』16巻の編集作業。  午後2時。増田景子さんが来る。増田景子さんに『チョコバナナ』 16巻のパラダイス倶楽部の部分の原稿を頼んだので、CBの『さ くま式人生ゲーム』なのか、ゲームのほうの『さくま式人生ゲーム』 の話なのか、大いに混乱する。  編集作業と同時にゲームのほうの『さくま式人生ゲーム』の手直し の話をするからいけないんだけどね。昔から2つ以上の仕事の話を一 度にする癖があるので、なんとかなるんだけど、いつまでもこういう 仕事の仕方をするのはやめなきゃ。  午後4時。バナナグローブスタジオに入稿に行く。えのクンと世間 話。相変わらず景気の悪い最新情報の入手が早い男だ。  午後5時すぎ。ムサシノ広告の伊東正義が来る。  午後7時。原宿のパラディソに嫁と行く。  きょうはユイ音楽工房のタレントとしてのさくまあきら。  ユイ音楽工房社長の後藤豊さんに会うのと、テレビでおなじみの テリー伊藤さんと会うのが、きょうのお仕事。  作詞家の松本一起さん、ユイ音楽工房の篠宮さん、ムサシノ広告の 伊東正義も同席。  ユイ音楽工房社長の後藤さんというのは、私の年代にとっては、あ の吉田拓郎さん、南こうせつサンといった人たちを、世に送りだした、 あこがれの人。こういう会社に所属できるというのは、同世代にとっ ては、とてもうらやましい話なのだ。  と言っても、若い人にとってはピンと来ないと思う。今で言うと、 小室哲哉やSPEEDのプロデューサー、TMレボリューションの朝 倉大介さんの事務所に所属するというと近いのかなあ。ちょっと違う 気がする。  しかもきょうのパラディソというお店は、昔「ペニーレーン」とい う名前のお店で、私から上の世代にとっては「おおーーーっ!」と大 きく歓声を上げて、2、30分昔話を繰り広げるような伝説のお店だ。  まあいいや。  とにかくうれしいことなのだ。  テリー伊藤さんは、本当に頭のいい人だ。  気の使い方がさりげなくて、相手を気持ちよくさせる達人だ。  見事だなあ。世間には頭の人はまだまだたくさんいるってことなん だろうなあ。  ほかにも私が学生時代、吉田拓郎さんのラジオ番組でいつもその名 前を聴いていた渋谷さんが、ユイ音楽工房のスタッフなので会えてう れしかった。  逆に渋谷さんにとっては、私に会うことは、渋谷さんの息子に自慢 になるそうだ。  最近、業界の偉い人の息子さんが『ジャンプ放送局』か桃太郎シリ ーズで名前をよく知っているというパターンが多い。楽でいい。 昔は自分の職業をどう説明していいかずっと困っていたものだ。  とりあえずテリー伊藤さん、ユイ音楽工房、私と三者でおもしろい 企画が持ち上がったらお仕事しましょうということで散会。  原宿での会合なので、嫁とふたりで歩いて帰る。便利だ。  少し『チョコバナナ』16巻の編集作業をしてから寝ることにしよう。
7月22日(水)  午前10時。杉並区上井草の診療所へ行く。  月に1回の診察。降圧剤を処方箋してもらう。  午前11時。西武新宿駅からタクシーに乗って、自宅前で嫁と娘 を拾って、そのまま青山の北海道料理の店「嵐海」に行く。  まあまあの味。東京の人には1500円の刺身定食はけっこう豪 勢で美味しいんじゃないかな。蟹のみそ汁は美味しかった。  ただなにしろ北海道料理は、本場の味を食いつくしているので、 評価の仕様がない。  食後、新宿の高島屋デパートへ行くが、お休み。  紀伊国屋書店、カメラのさくらやで、デジカメを買い、伊勢丹で お弁当を買う。  午後2時。ハドソンの梶野くんと、武田くんが来る。『桃太郎伝 説』の宣伝の打ち合わせ。  レイアウターの野沢ちゃんが来る。
