4月21日(木)

 本日、午前中に予定していた打ち合わせが、キャンセルになった。
 そんな日は、松尾芭蕉のように、片雲の風に誘われて、旅立ってしまうのであった。
天気も良好。

 午前10時15分。嫁と東京駅へ。

 午前10時32分。東京駅から新幹線Maxやまびこ109号仙台行きに乗車。
 東京駅のホームで買った「穴子太巻き」ワンパックを、ふたりで食べる。
 きょうはこれから、日本三大桜のひとつ福島県三春町の滝桜を見に行く。
 昨日、まだ3分咲きの情報だったので、2〜3日後に行けば満開なのだが、土日に
観光地に行くのはしんどい。
 ちなみに、日本三大桜のあとふたつは、岐阜県根尾村の薄墨桜と、山梨県武川村の
神代桜。まだ二つとも見ていない。

 それより、Maxやまびこの1階席は、低くてまったく外の景色が見えない。
 沿線の桜を楽しもうとおもったのに、がっくり。

 午前11時58分。郡山駅で下車。

 ここから磐越東線に乗れば、12分で三春駅なのだが、次の電車が発車するのは午 後1時7分。1時間9分後である。  12分のために、1時間9分待つのは、バカバカしいので、タクシーに乗る。  きょうのタクシーの運転者さんは大正解。 「ほかにもふたついい桜があるんですが、どうですか?」  こういう仕事熱心な人は大好きなので、快諾。  午後12時30分。上石(あげいし)の「不動桜」というところに連れて行っても らった。  ほえ〜〜〜。不動明王をまつる不動堂に向かう石段の上に、ベニシダレザクラが咲 いているのは、おもしろいなあ。  これならみなさん、どんどんお賽銭上げちゃうよね。  昔は、このお堂は寺子屋としてつかっていた時期もあるそうだ。

 きれいだけど、さすがにまだ3〜4分咲きかな。  仙台が4月14日に開花したというから、仙台よりも南にある福島は、満開か、も う散り始めているとおもった。  タクシーの運転手さんも「どういうわけか、福島は仙台よりも、開花が遅いんです わ〜」と言っていた。

 それでも、けっこうこの「不動桜」はきれい。  樹齢は約350年で、三春の滝桜の子孫だという説がある。  お堂の下の黄色い花や、つくしもきれいだった。  午後12時45分。続いて、「不動桜」へ。  これもまた桜の下に、樹齢400年のベニシダレザクラの下に、地蔵堂があるちょ っと変わった桜。  ピンクというよりも、紅色に近い濃い色は、圧巻。

 でも、ここもまだ4分咲きか、5分はないかな。  あと2日で、間違いなく満開だな。  駐車場から眺めた姿はいまのままでも、かなり美しかったんだけど、近くの売店に 満開の写真があって、それを見ると、さすがに全然違う。見なきゃよかった。

 さて、いよいよ三春の滝桜に向かう。  でも、このあたりはあちこちにベニシダレザクラが咲いている。  無造作に咲いている。  個人宅の庭に、山の中腹に。

 好き勝手に咲いて、桜の名所になっている。  最近は「伊勢桜」も人気になっているらしい。  たしかにきれいだったけど、まわりの景色がちょっと現実感ありすぎ。  午後1時。三春の滝桜に到着。  おおっ! これは! これは!  写真や、映像でも見ていたはずなのに、想像よりはるかに大きい!  圧倒される大きさだ。  これでもまだ8分咲きなの?  満開だったらどうなっちゃうの?

 ちょうど観光客がたくさん滝桜の根元で写真を撮ろうと、石段を登っているので、 まるで砂糖に群がるアリのようで、大きさがよくわかる。  映画『未知との遭遇』で、町の人が円盤の前に集まっているシーンみたいにおもえ るくらいだ。  滝桜の高さは、16メートルあるそうだ。  四方に伸びた太い枝から真紅の滝がほとばしるかのように小さな花を無数に咲か せ、その様がまさに滝が流れ落ちているかのように見えることから「滝桜」と呼ばれ るようになったというけど、誰だって「滝桜」と名づけたくなる見事さだ。  樹齢も、1000年とも、1200年とも言われているそうだ。  1000年以上なんて、文献が残っているわけないよなあ。

 それにしてもさすが日本三大桜のひとつだけあって、町の力の入れ方もまるで違う ねー。  まるで西武ドームのように、すり鉢型の野外音楽堂っぽい石段と通路を作ってうま く観光客を渋滞させないようにしている。  きれいなトイレも用意されている。  駐車場も完備している。  町がこの桜を大事にしようとしているのが、よーくわかる。

 この「滝桜」は、ライトアップが泣くほど美しいそうだけど、夜まではいられない なあ。  いやあ。またしても、いいものを見てしまった。  私の「桜ラリーカード」にまたひとつ、スタンプをどん!と押せたなあ。  だいぶスタンプ溜まってきたぞ。

 午後1時30分。運転手さんの勧めで、三春町の「歴史民族資料館」へ。  三春町は、かつて秋田家が長いこと治めていた城下町だそうだ。 『信長の野望』にも登場する秋田家だ。  けっこうどころか、かなり充実している見事な資料館だ。  写真、コピーが少なく、本物の甲冑や、直筆の書簡が多い。  それより、まいったのがこの資料館のまわりの桜。  美しいったら、ありゃしない!

