2009年10月4日(日)


 午前5時。早く目が覚めたので、『桃太郎電鉄ワールド』の仕様書作り。
 昨日、けっきょく1万3000歩も歩いたものだから、全然疲れが取れ
ない。
 仕事も調子が出ず、DVDで『オリエント急行殺人事件』を見る。
 昔見たはずの作品なのに、何かスタートから変だ。
 名探偵ポアロに恋人がいる。
 そんな設定あったかなあ…。
 乗客のひとりがケータイを耳に当てて、気がついた。
 これはリメイク版だ。
 おかげで、すぐさま眠りに着いた。ZZZ…。

 午前10時。嫁と、近所の「スマート珈琲」へ。

 私は、ミックス・サンドイッチにコーヒー。  嫁は、フレンチ・トーストにコーヒー。

 午前10時53分。三条京阪駅から京阪電車淀屋橋行きに乗車。

 四条、七条を過ぎて、丹波橋駅。  何か毎日、丹波橋を通っているぞ。  降りるわえではないが。  午前11時36分。京橋駅で下車。

 ここから、ちょっとズルをしようとしたのが、大間違いだった。  京橋駅のタクシー乗り場で「堺のHAMONOミュージアムって、わ かりますか?」と聞いても、5台続いて「知らんなあ」と言われる。  個人タクシーなら、カーナビがついているから大丈夫だろうと、個人 タクシーを見つけて乗る。    本来なら、チンチン電車の阪堺電気鉄道に乗って、のんびり堺まで行 きたかったのだが、連日の取材で、歩きすぎて、疲労もピークに達して いる。  とにかく一気に、堺まで行くことに。  運転手さんが、カーナビに堺HAMONOミュージアムの電話番号を 入力して、高速道路で行きましょうという。  高速道路のほうが時間を短縮できていいだろうと、承諾する。  ところが、高速で堺インターを降りてから、10分以上走っても、ち っとも堺HAMONOミュージアムに着かない。  それどころか、上(かみ)という交差点で、だんじり祭りの巡行に巻 き込まれて、7台の山車が通り過ぎるのを待つはめになる。  だんじり祭りは、岸和田固有のお祭りではなく、近畿一円で行われて いるお祭りだ。  でも、先頭で待たされたおかげで、特等席で、だんじりの山車が走り 抜けるさまを見ることができた。 「そーりゃ! そーりゃ!」  子どもや、女性も、山車を引っ張っている。