 午後3時30分。『チョコバナナ』16巻の編集作業。  午後4時。『チョコバナナ』投稿者・藤川かつらサンが来る。  午後4時30分。『チョコバナナ』投稿者・えんらえんらサンが 来る。  先日に引き続き、『チョコバナナ』16巻のカバー・イラストを 合作する。案の定2回目なので出来がいい。  問題はもぅひとつ『宇宙人ショック』もカバー・イラストに入る 予定だったのだが、藤川かつらサンとえんらえんらサンが合作して しまったために、入るスペースがなくなってしまったことだ。レイ アウターの野沢ちゃんも困っている。「何とか検討してみます」と、 野沢ちゃん。 「ダメなら、『宇宙人ショック』を外してもいいよ」と私。あっ、 そういえば『宇宙人ショック』の神谷栄和は、この日記を読んでい るだっけ。まずいこと書いちゃったなあ。わっはっは。それもまた 運命じゃ。神谷栄和は、単行本をがんばれ! さすがに単行本のカ バー・イラストはほかの人に頼めない。ん? 最近他人が描いた単 行本の表紙ってけっこう多いな。嘘じゃ。神谷栄和をからかうのは、 このくらいにしてやろう。  午後7時。みんなで伊勢丹デパートで買ってきた京懐石のお弁当 を食べる。カバーイラストを描く時間が欲しいので、外食は中止し た。忘れずプロ野球オールスター戦も見る。  食後もふたりはせっせとカバー・イラストを交代で描く。  途中、えんらえんらサンのペンネームの握り方が変なので、矯正 してあげる。すると見ていた娘がGペンネームを持って来て、線を 引き始めてしまった。一転してお絵かき教室が始まってしまった。  午後10時。ようやくカバー・イラスト完成。野沢ちゃんに、藤 川かつらサン、えんらえんらサンを引率して行ってもらう。  引き続き『チョコバナナ』16巻の編集作業。  ようやく終わりのほうが見えて来たぞ。まだまだだけど。
7月23日(木)  朝から『チョコバナナ』16巻の編集作業。いよいよ佳境。  午後11時。伊勢丹デパートのインテリア家具大バーゲンへ行く。 近々テストプレイ部屋を近所に借りるので、家具を新調しようとい うことになったのだが、『チョコバナナ』16巻の真っ最中なので、 なかなかテストプレイ部屋のことにまで頭が回らない。  午後11時30分。伊勢丹7Fの葉山Chayaで食事。真鯛のロー ストとかいうランチを食べる。初挑戦の店はなかなかその店のムー ドにこっちのテンションが合わない。最初から合ってる店だと、い きなり「いい!」と叫べるのだが、波長の違うお店は何回か通って 初めて評価したいものだ。  食後、新宿丸井のインテリア館へ行く。8月18日で、閉店して しまうそうだ。この店好きでよく来ていたのだけど、配達が遅すぎ るので、いつのまにか私も利用しなくなっていた。そのへんが閉店 の原因かな?  午後1時30分。『チョコバナナ』16巻の原稿書きを急ぎたい ので、嫁に家具を見てもらって、私だけ先に帰る。  午後2時〜5時まで。ぶっ通しでワープロを打ち続けたので、さ すがに右手が痙攣しはじめた。  午後5時30分。秋葉原の「手塚治ワールドショップ」へ行く。 秋葉原のあの大通り沿いで、看板が大きいからすぐ場所がわかるよ。 まあ、これでもかというくらい手塚治虫先生のキャラ・グッズを売 っているので、私はベイスターズ・ショップに行った時ぐらい、ハ イテンションになってしまった。Tシャツに、フィギュアに、キー ホルダーに、ぬいぐるみにと買っていくうちに、気が付いたら5万 円ぐらい買っていたそうだ、嫁の話によると。しかもしっかりグル メ・バカ娘が、お父ちゃんがあんなにたくさん買ってるんだからと、 うまいことTシャツとかいろいろ買っていたそうだ。
   助かったのは、鉄腕アトムの等身大フィギュア。デザインが気に 入らなかったから、買わなかったのだが、45万円もする。よっぽ ど気に入るデザインだったら、危ないところだった。    午後6時30分。大満足ついでに、秋葉原なら人形町に近いとい う苦し紛れの言い訳をしながら、喜寿司へ行く。  夏のお寿司屋さんというと、あまり美味しいネタは無いのだと思 っていたが、ホシガレイに、マダイに、シンコ、鰹と、旬のおもし ろい魚はたくさんあるそうだ。  グルメ・バカ娘は、秋葉原の段階でお腹が痛いと言っていたのに、 うれしそうにお寿司をほうばっている。いつもこうだ。    午後8時。帰宅。