 あっちに向いて「ありがとうございます!」、こっちを向いて「ありがとうござい ます!」といいたくなるくらい美しい。

 三春町内へ。

 この町は、整備したばかりで妙に新しい。  まるで映画のセットのように新しい。  でも人工的な感じが薄い。  歯医者さんも美容室も一生懸命、武家屋敷風に整えている。

 午後2時。そうめんの「五萬石」へ。

 幻の三春そうめんが名物のお店。  もうひとつ三春の名物である三角油揚げの「ほうろく焼き」も注文する。  こんな時間なのに、満員。  人気あるんだねー。  平日だよ。  三春そうめんは、太いと聞いていたけど、平打ちのひもかわ麺に近い。  おつゆが、胡麻とお汁の2種類あって、非常においしかった。  お店の内装が、観光地にありがちな安易さがあったのでちょっと心配だったんだけ ど、どうして、どうして。  しっかりていねい作ってある。  味が誠実。  エビも乾いていない。  胡麻が、胡麻団子のたれっぽくて、おもしろい味だよ。

 三角油揚げの「ほうろく焼き」も、真ん中にネギがはさまっていて、ミニ版の栃尾 揚げっぽい。  みそだれが、甘くておいいしい。  大きすぎないのもいい。

<おすすめのお店> 「五萬石」 住所:福島県田村郡三春町大町17 電話:0247-62-2659 営業時間:11:00〜15:00、17:00〜21:00 定休日:月曜。 備考:三春そうめん。ほうろく焼き。

 食後、石畳の磐州通りを歩く。  三春は秋田家が治めていたけど、家中に「佐久間」という人がいたらしく、表札に 「佐久間」の文字が多いので、ちょっとくすぐったい。

「三春町文化伝承館」という文字に誘われて入る。

 絵地図に「蔵屋敷の紫雲閣から眺める桜は最高。穴場です」とあったので、期待し たら、たしかに蔵屋敷も、桜も見事だった。

 でも、この蔵屋敷に登るまでの石段が、危険なんてもんじゃない。

 そこらへんに転がっている丸い石を、庭に積み上げた感じで、安定感まったく無し。 私のような足が不自由な人や、ご老人には、この狭くて急な石段はつらすぎるよ。  ひさびさに大分県の磨崖仏の石段を思い出してしまったよ。  門のところに「三春まちづくり株式会社」とあったけど、真っ先にこの石段を直さ ないと、絶対けが人が出るぞ。

 午後3時。職人通りを歩く。  古いままが残っているだけで、観光用に整備してしていないので、まだ見どころに なるほどに至っていない。  古い家並みで、鋤、鍬などを売っているのは、けっこう魅力的。  ただほんとうに売っているとは、おもえない造り。

 帰りに、三春名物だという「みそまんじゅう」を買ったけど、郡山名物薄皮まん じゅうとまったくおなじだったので、がっくり。

 三春駅のホームの桜がきれい。

 そうだ。「三春(みはる)」という町名の素晴らしい由来を書くのを忘れていた。 「三春」というのは、3つの春(桜、桃、梅)が同時に咲く町なのだ。  たしかにあちこちに、桃や、梅も咲いていた。  桃と、梅に、「滝桜」のような銘木があったら、もっとよかったんだけどね。  それと、「不動桜」「地蔵桜」「滝桜」を三春の三大桜として売り出せばいいとお もったんだけど、「不動桜」と「地蔵桜」は、郡山市で、三春町じゃないんだって。 残念だね。  だったら、三春町が郡山市に入ってしまえばいいのにとおもったけど、今回の市町 村合併で、郡山市の近隣では三春町だけ合併に反対したそうだ。  これだけ整備された美しい町を作る力があるのだから、財政も豊かな町なのだろう。 町の人は「そんなに豊かな町じゃないですよ」と首をかしげてたけど。  三春町。大いに気に入った。 『桃太郎電鉄』シリーズの物件駅に昇格十分の町だ。  当初、郡山市に編入して扱おうかとおもっていたんだけど、郡山と別々でもじゅう ぶんなくらい存在感があった。  これからも「桜の町」として栄えて行くだろう。  午後3時45分。郡山駅へ。  新幹線のキップを買って、郡山駅構内のお土産屋さんを取材。  やっぱり目立つのは、薄皮まんじゅう。  郡山といえば、薄皮まんじゅうだ。  1階のほうでも、目の前で出来立ての薄皮まんじゅうを食べられる場所が出来てい た。  ただいま私は甘いもの30%削減中なので、薄皮まんじゅうの出来立てを食べるの を断念。本格的な糖尿病になってしまったら、取材が出来なくなってしまう。  午後4時30分。郡山駅から、Maxやまびこ60号東京行きに乗車。  車中、鉄道関係の本を読んでいるうちに、うとうと…。  午後6時。終点の東京駅に着く。  ここで日帰り小旅行で、疲れたのだから、家に帰って、ゆっくり身体を休めればい いのに「横浜ベイスターズ夢の3位浮上!」で、増長した私は、神宮球場に向かって しまうのであった。

 古田選手の通算2000本安打を見たい気持ちもあったんだけど、もっと恐ろしい 記録を見てしまった。  佐々木様の今シーズン3度目のさよなら負けだよ。  とほほ…。  もういいんじゃない?  佐々木様はもうういんじゃない?  昨年大リーグから帰ってきて、横浜ベイスターズに復帰してくれただけで、じゅう ぶん感謝しているんだから、もういいんじゃない?

 帰り道、後ろから歩いてきた横浜ベイスターズ・ファンが「榎本加奈子、大っ嫌 い〜っ!」と叫んでいた。  佐々木様、もうういんじゃない?  私のくちから、2文字の言葉はいえねーです。  でも、もういいんじゃないでしょうか…。  ああ! こんなこと書きたくないよ〜!

 
さくまNEWS


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