2月13日(水)


 午前5時30分。3階の大浴場へ。
 まだ外は真っ暗。
 大きな内湯ひとつと露天風呂がふたつあって、朝から最高の気分。
 泉質もいい。
 肌触りがさらさら。

 これだけ立派な大浴場があるなら、わざわざ温泉付きの部屋にするこ
となかった。
 もしもう一度、人吉(ひとよし)に来ることでもあれば、この「あゆ
の里」に泊まって、低層階に宿泊しよう。

 午前6時。部屋に戻って、得意の二度寝。  ベッドではなく、布団で二度寝が何より気持ちいい。  午前8時。1階で、朝食。

 外を見ると、球磨川にちらちら雪が降り始めた。  午前9時。ホテルをチェック・アウトして、人吉城歴史館へ。

 鎌倉時代からずっと続く相良氏の歴史をたどる資料館だ。  10分もあれば見終わるような資料館だと高をくくっていたら、ビデ オやパネル展示も充実していて、昨日ホテルを出てからの散歩で、ここ に来ればよかった。  時間がなくて、20分で、退館。  午前9時30分。鍛冶屋町通りへ。  昨日、人吉は小京都と呼ばれているのに小京都らしい町並みがないと 書いたが、ほんの少しだけあった。  この鍛冶屋町通りだ。

 包丁や鎌などを作る鍛冶屋さんとか、味噌・醤油蔵などがある。  道路も石畳風に整備している。  惜しいなあ…。  お店があと5軒、いや、3軒でも、小京都を感じさせるようなお店が あれば、見事な観光地に変貌するのになあ。  鍛冶屋さんはあるんだから、陶芸の家がほしい。

 人吉クラフトパークの人たちが、この通りに進出して来ればいいのに なあ…。  何てもったいないんだ。  ああ! もうちょっと再生プランを考えたいけど、時間がない。 「人良し、お人吉」というキャッチフレーズも考えていたのに、つかう 場面無し。  駅に急がないと。

 午前9時45分。人吉駅へ。  電車の出発時間が近いので、荷物の見張りを私がして、嫁に駅前のか らくり時計を撮影しに行ってもらう。

 朝の雪がちらちらもどこかへ行ってしまった。  近年最大級の寒波が東京を襲っても、人吉は晴れ男の私がいるせいか、 見事なまでの快晴。本当に晴れ男だな、私は。  午前10時。駅の改札を通って、エスカレーターのない跨線橋を、ひ ーこら、ひーこら、キャリーバッグを持って渡り、観光列車いさぶろう 号1号に乗車。  発車3分前だ。はあはあ…。ふうっ…。

 きれいな内装の電車だ。  まるで明治時代の乗り合い電車のようなノスタルジックなデザインで 統一されている。

「いさぶろう」という変わった名前は、1900年ごろの当時の逓信大 臣山縣伊三郎の「伊三郎」から取ったもの。  途中で乗り換える特急の名前が「はやとの風」なのだから、もう少し このあたりの宣伝になるような名前にすべきではないか。  九州には、河童のことを「きゅうせんぼう」とか「がらっぱ」といっ た言い方をするので「いさぶろう」も河童の名前かと思っていた。  実際に「九千坊(きゅうせんぼう)」という観光列車があるようだ。  単純に「球磨川1号」とかで、よかったのでは?  さて、出発だ。  ところが、鹿児島本線からの電車の到着が遅れて、出発が10分ほど 遅れるとのアナウンス。  乗客は、どう見ても鉄道ファンの扮装だらけの人たちだけなので、誰 も声ひとつ上げない。  むしろ、かすかに微笑んでいる。  10分遅れるなら、もう少しゆっくり鍛冶屋町を見て行けた。  けっきょく、15分遅れて出発。  女性添乗員の人は「ちゃんと吉松駅までには、追いつきますから大丈 夫ですよ」という。  1時間13分の所要時間の電車で、15分の短縮は相当難しいぞ。 「ゆっくり停車しながら、走るので、挽回は楽なんです」  この謎のような言葉を、これから次から次へといい方向へと味わうこ とになった。  まずは、人吉駅の人気駅弁「栗めし弁当」を食べる。

