5月23日(金)


 午前5時。新幹線の発車時間が早いので、寝過ごさないようにと思っ
ただけで、こんなに早く目がさめた。

 午前7時30分。荷物をまとめて、嫁とでかける。

 いい天気だ。
 とてもこれから梅雨前線の九州に向かって行くと思えない。
 東京は、今年初の30度を越えたらしい。

 げっ! タクシーが皇居の前に差し掛かったところで、VAIOを持
って来るのを忘れたことに気づく。
 ただいま午前7時40分。
 新幹線の発車時間は、午前8時10分。
 30分か。
 ひょっとしたら、間に合うかもしれないので、Uターンしてもらう。
 VAIOは武士にとっての刀みたいなものだからね。
 ご丁寧なことに、VAIO本体がカバンになく、電源コードだけ入っ
ていた! 鞘だけ持って来て、ど〜する!

 運転手さんも必死に走ってくれた。
 でもさすがに30分で皇居から家まで戻って、東京駅まで戻るのは、
無理だった。
 日曜日なら、我が家から東京駅まで13分で行くのになあ…。

 それにしても、私が忘れ物をするとは珍しい。
 これからの旅に不吉な予感が…あまり、しなかった。
 VAIO無しで旅行したほうが、よっぽど不吉だ。
 いまや旅の重要度は、一に、携帯。二に、VAIOだ。

 午前8時12分。発車時間に2分遅れで、東京駅の八重洲口に到着。
「みどりの窓口」で、1時間後のN700系に変更してもらう。
 特急券はムダになってしまった。
 今回は旅先で、誰かと待ち合わせているわけではないので、別に新幹
線に乗り遅れてもあまり影響がない。

 午前8時30分。東京駅のお店の場所が移動した鉄道関係の本が多い
ので有名な本屋さん「松栄堂」に寄る。

 魅力的な本がいっぱいで困った。
 いま買っても、荷物が増えるだけ。
 でも、宮脇俊三さんの『「最長片道切符の旅」取材ノート』(新潮社)
なんて東京に戻って来たら、買うのを忘れてしまいそうだ。
 西村京太郎さんの新刊ももう出ていた。
 ええいっ。全部買っちゃえ。
 旅先で、自宅に送り返せばいい。

 午前8時45分。地下の「千疋屋(せんびきや)」へ。

 サンドセット、ひとつに、コーヒーふたつ。

 ちょっとだけお腹を満たしておく。  午前9時10分。N700系新幹線のぞみ15号に乗車。  車中、『桃太郎電鉄20周年』のテスト・プレイ。  昨日、10年目までプレイしたので、きょうは20年目を目安としよ う。おそらく新神戸あたりで、20年目になるだろう。  しかし、意外と手直しが必要な部分がいっぱい見つかって、メモが増 えて、なかなか進まない。  前回、COMキャラがちっとも思考力がなく、井沢どんすけが赤子の 手をひねる内容で、歓喜にむせんでいたロムとは打って変わって、えん ま社長がずんずん進んで行くし、カードもつかうので、油断できない。  ☆印カード売り場の場所も大幅に変えたので、たぶんみんなも最初は 戸惑うと思うよ。それがまた新鮮だけど。  午前11時57分。新大阪を過ぎたところで、東京駅で買った21世 紀出陣弁当を食べる。

 このお弁当は公募で当選して発売されたお弁当として、8年前、非常 に画期的だったけど、あれから劇的な駅弁大改革のブームが来たので、 いまや、ありふれたお弁当の範疇に入ってしまいそうだ。  いまでも、おいしいことは、おいしい。  広島駅を過ぎたところで、ようやくテスト・プレイ20年目が終了。  しばらく休む。  いつならぶっ通しでやったと思うけど、今回の旅は疲労度を高めない 練習も兼ねている。  午後2時13分。終点、博多駅に到着。  乗り換え時間が7分しかないので、キャリーバッグ(コロコロバッグ) を引きずって、必死に小走り。  午後2時20分。3番線ホームのハウステンボス15号に飛び乗って、 10秒後ぐらいに、発車。  ちょっと乗り換え時間、なさすぎだよー!

 午後2時45分。鳥栖駅で、下車。  ブリジストンや、サンロンパスの久光製薬の発祥地、またサガン鳥栖と して有名なだけに、大きな町を想像していたが、かわいい駅舎だ。

 さて、ここから秋月という小京都に向かう。  駅前にタクシーがいっぱい止まっていたので「カーナビがついているタ クシーはありませんか?」と聞くが、調子のいい運転手がゲラゲラ笑いな がら、「ここの車には、どれもカーナビはついてないよ。でも、くちがあ るから大丈夫だよ! 人に聞けばいい ガハハ!」  頼むから、タクシーはカーナビの常備を法令化してくれよー。  仕方なく、先頭に停車していたタクシーに乗り込む。  案の定、運転手さんは秋月は、あまり自信がないという。  でも自信がないとはっきり言ってくれたほうが、対処のしようがある。  私も前回の鹿児島隼人のタクシーで学習した。  乗車と同時に、VAIOのプロアトラスを開いて、ナビゲーションする。 「この先を左ですか?」 「いや。この地図だと、橋の手前に川沿いを走る道があるから、そっちを 通ってください!」

