9月5日(月)

 午前7時。東京杉並区で、ゲリラ豪雨と呼ばれる大雨が降ったんだって!?
 まさか飛騨高山のテレビのニュースで、生まれ故郷の杉並区の風景を見るとおもわ
なかったよ。

 まだ台風14号は、沖縄から、奄美大島に向かっているところでしょ?
 何でまた、杉並区に!?
 善福寺川と、妙正寺川が氾濫かあ!
 どちらも、ほんとに私が生まれ育った場所だよ。

 高山も、雨。
 日本じゅうが雨だ。
 私がいくら仕事モードになっても、晴れるのは難しい。

 午前8時。ホテルアソシア高山リゾート2Fのバイキングで朝食。  嫁と、土居ちゃん(土居孝幸)と待ち合わせ。 「土居ちゃん! 杉並区の豪雨のニュース見た?」 「見た、見た!」 「土居ちゃんのマンション大丈夫なの?」  なんと土居ちゃんのマンションは、荻窪にあるのだ!  1時間で、100ミリの雨が降ったっていうんでしょ?  私は杉並区に43年間住んでいたけど、床上浸水になるなんてこと、台風のときだ って一度もなかった。 「うちは3階だから、大丈夫だったとおもうけど、駐車場が1階なんで、そっちが心 配!」 「それより、心配した人の電話がこれからかかって来そうだね」 「来ても、ここにいるからなあ!」  午前9時。ホテルをチェックアウト。  観光タクシーを呼んでもらって、いざ出発。  午前9時30分。まずは、高山名物宮川沿いの朝市まで行ってもらう。  きょうは雨なので、朝市のお店の数も少ない。  それでも自分の家で採れた野菜を売る風景は、高山の風物詩だ。

 フットボールのように大きい水ナスが、1個50円で売っていたりする。  キュウリも20本単位で、500円だったりする。  にんじん3本で、100円。 『桃太郎電鉄』とは逆の意味で、金銭感覚が狂う。

 赤かぶらの酢漬けが買いたかったんだけど、いまは時期ではないそうで、塩味が強 い赤かぶらが売られていた。  短いキュウリを10本ぐらい買う。  きょう行く郡上八幡のお味噌屋さんのお味噌をつけて食べることにしよう。

 そういえば、宮川の橋のたもとに、恵那の川上屋の栗きんとんが売られていた。 「まだ栗の時期には、早いんじゃないですか?」とお店の人に聞く。 「新栗で作っています」 「へえ。もう秋なんだねー!」  毎年、この川上屋か、酢屋の栗きんとんを買うことにしているので、1箱買う。  うちの娘は、栗きんとんが大好き。

水かさの増した宮川

 朝市のなかにある「黒田屋」へ。  げんこつ飴専門店というのが、不思議。  高山は駄菓子のお店が多くて、ジャンル的には駄菓子に入るとお店の人は言ってい たけど、たしかに「げんこつ飴専門店」という言い方のほうが、わかりやすい。

 で、げんこつ飴を試食したら、抜群においしかったので、一袋買う。  黒糖味のきなこ飴だ。  やわらかくて、おいしかった。

<おすすめのお店> 「黒田屋」 住所:岐阜県高山市下三之町朝市通り 電話:0577-33-6539 営業時間:〜6:00〜売切次第閉店 定休日:無休。 備考:げんこつ飴専門店

 昨日、飛騨牛のメンチカツを食べた「角桑」に行ってもらって、昨日物色していた お土産品を大量に買う。  この「角桑」で売っているものは、ほかのお店でも売っているのだとおもったら、 ほかでおなじ製品をほとんど見なかった。  ここは高山に来たら、ぜひ寄るべきお店だとおもう。  飛騨牛ビーフカレー、飛騨牛ハンバーグカレーのレトルトなど買う。  コーンスープのレトルトも買う。  飛騨牛ふりかけ、飛騨牛せんべい、赤影スナックなども。  午前10時30分。高山を出発。  ホテルのフロントに「郡上八幡にくわしい運転手さんをお願いします」と言ってお いたので、ほんとうにくわしくていい運転手さんが来てくれた。 「高速道路で、郡上八幡に向かう道と、飛騨せせらぎ街道といって、山道を登るコー スがありますが、どちらにしますか?」 「飛騨せせらぎ街道っていう言い方がいいなあ!」 「飛騨せせらぎ街道って、途中に道の駅とかってあります?」 「ありますよ!」 「その道の駅では、トウモロコシとかって茹で立てのものを売っていたりします?」 「たしか売っていたとおもいます」 「じゃあ、飛騨せせらぎ街道で!」  飛騨せせらぎ街道を行く。

