2月26日(土)

 午前7時30分。きょうも、温泉にざっぶーーーん!
 ダブルベッドよりも大きい特注の湯船で、ガメラのようにくるくる回わりながら温
まる。
 この家では、温泉が主役で家がおまけだ。

 午前8時。温泉から上がって、ベッドでふとんをかぶると、間違いなく寝てしまう。
熟睡。
 この自堕落な生活が、この家最大の魅力だ。
 グースカピー…。

 午後12時。嫁と、小田原の筋違橋(すじかいばし)へ。

 小田原は、国道1号線を中心に江戸時代を再現しようとしている。  江戸時代、小田原は宿場町としても、栄えただけに、古い薬屋さんとか、名物の梅 干のお店、かまぼこのお店など、古いお店が並ぶ。  まずは、「柳屋ベーカリー」へ。  小田原には、あんパンの名店が2軒あって、1軒は、駅前の「守谷のパン」だ。  サクマニアの三島市・農林14号くんは、私の日記で「守谷のパン」を知ったばか りに、この1年間で5キログラムも増えてしまったそうだ。  で、もう1軒がここ。  正式名称は「相州小田原筋違橋柳屋製パン」と仰々しい。  たしかに「柳屋ベーカリー」じゃないと、覚えられない。  実は私がここに来るのは、初めて。  原宿の自宅の並びにある喫茶店「らぴす」サンで、ここのあんパンをいただいてお いしかったので、ぜひ一度来てみたかった。

 すごいね。いきなりショウケースに、いろんな種類のあんパンが並んでいる。  つぶしあんパン、こしあんパン、うぐいすあんパン、桜白あんパン、宇治抹茶あん パン、ゆかりあんパン、栗白あんパン、いもあんパン、大正金時あんパン、幻の黒豆 あんパンと、もうどれから買っていいのか迷ってしまう。

 店内には、ハムかつサンドとか、揚げパンなども売っていて、あんパン以外にも、 食べたいものばかり。  とりあえず、あんパン中心に買う。  これも仕事なり。  あとで食べたけど、どれもおいしいよ。  素材の味が、どれもアンコに勝ってるんだよね。  名物のうす皮あんぱんは、だいたい午前中で売り切れてしまうそうだ。  だいたいお客さんは、電話で予約しておいて、あとで取りに行くという。  きょうも、売り切れていた。  また新たな欲望が生まれる。

<私がもう一度行くためのメモ> 「柳屋ベーカリー」」(相州小田原筋違橋柳屋製パン) 住所:小田原市南町1-3-7 電話: 0465-22-2342 営業時間:9:30〜16:00 定休日:日・祝日 備考:うす皮あんぱん

 国道沿いの古い町並みを眺めながら歩く。  道の向かい側に「欄干橋ちん里う」という見るからに古い建物が目に入る。  小田原名産の梅干販売のお店だそうだ。  明治元年の梅干が展示されているらしいが、道路を渡れず。  しかも、寒い。  お腹も減っている。  どこかでまずは食事がしたい。  しばらく行くと、小田原城の天守閣を道端に降ろしたような巨大な建物に出くわし た。  大きく「ういろう」の看板が掲げられていた。  まさか、このお店の名前って、「ういろう」っていうの?  お店の人に聞くと、「株式会社ういろう」という名前だといわれる。

 それにしても、ういろうを売っているのはわかるけど、何でおなじフロアで、薬を 売っているんだ。新しい薬も売ってるけど、富山の薬売りが持ってきそうな昔、私が 子どもの頃に飲んだような薬を売っている。  博物館の歴史として並べているのではなく、現役で売っている。  あとで「小田原のういろう」について調べて、驚いた。 「ういろう」というのは、もともと中国から伝わった「薬」なのだそうだ。  だから、薬もいっしょに売っていたのか。  もちろん最初に伝わったのは京都で、陳宗敬という人が日本に帰化して、薬として の「ういろう」を作り始めたそうだ。  ところが、この家系は応仁の乱!で途絶えてしまったという。  応仁の乱ってのが、すごいよね。  でもこの家系の一族が、応仁の乱の前に北条氏の招きで、小田原に来ていたので、 製法が残ったそうだ。  ってことは、創業500年以上?  500年!  天文学的数字だ。  で、この一族が作っていた薬の名前が「外郎透頂香(ういろうとうちんこう」で、 「ういろう」は、苦い薬の口直しのために作られたお菓子なのだそうだ。  要するに、小田原のういろうのほうが、名古屋のういろうよりも、伝統があるとい う事実を初めて知った。  だから、歌舞伎の「外郎売(ういろううり)」は、小田原のういろうのことであり、 葛飾北斎の浮世絵に登場する有名な「外郎売」も、小田原から全国に「ういろう」を 売り歩く人の絵だったわけだ。