すぐさま『チョコバナナ』16巻の原稿書き。 『宇宙人ショック』の神谷栄和からメールが来ていたようだ。昨日 の日記の件だな。  神谷栄和が描いた表紙カバー用のイラストは消えてしまうのです かと書いてあった。結構気に入っていたとも書いてあったが、決定 権は編集部にあるのだ、神谷栄和! ドキドキして待つがよい!  とはいえ、表紙カバーの件はレイアウターの野沢ちゃんに任せて あるので、明日決定だ。野沢ちゃんがどうしてもデザイン上ジャマ だというとボツになる場合がある。人気はあるから私は載せて上げ たいと思っているよ。私はね。  自民党総裁は誰に? 神谷栄和は表紙に載れるか?  同列で論じる内容ではないな。  仕事を続けたいけど、このへんでやめよう。健康第一。
7月24日(金)  朝から『チョコバナナ』16巻の編集作業。  ほぼ完成。推敲の段階に入る。  午後12時。近所の自然食のお店「もみの木ハウス」で、自然食 セット1000円を食べる。  自然食はどうしても食べた気がしないことが多い。  午後1時。増田景子さんが来る。『さくま式人生ゲーム』の打ち 合わせ。  午後2時。宮路一昭くんが来る。レイアウターの野沢ちゃんが来 て『チョコバナナ』16巻のチェック。ここ2、3日だけの話題と なっている『チョコバナナ』16巻の表紙カバー問題。『宇宙人シ ョック』は表紙カバーに載るか?は、運命のカギを握る野沢ちゃん が、まんまと完成しなかったせいで、決定は27日に持ち越すこと になった。神谷栄和よ、お楽しみはこれからなのだ。どうも野沢ち ゃんは、隠れキャラのようにこっそり載せることを目論んでいるよ うだ。でもそれだとロゴに隠れて、本当に絵が隠れてしまうことは よくあるのだ。はっはっは。どきどき延長戦だのー。    午後3時。タカラの高田さんが来る。『さくま式人生ゲーム』の 打ち合わせもいよいよ佳境。スケジュール調整が問題となってくる。 中味を直す時間がないということになると、下書きの絵のまま単行 本化してしまう漫画のようになってしまうわけだから、スケジュー ル調整は大変な問題。  よくこのゲーム、テストプレイしてないんじゃないの?というよ うなゲームに出くわすことがあるけど、こういう経過のせいで、け っこう本当にチューニングできないまま発売のゲームは多いのだ。 『怪物パラ☆ダイス』もそれに近かっただけに、『さくま式人生ゲ ーム』は二の舞にしたくない。現段階でかなり出来がいいのだから、 直しをたくさん入れたい。  午後5時。『さくま式人生ゲーム』の打ち合わせ終了。  ここで突然、業務連絡。鞄持ちの中尾淳! 7月31日午前11 時までに原宿の家に到着するように! テストプレイ部屋への搬入 作業がある。それと『さくま式人生ゲーム』のテストプレイ。その 後大阪の専門学校の講義は8月3日だ。  う〜ん。忙しさがゆるやかにならないなあ。  午後7時。赤坂の竹やぶというおそば屋さんで、そば懐石のコー スを食べてみる。何だか第2次世界大戦の講和条約につかった部屋 のように、格式が高そうな部屋。美味しいのだけど、ゆっくり、ゆ っくりなので、グルメ・バカ娘がそわそわする。午後9時からの 『ルパン3世』が見たいのだ。娘は昔から『ルパン3世』が大好き。  けっきょく午後9時に食事終了。  私は漫画の山本貴嗣と電話。    午後10時30分。『チョコバナナ』16巻の編集作業。  嗚呼、あっというまに時間が過ぎていく。