 7台目が通り過ぎて、ようやくこっちも動き出す。

 でも、行く先々で、だんじりの通り道にぶつかり、通行止めになる。

 ここに来て、どうもこのあたりが、堺から大きく外れた場所であるこ とに気づいた。  運転手が、カーナビに電話番号を入れ間違えたに違いない。 「運転手さん、たぶん間違って、カーナビに入力してるんだとおもいま すが…」 「えっ? 電話番号を入れたんやから…」  たぶん、運転手さんは、電話番号を入力したものの、入力した番号が 堺HAMONOミュージアムであることを確認しなかったに違いない。 「あ、あ、あ、住所を言うてください。住所で入力しますから…」 「堺市堺区材木町…」  ピピッ、ピピッ、ツツツツー。ツツツツー。ツツツツー…。  どうもこの親父さん(かなり年寄り)、住所入力ができないようだ。 「あ〜か行」「さ〜た行」とあるのに、「あ」から、順番にスクロール させて行っている。  見ていると、あっという間に「堺市」を通り過ぎている。  通り過ぎると、元に戻れないのか、また最初から堺市を探そうとする。 「とりあえず、運転しながらは危ないので、車を路肩に止めてから、入 力してくれませんか…」  困っちゃったなあ…。  とにかく車が止まれば、私はVAIOを担いで来ているので、プロア トラスでも調べることができる。  車が止まった。  ピピッ、ピピッ、ツツツツー。ツツツツー。ツツツツー…。  ピピッ、ピピッ、ツツツツー。ツツツツー。ツツツツー…。 「さ、さ、堺市…」 「運転手さん! 運転手さん、車、動いてますよ」 「あわわわ…」  止まったはずの車が、のろのろ動き始めている。 「堺市の次、何でしたか?」 「堺市堺区!」 「さ…、さ…、さ…。さ…何でしたっけ?」  ひょっとして、堺という単語を覚えられないのか? 「運転手さん! 運転手さん、また、車、動いてますよ」 「あわわわ…」 「無理そうなら、この辺で降りて、車を乗り換えてもいいですよ」 「いえ。大丈夫です。堺市の次は何でしたっけ?」 「堺市堺区材木町…」 「ざ、ざ、ざいもく…」 「堺区が抜けてますよ!」 「運転手さん! 運転手さん、また、車、動いてますよ」 「あわわわ…」 「もう無理そうですから、ここで降りますよ」 「いや! 大丈夫ですから!」 「運転手さん! 運転手さん、また、車、動いてますよ」 「あわわわ…」  今度は勝手に、車を走らせようとする。 「行き先がわかってから、走ってくださいよ」 「いや。大丈夫ですから」 「もう運転自体が怖くなってきてるから、とにかく降ろしてください!」 「大丈夫です! 大丈夫です!」  何度もやりとりがあった末に、サークルKがあったので、無理やり降 ろしてもらう。  毛穴町と書いて、毛穴(けな)町と読むそうだ。  サークルK毛穴店で、タクシー会社の電話番号を聞いて、電話をかけ るが、今度は、だんじり祭りの巡行のせいで、そっち方面にはタクシー を出せないという。  困ったなあ。どうしよう。  5社くらい電話するが、すべて断られる。  だんじり祭りの日の交通渋滞はみんな刷り込み済みなんだ。  こうなったら、サークルKの前を通りがかるタクシーを拾うしかないと 道路に出ると、さっきのタクシー運転手がサークルKの駐車場にいる。  車を降りてきて、場所がわかったから乗ってくれ!という。  でも、目が危ない。  言動まで怪しくなっていた人なので、とにかく断る。  もはや打つ手がなく、広い道をめざして歩き出す。  幸いちょっと先に、ケーズデンキの看板があった。  ケーズデンキの前の道なら広いだろう。  ケーズデンキ泉北(せんぼく)店の前に出た。  しばらくタクシーが通りがからないかと待つ。  来ない。  だんじりのせいか。  もう一度、タクシー会社に電話をかける。  繋がった!  ふうっ。  助かった…。  タクシーに乗って、堺の材木町をめざしてもらう。 「すみません。いまのケーズデンキの場所からいちばん近い電車の駅っ てどこですか?」 「JRの鳳(おおとり)駅ですね」 「おおとり…、おおとり…。ええー! 堺からえらい離れてる!」 「離れてますよー!」 「いったいどうやって、こんな間違え方をしたんだ?」  絶対、地元の人なら、爆笑するような間違え方だとおもう。    午後2時。ツキの悪さを変えるために、堺HAMONOミュージアム の前に新在家町の「かん袋」に行ってもらった。  ここまで2時間近く、時間をロスしてしまったよ。

 さて、この「かん袋」。  私は仕事柄、創業30年、50年、100年といった老舗を取材する ことが多い。  でも、このお店の創業は、桁外れ。  なんと、1329年。  さて、ここで問題です。  1329年は、何時代?  チッチッチッチッチッチッチッチッチッ。  ブッブー!  残念!  正解は、鎌倉時代!  シェーーーッ!でしょ。  しかも、最初は和泉屋という屋号だったのを「かん袋」に変えたのが、 あの豊臣秀吉!  すごい話になって来たでしょ。  豊臣秀吉が大阪城を築城中、職人が一枚一枚瓦を運び上げているのを 見た「和泉屋」のご主人が、餅作りで鍛えた腕力で瓦を取っては次から 次へと屋根の上に放り上げたという。  この瓦を放り上げる様を見た豊臣秀吉が「かん袋が散る様に似ている」 といって「以後かん袋と名づけよ」と命じたために、「かん袋」になっ たという。  さすが豊臣秀吉。  私が最初の弟子2人に、デシリットルというコンビ名を付け、ジャミ ラ十鳥(とっとり)、中村足軽と付けたのとは、わけが違う。  そんな由緒ありすぎる「かん袋」だけど、老舗の格式の高さはまるで なく、いつまでも庶民のくちに合う味を作り続けている力強さを感じる。  私も嫁も、氷くるみ餅と、くるみ餅の両方を注文。  番号札をもらって、テーブルで出来上がるのを待つ。

