4月1日(水)

 朝から雨。遠出をしようと思ったけど、中止。  二度寝をしていたら、突然ひらめいた。  雨なら、奈良の吉野も人出が少ないのではないか?  行こう! 嫁と娘を無理やり起こして、でかける。  この吉野には特別な思いがある。    今から6年ほど前、この吉野の桜が見たくて、京都に家を購入し たのだ。以来一度も行けてない。子どもの新学期が始まる頃には、 まだ吉野の桜は早すぎる。ちょうどいい時には、東京で仕事があっ て、急には動けない。  今回どういうわけか、桜の咲く時期がぴったり合っている。  このチャンスを逃すと、もう二度とチャンスがないかもしれない。 雨でいいや!  午前11時45分の近鉄特急で吉野へ向かうが、この特急、ホー ムに来るのが3分前とは豪快だ。京都は始発駅なのだから、15分 前には到着していそうなものなのに。  ちょっと不満ながら、吉野に向かう。しかし不満は続く。車掌さ んのアナウンスがまったく聞き取れない。「やっとっぎ」ではなく 「大和八木(やまとやぎ)」とちゃんと発音してほしい。口を開け るのが嫌なのか、とにかく上唇を動かしてほしい。  近鉄は昔からとくにこのアナウンスに苦しむという印象がある。  こっちは旅人なのだから、駅名は降りるための命綱なのだ。CD ロムで声優さんの声をセットしておいてほしい。    橿原神宮前で乗り換えて、午後1時30分すぎ、吉野に到着。  駅を降りたとたんから、千本桜と呼ばれる桜の大群は圧巻。雨に けぶっているせいか、かえって幻想的で美しい。  吉野については、まったく土地勘がないので、いつものようにタ クシーの運転手さんに、ここはと思う場所に連れて行ってほしいと 頼む。またしても、ロープウェイがあるようだが、さっさと却下。  しかしロープウェイやケーブルのある場所の坂道はまたまた急だ。 今回旅は、急な坂がテーマか?  きょうもまた空が見えるくらいの角度で、タクシーは登っていく。  きょうの車からの眺めは、絶景だ。  いきなり山頂のほうまで行ってくれて、桜美荘たいらの庭へ。こ こは民宿だというのだが、政治家の山荘としか思えないくらい豪華 な庭に建物。しだれ桜が満開で美しい。


 続いて竹林院へ。ここへは豊臣秀吉と千利休がいっしょに訪れた という。その花見見物は、いかにも秀吉らしく、5000人の従者 を連れて来たという。  得意の絶頂だったろうなあ。秀吉くんは。醍醐の花見といい、晩 年は戦ではなく、権威の演出にばかり頭が行ってしまったんだろう なあ。  タクシーで見てまわると、さすがに時間が短縮できていい。  午後2時45分の電車に乗ることができたので、京都に直行せず、 橿原神宮前へ寄り道することになった。  寄り道といえば、わが家の場合、食い道楽のための寄り道である。    駅からタクシーで、まず有名な石舞台へ。吉野のタクシー運転手 さんから、石舞台の桜がいまきれいだということを教えてもらった からだ。旅は現地の人から情報を得るのが一番。  石舞台は、桜が取り囲むように、咲き誇っていた。きれい。  しかしいつもながら高校生の頃に初めて見た石舞台は、訪れる度 に、小さく見えるのはなぜなんだろう。小学校の校庭が小さく見え るのとおなじなのだろうか。  そのままタクシーは、飛鳥鍋のめんどやサンへ。

 もう5年前の秋になるだろうか。飛鳥鍋という美味しそうな名前 だけに釣られて、ここへ来た。その飛鳥鍋の美味しかったこと。も う一度訪れたいと思っていた。  途中、病気をしただけに、やっと来れたという気がする。  さて、ここの飛鳥鍋は、いわゆる鶏鍋で、材料は大和地鶏、ハク サイ、ゴボウ、キノコ、エノキ、三つ葉、カボチャ、ネギ、豆腐と ごくありふれた鍋なのだが、スープが牛乳。しかも唐辛子がたくさ ん入ってる。お鍋ファンならもうこの辺で、喉がごくって鳴りそう でしょ。美味しいんですよ〜。唐辛子がぴりぴり温かくてね。  しかもこのお店が美味しいのは、この飛鳥鍋だけじゃない。  前菜のゴマ豆腐が珍味。こってりしたゴマ豆腐で、中にゴマが粒 のまま入っている。食べるとこのゴマがプチプチして、楽しい食感 を味わえる。さらにご飯代わりの柿の葉すしがまた絶品。いろいろ なところで柿の葉すしは食べているがここのが一番美味しい。  さらに、さらに、デザートのわらび餅が美味しい。

↑ 飛鳥鍋
   すでに、うちのグルメ・バカ娘は、お腹がいっぱいで、苦しそう な顔で「へ〜、へ〜」とあえいでいる。「もうやめろ」というのに、 やめない。美味しい食べ物に出会ったときのうちの娘の執念は鬼気 迫るものがある。情けない能力だ。何とか全部食べようとしては 「苦しい〜」と叫んでる。  私が「そんなに苦しそうなら、わらび餅食べてあげようか?」と いうと、いつもなら「ダメ!」とかいうのに、無言のまま、ずりず り歩を進めて、ほおばる。真剣だぜ、こいつは。  帰りにご夫婦が、ミカンやら、バナナやら、たくさんお土産をく れた。前回もたくさん柿をいただいた。この柿はそれまで食べた柿 のなかでもベスト3に入る美味しさだった。  このきさくな感じの雰囲気もいい。  大満足で、帰途につく、家族。美味しい物に出会えた日は、いい 日だ。念願の吉野も見ることができたし、満足、満足。もう明日東 京に帰らないといけないのが、残念。




4月2日(木)

 寒い。晴れたり、小雨がパラついたり。  嵐山まで桜を見に行こうと思ったのだが、寒いのでやめる。  パンの駸々堂で朝食。  明日うちの娘が全校登校日とかあるので、帰ることに。  あっというまの一週間だ。伊賀上野にも行きたかったし、天理に も行きたかったし、和歌山にも行きたかったし、島根にも行きたか ったし、福岡にも行きたかったし、おいおい、どんどん遠くなるぞ!  午後1時10分。東京に向け発車。500系の新幹線だ。  東京駅の大丸地下で、お総菜を買って帰る。  旅に出ると、暴食することが多いので、帰った日は、お粥などに して、胃を休めることが多い。  しっかり新幹線の中から、鍼灸の弓削くんに、今晩鍼治療を頼む。 昔に比べると、びっくりするくらい身体をいたわるようになった。  家に帰ると、たくさん『チョコバナナ』のハガキやら、漫画やら が届いていて、見るだけでも数時間がたってしまう。うれしい。




4月3日(金)

 午前中、四谷の衆芸社へ。  高村と単行本の企画打ち合わせ。  皇居の近くに、4000円の日本そばがあるというので行くが、 花見ついでの客で満席。来る人、来る人、ほとんど代議士みたいな 風体で、高級車横付け。そのうち来てみたい。4000円のそばと はどんな味だろう。  午後、神宮球場で、なんと年間シートを購入。この年間シートは、 野球少年だった私には、夢のまた夢。ついに実現ってとこなんだけ ど、なぜ横浜球場にしなかったかというと、横浜球場では身が持た ないから。通うの大変だし、勝っても負けてもどこかに寄り道しそ うだし、行けるはずなのに、仕事が入ってると、頭に来るだろうし、 もうとにかくベイスターズのことになると、気持ちを制御できない ので、近所の神宮球場にした。理由になっていない。  お世話になった人と、巨人戦でも見に行くと思えば、サービスに なるし、見ていても気が楽だ…といいつつも、昨年のベイスターズ 快進撃のときに、神宮球場の歓声が家まで聞こえながら行けなかっ たのは、けっこう応えていたのかもしれない。とにかくベイスター ズのことになると…何がいいたいのかよくわかんないぞ〜。  まあ、ひたすらヤクルト・ファンのふりをしながら、球団事務所 で年間シートを購入する様は滑稽であった。  夕方、『チョコバナナ』投稿者・えんらえんらサンが漫画を完成 させて持って来た。『チョコバナナ』読者にとっては、なじみの深 い『虎十郎天下御免!』だ。おもしろい! 15巻に載せたい! でももう載せたい漫画だらけだぞ〜!    夜、税理士の赤根くんが来る。さっそく神宮球場に、セ・リーグ 開幕試合・ヤクルトVS巨人の試合をふたりで見に行くことにした のだ。さすがの野球少年である私も、開幕試合を見るのは初めてだ。 赤根くんも突然の幸運に、うわずる声で嫁さんに「開幕試合を見る んだぞ〜! すごいだろ〜!」と電話して、まったく理解されなか ったそうだ。うちの嫁もなぜそんなに年間シート購入が私を興奮さ せるのか理解できないようだ。まあ、男が宝石の魅力がわからない くらい、女性にとって野球の魅力はわからないだろうな。  そんなこんなで、ヤクルトVS巨人戦。  巨人ファンの赤根くんは、1回裏にいきなり桑田が本塁打を打た れて、4点も入れられて、がっくり。これは一方的な試合になるぞ と思われたが、2回から桑田が立ち直り、大喜び。  私は、6回表に、携帯電話で、ベイスターズ・ダイヤルで、横浜 VS阪神戦の途中経過を聞く。6対0で横浜が勝っている〜! や っほー! よっしゃあ! これでゆっくりヤクルトVS巨人戦が見 れるぞ。何じゃそれ?   試合は最後までもつれにもつれて、何と巨人が1点リードで、9 回裏2死カウント2─3から、三振で幕切れという漫画のラストシ ーンのように出来過ぎた展開。しかも試合時間4時間を越えていて、 午後10時30分。とんでもない時間だが、歩いて家までは、わず か10分か15分。便利な場所だ。  赤根くんはにこにこ。私はベイスターズが8対0で阪神を破って、 にこにこ。わけもわからずにこにこしながら、帰る道。よくぞ男に 生まれけりだ。  う〜む。しかし、年間シートという武器を手に入れてしまった私 は堕落しそうだなあ。この調子で1年間野球ばかり見ていたら、身 の破滅だ。なるべくこのチケットは他人に渡そう。




