4月25日(火)

 困った…。
 首の頚椎椎間板ヘルニアが痛くて、眠れない。
 ただでさえ旅先だと寝付けないだけにしんどい。
 寝なきゃ!とおもうと、よけい眠れなくなる。
 悪循環だ。

 けっきょく、合計2時間ぐらいしか眠れなかった。
 これから長くて、めまぐるしい1日が始まってしまう。
 もう若くないから、寝不足はつらい。

 午前9時。嫁と、1Fの喫茶「シャングリラ」で、カフェオレ。
 眠くて、身体がふわふわ浮いている。

 午前9時30分。ロビーに全員集合!
 私、嫁、土居ちゃん(土居孝幸)、ハドソンの香月薫児常務、川田忠之くん、内田
拓郎くん、青森県観光推進課の斉藤直樹さん、柴尾英令くん、読売広告の岩崎誠、大
崎孝太郎くん、さらにテレビ撮影クルーのみなさん。

 車2台に分乗、五所川原へ向かう。

 きょうの青森は、雨、または雷の予報。
「ま〜た、さくまサンがいるから、こんなに天気がいい!」
「岩崎誠! さすがの私も昼過ぎから降雨確率50%で、雷の予報だけはどうにもで
きないよ!」
「でも、晴れてますよ!」
「まだ午前中だよ。お昼から覚悟しておいたほうがいい!」

 五所川原に向かう途中の森には、まだ雪がいっぱい残っていた。

 もうすぐゴールデン・ウィークだよ。  東京の感覚では、青森の自然を計ることができない。  午前10時30分。五所川原市の「立佞武多(たちねぷた)の館」へ。  昨年から何回ここに来ていることだろう。  もはや儀式のように、まだここの「立ちねぷた」を見たことがない香月薫児さん、 柴尾英令くんに高さ22メートルの立佞武多を見せる。  驚く顔が見たい!

「うほっ! たまがった!」と柴尾英令くん! 「ダメだ! 携帯のカメラじゃいくら後ろに下がっても写りきらない!」と、香月薫 児さん。

 そうなんだよ。携帯で写メールできないくらい大きいのだよ。  毎回、まだこの「立佞武多」を見たことない人に、高さ22メートルだから、学校 のプールが立っているようなものですよ!といっておくのだが、それでも驚く。私だ って、以前から噂には聞いていたけど、ここまで大きいものとはおもっていなかった。  分刻みのスケジュールなので、3Fの「桃太郎電鉄立ちねぷた」の製作現場へ。  どこだ? どこだ?  あっ! こ、これだ! これだ!  イヌ、サル、キジだよ!  ワイヤーだけで出来ているけど、間違いなくイヌ、サル、キジだ!

 土居ちゃんの絵は、似せるのが簡単そうに見えて、非常に難しい。  テレビでアニメ化されたときも、土居ちゃんの微妙なアゴのラインは、再現できて いなかった。  なのに、きょうのこのワイヤーのイヌ、サル、キジは、実に見事に土居ちゃんのペ ンタッチを再現している。  立ちねぷた職人の三上さんは想像通りの達人だった。

 午前11時。五所川原市役所へ。  ここまでまだ「立佞武多の館」に着いてから、まだ30分。  もうすっかりおなじみになった五所川原市役所経済部商工観光課課長の菊池忠さん が出迎えてくださった。  今年の夏、「桃太郎電鉄立ちねぷた」で市の人たちにお世話になるので、市役所を 表敬訪問。  この訪問の模様もメイキング・ビデオをして撮る。  五所川原市助役さんの雨森康夫さんにご挨拶。

 市役所という場所に私や土居ちゃんがいること自体、違和感がある。  でも私がいかに青森、五所川原を気に入ってるかを語るのは本音でしゃべればいい ので楽だった。  午前11時30分。「あげたいの店」へ。  ここで「立佞武多の館」に着いてから、やっと1時間。

「さあ! 柴尾英令くん、出番だよ!」 「えっ? 何ですか? 何ですか?」 「柴尾英令くん、揚げ鯛焼3枚は行くとおもうなあ!」 「ええっ! だって、鯛焼きを揚げるんでしょ? そんなに無理ですよ」 「それがちっとも、油っぽくないのよ!」