7月25日(土)  朝から『チョコバナナ』16巻の編集作業。     午前11時。青山のハンバーガー屋さん「ホームワークス」で食 事。前回バーベキュー味を注文したら、大きすぎて食べるのに必死 だったことをすっかり忘れて、またバーベキュー・バーガーを注文 してしまう。レギュラー・サイズが、マクドの1,5倍以上ある。  今度こそスモール・サイズを頼むぞ。でもまた忘れそう。味はい い。  食後、青山界隈を娘と散歩しながら帰る。無印良品のお店にも寄 るが、最近の無印って、値段高くないかい?  午後2時。嫁の弟・恵(けい)くんが来る。  午後2時30分。めでたく『チョコバナナ』16巻の編集作業終 了。27日に再チェックして、入稿だ。歴史に残るいい本だよ、 『チョコバナナ』は。絶対伝説にしてやる!  午後5時、銀座のてんぷら「近藤」に行く。あの堀井雄二がこの 日記で「近藤」に行ったときの回を読んで、思わずてんぷらを食べ に行ってしまった、あの近藤だ。  ずっとこのところ電話を入れたのだが、いつも満員で、4〜5ヶ 月ぶりになるんじゃないかな? ひさびさの近藤はいいなあ。海老 の頭が和紙の上にのっけられて、口に運ぶと、ジューシー! 海老 というよりフルーツを食べているようだよ。  アスパラガスの甘いこと〜。私はずっと子どもの頃から、アスパ ラガスは大嫌いだった。とにかく絶品の味は好き嫌いをなくす。  ふとグルメ・バカ娘を見ると、にまにまうなずいている。  嫁の弟・恵(けい)くんは、びっくりしたような顔をしている。  この味を初めて口にした人は、恵くんのように必ずびっくりした ような顔をするのだ。ほとんどRPGで、レベル10なのに、ラス ト・ボスに出会ってしまったような衝撃が走る。  そのくらい美味しい。  午後8時すぎ。帰宅。さっそくプロ野球後半戦の初日・ベイスタ ーズ対阪神戦を見るために、パーフェクTVをつける。え? GA ORAとかいうところでやってるはずなのに、繋がらない。  パーフェクTVに電話する。どうも私はGAORAを契約してい なかったようだ。くそっ。仕方なくインターネットで試合経過を調 べてもらう。3回裏。4対1で勝っている! うひょひょ〜!  テレビが見えないので、ひさしぶりに部屋をかたずける。  しばらくして、娘が降りてきて「さくちゃん、8対1だよ〜!」  よしよし。我が家の最優先はベイスターズである。  ほとんど娘も洗脳されて来ている。石井琢郎のファンになりかけ ているのだが、なぜ石井のファンなのかというと…。 「打て〜、豚郎!」 「豚」と「琢」を間違えないでほしい。  てんぷら食べて、ベイスターズが勝つ。こんなに素晴らしい毎日 が続いていいのだろうか。何か努力しないとね。  あとは鍼灸師・弓削くんが来るのを待つ。
7月26日(土)  午前10時30分。明治記念館に行く。  嫁、娘、嫁の弟・恵(けい)くんの4人。  食事は午前11時30分からというので、中庭で日光浴をする。  まわりは結婚式のお客さんだらけ。何人もの花嫁さんを見る。  午前11時30分。「キンケイ」でビーフカレーを食べる。わざ わざこのビーフカレーのためだけに、明治記念館に来ている。  いきなり雨が滝のように降ってきたので、MKタクシーを呼んで、 そのまま店で待つ。  MKタクシーは京都が本場で、値段が安くて、応対もバカがつく ほど丁寧なので、いつか東京に進出してくれたらいいなと思ってい たタクシー。伝統にうるさい京都は相当迫害を受けていて、何度も その現場を見たことがあるくらいだ。  MKタクシーは応援したい。  午後1時。新宿高島屋デパートをぶらぶら。新商品、珍商品がな いか、ウォッチング。   午後2時すぎ。帰宅。  部屋のかたづけをする。ちっとも物が減らない。  物が減らないのではなく、本が減らないのだ。  掃除をすると眠くなるのジンクス通り、仮眠。    午後6時。スカイ・パーフェクTVでベイスターズ対阪神戦。   早い回に5点取って、5対0とリードして、これは安心と思った ら、5対4まで詰め寄られて、流れは阪神に。  と思う間もなく、マシンガン打線炸裂。あれよあれというまにい つものように点が入る。  気が付いたら、21安打。16対4で、30年ぶりの10連勝!  ああ、この事態をどう受け止めたらいいのかわからない。  慣れてないからねえ、こういう晴れがましい場面には。  とりあえず喜びを噛みしめよっと。