 つづら折の山道をなだらかに登って行く。  気温は、19度だ。  雨のせいで、川がコーヒーミルクみたいな色に濁っている。  さらに山道を登ると、気温が18度、17度と下がっていく。  森林と川の繰り返しの風景は、凛としていて「せせらぎ街道」にぴったりだ。  道の脇に植わっている赤と青のサルビアが美しい。  秋には、紅葉が美しそうだ。  コナラ、クヌギ、ナナカマドなどの木々たちが黄金色に姿を変えるそうだ。  午前11時。道の駅「パスカル清見」へ。  ホテルパスカルというのもあった。  キャンプ場もあるらしい。  何でパスカルなんだ? 「パストラル+カルチャーで、パスカルなんです」とお店の人。

 そういえば、たしか平成の市町村大合併で、高山市はこの清美村を編入させたおか げで、静岡県を抜いて、市の面積日本一になったんだっけ!  丹生川村、清見村、荘川村、宮村、久々野町、朝日村、高根村、国府町、上宝村、 9個もの町村を併合させたのか。  その広さたるや、東京都とほぼおなじ面積だというのだから、すごいでしょ?  この道の駅「パスカル清見」は、充実していた。  生カレーうどん、地サイダー、明宝ハム、ソーセージ、パンなどを買って、クール 宅急便する。  運転手さんが「あっちで、トウモロコシ売っていますよ」といってくれたので、喜 び勇んで向かう。  みたらしだんごも売っていた。 「ほ〜んとに、このおだんご、熱いので気をつけてくださいね」とおばちゃん。  ほんとに熱かったけど、醤油のたれの染み込み具合が絶妙で、感動するほどおいし かった。

 トウモロコシも、うまー!  今年私は、トウモロコシを何10本食べたんだろう?  そろそろ100本達成じゃないかなあ。  その上で、ベスト3に入るよ、このトウモロコシは!

 再び、飛騨せせらぎ街道を走る。  山から水蒸気が上昇して、水墨画のようだ。  午後12時、道の駅「明宝」へ。  何か銅像があるぞ。 「名馬・麿墨(するすみ)」?  梶原景時? 源義経を死に追いやった張本人だよね。  あっ。「宇治川の先陣争い」の話か。  たしかに有名な話だ。  青森のねぶた祭りの絵のモチーフになっているほどだ。

 梶原景時と、佐々木高綱が先陣争いをしたとき、梶原景時が乗っていた馬の名前 が、麿墨(するすみ)なのか。  その馬の産地だってことなんだね。  いろいろ町おこしの方法ってあるもんだねー。  そういえば、この辺では奥美濃カレープロジェクトという町おこしをやっているら しい。  べトコンカレーとか変わったカレーが食べられるお店が多いみたい。

 おもしろそうなので、「大地の恵み岐阜産大豆100%まめな豆カレー」という長 い名前のレトルトカレーを買う。  午後1時30分。郡上八幡(ぐじょうはちまん)に着く。  市名は、郡上(ぐじょう)市。  人口4万9000人の静かな城下町だ。

 飛騨高山と、美濃市と、この郡上市は、いずれも戦国時代の金森氏が作った町なの で、似た匂いを持っている。  また、この町は水のきれいな町で、日本の名水100選を選ぶときに、真っ先にこ の町の水が選ばれたくらいおいしい水だ。  町の真ん中を吉田川というのが流れていて、町のどこからでも川の音が聞こえる。 まさに「水のまち」だ。

 郡上八幡博覧館へ。  博物館ではなく、「博覧館」というのがおもしろい。  大正時代に建てられた洋風建築の旧税務署を利用した資料館だそうだ。  展示物がよくまとまった見ごたえ十分な博物館だった。