4月4日(土)

 昨日のプロ野球開幕戦に興奮したのか、寝付けなくて午前4時す ぎまで本を読んでいた。司馬遼太郎さんの『播磨灘物語』の4巻目 の最後のほうになってきたからというせいでもある。司馬遼太郎さ んの作品はどれも最後にさしかかると、文章が短くなって、ものす ごくテンポがよくなる。  もうこの本、読むのは10回目ぐらいなのだが、毎回新鮮な発見 があるところが司馬遼太郎さんのすごいところだ。  午前8時30分。誰かわからない電話に起こされる。眠い。  もう一度寝ようと思うのだが、きょうは午前10時30分に原宿 の竹下通りのまんなかに、コンパイルのぷよまん本舗が開店するか ら、どうしても行きたい。  コンパイルは、ニュースで倒産と伝わってしまっているけど、 和議申請というやつで、倒産したわけではない。だからこそ社長 の仁井谷正充さんには、ぜひがんばってもらいたいたくて、応援 に行くのだ。何ができるわけでもないけど、せめて行列のひとり にでもいいからなりたい。


↑ 左から仁井谷さん・グルメバカ娘・わたし
 午後10時30分。竹下通りのまんなかのプリクラ屋さんが、 仮店舗。しっかり行列ができていて、ほっと一息。仁井谷さんも マイクを持って元気に挨拶をしていた。原宿に来たら、ぜひぷよ まん本舗で、ぷよぷよ饅頭を買って、袋を下げて、原宿を一周し てから帰ってほしい。わが家族もぷよまんと、ぷよぷよのぬいぐ るみを買って、袋を下げ、原宿を散歩してから、八竹で食事をし た。少しでも宣伝マンにならないとね。仁井谷正充さんみたいな 人が、まだまだヒット作を生み出してくれないとね。  で、八竹(はちく)。ここは大阪寿司の美味しいお店。茶巾ず しの玉子がまあ、絹のようにすべすべとした食感で気持ちがいい。 アジの黄身ずしというのも、なかなか傑作。こんなに美味しい玉 子焼きにはちょっとお目にかかれないよ。  ただこの茶巾ずし、1コで800円とかなり値段が高い。  原宿の飲食店は12時すぎからというお店が多いだけに、午前 9時からやってるこのお店は重宝しているのだ。  ん? 嫁が携帯電話に、留守電が入っているという。 「さくまクン、昨日の川村、1安打完封おめでととう!」  グルメの師匠・すぎやまこういち先生だ!  昨年のベイスターズ快進撃の時にお会いすることが多くて、す っかり先生に横浜ベイスターズを意識する癖を植え付けてしまっ たようだ。面目ない。でも先生にベイスターズをホメられると、 うれしさも格別だ。  午後1時。漫画家&霊能者の岩崎摂さんが、子どもを連れてや って来る。話せば長すぎる関係だが、なかには月刊OUTで活躍 した漫画家さんとして覚えている人も多いだろう。私とは師匠と 弟子の関係らしいのだが、脳内出血以来、霊能のほうの能力で、 数々のピンチを救ってもらっているので、いまは私のほうが相談 する側になっている。うちの娘と岩崎摂さんの娘は仲がいい。  鍼灸師の弓削くんが来て、岩崎摂さんに、いろいろ相談する。  かなり専門用語が多くて、よくわからない。  夜、少し仮眠する。  最近『チョコバナナ』に漫画の作品を送って来る人や、今後どう してもプロをめざしたいといった人からの連絡が多くて、作品の添 削やら返事がどんどん遅れて行っている。来週ぐらいから『チョコ バナナ』15巻の準備が始まるので、またまた時間がない。  専門学校のお仕事も始まるのだった。  ペース考えて、無理しないようにしないとな。  




4月5日(日)

 きょうは八王子まで、お墓参り。  千駄ヶ谷駅の立ち食いそばが急に食べたくなって、千駄ヶ谷駅へ。  ところがここで食べたイカの天ぷらがいけなかった。油が当たっ たようで、お腹が痛くなってしまった。何てデリケートな身体にな ってしまったんだ。朝起きて、娘とケーキを一切れ食べたのがいけ なかったのかな。  うちの娘も、お腹が痛いという。  苦しみながら、何とかお墓参り。  帰りは、京王八王子駅から新宿へ向かう。  お腹はさらにキリキリと苦しくなって、つらい。   こんな時は、元気を出すために、ベイスターズ・ダイヤルだ。  横浜VS阪神の途中経過は、0対1で負けているという。う〜。 さらに苦しくなるだけだ。  夕方から寝込む。  娘はもうすっかり元気になっている。  夜はお粥にしたのだがが、すっきりしない。  それでも、横浜ベイスターズが延長戦の末、さよなら勝ちをした の報が入って、少し楽になる。  開幕3連勝だ! 火曜日からのヤクルト戦は見に行くぞ。  う〜、苦しい。きょうはもう寝よう。




4月6日(月)

 きょうはうちの娘の始業式。とうとう6年生になってしまった。  まだお腹の調子はよくない。   ひさしぶりに、原宿ふるさとプラザで昼食。ふるさとプラザ自 体は改装中。いい形でのリニューアルになってほしい。このところ ずっとここは覇気がなくなっていたから心配はしていたのだ。無駄 話ばかりしていて、まったくやる気のない店員がひとりいたんだけ ど、そのやる気のなさがだんだんほかの店員に伝染し行くのがわか ってすごく嫌だった。 もうひとりすごく仕事熱心なおばちゃんがいて、いつもそのおばち ゃんがいると、買う物がなくても無理やり何か買ってしまうおばち ゃんだった。  でもお店って、絶対悪い店員のほうになびいていくんだなあ。  食後、いつものようにCAFE VASY(カフェ・ヴァジー) で、アーモンド・オレを飲む。この店は店員が本当に素晴らしい。 お客さんの顔をすぐ覚えるし、一度私が手が不自由なので、ボウ ル式の器を、取っ手付きの器に変えて欲しいといって以来、ずっ と取っ手付きの器にしてくれる。客商売なら当たり前のことだが、 これができるお店は、東京にはほとんどない。  午後2時。ビブロス(旧・青磁」ビブロス)の崎山くんが、山 田くんと来る。8月創刊予定の雑誌の話。崎山くんは、休刊して しまった『MEGU』の私の連載ページ『☆比喩魔(ほし・ひゆ うま)』の担当編集者だった。  創刊前なので、内容についてはナイショね。  夜、『チョコバナナ』投稿者に立て続けに、添削の電話。  最近本当に漫画の投稿作品が多いので、いちいち文章を書いて いるヒマがない。岩岡目々さん、しののこサン、天街由佳子さん、 藤川かつらサン、最後に中尾淳。  ふうっ。すっかり声が枯れてしまった。




4月7日(火)

 青山の「K」で初めて昼食。前から行きたかった加賀料理のお店。 高級料亭といった感じのたたずまいなだけに、期待したのだが、ま ず湯呑みが欠けている。お茶がぬるい。器も欠けている。重箱も欠 けている。重箱の隅をつつくではなく、重箱の隅が欠けているよう なお店の料理は「うちの料理はまずいですよう」と言っているよう なものだ。  午後1時。落合茂一さん、野沢ちゃんが来る。  野沢ちゃんは『わるわ〜るど』の単行本の編集開始。  落合さんは、アニメ『うる星やつら』のプロデューサーとして有 名。現在は『ビーダマン』を制作しているそうだ。  クリエイター出身の方だけに、漫画やアニメ、ゲームの話をして も話が合う。いろいろ業界のことを教えてくださる大先輩だ。 「いつか『チョコバナナ』を率いて、落合さんがアニメにしたくな るような漫画を作りたい」というようなことを言ったのだが「いや、 その可能性もありますよ」とおっしゃる。お世辞をいうような人で はないので、思わず興奮する。それからの会話はちょっとナイショ。 極秘なのと、この段階で言ってしまうと、幸せが逃げて行くような 気がするので、ゴメンね。クリエイターというのは、すごく縁起を かつぐ種族なのだよ。  午後3時。野沢ちゃんと『チョコバナナ』15巻の台割りを決め る。台割りを決めてからでもけっこう変更することが多いのだが、 これを決めてしまうと、すごく気が楽になる。  しかも落合さんとの会話で『チョコバナナ』の向こうに虹がかか っているようで、気が大きくなっている。ぬかよろこびとわかっ てはいる。でもうれしいのだ。  というわけで、ページが圧倒的に足りないのだが、「増やせ!」 「増やせ!」と叫ぶ私。「そ、そんな」とうろたえる野沢ちゃん。  けっきょく現段階では、344ページ! なんと漫画だけで、 創刊号よりも30ページ以上多い、とんでもない本になってしまっ た。 う〜。ちょっと調子に乗りすぎたかな? また一歩『コロコロコミ ック』に近づいたぜ!   夜、きょうからわが横浜ベイスターズは神宮球場で、ヤクルトと の3連戦。開幕から3連勝。目下負けなし。相手は開幕から3連敗。 古田は故障で、きょうも欠場。  ふっふっふ。これなら全勝優勝も夢ではない! おいおい、全勝優勝なんて、大相撲じゃないんだからと、ツッコミ を入れてくれ! ふっふっふ。  嫁は近所のお寿司屋さんにわざわざ必勝を祈願して、海苔巻きセ ットを作ってもらう。わが娘は、メガホン、旗、帽子、座布団、い ずれもベイスターズの絵の入ったグッズを鞄につめ、出陣の準備。 小学校のお習字の道具は忘れても、ベイスターズの道具は忘れない、 健気な娘よ。  午後6時。満を持して、今シーズン初の、家族総出のベイスター ズ観戦である。いざ、出陣! 年間シートがあるから、午後6時に 出ても、歩いて10分で着くから、6時20分の試合開始にもちゃ んと間に合う。  球場に着いて、まず売店で、ベイスターズの携帯電話ストラップ を見つけてしまう。うちの娘はベイスターズの10色ボールペンを 発見。「買うがよい。買うがよい。わがベイスターズは開幕から3 連勝。現在首位であるぞ!」と私は余裕の笑みを浮かべながら、す かさずベイスターズの選手の名前の入った、千社札のようなシール も買う。ふっふっふ。準備万端。  結果。5対2で負けた。そんな〜。私の今シーズン初観戦だぞ〜。 御前試合だぞ〜! 何で途中から古田が出てくると、別のチームの ようにキビキビするのだ、くそっ。佐々木様の出番もないじゃない か〜。娘は点が入るまで、とんがりコーンを食べないと健気な姿を 見せ、私も点が入るまでは、珈琲を飲まないと願をかけたのだが、 こっちが1点先制点を取って、ほっとしたすぐ後にバタバタと点を 取られてしまった。  やっぱり土橋だ。敵ながらあっぱれな武将よ! ランナーがいな いときは、全然気にならない打者なのだが、ランナーがいると本当 に怖い打者だ。  ええい、明日も行くぞ!  きょうは『プロ野球ニュース』は見ない。ぷんすか。