<私がもう一度行くためのメモ> 「ういろう」 住所:神奈川県小田原市本町1-13-17 電話:0465(24)0560 営業時間:10:00〜17:00 定休日:水曜日。第3木曜日。

 このあと、さらに国道1号線界隈を歩く。  ぴゅうぴゅう冷たい風が吹いてきて、早くどこかで食事をしないと、寒さに耐えら れなくなってきた。  ひゅうるり〜、ひゅるりらら〜。  ふと、おいしそうな建物を発見。 「西洋料理」とある。  出来れば、小田原なのだから、かまぼこの名店でもあれば食べたいところだ。  でも、寒いほうが先にたつ。  入ろう。  入ったお店の名前は「グリルKONOMI」。 「KONAMI」ではない。  木の実の「KONOMI」。

 これが、『桃太郎電鉄』でたまたま止まった黄色のカード駅で、銀河鉄道カードを 引いたような、ホームラン!  小アジのフライは、カラッと揚って、いっしょに揚げられたパセリとの相性も抜 群。これはうまい! サクサクサクッ。  平目のカルパッチョは、梅ソースとからめて食べる趣向が素晴らしい。  白身と、梅はよく合う。  それにしても、「さぬきうどん×すだち」のように、その土地の名産品同士を組み 合わせると、何でおいしいんだろうね。

 このお店の名物・かにクリームコロッケが来た。  これはすごいよ!  かにクリームコロッケは、ポテトのクリーミーさが勝負のはずなのに、カニの風味 が真っ先に来るんだよ。皮が薄いせいで、よけいカニの風味が際立つのかな。  とにかく、こんなおいしいかにクリームコロッケを食べたことがない。  ハンガーグステーキも、ドミグラスソースがじっくり煮込まれた感じで、私の ハンバーグ・ベストテンにゆうゆう入るほどのおいしさだ。

 何を食べても、うまい!  たらば蟹のスパゲティは、たらば蟹がそのまんま入ってる豪華版。  40年前から、小田原では、飛び切りハイカラなお店として、県外から車を飛ばし て訪れるファンや、親子3代で通っているといったファンも多いというのが、「その 通り!」と叫びたくなるようなおいしさだ。  余談だけど、メニューの扉部分に、このお店の支配人として、新聞記者をしていた 桑田佳祐くんのお父さんを引き抜いてきたようなことが、書いてあった。  桑田佳祐くんと会っても、お父さんの話を聞いたことがなかった。  関口和之くんに確かめてもらおう。

<絶賛のお店> 「木の実」 住所:小田原市本町1-11-9 電話:0465-22-2912 営業時間:11:30〜21:00 定休日:水曜日 備考:かにクリームコロッケ

 食後、これで身体が温まったから、歩き回るのも楽になるだろうと思いきや、実に 寒い。寒いなんてもんじゃない。  冷凍庫に入っているような寒さだ。  うへ〜。雨までぽつぽつ降ってきた。 「小田原宿なりわい交流館」に、逃げるように飛び込む。  暖を取りたいためだ。

 ここで街かど博物館ハンドブックなどを手に入れるが、寒さのため、どんな場所だ ったよく覚えていない。  雨が激しくなる前に、小田原駅まで行きたいので、少し身体が温まっただけで、駅 に向かって歩き出す。  必死に歩くも、さらに風が冷たくなってきた。  後頭部が痛くなるような寒さだ。  ぎょえ〜〜〜! 国際通りの合同庁舎前の交差点!  横断歩道がなくて、歩道橋だけかい!  私は高所恐怖症なので、できれば歩道橋も渡りたくない。  交差点から右の道を見ると、横断歩道がある場所までは、はるかに遠い。  歩道橋を渡ったとしても、この寒さで、体力まで消耗すると、あとが怖い。  けっきょく、交差点を曲がって、横断歩道をめざす。  大工町という古い商店街を歩く。  ただでさえ寒いのに、この古い商店街はシャッター商店街になってしまっているの で、よけい寒い。

 こういう古い商店街は、行政が中心になって、美容院街にするとか、音楽学校スト リートにするとか、何か考えないと、本当に廃墟になってしまいそうだ。  小田原は、鴨宮のロビンソン&イトーヨーカ堂城のせいで、壊滅的な打撃を受けて いる。私だって、熱海の家にほしいものはイトーヨーカ堂まで行って買う。  だからこそ、この古い商店街は、イトーヨーカ堂で買えないものを売らないといけ ないとおもうのだ。  いまはそんなことを考えている場合ではない。  私が脳内出血で倒れた夜のような寒さから、早く脱しないといけない。  途中で、お店の名前も忘れたけど、コーヒー豆を売っているお店のカウンターで、 コーヒーを飲む。  ここまで来てしまうと、小田原駅も近いので、タクシーに乗るほどの距離ではない。 無印良品で、帽子を買って、寒さをしのごうかともおもったけど、いまはとにかく小 田原駅まで行って、「守谷のパン」で甘食を買って帰りたい。  遠泳のゴール近くの疲労度と戦いながら、駅近くの「守谷のパン」にたどり着く。 この寒さなら、さすがの「守谷のパン」も行列無しで買えるとおもったけど、しっか り行列ができていた。