 栗がほくほくしていて、うまい!  ごはんも、うっすら味付けしてある。  玉子焼きがうま〜い。

 これは、人気があるわけだ。  さっそく、これは『桃鉄』の物件に加えないと。  大畑(おこば)駅で、運転士さんが、進行方向と逆の運転席へと走る。  肥薩線名物1回目のスイッチバックを始めるためだ。  後ろの運転席に乗っていた人が、運転するのではなく、いままで運転 していた人が、後ろの運転席まで行って、そのまま電車をバックさせる のだ。  スイッチバックは、傾斜の急な山を越えるために、進行方向を二度切 り替えて傾斜を登る方式だ。  昔はいくらでも、こういう路線があったのだが、いまは箱根登山鉄道 とか、阿蘇の麓の立野駅とか、信越線など、かなり減ってきている。  1分間ほど電車がバックする。  鉄道ファンのみなさんが、望遠レンズのカメラを抱えて、あっちへこ っちへ走る。

 停車したかとおもう、運転士さんが走ってきた。  前に進むために、運転席を移動するのだ。  乗客は大喜び。  すごいなあ…。  この電車、完全に鉄道ファンが支えている。  さらに、この大畑(おばこ)駅からは、インターチェンジをグルッと 大きく弧を描くように、ループ線が始まる。  スイッチバックと、ループ線。  鉄道ファンにとっては、まさに鴨がネギをしょって来たようなものだ。

 列車はループ線をごとごと、いまにも止まりそうなスピードで登坂し て行く。  かなり標高が高く、吸い込まれそうな渓谷が続く。  高所恐怖症の私が、意外と平気なのはなぜだ?  これなら見果てぬ夢とあきらめているスイスの山岳鉄道も乗れるので はないか? そんな気がしてきた。

 午前10時49分。矢岳(やたけ)駅へ。  女性添乗員の方が「この駅にSL展示館があるので、ごいっしょに見 に行きませんか?」と、乗客を誘う。  いさぶろう号は、観光列車と聞いていたけど、ずいぶんとサービスが いい。すでに15分遅れなのだから、すぐ発車すればいいのにとも思う。

 電車の到着と同時に、乗客がぞろぞろ降りて行く。  D51が展示されていた。  汽車というものを実際に見たことのない子どもなら、これは大喜びだ ろうなあ。

 再び乗客を乗せて、列車は走り出す。  電車は一度降りたら、次の電車に乗るか、その日そこに泊まるしかな い。あの駅もこの駅も降りて、駅舎を眺めたいという人にとって、この 「いさぶろう号」は、最高のおもてなしだ。  以前から、この列車に乗りたかったのだが、土日にしか運行されてお らず、ずっとチャンスを逃していた。  いまは平日でも、1日2本運行するようになった。  それだけ評判がいいのだろう。  私もこれだけサービスをする列車と思っていなかった。

 日本三大車窓の景色の場所では、ちゃんと停車して、女性添乗員の方 が説明してくれる。  ほかの三大車窓は、信越線と北海道の根室のほうだったとおもう。

 左に、霧島連山。中央に、唐国岳。右は、高千穂。  遠く、桜島まで見える。  天気が悪いと、桜島は見えないそうだが、天気男の私がいるせいか、 かなりくっきり見えた。  真幸(まさき)駅の手前で、2回目のスイッチ・バック。  住所的には、熊本県を離れて、宮崎県えびの市だ。  ホームに「幸せの鐘」というのがあって、また女性添乗員の方が「み なさん、降りて鐘を鳴らしてください」という。

 これだけ密度の濃い電車は、バラエティ番組でもないぞ。  午前11時19分。吉松(よしまつ)駅で、向かい側の「はやとの風 1号」に乗り換える。

 ほんとだ。人吉駅を15分遅れでスタートしたのに、わずか1分遅れ で、吉松駅に着いた。  乗り換え時間4分のはずが、2分に短縮は、さすがにあわただしい。  さっきの「いさぶろう号」で、サービス満点の接客をしてくれた女性 が、わざわざホームに降りて、こっちの列車の乗客に向かって、こぼれ るような笑顔と、ちぎれそうに手を振って、別れを告げている。  最高のサービスだ。えらいなあ。  企業努力のお手本を見ているようだ。

「はやとの風1号」は、特急列車にふさわしいスピードで、レールを軋 ませながら疾走する。  午前11時48分。嘉例川(かれいがわ)駅へ。  最近この駅は、日本最古の駅として、鉄道ファンの話題になっている。  明治36年1月15日の開業のまま、今日に至っているからだ。  ご丁寧なことに、電車はここで5分間停車してくれる。  駅の外に出て、「嘉例川駅」の看板を映すのもOK!