 お店のお父さんに、油っぽくない秘密を聞く。  私は油にあるとおもったけど、サラダ油だそうだ。  油よりも、生地に秘密があるという。  ここから先は、もちろんナイショ。 「う、う、ぅめ〜〜〜!」 「ぅめ〜〜〜!」

 柴尾英令くんが、太ったヤギ?になって「ぅめ〜〜〜!」を連発していた。 「揚げてるのに、さっぱりしているのに感動しますよね」 「だから富士には月見草が似合うように、柴尾英令くんには揚げ鯛がよく似合うって いったでしょ!」 「うーーん、うーーん!」  柴尾英令くんが、うなり出した。  柴尾英令くん、おもむろに立ち上がって100円玉をカウンターにパチンと置い て、「カレー揚げを1枚!」  まるで立ち飲みカウンターにいるおっさんのように、揚げ鯛を注文だ。 「はっはっは! やっぱり、2枚目を注文した!」

 土居ちゃんがカレー揚げを食べている柴尾英令くんに向かって「柴尾英令くん!  バーガー揚げもおいしいよ!」と悪魔の囁き。  このバーガー揚げだけが、120円で、ほかはぜんぶ100円なのだ。  私もついてでに「柴尾英令くん! チョコ揚げもおいしいよ!」といってあげる。 「ええいっ! バーガー揚げ、1枚!」 「やった! 柴尾英令くん、3枚目を注文!」  パチパチパチ…。パチパチパチ…!  揚げ鯛を食べるだけで拍手をもらえるは、柴尾英令くんぐらいのものだ。  このあと土居ちゃんがこっそりカレー揚げを注文していた…。 「さくまサン! すっかり揚げ鯛に夢中になってるでしょ?」と岩崎誠。 「えっ? そりゃ夢中だよ!」 「やっぱり!」 「柴尾英令くんも3枚目の揚げ鯛を食べたし…! えっ? 何がやっぱり?」」 「さくまサンが仕事モードからハズレちゃったから、雨が降り出しちゃったんですよ!  さっきまで晴れてたのに!」 「あっ! ほんとだ!」  本当に激しい雨が降ってきた。  ほんとに私のせいなのかなあ…。  たしかに「あげたいの店」に入るまでは、朝からずっと晴れていた。  しかも午前中の仕事は、市役所訪問と立ちねぷたの製作過程を見ることだから、た しかに仕事は一段落している。

<おすすめのお店> 「あげたいの店」 住所:青森県五所川原市上平井町99 電話:0173-34-2064 営業時間:9:30〜18:00 定休日:第1・第3日曜。

 午後12時。再び、ワンボックスカーで、青森に向かう。  これからまだたくさんきょうは仕事が残っている。  そうおもったとたん、雨があがってしまった。 「ハハハ! これからきょういちばんの仕事が待っているから、さくまサン、雨があ がりましたね!」 「ほんとに、私のせいなのかなあ…」  すっかり、青森ー五所川原間の道の景色を覚えちゃったなあ…。  昨年、土居ちゃんと五所川原の「立佞武多の館」に来たのが、5月20日。  まだ1年経っていないよ。  日記を読み返してみたら、『桃鉄』の立ちねぷた作れたらいいのになあ…って書い てあった。  そうか! だから青森県観光推進課の斉藤直樹さんが誘ってくれたのか。  思ったことは、書いてみるもんだね。  書いた本人はすっかり忘れていた。  午後1時。青森市新町の「千成(せんなり)」へ。

 たぶん12人ぐらいで、このお店に入ったとおもう。  分散して座ったので、確認もしていない。  このお店が初めての人には、シルクのようになめらかな塩わんたんめんを勧める。  私、嫁、斉藤直樹さんは、ほたて三昧潮らーめん、980円を注文する。  値段はちょっと高いが、ホタテが抜群のおいしさ。  このお店の名物は、塩わんたんめんだけではなかった。