 やっと順番が来た。  甘食以外に何か買いたいんだけど、寒さで何も浮かばない。  400円で、甘食をひと袋買って、ショウケースに見たこともない形のパンがあっ たので、それを買う。  なんと、甘食を切って、なかにマーガリンを塗ったものだという。  そういえば、甘食に昔、マーガリンとか、バターを塗って食べたなあ。  ほんとにこの「守谷のパン」は、昭和の戦後で時代が止まってしまっている。

<絶賛のお店> 「守谷のパン」 住所:小田原市栄町2-2-2 電話: 0465-24-1147 営業時間:不明 定休日:日曜。 備考:あんパン、甘食。

 午後2時32分。小田原駅から、修善寺行きの踊り子号に乗車。  特急に乗ってしまったのは、踊り子号のあとの10分後の普通列車が待ちきれない くらい寒かったから。ホームのコンビニで、ホット缶コーヒーを買って、暖を取る。 う〜〜〜、寒いよ、寒いよ。  乗車後、マーガリン付きの甘食を食べる。  まるでケーキのようだ。  マーガリンが手について、べとべとになる。  子どもの頃も、よくマーガリンでべとべとになったなあ。  午後2時50分。熱海駅で下車。  午後3時。熱海の温泉家へ。  温泉は源泉かけ流しで、いつでも入れる状態になっているので、温泉に飛び込む。 ふわああああああっ。あったかーーーい! 生き返る〜〜〜!  いったい何だったんだ、あの寒さは。  午後3時55分。日本テレビで「巨人×楽天」のオープン戦を見る。  おいおい! 小田原が寒かったわけだよ。  オープン戦の開催地が、大分なのに、テレビ画面にくっきり雪が降っているのが、 写っているよ!  ああ! 一場投手っていいなあ!  小気味いいピッチングだ。  あのまま横浜ベイスターズに入っていてくれれば…。  ベンチで、昨年まで横浜ベイスターズだった山下さんの顔が写ると、よけい悔しさ が増してしまうよ。  元ヤクルトの飯田選手、元中日の関川選手の1、2番コンビは、楽天誕生で、選手 生命が延びてよかったねー。  それにしても三木谷・楽天が、巨人と最初にオープン戦を戦うなんて、やっぱり三 木谷さんとナベツネの間に、密約があったとしか思えないね。  大人は、ずるいね。  午後6時。お昼に思い切り、洋食を食べてしまったので、小田原の「柳屋ベーカリー」 と「守谷のパン」で買ってきたパンで、夕食。 「柳屋ベーカリー」のいもあんパンのおいしさは、抜群。 『桃太郎電鉄G』の小田原の物件に、あんパン屋を加えられなかったことが、悔やま れる。  食後、小田原について、あれこれインターネットで調べる。  さすが、歴史のある町だけに、おもしろい。  まだまだ「街かど博物館」で見るべき場所が、たくさんあった。 「ういろう」が、薬だった話もおもしろいし、インターネットで、「ういろう」につ いて、あちこち飛んでいくうちに、名古屋の「ういろう裁判」について書かれたサイ トにまでたどり着いてしまって、脱線しっぱなし。  インターネットでの調べ物は、本題に戻れなくなる可能性が高い。  午後9時。部屋の暖房を28度に設定しているのに、全然室温が上がらない。  エアコンの風が直接当たる場所でも、20度。  部屋のすみこっだと、17度だ。  どうせなら、温泉で『アド街ック天国』の代々木上原特集でも見ようと、温泉に 入ってびっくりした。  雪が降っている!  ひえええええっ!  まさか、熱海で雪見風呂ができるとは!  寒いけど、これは大歓迎だ。  どうせならと、お風呂の照明を消して、雪見風呂を楽しむ。  しんしんと、雪が降っている。  庭の大きな椿の木に、雪が積もっているよ。  竹垣の上にも、雪が積もっている。  熱海なんて、雪が降らないところだと思い込んでいた。  きょう1日、寒かったわけだよねー。

 何だか、激しい1日だった。  熱海でこれだけの雪なら、東京は首都圏の交通がマヒの豪雪になっていないのかな?  ニュースでは何も言っていないな。  それより、津軽半島と、佐渡で、震度3?  まだ列島の揺れが続いているなあ。  今夜は、『桃鉄研究所』のコメント書き。

 
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