7月27日(月)  午前中、部屋の片づけ。  本を大量に処分しようと思っているのだが、どれもまだ必要に思え て捨てられない。まだ読んでいない本も出てきて、それをどこに置い たらいいかで悩む。  午前11時30分。原宿ふるさとプラザで昼食。マダイの漬け丼が 美味しくて食べに来たのに、メニューから外れていた。どんどんこの お店への評価が下がっていく。  午後1時。『コムナビ』9月発売号の原稿書き。  増田景子さんからの電話で『さくま式人生ゲーム』の打ち合わせ。 けっこう大幅な手直しができそうな様子との報告に少しほっとする。 ぶっつけ本番のゲームを連発するのはイヤだ。  午後3時。レイアウターの野沢ちゃんが来る。  午後5時。『チョコバナナ』16巻の原稿をバナナグローブスタジ オに入稿しに行く。  午後6時。渋谷神泉の中華料理店「文琳(ぶんりん)」に行く。  ここは講談社の山畑(高校の同級)に教えてもらったお店。  どちらかというと中華はあまり得意な分野ではない。  でも中華風懐石のコースは、なかなか見応えのある変化球投手。  どれもこれもひと工夫、ふた工夫してあって、次にどんなものが出 てくるのか楽しい。店に入る前に、お腹をこわしたとブーブー言って いたグルメ・バカ娘が、けろっとした顔で、ぱくぱく食べているのだ から相当美味しいのだろう。  あとで味はどうっだったと聞くと「美味しかったけど、器がよくな い」でやんの! イヤなガキだね〜! ひとんちのガキなら殴ってや りたい。取り皿がほとんど欠けてたのは確かなんだが。  デザートは、山畑お勧めのマンゴープリンがないようなので、 杏仁豆腐を頼む。相当美味しい! 現在我が家の杏仁豆腐ランキング 1位の「筑紫楼」に次いで、初登場2位は間違いない。しかも限りな く僅少差。そのくらい美味しい。  食後、家族3人お腹が苦しすぎるので、渋谷まで歩くことにした。 けっこう遠いぞ。  午後7時すぎ。旭屋コミックシティに寄る。  噂には聞いていたが、漫画の数は相当多い。品揃えもうまい。  午後8時30分。帰宅。  巨人対中日戦を見る。中日が強い。きょうは巨人の味方。  7回裏5対0。こりゃダメだな。  もう少し部屋を片づけて寝よう。
7月28日(火)  午前10時すぎ。東急東横線で横浜駅へ。  横浜高島屋で、ベイスターズ・フェアをやっているのだ。  それだけのために行く。何もないと思っていても行く。  行って、8畳間のスペースしかなくても、ファンは怒らない。  ほとんど買ったことのあるグッズが並んでいても、ファンは怒か らず、佐々木様の名前の入ったシャーペンを2本買う。すでにもう 3本持っていてるのだが…。  滞在時間10分程度だけど、ファンはうれしそうに去っていく。  ファンとはこうありたいものである。と自分を慰める。  午前11時30分。渋谷で買い物。本屋さんに行くと、時間がた つのが早い。いつものように神戸屋キッチンのパンを買って帰る。 「くるみバンズ」というパンは絶品だよ。  午後1時。『ハイパープレイステーション』の取材。インタビュ アーの平山拓路(ひらやま・ひろみち)くんは、初対面なのに、私 の日記を読んでいてくれていたので、すごく話がしやすかった。  取材の時でも、話しやすい人、話しづらい人というのが、いるも のだ。ごくたま〜に、インタビューに来たのに、ずっと苦虫を噛み つぶしたような面相の人がいる。何とか笑わせたいという欲求にか られるが、敵もそれがスタイルなのか、笑わない。  最後にベイスターズの話になって、ほくほく。ゲームの話が少な くなってしまいそうだ。  午後2時30分。近所の書庫で、本の整理。  書庫移転のための、大掃除なのだが、どれも捨てられない本ばか りでつらい。グルメ・バカ娘はうれしそうに座り込んで、漫画ばか り読んでいる。私はすぐにへばって、ぶっ倒れてる。けっきょくい つものように嫁が一生懸命やっているだけである。  こういう時に鞄持ちの中尾淳がいれば便利なものを、電話すると しっかりバイトを入れている。この業界をめざして、バイトのため にチャンスを失ったやつは数え切れないぐらいいると教えたのだが、 聞いちゃいない。たぶん中尾淳もそのうち、消えてしまうのだろう。 