 元の駅員さんだったのか、白髪のおじいさんがいっしょに記念撮影の 被写体になってくれる。  本当にこれだけ、盛りだくさん、お客さん本位の路線を私は見たこと がない。

 午後0時7分。隼人(はやと)駅で、下車。  いやあ! 楽しい鉄道旅だった。  鉄道ファンが「肥薩線を乗らずして、鉄道ファンというなかれ!」と いうのが、よくわかったよ。  えびの高原、霧島温泉などは、はるか昔、車で来たことは何回かある けど、電車は初めてだ。    隼人駅は、駅舎が竹だらけで、不思議な雰囲気。  モウソウチクの産地のようだ。

 改札口を出て、表から駅舎を見ても、竹だらけ。  見事な徹底振りだ。

 ここから、タクシーに乗る。  しかし最高の電車旅の後は、最悪の自動車旅が待っていた。 「浜之市の中村鮮魚店まで行ってほしいんですが…」 「はあ?」 「はまんちバーガーというハンバーガー屋さんなんですが…」 「耳が遠いもので…」 「わからないんですか?」 「いえ。わかります」  嫌な予感がする。  知ったかぶりマンの匂いがする。  わからないことをわからないと言えず、おバカ・タレントの解答のよ うに、当てずっぽうで、当たったらめっけもん男のムード満点だ。  案の定、「スナックなかむら」というお店に連れて行かれる。 「中村鮮魚店って言ったでしょ?」 「この隣りのお店のかまぼこは、おいしいんですよ」 「そんなことはどうでもいいですよ!」  午後0時30分。「はまんちバーガー」へ。  さつまあげをつかったハンバーガーで、町おこしを始めたという情報 を入手して、ここまで来たんだけど、これがびっくり。 「はまんちバーガー/中村鮮魚店」という名前が気になっていたんだけ ど、本職は魚屋さん。

 だからなのか、さつまあげバーガーを売っているものの、テーブルと イスがないのだよ。 「イスとかないんですか?」 「ないです!」  ハンバーガー屋さんで、テイクアウトだけ?  せめて「イスをお出ししましょうか?」ぐらい言ってほしかった。  困ったなあ…。  実は、このお店で土居ちゃん(土居孝幸)と、待ち合わせているのだ。  へっへっへ。今回ずっと嫁とのふたり旅だと思っていたでしょ?  明日バレンタインデーだから、土居ちゃんを旅行に誘っちゃいけない と思っていたんだけど、あっさり「行きますよ!」の返事だったのだ。  さすが、独身大魔王。  バレンタインデーなんて、関係ない! ドインパッピー!  というわけで、きょうから合流なのだ。  鹿児島空港から、隼人までは鹿児島市内よりもはるかに近いからね。  その土居ちゃんは、午後1時ごろ、鹿児島空港に到着予定。  非常に都合のいい待ち合わせ場所だったのだよ、このハンバーガー屋 さんは。  ここで立って土居ちゃんを待っているのもなあ…。

 土居ちゃんから連絡が入ったら、もう1ヶ所待ち合わせの場所の候補 にしていた場所で、待ち合わせすることにした。  携帯電話で、隼人駅で記憶していたタクシー会社の名前を検索する。  さっき駅から乗ってきたひどい運転手に乗りたくないからだ。  はまんちバーガーを食べながら、タクシーを待つ。  もちろん、お店の前で立ち食いだ。

 正直このお店の人には悪いが、タクシー運転手の応対の悪さと、イス 席がないショックで、どんな味か冷静に判断ができない。  さつまあげに、レタスに、マヨネーズで構成されてたかな…程度の記 憶しか残っていない。  タクシーが到着した。 「福山町の黒酢本舗までお願いします!」 「えっ?」 「福山町の黒酢…、あっ!」  最悪だ。さっきの運転手だよ! が〜〜〜ん! 「福山町の黒酢本舗! わからないんですよね!」 「いえ。わかります!」  わかりますと言いながら、無線で聞いている。  この無線の相手がまたすごかった! 「わからないので、福山町に着いたら、そこらへんで聞いてください!」  ダメだ、こりゃ。 「じゃあ、隼人駅まででいいです!」 「いえ。あの…福山町へ」 「いいから、隼人駅にしてください!」  隼人駅まで、戻る。  ほかのタクシーに乗り換える。  嫁が「さっきの運転手さんが、福山町の黒酢本舗がわからないという ので、乗り換えたんですが、福山町の黒酢本舗、わかりますか?」 「はい。わかります」 「ああ、よかった〜」  しかし、私は小声で嫁に耳打ちする「安心したらいけないよ。こいつ もわからないかもしれない…」 「わかるって、いま言ったじゃない」