 名物の「くるみ餅」も、くるみをつかったからではなく、お餅をくる んで食べるところから名づけられた。  うーーーん。おいしいねー。  最近、取材以外での甘いものを排除して来ているので、こういう甘さ に飢えているから、砂漠でオアシスみたいだよ。

 この「くるみ餅」のおいしさは、伊勢の赤福餅のおいしさに通じるも のがあるね。 「くるみ餅」のお土産も売っているけど、賞味期限が当日限りなのが、 残念。  氷くるみ餅も、そんなに量が多くなく、食べ終わると、もうちょっと 食べたくなるちょうどいい分量だ。  食後、路面電車の阪堺電車の脇の道を歩く。

 このあたりには、茶人の武野紹鴎(たけのじょうおう)や、千利休、 小西行長といった歴史上の人物の屋敷跡がいっぱいあるんだけど、跡な だけで、記念館になっていないのが、残念。  もっと、お茶の町としての記念館がいっぱいあってもいいような気が した。  千利休生家跡なんか、すごくもったいない。  私のほかにも、ここを見に来た人がいたけど、声が出ないよね。

 せっかくなので、阪堺電車の宿院(しゅくいん)駅から、2駅だけ乗る。  チンチン! いい音色だ。

 花田口(はなだぐち)駅で、下車。  午後2時40分。ようやくきょうの最初の目的地だった「堺HAMO NOミュージアム」へ。  堺は、刃物の町だからね。

 大きい包丁が、いっぱい。  いいツヤしてるねー。  名刀だ。

 包丁を削る実演も見られる。

 午後3時22分。堺東駅から、南海高野線なんば行きに乗車。

 午後3時30分。終点、なんば駅に到着。  南海なんば駅から、御堂筋線なんば駅までの距離が、あいかわらず長 いなあ…。  どこかいちばん早い行き方とかあるのだろうか。

 午後3時46分。御堂筋なんば駅、午後3時53分。淀屋橋駅で、京 阪特急出町柳行きに乗車。  ひやーーー。疲れた。  午後4時。終点、出町柳駅に着く。

 目の前に、私の大好きなくるみパンの「柳月堂」があるが、期間限定 ダイエット中なので、2階の名曲喫茶「柳月堂」のほうへ。  前からこの名曲喫茶に一度入ってみたかった。  入ると、びっくり。  レコードを静かに聴くなら、こっちの部屋で、談話をしたいなら、こ っちの部屋で…と、分けられている。  お店の注意書きがすごい。  レコードを聴く部屋では、上着を脱ぐ音も立ててはいけない。  階下のパン屋さんで買って来たパンも、アルミを剥がす音を立てては いけないといった新選組の掟のようなものが書いてある。  こういう理不尽な掟を、私は大嫌いなんだけど、豪華なアンプが並び、 レコードの部屋から漏れる音を聞くと、ふしぎと腹が立たなかった。  こんな場所が、ひとつくらい世の中にあってもいいとおもったね。

 私と嫁は、談話室のほうでコーヒーを飲んだんだけど、このコーヒー がまたおいしかった。  午後5時30分。植物園近くの「よし田」へ。  先日、探し当てた「ます多」で所業した吉田紀彦くんのお店に、もう 一度だ。

 この間は、彼のお店かどうか確かめるためだけに、ランチ時に行った だけだからね。  お寿司屋さんは、ランチと夜とでは、ネタのレベルがガラッと変わる から、きょうはその味を確かめに来た。  おお! カツオ出汁のイクラから出るところなんて、「ます多」とお なじだね。  鱧(はも)、焼き松茸と、おいしい料理が次々に出てくる。

 最後にお寿司が出てきた。  見てもらえばわかるけど、魚の色艶が全然違う。

 うまい!  どれもこれも、うまい!  まことに、うまい!  この料理箱を写真に撮って、単行本の表紙にしたいよ。  京都のお寿司屋さんは、ここで決まりだ。  午後8時。京都のマンションに戻る。  ほえええ…。疲れた。  また1万歩越えちゃったよ。  3日続けて、1万歩越えたのなんて、社会に出てから初めて。  きょうは、早く休む…。

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