そういうものだ。たくさん本もあげられたのに。  予定では、3000冊ぐらい処分しそうだ。  業界の人でほしいという人いないかな? 本好きの原口一也あた りは欲しがりそうだなあ。8月1日なら持っていけるよ。携帯に電 話ちょーだい。最近日記を電話代わりにつかってるなあ。 『宇宙人ショック』の神谷栄和にも電話したのだが、留守であった。 最近の留守電は時間が短い。メールの方が用件を正しく確実に伝え られるというのも不思議だなあ。  そういえばその昔、電話は今のラジオみたいな使い方をするため に考案されたとういう話を大学教授の講演で聞いたことがある。  今その頃に戻りつつあるのもおもしろいものだ。電話回線と形は 変わっているけどね。  午後6時。明日は私の誕生日。誕生日には、いちばん気に入って いるお店で食事をして、不二家のケーキで祝うというのがパターン。 今年は新宿伊勢丹の正月屋吉兆に決まったのだが、29日(水)は 伊勢丹の休館日。  ということで前日のきょう行くことにした。  どうせならと、ハドソンの宣伝担当の梶野くんも誘う。『桃太郎 電鉄7』のヒットは彼のがんばり抜きでは語れないものがある。私 の誕生日はやはり功労者と祝いたい。誕生日を喜ぶ歳ではもうない のだから。46歳になってしまう。あと4年で、人間50年、外天 の内をくらぶれば…になってしまう。  梶野くん、大いに正月屋吉兆の味に驚いてくれる。  本当に相変わらず美味しい。  途中、『宇宙人ショック』の神谷栄和から電話が入る。「30、 31日行っていいですか?」「OK! OK! 午後4時から、 アリTOキリギリスも来るぞ!」  ほうっ。中尾淳には先週から伝えていて、ダメ。神谷栄和には 2日前に伝えて、OK。この差が人生で大きな差になることは多い。 かつて何度も見てきた光景だ。はたして中尾淳の運命やいかに?  今は『チョコバナナ』の投稿者たちで、運命の光景が見られるの で楽しい。チョコバナナ伝説の始まりだな。 そして、注目のベイスターズ対中日戦。帰宅後スカイ・パーフェク TVをつけたのだが、3対2で負けている。あっ、負けた!  やっぱり無理かあ。密かに天王山と睨んでいたんだけどなあ。こ れに勝てば、今シーズンの流れは完全にベイスターズになると思っ ていたのに。さすが星野監督&ドラゴンズ。  これが優勝するための試練ならいいんだけどなあ。  明日の一戦がものすごく重要になってくる。  巨人より中日が怖い。  がんばってくれ〜、ベイスターズ!
7月29日(水)  午前10時30分。高円寺の整体さんへ行く。  整体のお兄ちゃんは『ブルース・ブラザーズ』のジョン・ベルー シに似た太った人なのだが、情けないことにきょうは、通風に苦し んでいる。ほとんど歩くのがつらそうで、そのうち匍匐(ほふく) 前進のほうが楽だと言い出して、這い這いを始めてしまった。  まるでどっちが患者なのかわからないと、大笑い。  午後12時30分。時間がないので、新宿西口電気街の「ねぎし」 に行く。弟子の原口一也が推奨する牛タンのお店で、けっこう病み つきになる。  午後2時前。レイアウターの野沢ちゃんが来る。『チョコバナナ』 16巻のフィニッシュ。  午後2時。ゲーム雑誌『じゅげむ』の取材を受ける。  『桃太郎伝説』の取材。話をしていても、『桃太郎伝説』が懐か しく感じられる。まだ新システムとかの話はしてはいけないので、 言葉に気をつける。  午後4時。今度は『プレイステーション・マガジン』の取材。  途中からベイスターズの話を振ってくれたものだから、止まらな い、止まらない。脱線したまま、ゲームの話の倍以上、ベイスター ズの話をしてしまう。困ったものだ。  午後5時。バナナグローブスタジオへ『チョコバナナ』16巻最 後の原稿を持っていく。  社長の榎本44歳に、なんと! メロンをいただく!!!  写真のほうをしみじみ鑑賞して、えのクンがメロンを出したと言 いふらしてくれ。メロンだけで、話題になるのは、えのクンだけ!