 案の定、知らなかった。 「ここが、坂元醸造で…」 「だから、黒酢本舗って言ったでしょうが」 「この坂元醸造は、黒酢で有名で…」 「だから、東京から来る人と、黒酢本舗で待ち合わせしているんだから ここじゃ困るんですよっ!」  隼人駅、『桃太郎電鉄KYUSHU』で、赤マス駅に決定!  い〜〜〜や!  赤マス駅では物足りない。  デビル・マスにしてやる。  一度来たら、二度と来たくない町にしてやる!  文句があるなら、隼人駅のタクシー運転手さんふたりに言え!  おまけに、この運転手、ほかの黒酢工場のお店で黒酢本舗の場所を聞 きに行こうとする。 「ライバル会社に場所を聞きに行くのは、失礼でしょ〜! 黒酢本舗に 電話するから、お店の人に道順を聞いてください!」  嫁が、黒酢本舗に電話を入れて、携帯を運転手に渡す。  土居ちゃんから、電話が入る。 「黒酢本舗に到着しました。さくまサンたちはまだ?」 「まだだよ。運転手にだまされているところ…」 「何それ!」 「着いたら、くわしく話す。近いことは近いとおもう」  午後2時。黒酢本舗「桷志田(かくいだ)」に到着。  玄関で、土居ちゃんが立って待っていてくれた。

 土居ちゃんがいなかったら、素通りされたかも。 「いやー! まいった! まいった!」 「何々? どう大変だったの?」 「レストランで、ゆっくり話そう」  黒酢本舗「桷志田(かくいだ)」のなかにある黒酢レストランへ。

 全員、黒酢と黒豚の酢豚ランチ。

 しばらく、隼人駅からのひどい目に会ったシリーズを土居ちゃんに伝 える。  土居ちゃんは空港から乗ったタクシーは、黒酢本舗の電話番号をカー ナビに入力して、迷うことなく来れたという。  そうなんだよ!  知ったかぶりで適当な運転をするタクシー運転手に限って、カーナビ がついていないんだよ。  国土交通省は、タクシーにカーナビを義務付けてほしいよ。 「人吉から、隼人駅までの列車の旅は、最高だったんだけどねー」  土居ちゃんに話している間も、隼人の運転手ふたりに対して頭に血が 上る。  でもこの黒酢レストランの料理はおいしく感じられた。ハハハ!  この料理、相当おいしいのだろう。  食後、黒酢の壺が並ぶ光景を見学させてもらう。  こっちでは「ツボ畑」と呼ぶそうだ。  今回、この光景を生で見てみたかった。

 1万本の黒酢の壺が並んでいる。 「菜の花もいっしょに植わっているのは、黒酢作りに影響があるんですか?」 「いえ。お客さんのためです。黒い壺だけだと、目がさみしいとおもい まして」  これだよ、これ!  隼人駅のタクシー運転手さんは、このお店に学べ!

 壺は、信楽焼きだったり、ベトナム製だったり、いろんな国の壺をつ かっているが、壺によって黒酢の出来が違うそうだ。  ペットボトルがカラカラ回っている。  モグラ除けだそうだ。  モグラが穴を掘ると、壺が倒れてお酢がこぼれちゃうからね。

 黒酢本舗「桷志田(かくいだ)」という不思議な名前について聞く。 「桷志田(かくいだ)というのは、このあたりの地名です」 「読みづらい地名ですねー」 「本当は、隠し田という名前だったのが、そのうち桷志田(かくいだ) になったそうです」  東京の原宿にも、隠田(おんでん)という地名がある。  実に懇切丁寧に、黒酢の作り方を教えていただいた。  いっぱいお土産を買わなきゃ!とおもったよ。

熟成すると色が濃くなってくる

 午後2時45分。道の駅「たるみず」へ。  道の駅というより、このあたりの人たちの生活必需品を売っている スーパーといった感じだ。

「土居ちゃん! ソフトクリームがあるよ!」 「びわソフト?」 「この辺は、びわが名産なんだよ」 「さくまサンといっしょだと、いつもソフトクリーム食べてる気がする なあ!」 「そういうだろうとおもって、今回人吉などでもソフトクリーム売って いるお店で食べるのをガマンして、土居ちゃんと合流したら食べようと 思っていたんだ!」 「ハハハ! 何、それ!」  …と言いながら、ソフトクリーム兄弟、近影。

 垂水(タルみず)市は、ブリの養殖日本一だったり、キヌサヤの生産 量日本一だったり、けっこう名物が多い。

 軍艦マーチの発祥地という自慢になるのかならないのかわからないも のまである。

 ここから、桜島を南側から、時計回りに走る。  いままで何回も見た桜島とは、違う顔を見たような気がする。  もう少し真っ黒な山のイメージがあったのだが、ちょっとゴツゴツと した岩肌の印象が強くなった。