 郡上八幡といえば「郡上おどり」が有名。  日本一長期間開催されるお祭りで、なんと7月の中旬から、9月の初めまで、32 日間も続く。踊る場所も毎日変わるそうだ。 「郡上の八幡出てゆく時は、雨も降らぬに袖しぼる」という有名な歌詞が郡上おどり に出てくるんだけど、踊りつかれた人が汗びっしょりになって、「雨も降らぬに袖し ぼる」になるそうだ。  すごいお祭りだねー。  午後1時。郡上八幡博覧館のなかで、郡上おどりの実演をしてくれた。  最初のうちは、おっとりとしたユーモラスな踊りだとおもっていたのだが、そのう ちこの踊りが、かなり身振り手振りが大きくて、非常に疲れる激しい踊りであること に気づく。  所作のなかに必ず下駄を鳴らすタイミングがあって、郡上八幡博覧館の床に、くっ きり下駄のあとがついているほどだ。  これを毎日深夜まで、それも32日間を踊り続けるエネルギーというのは、すさま じいものを感じる。  なにしろ台風レベルでないかぎり、雨でも中止しないというのだから、すごい。  でも、やっぱり踊りの途中にある、赤塚不二夫さんの漫画に出てくる「シェー」の ポーズみたいなポーズはユーモラスだ。

 郡上おどりには、10種類の踊りがある。 ・古調かわさき ・春駒 ・三百 ・げんげんばらばら ・やっちく ・かわさき ・さわぎ ・猫の子 ・甚句 ・まつさか  土居ちゃんがこの「郡上おどり」をよく知っていて、歌詞まで覚えていたのには、 びっくり。 「山で、川で、あっ、そんでせー!」 「土居ちゃん、歌えるんだ!」 「ハハハ!」  かなり昔に、西田敏行さん主演のTVドラマがあったんだそうだ。  ときどき土居ちゃんは、妙にくわしい知識がある。  踊りが10種類もあるのは、32日間も踊るので、飽きないためにと、途中で乱れ た呼吸を整えるために、ちょっと楽な踊りを混ぜているためらしい。  そんなに疲れるなら、休めばいいとおもうのだが、呼吸を整えてまで踊る執念には、 脱帽だ。  午後1時30分。宗祇水(そうぎすい)の飲み場へ。

 郡上八幡が「水のまち」であることを象徴するランドマークのような場所だ。  その昔、連歌師の飯尾宗祇と、郡上の領主がここで歌を詠んだことから、宗祇水と 呼ばれるようになったそうだ。

 水飲み場に、名前についてしまうのが、「水のまち・郡上」のすごさだね。  私も飲んでみる。  かすかに甘い透き通るような水だ。  おいしい。  吉田川のたもとにある「二代目団子家」へ。

 前に郡上市に来たときも、ここで食べておいしかったみたらしだんごなので、郡上 八幡に来たら、絶対ここに寄って行きたかった。  ここのみたらしだんごは、甘いたれのタイプ。  飛騨高山から、郡上八幡にかけては、ほんとにみたらしだんご屋さんが多いので、 買い食いを続けていると、申し分なく太れる。  宗祇水の近くにあるニッキ飴の「桜間見屋」を見たり、大黒屋でお味噌を買ったり。  郡上八幡は古い町並みがいっぱい残っているので、雨が似合う。

 城下町プラザというところで、休む。  ここで買い食いした水まんじゅうと、草餅が絶品だった。  お店の人に聞いたら「郡上は水のまちなんだから、水まんじゅうを作ったらどうで すか?」とお客さんに言われて、作り始めたそうだ。  名物というのは、こういう風にお客さんに言われて誕生することが多い。  お客さんは大事にすべきってことだよね。

 午後2時15分。郡上八幡城へ。

 運転手さんが狭い山道を巧みに運転してくれて、お城のすぐ側まで行ってくれたの で、これならお城もつらくないなとおもったら、天守閣に登る階段が…。  まるではしごを、階段にしたように、垂直!  こ、こ、これはしんどい。

 郡上八幡を歩いて疲れて、残りわずかの体力をぜんぶ放出してしまった。  天守閣に登っても、山の上に立つお城からの眺めは、高所恐怖症の私には、足がが くがく震えるだけ。