午後3時45分。秋月のシンボルにもなっている目鏡橋を見る。 「眼鏡橋」ではなく、「目鏡橋」。

 江戸時代後期に架けられた石の橋だ。  2連ではなく、ひとつだけのアーチなので「目鏡橋」なのだろうか?  午後4時。「廣久(ひろきゅう) 葛本舗」へ。  この秋月へは、このお店に来たくて、やって来たと言っても過言では ない。

 築230年を越える建物だそうだ。  廣久葛本舗は、創業文政2(1819)年。  独特の製法は、筑前秋月黒田藩、徳川家献上品だったそうだ。  家のなかには、百姓一揆の時の斧、鍬、刀傷の跡が柱に生々しく残って いたりもする。

 全日本甘党・党首の私としては、もちろん葛きりも大好きである。  いまのところ、葛きり専門店としては、京都の「鍵善良房(かぎぜん よしふさ)」がずば抜けておいしい。  ところが、インターネットを紐解く…いやクリックしていると、妙に この「廣久(ひろきゅう) 葛本舗」の名前が出てくる。  東京や、京都でも味わえないような味と書かれていたりする。  嫌が上でも期待は高まる。  自分の舌で確かめるべきはないか。  そんなわけで、「廣久(ひろきゅう) 葛本舗」。

 葛きり、葛もち、葛きりぜんざいを注文。  2人で、3人前である。  葛桜も注文しようとしたが、やはり桜の時期の限定品だそうだ。  秋月は、相当、桜の名所らしい。  桜も気になるなあ…。  葛きりを食す。  むむ、むむ。むむむむむ…。  う、う、うまいいいいい…。  京都の「鍵善良房」の葛きりに近い味なんだけど、黒蜜が上品で、ほ ろ苦いのだ。  でもお店の人の説明によると、ほろ苦さは、葛のせいだという。

 正直、いまここで食べたばかりなので、「鍵善良房」よりもおいしい と感じている。  葛きりを、追加注文。  けっきょく、ふたりで4人前たべちゃったよ。  葛きりだけなら、5〜6人前くらいならあっという間に食べられそう。  ちょっと1杯の量が少ないのだ。  しばらく、町を歩く。  白壁の小京都という名前にふさわしいこぢんまりとした美しい町だ。

 秋月は「筑前の小京都」として年間50万人の観光客を集めている。  なのに、平成の大合併で、秋月は、朝倉市になってしまった。  甘木(あまぎ)も、朝倉市に。  なぜ秋月市にしなかったんだろう?  絵の浮かぶ美しい名前なのに…。

 あとでわかったが、秋月は人口1000人くらいしかないので、合併 会議で、何の発言権もなかったようだ。  旧・朝倉町は遺跡もあって、歴史も古く、人口も多いので、なす術も なかったとか。

 午後4時30分。武家屋敷「久野邸」へ。

 日本じゅうで武家屋敷なるものを見て来た私でも、この家はかなり広 くて、大きいとおもう。

 茅葺きの屋根と、と瓦葺きの二階建て離れ座敷が見事だ。  相当身分の高い人の家だったんだろうなあ…。  庭もきれいに掃き清められ、屋敷も掃除が行きどいている。

 何でも久光製薬の会長さんの家に嫁いだのが、この家のおばあちゃん だそうだ。  久光製薬ぐらいの後押しがなければ、こんな大きな武家屋敷、保存維 持など出来ないとおもう。  さらに歩く。

 まったく歴史的建造物でもない家が、漆喰形式で建設中だった。  新築でこういう家を建てるなんて、豪奢だなあ…。

 午後5時。きょうの宿泊先、秋月の「清流庵」へ。

 純和風のきれいな旅館だ。  部屋数がわずか6室しかない。  最近こういうゆったりと静かな佇まいが売りの和風旅館が増えている けど、これで採算が合うのかなあ?と、心配になってしまう。 「清流庵」というくらいで、部屋のそばには川が流れ、旅館の中央に大 きな池があって、その周りには、空に向かってそそり立つ杉が林立して いる。  本当に静かだ。  池の小さな噴水の音がいちばん大きな音に思えるくらい静かだ。  食事をする部屋が大きな1枚ガラスになっていて、どこからでもこの大 きな池が見えるようになっている。  これはリピーター客が多そうな旅館だ。  2006年にオープンしたばかりなので、木の香りもいい。  部屋まで、石段と渡り廊下を渡って、部屋へ。

 部屋に入って、いきなりウエルカム・和菓子が出たので、つい食べち ゃったよー。

 葛きりを2人前食べたばかりなのにー。  午後6時。池の見える部屋で、食事。

 地の物をつかったおいしい料理が続く。  この料理を作った人は、相当腕がいい。  老舗で修行した風だ。

 でも私は、ただいま減量中で、もりもり食べられないのが、悔しい。  とくに最後の鶏めしが、抜群においしかったのに残さないといけない なんて。  健康は、本当に大事。  あとは、お風呂に入って、ぐっすり休むというのが、世間の旅行者だ けど、私は温泉に入ったあとは、『桃太郎電鉄20周年』のテスト・プレ イ。  この温泉、シンプルな泉質だけど、非常に気持ちがいい。

 何でこんな静かで素晴らしい旅館に、キングボンビーの雄叫びが流れ なければいけないのだ。  グェッヘッヘ! キ〜〜〜ング・ボンビ〜〜〜!

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