4月8日(水)

 さあ! きょうは忙しいぞ〜!  と思ったら、朝の5時に目が覚めてしまった!  そこまで早く起きなくていいのだ〜。眠れな〜い。  コーヒーとケーキを食べて、午前9時すぎ、杉並区上井草の診療 所に向かう。きょうは、血圧の薬をもらいに行くだけだ。  えっ!? また先生変わったの? ええ〜? やな予感。 「糖尿の検査は定期的にやったほうがいいですね。1月に検査した だけですね。きょうは採血と尿の検査をします。まずは血圧を」  待ってくれ! 先生変わると、血圧上がるんだ。うっ、やめてく れ! うわっ。ほら、上が150じゃないか!  「高いですね」  冷ややかにいうな。愛想はないのか。採血も待ってくれ〜。今朝 思い切り美味しいケーキを食べてきたばかりなんだ! 甘い物食べ たら血糖値がぐんと上がるんだろ? いつも今度来るときは、朝ご 飯を食べてこないでくださいというのに、いまやるのは反則だろ。  あっ、採血は私が子どもの頃から知っている、いつものおばちゃ んだ。ふう。少し安心する。 「あら、空腹時の血糖値並みの数値がでましたよ、よかったですね」  え? ホントか。ああ、よかった。ふい〜。朝から寝不足なのに いきなり血液検査までされて『ドラクエ』の毒の沼地を歩いている ようだ。バシバシバシ!  薬局で薬をもらって、さあ、次は高円寺の整体さんだ。  午前11時30分。ここで嫁と落ち合う。バキッ! いたっ。 メキメキメキ! いてててて。痛! ひえ〜い。写真を参照してく れい。


↑非情な整体師(ほんとうは優しい)
 12時30分。高円寺駅で、読売広告社の岩崎誠と待ち合わせ。 平田みどりサンもいっしょ。昼飯仲間ひろたたけしを呼んで、みん なでスパゲティを食べる。  食後、ひろたたけしの会社に行く。  しばらくして、ショッカーO野くんも到着。  役者が揃って、会議。このメンバーが揃ったら、どんなことを会 議するのか想像がつく業界人もいると思う。そう。このメンバーで ヒーロー物のゲームを作ってみようかという会議なのだ。内容はナ イショ。このところ来年、再来年の仕事の打ち合わせばかりなので、 連日内容を教えるわけにいかない。覚えとくだけ、覚えておいてね。

↑ ひろたたけし&ショッカーO野
 案の定のメンバーだけに、話は盛り上がり「ぜひ、みんなで楽し くやりましょう!」と言ったところで、すでにもう午後3時30分。  やばい! 午後4時に家で、タカラの高田さんと待ち合わせをし ていうるのだよ。ひろたの事務所の前で、タクシーを拾おうとした ら、刑事ドラマのようにちょうど、事務所の前で人を乗せたタクシ ーが止まる。これは助かったと思ったら、なかから出て来た乗客は、 なんとキム皇ではないか。そういえば、きょう、キム皇が、ひろた の事務所に来ると言っていた。 「キム皇、ごめん、とにかくタクシー乗せて。また今度ね」  ひ〜、本当にきょうは忙しいぞ。  タクシーのなかから、衆芸社の高村に電話して『チョコバナナ』 15巻の部数をどうするか、流通をどうするか、移動会議。  午後4時ちょっとすぎ。タカラの高田さん、小沢くん、くぬぎ ふみたかサンの3人に「遅れてごめんなさい」と謝る。  もうおおっぴらに言える。 『さくま式人生ゲーム』の打ち合わせ。  増田景子さんが来て『さくま式人生ゲーム』のこまかいチェック。  くぬぎふみたかサンと聞いて、おや?と思った人は、業界通か 『チョコバナナ』の読者。  功刀文孝さんというのが、正しい名前なのだが、「功」の「力」 の上の部分がない文字がさらに正しい名前。コンピュータにないの で「くぬぎふみたかサン」と表記させていただく。でもうひとつの 『チョコバナナ』の読者というのは、実はくぬぎサンは『チョコバ ナナ』に投稿しているのだ。今も。最近ぐんぐんうまくなって来て ランキング表にまで登場している。まったく『チョコバナナ』は不 思議な本で、くぬぎサンのように業界人が投稿していたり、現職の プロ漫画家が投稿していたり、有名声優の娘さんが投稿していたり、 変な本だ。  で、くぬぎサンは現在『ビースト・ウォーズ』の担当。  実はこのくぬぎサンと、かれこれ10年近いお付き合いで、そん なこんなが積み重なって、今回『さくま式人生ゲーム』の誕生にま でこぎつけたのだ。『さくま式人生ゲーム』の最大の功労者だ。  出来ればヒットした上で、最大の功労者と呼びたいところだ。  またまた会話が盛り上がって、このまま食事になだれ込みましょ うと私は言ったのだが、ここでびっくり。高田さんが「でも、さく まサン、きょうもベイスターズ戦見に行くんでしょ?」「え? 何 でそれ知って…あっ、日記読んでるんだ。ははは。いやあ、お恥ず かしい」  まいったなあ。昨日の日記で「きょうも行くぞ」とつい勢いで書 いてしまったために、いらぬ気をつかわせてしまった。いかんなあ。 あれだけ書いて、ベイスターズ戦を遠慮すると、みなさんにかえっ て気をつかわせてしまうので、まだまだ話したりなかったんだけど、 神宮球場へ行かせてもらう。またベイスターズ・グッズを山ほどか かえて。おや? ぽつぽつ雨が降ってきた。でもこれくらいなら中 止にならないだろう。そういえば、きょうはいやな予感が多い。  ベイスターズ・ダイヤルに携帯で電話する。ええ〜? 中止? だったら、タカラのみなさんと食事すればよかった〜。  きょうは、なんて二転三転の一日なんだ!   どうしよう? とりあえずベイスターズ・グッズをかかえたまま で食事すると、ぎょっとされると思うので、家に戻る。  悩んだあげく、前から行ってみたかった、老舗中の老舗・うなぎ の野田岩に行く。  なるほど、誰もがすごいというだけの味だ。  タレと、うなぎがしっかり同格の戦いをしている。うなぎは必ず タレの甘さで美味しいと思ったりしてしまうのだが、見事に両者譲 らずの味だ。これで「きょうはあいにく天然物がなくてすみません」 という。天然物はさらにどれだけ美味しいんだ? もう一度来いっ てことだな。また来るぞ。明治の館のような重厚な建物も気に入っ た。きっとまた来るぞ。「あ〜、美味しかった」と言った瞬間、ま たカロリーの高い物を食べてしまったことに気がついた。  あとの祭りとは、このことだ。  帰宅後、体重が増えていなかったので、安心する。  あ〜、忙しい1日だった。しかしこの忙しさは、あと2日続く予 定。とにかく明日に備えて、寝る。




4月9日(木)

 午前11時。ハドソンの浦さん来る。  土居ちゃんも到着。 『桃太郎電鉄』のゲームボーイ版と『桃太郎伝説』の打ち合わせ。 『桃太郎伝説』のほうは想像を超えるような馬鹿馬鹿しいイベント を本気でやるようだ。希望の都なんか、気が遠くなるくらい広いM APにしてやろうとか、むちゃくちゃなことがどんどんOKになっ て行く。まさにファミコン版の『桃太郎伝説』を作った時の雰囲気 で楽しい。ポリゴンも豪華な声優陣もつかわずに、その分ゲームの 中でバカなことをやろうというコンセプトがいい。 


↑ 土居ちゃん、浦さん、わたし。
 途中、昼食をはさんで、再びゲームの打ち合わせ。  午後1時。ハドソンの梶野くんが来て、ゲームボーイ版のタイト ルとサブタイトルを検討。決定する。タイトルはさすがにまだ教えて はいけないので、せめてサブタイトルのほうを。 「全国ラーメンめぐりの巻」。  例のラーメン紀行モードをフィーチュアすることになった。  午後4時。郵便が届く。『チョコバナナ』15巻の締切りが近くな ったので、どっとハガキが届く。『バナナDAYS』も漫画作品も増 えているので、恐ろしいほどの量だ。封を切るだけでも時間がかかる。  午後5時。『チョコバナナ』のまだ添削していない作品を2本、添 削する。レベルの低い作品には添削しませんよと言ってはいるのだが、 最近どんどんレベルが上がっているので、どの作品にも添削しなきゃ いけないから大変。  午後7時。ファミ通ブロス副編集長の那田さんと会食。いつも那田 さんには美味しいところごちそうされてばっかりだ。  きょうは目黒の「よだきんぼ」というお店。なんと宮崎の郷土料理 のお店だ。このあいだ宮崎に行って来たばかりなので、メニューを見 るとなつかしい。さらにこのあいだ宮崎で食べるヒマがなかった 「チキン南蛮」があったので食べる。  『桃太郎電鉄7』の音楽担当宮路一昭くんが、宮崎なら「チキン南蛮」 ですよと言っていたので、ついにご対面。美味しい!  鳥の唐揚げにタルタルソースをかけてたものを食べる。  鳥が大きくて、唐揚げの衣が薄いのがいい。  さらに「冷汁」も食べる。丼にご飯。これにおぼろ豆腐にキュウリ、 焼いてほぐした魚、みそしるの冷たいのをぶっかける。美味しい!  美味しい時は「美味しい!」と表現するのが一番。  本当に那田さんは美味しいお店をよく知っている。