 そういえば今週ずっとえのクンはTV『おはようスタジオ』に出 演している。『桃太郎電鉄Jr』のイメージ・キャラなのだ。7月 31日には盛大に出る予定なので、ぜひ見てくださいとのことだ。  午後6時。えのクンの事務所の近所の中華飯店で食事。  細いちりちり麺がめっぽう美味しかった。このお店美味しいんだ けど、店内が暗いので眠くなる。  午後7時すぎ。帰宅後、スカイ・パーフェクTVで真剣にベイス ターズ対中日戦を観戦。  途中3対0とリードするのだが、40年間ベイスターズのファン を続けていると、波が中日に傾いているのがわかる。斉藤隆投手が、 崩れるときの表情を始めた。ナインティ・ナインの矢部くんに顔が 似てくるのだ。  あっというまに逆転される。  そのままズルズル打線は沈黙。  4対3で敗れてしまった。痛い。連敗は痛い。  ここで落ち込むと、ずるずる行きそうだ。  仕事をしてツキを戻そう。 『桃太郎伝説』のミニゲーム部分の仕様書を書き始める。  仕事を一生懸命やるとベイスターズが勝つジンクスをもう一度。 最近確かにちょっとさぼってる。あ〜、面倒な体質だ。
7月30日(木)  午前中、『桃太郎伝説』のテストプレイ。  午前11時30分。原宿駅で『チョコバナナ』投稿者・神谷栄和 と待ち合わせ。  そのまま原宿駅前の「C」で、グルメ・バカ娘、神谷栄和の3人 で食事。この店の看板に「昔ながらのオムライス」というのがあっ て、ずっと気になっていた。  なかに入ってメニューを見ると「おばあちゃんのオムライス」と ある。神谷栄和が注文したのは「パパのランチ」。なかなかネーミ ングがおもしろい。  おばあちゃんのオムライスは、シマウマ並みにケチャップがかか っていて豪華。玉子もまあまあ。チキンライスも標準レベル。  食後も「お味はいかがでしたでしょうか?」と聞いてくるあたり、 非常にいいお店だ。  もう一度くらい来てもいいかな?と思いながら、レジでお金を払 おうとしたら、びっくり! 3人でオムライス2つ、パパのランチ を食べて、9124円! ひとり平均3000円以上? オムライ スいくらなの? 2000円!!!!!  オムライスは6〜700円にしては、いい味だなと思い込んでい た!! 何じゃこりゃあ! ネーミングのおもしろさに値段を見て いなかった私もうかつだが、これは暴利だよ。  あとで、目の検診に行っていた嫁にこの話をすると、このお店は 原宿竹下口駅前という最高の立地なので、修学旅行生、観光客相手 に暴利をむさぼることで有名なお店だという。な〜るほどね。  午後1時すぎ。書庫で本の整理。  意を決して、小説のたぐいを惜しみなく処分する。神谷栄和が大 喜びで本を選ぶ。中尾淳にあげようと思っていた本を次々に選んで いく。ふたりともギャグ漫画志望なので、ほしいものがかぶるのだ。  ほ〜ら、中尾淳! チャンスを逃すとこういうことになる。  午後2時。弟子の原口一也が受け狙いで、やっぱりやってきた。  原口一也もギャグは得意分野なので、次々にギャグの本を選んで いく。中尾淳が欲しそうな本はどんどんなくなっていく。  人生はタイミングだねえ。
 午後4時前。雷が鳴り始めたので、家に戻る。  午後4時。ハドソンの武田くん、藤原くんが来る。  引き続き、ゲーム雑誌『げーむじん』の秋田くんが来る。  土居ちゃん(土居孝幸)も来る。  きょうはこれから、前回出演したラジオ番組『げーむじんじんじん』 でのアリTOキリギリスが『桃太郎伝説』のほほえみの村の住民に なりたいというシリーズの延長戦を収録することになっている。  予定では午後4時30分に来ることになっているのだが、前の収 録が遅れているという連絡が入る。  それならとみんなで雑談。このときハドソンの宣伝の藤原くんが 11年前『桃太郎伝説』の時、オールナイト・ニッポンとタイアッ プして、敵キャラ募集で当選して、ゲームのなかに名前が載ってい ることが判明した。ということはその後、ハドソンが開校した札幌 のハドソンスクールに入学した時にも、藤原くんには会っているの で、とうとう藤原くんは本懐とげて、ハドソンに入社していたので あった。長いドラマだなあ。そして今また『桃太郎伝説』の復活で 宣伝担当になるのだから、縁というのは恐ろしいものだ。  と思ったら、武田くんも昔少年ジャンプの『桃太郎伝説』のはな さかの村の呪文を書けというコンテストで当選していたことが判明。 そうかあ。『桃太郎伝説』のユーザーだった人が今回宣伝を担当す るわけだ。ますます懐かしゲームの雰囲気満点だなあ。  こういうゲームがあってもいいなあ。  午後6時。ようやくアリTOキリギリスのふたりが到着。  時間の遅れを取り戻すかのように、熱演する姿は美しい!  ビッグになる直前の人特有のテンポと笑顔を発散していた。彼ら はヒットするだろうなあ。新人はやっぱり汗をかかなきゃねえ!  昔から私は芸能人がブレイクする寸前を何度も見てきただけに、 楽しいねえ。