 次第に、みんなが「青森いい!」「青森、おもしろい!」「青森、気に入った!」 を連発し始める。  私と土居ちゃんがはまった青森の場所を引きずり回し、おいしいものを食べさせれ ば、みんな青森を気にいってくれる。  言葉なんか全然いらない。  みんな青森という地名は、知っていても来ていないだけなのだ。  来て、見て、食べてみれば、絶対青森を気に入る。

<おすすめのお店> 「千成」 住所:青森市新町2丁目5−3 電話:017-722-4750 営業時間:10:00〜20:00 定休日:月2回土曜日(不定) おすすめ:塩わんたんめん。

 午後2時。私、土居ちゃん、柴尾英令くんの3人で、新町通りの「工藤パン」新町 店2Fのコーヒーショップへ。 『桃太郎電鉄16(仮)』の打ち合わせ。  博多弁をしゃべる名産怪獣のメッセージを、柴尾英令くんに方言指導してもらった りする。

<おすすめのお店> 「工藤パン」新町店 ・住所:青森市新町1丁目12番19号 ・電話:017-722-3847 ・営業時間:7:15〜20:00 ・定休日:年中無休 ・サービス:毎月9日10日は910(くどう)の日

 午後3時。青森ワシントンホテルに戻る。  ベッドにひっくり返るが、寝るほどの時間がない。    午後3時30分。青森ワシントンホテルのロビーに再び全員集合。  これからなんと! 青森県庁に向かう。  青森県観光推進課の斉藤直樹さんたちは県庁の人なのだから、私たちが県庁に行く こと自体不思議はないのだが、これから県知事さんに会う!  しかも、私たちが県知事さんを表敬訪問する様を、青森のマスコミが取材して、 きょうの6時のニュースで流し、明日の朝刊に掲載するそうなのだ。  斉藤直樹さんがいうには「青森じゅうのマスコミが全部揃います!」とのこと。  記者さんたちがみなさん『ジャンプ放送局』の世代なのだそうだ。  本当に『週刊少年ジャンプ』で仕事をしたことは、私にとって大きな財産になって いる。読者ページという末席にいたのに、600万部の絶頂期にいただけに私たちの ことを覚えてくれている人は、私たちの想像以上に多い。  それにしても、県知事さんと何を話せばいいのだろう。  午後3時45分。控え室で待つ。  県知事は毎日、分刻みで来客と会っているそうだ。  前の来客が帰り次第、それっ!とばかりに向かわないといけないそうだ。  控え室なのに、緊張ムードが漂う。  午後4時。知事室へ。  えっ!? ほんとにカメラがいっぱい!  取材陣も多い。

 三村申吾県知事がニコニコ握手を求めてきて、なんと! 「ポッポー! ♪タラタタタタ〜!」  ファミコン版の『桃太郎電鉄』のマップ曲を口ずさんでいるではないか! 「♪チャンチャンチャ〜チャッチャ〜ン…」  オープニング曲もくちずさんでいる!  私も土居ちゃんも、これには度肝を抜かれた!  県知事の娘さんが『桃鉄』のファンと聞いていたんだけど、実は県知事御本人が ファンだったそうだ! 「学生時代は、『桃太郎伝説』もクリアしたし、PCエンジンの『桃太郎電鉄』も やったんですよ!」 「ええっ!? 県知事のくちからPCエンジンという言葉が出るとおもいませんでし たよ〜!」  聞けば、三村申吾県知事は47歳!  新潮社で純文学の担当編集を経て、青森に戻り、町長、衆議院議員のときには、横 浜市長の中田宏さんと隣りの部屋でなかよしだったそうだ。  それにしても、三村申吾県知事のマシンガントーク!  マシンガンよりももっと速い! 「『桃鉄』は地理の勉強になるからいいですよね!」 「はい!」 「娘に何でお父さんは『桃鉄』強いのってよく言われたんですよ。強くなりたいんな ら、勉強しなさいともいえるしね!」 「はい!」 「ぜひ青森をいっぱい取り上げて、青森をPRしてください!」 「それはもちろん!」 「県知事! 時間をオーバーしてますんで…、そろそろ五所川原の『桃太郎電鉄立ち ねぷた』の看板の前で、記念撮影を…」 「あっ、そう。きょうは、だったらボクも青森の宣伝に衣装を着替えちゃおうかなあ!  ちょっと着替えてきます!」  …というや、リンゴの絵のアロハに着替えてくるではないか!  やられた! 最初から最後まで、三村申吾県知事に圧倒されまくり!  こういう県知事さんがいる青森は、ますますおもしろい。