4月10日(金)

 午前11時。『チョコバナナ』投稿者のこんにょサン、しののこ サンが来る。  午後1時。ムサシノ広告の伊東正義が来る。  午後3時。四谷の衆芸社に行く。出版会議。出席者は、ずっと 『桃太郎電鉄』シリーズの攻略本を作ってくれている、プロスペッ クの江口貴博くん、フリーライター兼ゲームデザイナーの柴尾くん (『レナス』の作者)、『ドラクエ』『FF』の攻略本で有名な元 キャラメルママの原口一也。現在のゲーム業界で最もしっかりした 仕事をするライターたち(業界ではもうベテランになる)が勢揃い した。しかもこの顔ぶれが揃うのは初めて。お互い名前は聞きいて いるものの、会うのは初めてどうし。  このメンバーに、読売広告の岩崎も加わる。  ちょっと見る人が見れば、とってもきな臭い。  でもこのメンバーで「買って損しないゲーム」みたいな単行本を 発売できないかという会議なのだ。  さすがゲーム攻略本業界で、長いこと生き抜いて来たメンバーだ けに、みんな初対面と思えない話の盛り上がり。  このメンバーで今後どんな本ができるか楽しみ。  午後6時過ぎ。赤坂の東京全日空ホテルで開かれた『石ノ森章太 郎氏を偲ぶ会』へ行く。小学館主催なだけに、もう業界のお偉いさ ん、漫画家のみなさんが勢揃い。体育館のように大きな広間がびっ しり埋まっている。さすが石ノ森章太郎さんの人徳だ。  冠婚葬祭関係は出ないことにしている私なので、献花する壇のこ とを何と呼ぶのかわからないが、何100冊と並べられた先生の著 作物を見ると、私の創作活動に影響を与えた作品ばかり並んでいて、 改めて、私が「石ノ森っ子」であることがわかる。  子どもの頃にあこがれた人と、いつかおなじ業界の人間として会 えるようになりたい。ファンとしてでなく会いたい。それを夢見て こうしてここまで来たけれど、手塚治虫さんといい、会えてすぐ会 えなくなってしまうのは、すごく悲しい。  会場で、内田春菊さんから「おひさしぶりです」と声をかけられ た。そういえば10数年ぶりのような気がする。  ショッカーO野くん、『スーパージャンプ』の木下さん、『週刊 少年サンデー』編集長の奥山くん、副編集長の瀬尾さん、読売テレ ビの諏訪さん、小学館文庫の福田さん、学研の鈴木克伸さん、昔か ら知ってる人もいれば、きょう初めて会った人もいる。  ひさびさに気をつかうような人たちが集まる会だけに、緊張して 腕が固まって、じんじん痛い。脳内出血の症状なのだ。  午後8時過ぎ。偲ぶ会では、とても食事をする間がないので、山 王飯店で食事をする。携帯でベイスターズ対巨人の途中経過を聞く。 3対0で負けている。石ノ森章太郎さんのことでしんみりしている ので、くそ〜とも思えず「はあ…」である。  ここで偲ぶ会でいただいた記念品を見る。  石ノ森章太郎さん直筆の言葉が入ったハガキとテレカなのだが、 石ノ森さんの言葉を読んで、嫁と私はせつなくなってしまった。 この日のことを想定した文章なのだよ。    皆さん お元気ですか    皆さんとのおつきあいは 大層    楽しいものでした 感謝多謝です    有り難う御座居ました    出来ればもっとご厚情に甘えて    いたかったところですが、なにしろ    それぞれの持ち時間、    こうなりました。    では、機会がありましたらまた    お会い致しましょう、さようなら             吉日 石ノ森章太郎  たまらんでしょう? トキワ荘の時代の人の生き様には、絶対勝 てないよ。私なんぞ死ぬときジタバタして、最後までみんなに迷惑 かけるんだろうなあ。私の持ち時間も有効につかわないとなあ。  帰宅。あ〜あ〜、どうせベイスターズも負けたし、日記を書いて 寝るかと思ったら、嫁が降りてきて「×××××サン(本人の希望 により削除)からのご感想メールで、ベイスターズが逆転したそうよ」 という。 「何〜!!!!!!!!!」 「×××××(本人の希望により削除)、でかした(気分は織田信長。 敬称略、ご免)!」  あわててベイスターズ・ダイヤル! ええい、お話中だ。  もうひとつあるベイスターズ・ダイヤル!  ほ、ほ、ほんとだ。逆転してる! おひょひょひょひょ〜。  私はいまからニュースステーション、プロ野球ニュースとはしご をするぞ。  いざ、さらばじゃ!




4月11日(土)

 午前10時。表参道APETITOで食事。相変わらず何と読む のかわからない。最初アパタイトと読んでいた。それじゃ「芸能人 は歯が命」だ。それはアパガード。  本当に原宿、表参道、青山界隈は、英語、フランス語、イタリア 語、その他いろいろ入り乱れた店名ばかりで名前を覚えようという 気にならない。  ベーグルサンドのお店というように、美味しいものの名前で覚え るようにしている。で、ここでベーグルサンドにコーヒー、サラダ。 なんてヘルシーなんだ。入院前は午前中から、かつ丼食べてたのに。 パンはおやつだった。  午後11時。嫁と娘は池袋の水族館へ。私は原宿を散歩。午前中 から気温20度を越えているようで、暑い。セーターを着ているの は私ぐらいなので脱ぐ。とたんにくしゃみを連発。 仕方なくセーターを着る。暑い。  午後1時。美容院「HAIR STREET」に行く。このお店は 従業員の教育がよくできていて、すがすがしい。お客さんの名前をつ ねに口に出して、接客する姿はいまどき珍しいお店だ。  午後3時。新宿で桂花ラーメンを食べる。  新宿をぶらぶら。新星堂、カメラのさくらや、本屋など。  夕方。『チョコバナナ』のハガキがドッと来る。10日の消印有効 だから、ハガキはきょうがピーク。 『チョコバナナ』15巻のページ割りを考える。  夜。原宿の新しいお店にチャレンジ。「旬の味 市」。魚が中心の お店だけど、油揚げのカリカリ揚げとか、ゴマ豆腐とか、脇役がけっ こう美味しい。  お店にいる時、携帯でベイスターズ戦を聞いたら、勝っていたのに、 帰宅したら、負けている。その後もぼろぼろ。まあ今の時期から首位 を走られると、神経持たないから、いいか。なんて余裕あるふりなん かして。  夜は、鍼灸師の弓削くんが来る。  さあ、明日から『チョコバナナ』の編集開始だ。




4月12日(日)

 午後2時。新宿ロフト・プラスワンに行く。  ショッカーO野くんのトークショウがあるので顔出しに。  ところがショッカーO野くんは、のっけからマシンガントーク。 実は午後2時から、家に『チョコバナナ』投稿者の藤川かつらサン、 石橋淑江さんが来ることになっていて、うちの嫁に相手をしてもら っているのだが、あっというまに午後3時をまわってしまった。  途中、神谷明さんも見えられて「おひさしぶりです」。ますます 帰れなくなってしまった。声優さんもたくさん来ていたのだが、悲 しいかな、私は声優さんの名前を全然知らない。大変失礼。  けっきょく午後4時をすぎたところで、ミンキーヤスさんといっ しょに途中退席。ショッカーO野くんにはもうしわけないことをし た。あとで聞いたら、休憩のあと、神谷明さんと3人のトークをや ろうと思っていたそうなので、大先輩の神谷明さんにももうしわけ ないことをしてしまった。  これからは、ちゃんと余裕のあるときに、行かないとな。  午後4時30分。藤川かつらサンと『助けて!福助!!』の今後に ついて打ち合わせ。年内には単行本にしたいねという話になる。 『チョコバナナ』15巻の編集開始。  漫画の写植指定だけでも、すごい分量なのに、うちの嫁が驚く。 そりゃそうだ。漫画だけで180ページぐらいあるんだから。創刊 号よりも30ページぐらい多い。  夜。六本木の香妃園で、いつもの「鶏そば」を食べる。  食後は恒例、青山ブックセンター。大きな本屋さんをぐるぐるす るのは楽しい。  帰宅後、『チョコバナナ』投稿者の岩岡目々さんに電話する。  すでに『チョコバナナ』16巻用の絵コンテの直しが届いている のだ。OKを出して、その後をどうするかの打ち合わせ。『チョコ バナナ』のほかの投稿者がどんどんがんばってきているのを、ひし ひしと感じているようで、どうやったらもっと上手くなるのかとい う質問を連発する。質問が出ているかぎりは、人間は成長し続ける というのが、持論なのだが、岩岡目々さんは本当に質問が途切れな い。恐ろしいやつだ。 『チョコバナナ』はきっといつか伝説になるよ。 『プロ野球ニュース』で、ベイスターズ快勝のテレビを見て、寝る。  




4月13日(月)