↑ アリTOキリギリス
   ↑ 収録風景   
 こういういい場面を見ることができなかった、中尾淳くんは悲し い色やねん(笑)。神谷栄和は、漫画家の玉子として、アリTOキリ ギリスに紹介されて、興奮ぎみ。  午後7時。土居ちゃん、神谷栄和、グルメ・バカ娘、嫁と、近所 の「ルナ・アンジェロ」で食事。カルボナーラが美味しかった。こ の店のデザートは美味しい。蜂蜜のシャーベット、桃のシャーベッ ト、ココアのシフォンケーキと、実に美味しい。  帰宅後『チョコバナナ』16巻の文字校正。  そして岩岡目々さんに電話。新作の絵コンテの打ち合わせ。  いよいよ豆知識の入り方がよくなってきた。さらに上をめざす勉 強をしようとねと伝える。  といったところで、もう午後11時すぎ。怒濤のような一日はと りあえず終了。速い一日だ。
7月31日(金)  午前9時。テストプレイ部屋に行くが、不動産屋さんにもらった カギが合わない。不動産屋に電話したり、家具が配達されるのを 『チョコバナナ』投稿者・神谷栄和に待たせたり、『桃太郎伝説』 の原稿を書きに戻ったり、いろいろあっちこっち大騒ぎ。  午前11時。名古屋から中尾淳到着。  午前11時すぎ。『チョコバナナ』投稿者の×××××サン(本 人の希望により削除)サンが来る。×××××サン(本人の希望に より削除)は『チョコバナナ』15巻で百点を突破した記念で、編 集部訪問で来た。でも元セガの社員だったこともあって、『さくま 式人生ゲーム』でも、どんぶるサンのCGを作ってくれたり、いろ いろと手助けしてくれている。  きょうもうちの嫁のMac用に、私がちょこちょこ動くスクリーン セイバーのようなものを作って来てくれた。私のキャラの動きが妙 におもしろい。私がアニメで動くのは、『Dr、スランプ』以来だ。 まさかコンピュータのなかで動くようになるとは思わなかった。  午後11時30分。近所のエスコッツで昼食。  きょうは一日人の出入りがが多いので、まずエスコッツのメンバ ーから紹介。×××××サン(本人の希望により削除)、神谷栄和、 中尾淳、嫁、グルメ・バカ娘。  午後1時。『さくま式人生ゲーム』のテストプレイ。  午後1時すぎ。『チョコバナナ』投稿者・今井一志が来る。  午後3時。増田景子さんが来る。タカラの高田さん、小沢くんが 来る。原口一也も来る。原口は昨日持ち帰れなかった本を取りに来 た。小沢くん、高田さんとは今、仕事しているので、ご挨拶。  午後3時30分。POWの渡辺さんが『さくま式人生ゲーム』の 新しいロムを持ってくる。  新しいロムを見ながら、こまかい箇所の打ち合わせ。名前入力の だんどりひとつでも、ああしたほうがスムーズ、こうしたほうがわ かりやすいと議論。  新しいロムはグラフィックが大幅に増えて、まるで完成したゲー ムを見るようだ。変更をお願いした部分のグラフィックがみんなよ くなっているので、うれしい。このゲームにこういうツキがある。 月のあるゲームは、直せば直すほどよくなるが、悪いゲームは直し ても直しても、もっと悪くなっていくから不思議だ。  さらに問題点が出たが、応急手当のつもりが、その打つ手がゲー ムのおもしろさを倍増させるアイデアが出る。このゲームには本当 にツキがある。このツキがこのままずっと続いてくれると、うれし い結果も待ってるんだけどなあ。  午後5時。土居ちゃん(土居孝幸)も到着。『さくま式人生ゲー ム』の新しいロムをいっしょに見る。  午後6時30分。人数が多すぎるので、ついに二手に分かれて、 食事をすることになった。  私のほうは、ちゃんこ鍋の「天海地」へ行く。メンバーは、タカ ラの高田さん、小沢くん、土居ちゃん、POWの渡辺さん、増田景 子さん。新しいロムの出来がよかったのと、手直し部分が今後よく なりそうな予感がするので、和気藹々の食事になった。  土居ちゃんが『さくま式人生ゲーム』の4コマ本出せばいいのに と珍しく積極的なことを言ったぐらい。 『さくま式人生ゲーム』とベイスターズの調子がこのまま続いてく れい!  午後9時。神谷栄和が甲府に帰る。  午後10時。鍼灸師の弓削くんが来る。  ところでまた明日から京都に行きそうだ。明日はまだテストプレ イ部屋の引っ越しの続きがあるのだが、早く終了すれば、中尾淳と 京都に行くことになっている。となればみなさん期待の中尾淳話も 飛び出すと思います。乞うご期待!  帰京は、8月4日の予定。忙しいの〜。


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