 というわけで、たくさんの報道陣を前に、土居ちゃんがデザインした「桃太郎電鉄 立ちねぷた」のパネルといっしょに記念撮影。

 このあとこのパネルに、私と土居ちゃんのサインを入れて、五所川原の「立佞武多 (たちねぷた)の館」に飾ることになったので、近くの人はぜひ見に行ってください。

 午後4時30分。県庁の別室で、青森のマスコミの方から追加取材を受ける。  日本経済新聞社の石黒和宏さん、デーリー東北新聞社の福山拓司さんほかたくさん のみなさん。

 みなさん、『ジャンプ放送局』世代なので、「なぜあの頃、頭にヘタがついていた んですか?」といった質問も飛び出して、大爆笑! 「五所川原立ちねぷた祭り」に参加の取材になっていな−い!  午後5時30分。県庁近くのすし居酒屋「樽」へ。  メンバーは、私、嫁、土居ちゃん、香月薫児さん、川田忠之くん、内田拓郎くん、 岩崎誠、大崎孝太郎くん。  青森県観光推進課の斉藤直樹さん、中村義人さん、松尾義人くん。  本来は午後6時開店のお店だけど、観光課のみなさんのおかげで、30分早く開け てもらった。

「まるごと青森」に載っていたお店で、いかにもお刺身がおいしそうなので、リクエ ストした。  10数種類のお刺身は、どれも「んまい! んまい!」と鼻腔ふくらむ味。  とくにホッケのお刺身、マスノスケ(キングサーモン)といった珍しいお刺身がお いしく、つぶ貝、イシガレイ、コハダ。タコなど、抜群の新鮮さ、おいしさ。

 あいかわらずのんきな土居ちゃんは「おいしいね。さくまサン、ここお寿司屋さん みたいだな」といっている。 「土居ちゃん、箸袋を見てごらんよ。『すし居酒屋』って書いてあるだろ」 「はっはっは! そっか、そっか! おいしいね!」  午後6時。お店のテレビで青森テレビのニュースを見る。  私たちが県知事室を表敬訪問したときの様子が流れるためだ。  午後6時24分。ローカルニュースのところで、県知事室が映し出された。  和気藹々の雰囲気がよく出ていた。  あのぶっとんだ県知事さんのおかげで、私も心から笑っている顔が映ってよかっ た。こういう場合いちばん心配なのは、愛想笑いがそのまんま映し出されちゃうこと だからね。

 岩崎誠は、このお店のご主人が阪神タイガース・ファンなので、初対面なのにすっ かり意気投合している。  きょうから「横浜×阪神」戦。  いきなり阪神が6点を取ったので、大喜びでお店のご主人に報告に行っている。 「岩崎誠! どこの球団のおかげだとおもっているんだ! くそっ!」  野球の話になったら、香月薫児さんが熱狂的を飛び越えるレベルのホークス・ファ ンであることが判明。  一気に野球談義。  香月薫児さんはハドソンの人なので、北海道の人だとおもっていたら、福岡の出身 だったのだ。  私は仕事のやり方を、プロ野球の試合運びにたとえて伝えることが多いので、香月 薫児さんがプロ野球好きなので、よかった。

 午後7時30分。岩崎誠、大崎孝太郎くんが青森空港に向かわないといけない時間 になった。 「さくまサン! 前から一度これが言いたかった! 現在阪神9−2横浜。これがほ んとの勝ち逃げ!」 「くっそ〜〜〜!」

<おすすめのお店> すし居酒屋「樽」 住所:青森県青森市古川1-20-11 電話:017-773-9955 営業時間:18:00〜26:00 定休日:日・祝日。

 午後8時30分。私はホテルの部屋に戻る。  きょう1日のめまぐるしいスケジュールを、VAIOにメモしておく。  メモしておかないと日記を書くときに、すっかり忘れてしまう。

 
さくまNEWS


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