 午前中、『チョコバナナ』15巻の編集。  午前11時。CAFE VASYのスパイシー・カレーを食べる。 嫁、石橋淑江さん。  午後、『チョコバナナ』15巻の編集。  午後2時30分すぎ。野沢ちゃんが来て、『わるわ〜るど』の単 行本の打ち合わせ。『チョコバナナ』15巻の打ち合わせも。  この2週間のあいだで『チョコバナナ』15巻を編集してしまわ ないといけないのがつらい。好きでやってることだから、文句も言 えない。  午後5時。『チョコバナナ』投稿者・えんらえんらサンと、GW さんが来る。GWさんが作ったムービーをみんなで見る。個人でム ービーを作ってしまえる時代がこんなに早く来るとは思わなかった。  午後6時。岸啓介くんと原宿駅で待ち合わせ。  岸啓介くんはけっきょくテレビ東京『誰でもピカソ』のコンテス トで、5週勝ち抜いて、夏ぐらいにはニューヨークかパリで個展を やるそうだ。この4月からは、ソフトバンクの新入社員になって、 きょうはその報告。




4月14日(火)

 お昼、赤坂のそば処「遊庵」。初めてのお店。まあまあ。  午後1時。日比谷公会堂。東京コミニュケーションアート専門学校 (TCA)の入学式。  私は今年、東京、大阪、博多で、10回の特別講義をすることにな っている。  10年ほど前にほかの専門学校の講師をやっていたのだが、そのこ ろは入学式なんてものはなかったので、どんなことするのかちょっと 楽しみだった。  まず講師控え室に行く。こんなに知らない人ばかりのところに顔を 出すのはひさしぶり。音楽評論家の湯川れい子さん、元ゴダイゴの ミッキー吉野さん、浅野孝巳さん、元プリプリの富田京子さん、渡辺 敦子さんといった人がいたのだが、面識がない。  ほかには高校の校長先生といった人たちがたくさん。  まずは会場で、先生方ひとりひとりずつを紹介。私は、特別講師と いうことらしい。新入生は1200人以上。ものすごい数だ。  続いて、プレゼンテーションというイベントが始まった。これがお もしろい。カーデザイン、ボトルデザイン、イベント・プロデュース、 漫画、ゲーム、演劇、ダンス・ミュージック。それぞれ在校生、卒業 生が、企業向けに、プレゼンテーションする様をひとりでトークする。  こんなことを在校生たちがやっているのを見たら、新入生も来年は やるはめになるかもしれないという覚悟ができていい。  とにかくこの学校は、実践に即していて、きょうからもう就職に向 けて突き進んでいく。この入学式も、在校生のイベント関係の生徒た ちが2日がかりで、セットを組み、式次第を進行させて行く。  まさにもう音楽事務所や、テレビ局で、実際に仕事をしてるのとお なじやり方なのだ。だからしっかり挨拶もできるし、自然に「おつか れさま」が言える。  これなら即戦力の生徒を育てられるわけだ。頭に描いていた専門学 校とまったくイメージが違う。TCAは先進性の高い学校ですとは聞 いてはいたけど、そんなものは学校の宣伝文句の常套句だろうと思い 込んでいた。なるほど専門学校業界の台風の目と言われるだけのこと はある。  午後4時すぎ。日比谷公園松本楼で、先生方の懇談会。  さすがに顔見知りの人がほとんどいないので、途中退席。  帰宅後、『チョコバナナ』15巻編集。  青心社の青木治道さんから、『チョコバナナ』の漫画に対して、長 文のFAX。ひとつひとつの作品にこまかいコメントが入っている。 読み込み方も私よりも深い。もう頭が下がるばかり。業界人でここま でやってくれるような人って、まずいないよ! ちなみに、青木治道 さんは『アップルシード』で士郎正宗さんを発掘した人として、業界 ではとっても有名な人だ。  う〜む。昔から青木治道を目標にやってきたんだけど、ちっとも追 いつかない。  とにかく漫画を描いた投稿者たち全員に送ってあげよう。  いまならみんな青木さんの評論を読んだら、作品の向上に役立てる ことができるだろう。  夜、前から娘に連れていく約束をしていた、六本木のお寿司屋さん 「兼定」へ行く。娘にとっては初めてのお店なのだが、ひとつ目の トロを口に入れたとたん「にま〜〜」と、不気味な笑みを浮かべる。 ダメだ! 早くもこのお店を気に入ってしまったようだ。  イカ、エビ、貝類が本来苦手のはずのバカ娘は、どんどんイカも 赤貝も食べてしまう。まったく美味しいと、好き嫌いがなくなると いうのはいやらしいガキだ! 相当このお店に対する評価が高いみ たいだ。  最後に隣りにいたお客さんから「幸せそうに食べるお嬢さんです ね〜」と言われてしまった。情けない。帰り道も「にひひひひ」と、 わけのわからない笑い方をして、身体が揺れている。  これほどまでに食べることが好きな人間って、見たことないぞ。  さあて、まだまだ『チョコバナナ』15巻の編集を続けなければ。




4月15日(水)

 お昼、西葛西のロイヤルホストで食事。  きょうは東京コミニュケーションアート専門学校(TCA)で、 初めての特別講義なのだ。  午後1時30分。CGアーティスト科、まんが科、ゲームクリエ イター科の生徒たち総勢200人以上を前にしての講義。こういう 講義は5〜6年ぶりなので、なかなかテンポが思い出せない。  私の講義はいつも一貫して「友だちを作れ!」。これしかない。  いい友だちができる人は、いい仕事ができる。  というわけで、私の友人関係の話を中心に、私の学生時代の友人 たちがどうやって、この世界に入ったかを話した。いちばん受けた のは、榎本44歳の名前が登場したとき。まだまだえのクンの名前 は、神通力があるようだ。お笑いメーカーとして。  午後3時過ぎ。予定外の質問コーナーが盛り上がってしまったた め、時間オーバー。  あとは教務室で先生方と、今後の日程の調整。 午後5時。帰宅。  さっそく『チョコバナナ』15巻の編集に入る。  漫画の写植指定が終わる。  夜、さすがにきょうはケータリングの出前をとる。締切りが近い ので時間がない。しばらく美味しいものはおあずけかな。  どうやらまたベイスターズが負けたようだ。連敗はやめてくれ。 私の仕事の能力が著しく低下するのだ。




4月16日(木)

 午前中、コーヒーの豆がなくなったので、吉祥寺まで買いに行く。  どうせならおそばの美味しい「よしむら」に行こうと思って電話 をしたら、従業員慰安旅行でお休み。残念。  仕方がないので、ひさしぶりに近鉄デパート8Fの「三友居(さ んゆうきょ)」へ。京都風のお弁当を食べたい人には絶対お勧めの お店。  食後、井の頭公園入り口の武蔵野珈琲へ。いつものようにジャワ ロブスターの豆を500グラム買う。  午後2時。帰宅。土居ちゃん、榎本44歳、野沢ちゃんも来て 『チョコバナナ』15巻の編集開始。  午後4時過ぎ。衆芸社の高村、ビッグマウスの宮下さん、霊能 者の水木かおりサンと旦那さんが来る。水木さんの本を衆芸社で 出版できないものかという会議。  石橋淑江さんは「頑固者」と言われてショックだったようだが、 作家が頑固なのはあたりまえとみんなに言われる。  午後7時。野沢ちゃん、嫁、娘、石橋淑江、私の5人で、もんじゃ 焼きを食べに行く。娘はとにかくお好み焼きとか、もんじゃ焼きと いった自分で作る食べ物が好きだ。  さああ、早く帰って『チョコバナナ』15巻の編集を続けるぞ! と思って、ベイスターズ・ダイヤルに電話したら、なんと広島相手 に3連敗。ぐわ〜ん。こういう時は本でも読んで寝よう。  なすびの『懸賞生活』にしようかな。倉本聰の『ゴールの情景』 も途中のままだ。いま読みかけている三雲大さんの『知って得する 「数」の雑学』(PHP文庫)はおもしろいぞ。  とにかく、ふて寝だ。




4月17日(金)

 午前中、嫁と、石橋淑江さんと、新宿のおそば屋さん「竹がみ」 に行く。  午後1時。野沢ちゃんが来て『チョコバナナ』15巻の編集開始。  午後2時。タカラの高田さんが『さくま式人生ゲーム』のロゴを 届けに来てくれた。『チョコバナナ』15巻の表紙につかうのだ。 やっぱり『チョコバナナ』から生まれたゲームだから、大きく取り 上げたい。  今度の表紙も派手だぞ。  夕方、えのクンに電話。『チョコバナナ』15巻の紙をどうする かを聞く。いつもの紙で344ページだと重すぎる。出版のお仕事 はやっぱり地味だなあ。時代遅れの産業になるのも無理ないなあ。  本の編集というのは時間ばかりかかる。夜、みんなで家で食事。  わがベイスターズは、雨で中日戦が中止。早く連敗が止まってく れないと、毎日がユーウツだ。中日は山本昌が待機中。いい投手だ からなあ…と、もう弱気になっている。  鍼灸師の弓削くんがもうすぐ来る。




4月18日(土)

 午前中、表参道に行くつもりが、散歩しているうちに、青山の日 本料理「穂積」を思い出して、ランチを食べに行く。このお店、す ごく美味しいのだれど、夜は1万5000円からというので、昼間 しか行ったことがない。  きょうはたけのこご飯。なのにおそばが最初に出てくる。  このおそばが、東京でも美味しいと評判のおそばにひけをとらな い。つゆがうまいせいもあるなあ。  食後、いつもの喫茶店でカフェ・オレを飲むのだが、またまた原 宿特有、横文字の名前のお店なので、覚えられない。  午後1時すぎ。石橋淑江さんが来て『チョコバナナ』15巻の編 集をする。  う〜ん、どうもきょうは不調だ。ベイスターズ3連敗の後遺症が 響いているのかなあ。  午後2時過ぎ。たまらずフジテレビで横浜VS中日戦を見る。  1対1。こういう中途半端な展開はストレスがたまる。おっ、満 塁で駒田がホームランだ、やった! よーし、全部原稿書き直すぞ。  夜、新宿のラーメン屋「利しり」に行く。ラーメンも餃子も相変 わらず美味しい店だ。  というわけで、現在の私のラーメンベスト5を発表。      1位・新宿・利しり      2位・常盤台・航海屋ラーメン      3位・四谷・こうや      4位・渋谷・山頭火ラーメン      5位・原宿・じゃんがらラーメン