 市内が一望できる気持ちよさは、私にはまったく味わえない。

吉田川にかかる新橋は、川面まで12m。この高さから豪快に飛び込む

 午後3時。「やなかこみち」へ。  オブジェのような小径に水が流れている。  きれいな場所であることはよくわかるのだが、私はもはや足がもつれて、しゃべる のもつらいくらい。  すぐ車に戻る。

 郡上八幡駅近くの「岩崎模型」へ。  食品サンプルを作る工房だ。  飲食店のショーウインドウを飾るロウ細工のことね。

 食品サンプルは、郡上八幡の地場産業で、全国の食品サンプルのほとんどは、郡上 八幡で作られているそうだ。  日本じゅうどこでも見るものの大半を、この小さな町で作っているというのが、お もしろいね。  工房の人が、非常にフレンドリーで、わざわざ食品サンプルを作るところを見せて くれた。  まずは、海老の天ぷら。

 溶けた熱いロウをぬるま湯のなかにツツーーと垂らしていく。  海老のころもを作っているんだな。

 おお! 見事な天ぷらのころもだ。  もっと驚いたのは、レタスの作り方。  レタスの1枚1枚をていねいに作っていって、紙くずをくしゃくしゃにするように して、レタスにまとめあげていく。  このレタスの食品サンプルを、熱い包丁で切ると、切り口までレタスにそっくり。 まるで手品を見ているようだ!  すごいねー。

 食品サンプルをいくつか買っていく。  東京の合羽橋で売っている食品サンプルの半額ぐらいだ。  そうか。合羽橋のロウ細工もこの工房で作っているんだった。

 いつのまにか、タクシーの運転手さんまで、食品サンプルを買っていた。  午後4時。これにて、今回の取材旅行の全日程終了。 「おわら風の盆」祭りを雨で見ることができなかったけど、五箇山の合掌造りとか、 あいかわらず観光に力を入れている高山市や、郡上八幡の美しさなど、収穫はかなり 多い。  さて、ここから高山本線の飛騨金山に行って、そこから名古屋に出ようとおもった んだけど、運転手さんが直接、名古屋に行ったほうが近いと言い出す。  ええ〜〜〜っ!? 誰が地図を見たって、圧倒的に飛騨金山のほうが近いじゃない かあ!  名古屋駅からひとつめの駅の中央本線「金山」駅と間違えてんじゃないの?  ところが、飛騨金山までは険しい山道なので、少なくも1時間半以上かかるそうだ。 さらに飛騨金山で特急が来るのを待って乗っても、名古屋まで2時間近くかかる。 トータル4時間?  名古屋までなら高速道路を走るので、1時間で行けるという。  うそ! 1時間?  午後5時。ほんとに1時間で、名古屋に着いた!  信じられない。  そのままエスカ地下街の「山本屋本店」へ。  意外なことに、土居ちゃんがこのお店の味噌煮込みうどんを食べたことがなかった。  うどんが熱いので、鍋のふたに乗せて食べることを土居ちゃんに教えつつ、茸と地 鶏入りの味噌煮込みうどんと、名古屋コーチンのねぎまを食べる。

<おすすめのお店> 「山本屋本店 」エスカ店 住所:名古屋市中村区椿町6-9  電話:052-452-1889 営業時間:11:00〜20:30 定休日:無休。 おすすめ:名古屋コーチン入り味噌煮込うどん。

 午後6時9分。名古屋駅から、新幹線のぞみ88号に乗車。

 タクシーの運転手さんが名古屋直行のコースを教えてくれたので、こんなに早い時 間に新幹線に乗ることができた。  旅先でいい運転手さんに会うと、その町の印象までぐーんとアップする。  午後7時46分。終点東京駅に到着。  あれだけ「土居ちゃん! 傘持って行くの忘れないでね!」と言っていたのに、 やっぱり忘れた。期待を裏切らないなあ!  まだ土居ちゃんが改札口から、中央線に乗り換える姿が見えたので、必死に携帯す るが、土居ちゃん全然気づかず消えていった。  午後8時30分。帰宅。  おっ! 娘と孫が、ちょうどわが家に入ろうとしているではないか!  きょうはもう孫に会えないとおもっていただけに、うれしーなー!

 でも、さすがに孫を抱く体力も残っていない。  孫の笑顔を見るのが、精一杯。  疲れた。  お風呂入って、爆睡…。

 
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