 午後4時30分。桜島フェリー乗り場へ。  タクシーを降りて、フェリーに乗る。  キャリーバッグに、コンピュータ・バッグまでかついでいるので移動 が大変。  出発時間まで、5分しかないのであわてる。 「大丈夫ですよ。10分置きに船は出ますから!」  そんなに頻繁に出ているのか。  しかも24時間営業らしい。

 午後4時35分。フェリーに乗船。  フェリーからの桜島は、雄大で気持ちいいねー。  でも、やっぱりいつもの桜島より、白っぽく見えるなあ。

 午後4時50分。わずか5分で、すぐ鹿児島港に到着。  午後5時15分。城山観光ホテルへ。  ここでまた、ひと悶着。  私は最近、本当に高所恐怖症が悪化しているので、嫁がインターネッ トで宿泊予約をする場合「喫煙室でもいいから、低層階にしてください」 と、但し書きを入れてくれる。  ところが、客室案内係りの若造は「さくま様は9階で、土居様は10 階で…」というではないか。 「ええ〜〜〜! 9階? 低層階って言ったはずなんだけど…」 「ですから、さくま様は低層階で…」 「最上階が、10階なのに、9階が低層階かよ!」  けっきょく、この言葉を知らない若造は、「ちょっと調べてきます」 を何度もくりかえし、一度も調査結果を持ってこないまま、上司と思わ れる女性が応対してくれて、6階になった。  城山観光ホテルは、フロントが4階なので、6階でもかなり低層階に 思える。  しかも、ちょうど清水エスパルスのキャンプの宿泊先が、この6階の フロアだったようだ。  土居ちゃんは、けっこうサッカー好きなので、後で大浴場で知った顔 を何人も見たそうだ。  午後7時。嫁、土居ちゃんの3人で、「華蓮(かれん)」へ。  今回、鹿児島に行くと言ったら、多くの知人がこぞって、このお店を 推薦した。  ガイドブックでも、イチ押しだ。  土居ちゃんが「牛も食べたい!」というので、極上鹿児島黒牛・鹿児 島黒豚・味わいしゃぶしゃぶコースにする。

「おお! おお! この胡麻だれの上品さは、初めて味わうなあ!」 「豚も、牛も、どっちもおいしい!」

 いままで鹿児島でけっこうおいしい豚しゃぶのお店を食べてきたつも りだけど、ここは段違いにうまい!  お肉がなくなると、鍋で鹿児島風のラーメンの麺を入れて、とんこつ スープを溶かした器に、つけめんのようにして食べる。

 これがまた「何なんだよ〜!」と叫びたくなるくらいおいしかった!  スープにごはんを入れて食べたかったな〜!

 鹿児島の地元の人に言わせると、値段が高いのが玉にキズだけど、旅 は非日常、ここで食べるか食べないかで、鹿児島に対する印象は、まっ たく変わってしまうとおもう。  鹿児島に来たら、必ず寄るお店になりそうだ。  午後8時30分。このまま城山観光ホテルに帰るべきだが、鹿児島に 来たときに必ず寄るお店に行っていない。

 氷白くまの「むじゃき」だ。 「2月に、かき氷を食べるの!?」 「鹿児島の2月は、そんなに暖かいの?」  そう思う人も多いとおもうが、おいしいものがたまたまたカキ氷で、 1年中食べられるのだから、食べに来るだけである。はっはっは!  カキ氷好きに、季節は関係ない。  でも、さすがにふつうサイズを食べる別腹も残っていないほど、満腹 なので、ベビーサイズにした。

 いやいや、やっぱりおいしいなあ…。  はっきり言って、コンビニで売っている氷白くまとは、まったく違う 味だ。  午後9時30分。城山観光ホテルへ。  きょうの日記を書き始めるが、隼人駅前のふたりのタクシー運転手に 腹が立ち、キーボードを叩く音が大きくなり、腱鞘炎がひどくなる。  きょうは移動だけで、日記も短くなるとおもっていたのに。  肥薩線の素晴らしさを伝えるだけで、終わりにしたかった。  でも、桜島は何度見ても、勇壮だ。  桜島のようにどっしり構えた男になりたいが、私はひどい目に合わさ れたやつには、合法的に仕返しを絶対するせこい男だ。  隼人町のみんなには、すまん!  いまから謝っておく。  悪いが、デビル・マスだ。

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