4月19日(日)

 午前10時。『チョコバナナ』投稿者・パープルウォームさんに 電話。絵コンテの直しをチェック。  午前10時30分。嫁と娘は『タイタニック』を見に行く。  私は、石橋淑江さんを横浜に連れて行ってあげることになった。 バイトで来ている子に、わざわざ横浜まで遊びに連れて行ってあげ るなんて、なんて、やさしさに満ちあふれた会社なのでしょう!  横浜。横浜…。横浜ベイ…? ん? 横浜ベイスターズ?  えっ? バレた? はっはっは。石橋淑江さんを横浜に連れて行 ってあげるというのは、真っ赤な口実で、昨日の12対1の快勝に 気をよくした私は、横浜スタジアムに向かうのであった。  午前11時30分。横浜球場のキップ売り場は長蛇の列。先に中 華街に行く。桃鉄の新物件探しも怠らない。「さんざくし」という 中国のアイスキャンデーがやたらと屋台に並んでいる。石橋淑江さ んだけ食べたのだが、すっぱくて、とてももう一度来た時に食べた いとは思わないというので、新物件から外す。前回中華街に来た時 美味しかったライチアイスが、すっかり中華街のヒット商品となっ て、そこらじゅうで売っている。 「ライチアイス屋」で登場しそうだ。  午後1時30分。試合開始。トランペットと太鼓がずっと鳴りっ ぱなしというのは、どうもいただけない。塁に走者が出た時だけ、 応援するというわけに行かないのだろうか。  4月にしては、暑い日差しがまぶしい。日に焼けそうだ。  おっ。ローズさんが今季初ホームラン! いいぞ、いいぞ!  ありゃ、名手石井琢朗さんが2回続けてエラー? ええ? そう いうパターンは負けパターンだぞ。その後一進一退を続けて、単調 な応援の音に眠くなる。ダメだ。寝るようでは、わがベイスターズ が負けてしまう。念を送らなねば。う〜。眠いぞ。風が吹いてきた。 こういう時は眠いのだ。中華街で買ったブタまん、おいしゅうござ いました……あれ? いつのまに、1対3? 負けてるじゃないか。 やばいよ。わざわざ横浜まで来たんだよ〜。  ああ〜。もうダメだ。8回裏を終わったところで球場を出る。  中華街を歩く。娘に頼まれた、ごまだんごとブタまんを買う。  聘珍楼(へいちんろう)で、食事をする。車エビのチリソース、 鶏肉とカシューナッツ、お粥。さすがに聘珍楼だ。いい味してる。  本当なら美味しいものを食べて、ご満悦の帰還なのだが、足取り は重い。私が球場に見に行くと、ベイスターズは勝つのジンクスが あるはずなのだが、すでに今季0勝2敗。まだ球場で、佐々木様に お目にかかっていない。くやしいなあ。神宮のヤクルト戦で、初勝 利を見るとするか。 『チョコバナナ』15巻の原稿を少し書く。




4月20日(月)

 午前中、嫁と石橋淑江さんと3人で、高級住宅街として有名すぎ る代官山の「トムズ・サンドイッチ」へ行く。  20年前ぐらいから何度もこのお店を訪れているが、おそらく日 本で最初のサンドイッチ専門店だと思う。  帰りに代官山を散歩する。  先日亡くなった作家の景山民夫さんが住んでいたあたりのマンシ ョンがいまは、雑貨とか、靴とか、洒落た文房具のお店などが集ま る大きなスクエアになっていた。そういえば「トムズ・サンドイッ チ」を教えてもらったのも、景山民夫さんだった。  大学を卒業して、景山民夫さんが構成していたTV番組『おもし ろMAP』の本を作るので、この「トムズ・サンドイッチ」を取材 したんだっけ。取材後、すぐそばの喫茶店に入ってコーヒーを飲ん だら、当時250円が相場なのに、500円で悶絶しかけたことが つい昨日のことのようだ。貧乏だったからなあ、あのころは。  いつかこの代官山に住むようになってやるぞと思いつつ、その後 も代官山は、サザンオールスターズの事務所があったり、私がドラ マ作りの師匠だと思っている、劇画原作者の小池一夫さんの事務所 があったりして、いつも何年かに一度、私の歴史のなかに登場する 町だ。  午後1時すぎ。帰宅。『チョコバナナ』15巻の編集。  編集作業って、どうしてこうも地道な仕事なんだろう?  世間的にまったくめぼしい話がなくなってしまう。  夕方、パウの渡辺さんが『さくま式人生ゲーム』のカラー原稿を 持ってきてくれた。『チョコバナナ』に掲載用の原稿なのだ。  午後6時すぎ。赤坂の砂場というおそば屋さんに行く。うちの嫁 は以前、グルメの師匠・すぎやまこういち先生に連れていってもら っているのだが、私と娘は初めて。  眠い、眠いを連発していた、育ち盛りの娘が、玉子がとどいたら、 いつのまにか目をらんらんと輝かせて「おいしい! おいしい!」 を連発している。ときどき本当に情けなくなる。  それにしても、すぎやまこういち先生お勧めのお店にハズレなし なのが、うれし困ったものだ。  おつゆが甘くて美味しい。おそばが白くて、つなぎをほとんどつ かってないんだろうな。大ざるをみんな注文したけど、足らない。 でも最近また体重が増える寸前なので、ガマンする。ダイエットは このもうひといきが重大な過失になるのだ。  帰宅後。再び『チョコバナナ』15巻の編集。かなり先が見えて 来たぞ。今週中に入稿が間に合うかもしれない。




4月21日(火)

 午前中、嫁と石橋淑江さんと3人で、新宿高島屋14Fの「つば めグリル」に行く。ハンバーグの老舗として有名なお店だそうだ。 なるほどレトロ風のこってりしたハンバーグだ。思い切り食べたい が、ダイエット中なので、途中でやめる。大きなジャガイモをひと くちだけ食べたけど、ほこほこして美味しい! でもイモ類は、デ ブにとっては「ハイオク満タン!」というぐらいエネルギーになる。 なんとか我慢できた。  午後1時。野沢ちゃんが来て『チョコバナナ』15巻の編集。 私は『バナナで栄養補給!』の執筆。これがいちばん時間がかかる。  夜、自宅で食事。  テレビ神奈川で横浜対阪神戦を見ながら、さらに『チョコバナナ』 15巻の編集&執筆。  横浜0対1で負ける。あ〜あ。




4月22日(水)

 朝起きてすぐ『チョコバナナ』15巻の執筆。  午前中、嫁と石橋淑江さんと3人で、原宿駅前の「南国酒家」で ランチを食べる。昔原宿でいちばん有名な中華料理屋だったし、こ のお店が入っているオリンピアという建物は、原宿という町が日本 中で有名になったきっかけになったビルだ。当時のタレントがみん なここに住むことを望んだし、流行を追いかける会社はこのビルを めざした。  最近は、こういう目標となるビルとか、町がなくなってしまった ような気がする。  食後、石橋淑江さんは、和歌山に帰る。  午後2時。野沢ちゃんが来て、『チョコバナナ』15巻の編集。    午後7時。一部を残して、『チョコバナナ』の編集が終了。  漫画11本の15巻は、なかなか圧巻だ。  夜、ひさびさにお好み焼きのたっちゃんに行く。    帰宅後、テレビ神奈川を見ると、また横浜が0対2で負けている。 これで3連敗だ。だんだんストレスで胸が苦しくなってくる。たか が野球なのだが、どうもベイスターズと私の精神状態は、いつもシ ンクロしているので、他人事ではない。  う〜ん。う〜ん。あ〜あ。力が出ない。




4月23日(木)

 午前中、赤坂「皆美」へ行く。鯛めしが美味しいが、高級料理屋 さんなので、とてもお勧めできなしと思っていたら、鯛めし御膳で はなく、鯛めしのみという新メニューが登場していた。1500円 とこれは安い! この値段なら一度だまされたと思って食べてみて と言える。  玉子や鯛をほぐして、お茶漬けにして食べるこの料理は、すごく 上品で、たま〜に、無性に食べたくなる。以前食べていた鯛めし御 膳2500円は、ボリュームたっぷりで、焼き魚に、抹茶、水菓子 までついていた本格派で、満腹になりすぎるのが欠点だっただけに、 鯛めしのみのメニュー登場は非常にうれしい。  午後1時30分。TBS会館の前のアマンドで、ムサシノ広告の 伊東正義と、いろいろ打ち合わせ。新入社員の遠藤くんを連れて来 ていた。  昔は仕事の打ち合わせというと、どういう中身にしたら、いいも のが作れるかというのが、メインだったが、いまはどことどこがタ イアップで入るか、スポンサーになるのかという話がメインなので、 楽しくない。そう思ってしまう自分は、もう古いタイプのクリエイ ターに属してしまったのかなあと思う。  最近無性にひとり旅がしたい。  まだ手足が不自由なので、完全なひとり旅ができないから余計そ う思うのなのだろうが、あてもなくぶらぶら旅がしたい。  夕方。書き散らかしていたメモ帳のなかから『桃太郎電鉄』のア イデアだけ取り出して、フロッピーにまとめる作業を始める。  実はもう『桃太郎電鉄』の来年度版、再来年度版の仕込みを始め ているのだ。  夜、懐石料理のお店「青柳」に行く。  美味しいのだが、懐石料理は、ひとつひとつの料理が出るまでの 間が長いのがつらい。けっきょくデザートが出る頃には、3時間が 過ぎていた。  食後、うち娘がハイテンションになっているところを見ると、相 当美味しかったのだろう。  わがベイスターズは、きょうは雨で試合が中止。  連敗のまま試合がないと、きょうも負けが続いている気がしてい やなものだ。前日が勝ちゲームの場合、きょうも明日も雨で中止で もいいと思ってしまう。万年下位の球団を応援している者特有の負 け根性である。




4月24日(金)

 午前中、麹町へ行く。お目当てのおそば屋さんが満員なので、 その近くに「支那そば青山(せいざん)」という、看板がかかっ ていたので、飛び込みで入ってみた。  美味い! 東京ラーメンの伝統を寸分違わず守っているような 見事な味だ。偶然入ったお店がこれだけ美味しいと、宝くじに当 たったようなもので、うれしくなる。  食後、市ヶ谷まで歩いて行くことにしたが、湿気がすごくて、 ひさびさに足取りが重たくなる。雨はもう上がったのだが、もう 一度降りそうなどんよりした空だ。  こういう時にかぎって、坂道が急だ。  日本テレビの前を通るあたりでもう、へろへろ。  嫁に肩から下げてる鞄を持ってもらう。肩の荷が降りるという 言葉があるように、かなり楽になるのだがら、昔の人の言葉表現 は見事だなあと思う。  しかし、しばらくすると、やっぱりだめで、もう鉛の玉をひき づって歩いているようになり、どこだかわからないが、紅茶専門 店に入る。  ここで早くも『チョコバナナ』16巻用に届いた『SIDE WINDER』 の下書きを読む。おもしろい! 疲れが一気に吹き飛ぶ! 私に とってはやっぱり漫画が酸素なのかなあ…。  午後1時すぎ。ちょっと遅れて市ヶ谷駅に到着。  土居ちゃんとハドソンの浦さんが、すでに改札口の向こうで待 っている。  きょうは、みんなでゲームの打ち合わせをしながら、秋葉原で、 私のパソコンノートを買うのだ。私はまったくの機械音痴なので、 先日浦さん持っていたパナソニックのレッツ・ノートというのが 気に入ったので、おなじものを買うのだ。おなじものを買ってお けば、困った時に助けてもらえる。MAPファンとか『桃太郎電 鉄』を作るのに役に立つソフトも揃えてもらうことになっている。  電車は秋葉原駅に。  T─ZONEで、いろいろ揃える。嫁はSONYのバイオ・カ ラーのディスプレーを気に入ったようだが、Mac用がない。  とにかくいろいろ買う。実は何を買ったのかよくわかってはい ない。百科事典とか、駅スパートなんかを楽に使えるようにして もらうつもり。  午後3時すぎ、帰宅。浦さんにインストールしてもらう。  土居ちゃんと私は『桃太郎伝説RPG』のMAPをチェックす る。かなり完成している。  午後4時。野沢ちゃんが来て『チョコバナナ』15巻の残りの チェック。  ここで、買ってきたレッツ・ノートが起動しないことが判明。  どうも壊れているらしい。これが浦さんだから、壊れていると 断言できるのだが、私ひとりなら「あ〜あ〜、何だかわからない けど壊しちまったなあ…」と思ってしまうところである。  けっきょく秋葉原へ行って、取り替えてもらうことになった。  秋葉原といえば、人形町が近いんだぞと、うちの娘に言うと 「人形町なら喜寿司があるじゃない!」と鼻水を垂らしながらも、 目をキラキラ輝かしている。  浦さんもいることだしという、我が家特有のこじつけで、めで たくグルメ・バカ娘ランキング・お寿司の部第1位の喜寿司へ行 くことになった。  美味しい! 美味しい! 美味しいな!  帰りのタクシーのなかで、うちの娘はずっと鼻歌を歌っている。  浦さんには、明日もう一度来てもらって、インストールをして もらうことにした。  鍼灸師の弓削くんがもうすぐ来るはず。  ベイスターズはまた雨で中止だ。早く晴れて1勝してくれ。




4月25日(土)

 午前中、ハドソンの浦さんが、パナソニックのレッツ・ノートを わざわざインストールした状態で届けに来てくれた。  さっそく試運転。これはすごいや! 百科事典の検索機能はお見 事だ。SONYのデータ・ディスクマンを「百科事典用」と「広辞 苑用」と、わざわざ2台持っていて、すぐ調べることができるよう にしていた人間にとっては、こんなに便利でコンパクトなものはな い。しかもMacの2400より小さい。  これじゃMacが劣性になって行くのも、あたりまえだよなあ。 「駅すぱあと」も、つかいやすくなって便利だなあ。   お昼、浦さん運転の車で、神田神保町へ。うちの娘がこの1ヶ月 間、出雲そばが食べたいと言い続けていたので、行くことにした。 うちの娘は、食べたいものがあると、しつこく言い続ける。食べる とピタッと止まるのだ。「食うことしか考えてないのか!」と言っ たことがあるのだが「ない!」と言われてしまった。勝てない。  食後、神保町の書泉グランデへ行く。  ここは6Fに鉄道関係専門のフロアがあるので『桃太郎電鉄』関 係の資料を探すのに便利なのだ。    何だか朝からちょっと風邪気味だったのだが、なかなか直らない。 帰宅後、仮眠するが、のどが痛い。  夜、恵比寿の「筑紫楼」に行く。早く食べて、家に戻って休みた くて、この店にしたのだが、ものすごい混雑で、注文した品が全然 来ない。お店の人も「込んでいてすみません」と謝るので、怒れな い。娘が頼んだ「蟹肉とフカヒレのスープ麺」が美味しい。どうし ていつも娘はメニューの文字を見ただけで、美味しい品を当てるこ とができるのだろう。悔しい能力だ。  うちの娘がこのお店でのお目当ての品である、杏仁豆腐はあいか わらず抜群の美味しさだ。  娘は「杏仁豆腐だけ食べに来ちゃいけないの?」とほざく。何を 考えているんだ!    帰宅後、『チョコバナナ』の編集中にためこんでしまったストー リー漫画の添削を始める。  最近の投稿作品のレベルは本当に高い。大手の漫画雑誌の新人賞 に佳作で入るぐらいの作品を描けるぐらいの人なら、楽に10人以 上はいる。まるで伊賀山中で、密かに過酷な修行をつんだ忍者集団 のようになっていている。  この『チョコバナナ』投稿者たちを、どういう方向へ導いて行っ たらいいのか、すごく悩む。今のかたちでの『チョコバナナ』では とても対応できなくなることが目に見えている。    とりあえずのどの痛みが引かないので、寝る。




4月26日(日)

 ダメだ。のどが痛い。頭が痛い。熱がある。  鼻水じゅるじゅる止まらない。  完全に風邪だ。  寝る。眠れない。身体のなかから熱くて、眠れない。  本を読む。眠れないので、3冊ほど読んでしまった。  嫁ものどが痛くて寝ているらしい。  一家揃って、きょうはダウンだ。  どうも2日前、娘が学校から持ってきた風邪が伝染ったようだ。  ここ数日、雨と寒暖の差が激しくて、湿気も多かったのだから、 もっと注意しないといけなかった。最近風邪に強くなっていたか ら油断したな。でも脳内出血の前は、一度風邪を引いたら、ご飯 すら食べられなかったのに、夜、ケータリングのカレーライスを 平らげることができた。  食後、汗をかいて、かなり身体が楽になった。  なによりベイスターズ1週間ぶりの勝利(対ヤクルト戦 10 対6)が、活力を与えてくれたようだ。佐々木様16日ぶりの登 板だし、鈴木尚典が今シーズン初ホームランと、最高の勝ち方だ。  この調子で、風邪が治るといいな。




4月27日(月)

 昨日より、少し身体はよくなったけど、まだだるい。鼻水じゅる じゅるも止まらない。のどは痛くなくなった。  嫁もまだ風邪が治らないようだ。  ひさしぶりに午前11時すぎまで起きることができなかった。  寝過ごしても平気なスケジュールなんて、夢のようだ。脳内出血 の前は、40度の熱でも仕事していた。そう思うと、脳内出血様々 である。  29日(水)から京都へ行くので、早く風邪を治さないと。  午後2時。『チョコバナナ』投稿者・藤川かつらサンが来る。早 くも『チョコバナナ』16巻用の漫画の打ち合わせ。32ページ作 品になりそうだ。あいかわらずおもしろい。早く単行本にしたいも のだ。  午後3時。宮路一昭くんが『桃太郎伝説RPG』の音楽面の途中 経過を報告に来る。MAP曲のアレンジがちょっと気に入らないと いうと、宮路くんもそう思っていたようで、すでにハドソンに変更 を連絡していた。さすがだ。宮路一昭くん、サザンオールスターズ の関口和之くんと、私はゲームの音楽面では恵まれている。  増田景子さんが来て、『さくま式人生ゲーム』の打ち合わせ。  午後4時。タカラさんご一行が来る。高田さん、くぬぎサン、 小沢くん。オリジナル作品の立ち上げの難しさが話題になる。最近 どこの業界も昔のヒット作品のリメイクばかりになっている。企画 が通りやすいのだろうが、業界全体の怠慢だと思う。と言ってる私 がゲーム業界では、リメイクばかりなんだけどね。その答えが『チ ョコバナナ』のつもり。でも苦戦続きだ。いつか『チョコバナナ』 でひとあわ吹かせてやる。  夜、みんなで近所の「ちゃんこ鍋」のお店に行く。  帰宅後、『チョコバナナ』投稿者・岩岡目々さんに電話。16巻 用の漫画の打ち合わせ。  ふう。なんとか一日持った。  だいぶ風邪は良好の方向へ向かっているようだ。




4月28日(火)

 おや? まだ身体の調子が悪い。  のどがまた痛くなっている。  鼻水が止まらない。まいったなあ。  とりあえず、新宿の桂花ラーメンを食べに行く。  明日から、中尾淳(旧・プチまる)と、京都合宿なので、ゲーム をたくさん購入する。まだ手が不自由なので、中尾淳にゲームをい ろいろさせてお勉強会なのだ。  午後3時。ぶんか社の西永くんが来る。  私の旅のエッセイが載った『バグ』という本は、けっきょく思っ たより部数が行かなかったので、月刊化は消滅してしまったという。 聞くと、最近の新雑誌としては、十分善戦してる数字なんだけど、 赤字では何も言えない。 「すみませんでした」という西永くんにとっては、つらい挨拶なの だが、いまどき新創刊して黒字の雑誌なんて、ここ数年聞いたこと がない。  本当に出版界は、絶滅するか、飛騨高山で竹かごを編む職人さん のように、少数派になってしまうぞ。  午後4時。読売広告の岩崎誠が来る。阪神ファンなので、うちが 購入した神宮球場の年間シートをもらいに来た。ついでにいろいろ 情報交換。出版もひどいが、ゲーム業界もやばいねえという話にな る。一体いまどこがいいのだろう?  夜。待ちに待ったデビット・カッパーフィールドのイリュージョ ンを国際フォーラムへ見に行く。  とにかくいま映画『タイタニック』より感動するものが見たいと いうわがままな人がいたら、これしかない!  死ぬまでに一度、うちの娘に絶対これを見せるんだと思ってから、 5年ぐらいが立っている。その間私は本当に死にかけてしまったの で、娘を連れて来れたのは、最高の幸せである。…というぐらい素 晴らしい。  この人のマジックを、言葉で説明するくらいつらいものはない。  ひとつだけつたない言葉で伝える。  人間誰でも子どもの頃、一度は空を飛んでみたいと思ったことが あるはずだ。そして誰もが空を飛ぼうと試みた…といって、スクリ ーンには、白黒フィルムの昔の映像が映し出される。両腕に羽をつ けて、崖から飛んで落ちる人。自転車に翼をつけて、必死にこぐ人。 そういった夢を追いかけた過去の人々が次々に登場する。 「誰でもできると信じて、夢をあきらめなければ、必ず夢は実現す る」という言葉とともに、 スクリーンが上がり、デビット・カッ パーフィールドが床に腰を下ろしてる。  そしておもむろに、スーパーマンのSFXのように、なめらかに 彼は空を飛んでいく。美しいストリングスの音色に合わせて。  ピアノ線で吊してるようなものではない。ごくふつうの格好で本 当に空を泳ぐように飛んでいく。顔に力は全然入っていない。  しかも、そのうち大きな空っぽの水槽のなかに、泳ぐように入っ て行き、その水槽を上からフタをしてしまうのだ。その空っぽの水 槽のなかで宙を舞い始めるのだ。  さらに会場から選んだ女性を小脇に抱えて空を飛んでしまうのだ。  もうこの辺で私はもう、実の祖母が死んだ時も泣かなかったくせ に、飛行機に乗るのが大嫌いなくせに、声を上げて泣いてしまうの だ。きょうはまだ鼻水もじゅるじゅるしてるので、もう顔中ぐちゃ ぐちゃである。ハンカチを2枚持って来てよかった。  とにかくもう『ハンマープライス』で、デビット・カッパーフィ ールドといっしょに空を飛べる権というのがあったら、300万円 まで出しても惜しくないというくらいの代物だ。  私にとって、この公演を見るのと、ベイスターズの佐々木様と食 事ができるのと、どっちかひとつだけ選べと言われて苦しむくらい デビット・カッパーフィールドの空を飛ぶところが見たい。そのく らいの存在なのだ。  まだ当日券があるようだから、夢がしぼんでしまっている人は、 借金してでも見たほうがいいよ。きょうが初日だから、まだ何回も 公演がある。1日2回、多い時は3回やるからね。  5年ほど前、どれだけ私はこの公演を見て、助けられたことか。  とにかくタネとか仕掛けがどうなってるんだろうと思うことが、 どんなにいやらしいことかを思い知らされるから。  ああっ。もう一度見たい!


↑ 思わず買ってしまったマウスパッド。
 帰宅後、ベイスターズ・ダイヤルで、横浜の敗北を知る。  きょうは負けてもいいぞ! 許す! 




4月29日(水)

 午前中、高円寺の整体さんに行く。  きょうは娘がいるので、お昼は高円寺の不二家で食べる。と言っ ても、いつも娘を出汁にして、不二家で食べたいのは、私だ。オム ライスがまた、まずくて美味しい。マズウマだ(造語)。  ときどき安っぽい味が食べたくなる、あの味だ。なんたってケチ ャップが甘いところが、まず美味い。  しかし新幹線の乗車時間を早くしてしまったので、家族とはここ で別れ、高円寺駅へ。  午後4時すぎ。京都のマンションへ。  午後5時すぎ。中尾淳が来る。さっそく仕事の打ち合わせ。中尾 淳は『桃太郎電鉄』の新作の手伝いもしているのだ。  午後6時すぎ。すぎやまこういち師匠と電話で連絡を取り合う。  この日記をけっこうを読んでいる人には、もうおなじみだが、京 都のマンションの2Fがうちで、6Fがすぎやまこういち師匠とい う関係だ。  すぎやま先生ご夫妻が明日どうしても東京で仕事があって帰らな ければくないというので、夕食に誘っていただいたのだ。中尾淳は まだ畏れ多いので、京都探索にでかける。  で、けっきょくごいっしょに初めてのお店にチャレンジしてみよ うということになった。先生がガイドブックで、蕪(かぶら)蒸し が自慢のお店があるそうだというので、それは美味しそうだと私が リクエストした。ただ名前が「平八茶屋」で、祇園南座の側だとい う。げっ、そこは前に行って、うどんの太い麺を口に入れたとたん、 ボロッと切れたようなお店だぞ。タクシーの中で、そこは不味いで すよとお伝えしようとしたが、どうも南座の南の店らしく、私が行 ったお店とは違う。とにかく行ってみよう。  四条川端通りを下がって、止まったところは「一平茶屋」。  先生がお店の名前を間違えて覚えていたので、大笑い。間違いや すい名前だ。  お店に入ると、これがものすごく古い家で、いかにも京都という 感じでいい。二階の部屋は、古い衝立に国貞の浮世絵なんかが貼っ てあって、本物かな? 京都だと本物の場合があるからな。  まだ風邪が治っていないので、会席料理をやめて、蕪蒸し定食を いただくことになった。師匠に気をつかわせるとは、不肖の弟子だ。 これが美味しかった。蕪(かぶら)が大きいので、食べごたえがあ る。これだけでけっこうお腹がいっぱいになる。これは今度家族を 連れて来なければ。先生も「ここはいいねえ。当たりだね」と満足 そう。  あげくに先生から「さくまクン、おめでとう。横浜はきょう広島 の快進撃を止めたねえ!」と言われる。えっ? 実は新幹線の中で ベイスターズ・ダイヤルを聞いたら、1対4で負けていたので、そ の先を聞いていなかったのだ。じゃあ逆転? こいつはこのお店が 当たりのお店になるわけだ。  最高の気分で、店を出る。けっきょく先生ご夫妻にごちそうして もらってしまった。いつも面目ない。  1日だけのすれ違いになってしまうので少し祇園を3人で散歩。    マンションに戻って、エレベーターのところで、ご挨拶。  次は7月20日前後だそうだ。ん? 娘のピアノの発表会があっ たような。またすれ違い? うまく夏休みと合うといいのだが。    京都に来たら、読書が楽しい。  もちろんプロ野球ニュースを見て、寝る。




4月30日(木)

 昨日、午前0時すぎに寝たのだが、午前3時に突如目が覚めてし まった。どうも京都はまだ旅の意識が強いのか、眠りが浅い。  午前7時すぎまで眠れず、うとうとしていたら、午前10時すぎ に。あわてて中尾淳を呼び出す。  午前11時すぎ。ひさびさに竹邑庵太郎敦盛(ちくゆうあんたろ うあつもり)へ行く。これがおそば屋さんの名前と誰が気がつくだ ろうか? 九条ネギをふんだんにお椀に盛って、そこへそばのおつ ゆをぶっかけて、田舎そば風の黒っぽい麺をすする。  午後、京福電鉄大宮駅へ。嵐山へ行く。  美空ひばり館へ行く。最近タレントの記念館が全国各地にできる ので、そろそろゲームのなかでパロディすることもあろうかと見学 しておくことにした。  さすがに年輩の人が多い。外からもグッズを買えるシステムは新 鮮。リピート客が展示物をもう一度見ずに、グッズだけ買いに来る ことができる。    京都のマンションに戻って、中尾淳と『桃太郎電鉄』のMAP作 りを始める。  ひさしぶりの重労働に、頭が焦げそうだ。  ぶっ通しで作業をしたおかげで、悲願の九州編MAPの第1稿が 出来上がる。『桃太郎電鉄・全国版(ローカル)』への大きな前進 となる1枚だ。  夜、千疋屋へ初チャレンジ。欧風ビーフかつ丼が自慢のお店。 ビーフストロガノフのビーフの部分が、ビーフカツになった感じの レトロ風の味。なかなかいける。カロリー高そう。  食後、中尾淳の今回のバイト賃を、中尾淳が読んだほうがいいと 私が思う本を買って上げることにしようと、三条河原町の駸々堂へ。 これが意外と、読ませたいような古典的な本が置いてない。どうも 最近本屋さんは、新刊本だけ置いて、名作を長く置くという風習が なくなってしまったようだ。これじゃ若者が本屋離れするわけだ。  もう一軒、ふたば書房でも買い求めて、文庫本を中心に20数冊 をバイト賃として与える。  本田宗一郎さんの『3分間スピーチ』とか、『孫子の兵法』とい った本を与えた。    本屋で意外なほど歩いて疲れる。  マンションに戻って、ベイスターズ・ダイヤルに電話すれば、首 位広島相手に7対6で勝ったという。『桃太郎電鉄』のMAPが出 来上がって、ベイスターズが勝つ。こんなうれしいことはない。  あとは『チョコバナナ』の行く末だけだ。  その『チョコバナナ』の将来に対して、最近夢のような話が次々 と舞い込んで来ているようだ。いい話というのは80%の確率で消 えるからまだ言わないけど、業界の人の『チョコバナナ』はもった いないという声が上がり始めていることが、何よりうれしい。


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