1月30日(日)

 昨夜、『エンタの神様』を見たら、ギター侍のギターが上手くなっていた。
 ネタも毒舌ではなく、相手をホメながらのマイルド味になっていた。
 大方の予想は、今年で消える芸人のNO.1のようだけど、ひょっとすると、今年
も人気を維持できるような気がしてきた。

 午前8時30分。きょうも、マイ温泉に、ざっぶーーーん!
 しかし、あっという間に温泉が止まって、仕方なく、湯沸しお湯を足す。

 午前9時30分。『桃太郎電鉄16(仮)』の仕様書作り。
 今回のラリーカードは、市場ラリーカード。
 取材で行ったあんなとこや、こんなところから、8つ選んだ。
 金沢の近江市場に長いこと行っていないので、よかった印象は残っているのだが、
記憶があやふやなので、8つから外した。
 そのうち再取材せねば。
 ラリーカードは、私の旅の記録みたいなものだ。
 
 午前10時30分。嫁と、熱海駅へ。

 全国的に、きょうは今年一番の寒さだったようだけど、熱海はポカポカ陽気。  駅前のアタミザクラは、満開だ。  やっぱり伊豆半島は、暖かいんだね。  午前10時44分。熱海駅から、新幹線ひかり267号新大阪行きに乗車。  西に行く場合は、このひかり号が便利だ。  なにしろ1日3本しか、ひかり号は熱海に停車しない。  車中、読書。  うーーーん。富士山がきれいなのに、座席の反対側なので、よく見えない。  午前11時9分。静岡駅で下車。  びゅわーーん。ひかり号なら、熱海から静岡まで、わずか27分。速い。

 静岡駅から、タクシーに乗る。  静岡の人は、会話がまず「きょうは朝、風が吹いたから、富士山がきれいに見えた」 と、富士山の話題から始まる。  静岡の人にとっては、天気=富士山の具合だ。 『桃太郎電鉄』で、中部地方を考えるときには、もっと富士山に重きをおくべきだな。

 しばらく運転手さんと「なぜ静岡は、もっと観光に徳川家康の名前をつかわないの か?」という話題を話す。  静岡県には、徳川家康ゆかりの場所はいくらでもある。 ・今川氏に人質になっていた家康が、14歳のときに元服した浅間神社。 ・和尚さんが戦のなかから家康を助け出したといわれる寺社「可睡斎」。 ・家康ゆかりの臨済宗の名刹、梅蔭禅寺もある。 ・熱海もいま「家康が愛でし湯」というキャンペーンをやっている。 ・隠居後をすごした駿府城。 ・今川氏が滅亡したときも、家康は岡崎城から、駿府城に移って、晩年もすごしたの  だから、よほど静岡が好きなのだろう。 ・家康を祭った久能山東照宮。  歴史嫌いな人でも、徳川家康の名前は知っている。  なのに不思議なことに、いまだに一度もNHK大河ドラマで、徳川家康は主役とし て取り上げられていない。  織田信長、豊臣秀吉、伊達政宗は、ビッグ・ネームだから当然としても、毛利元就、 武田信玄、来年は山内一豊の妻まで大河ドラマになるというのに『家康』はない。  それどころか、『葵・三代』では、息子たちのほうが、主役である。  家康は、古タヌキ、狡猾と、まるで海老沢元NHK会長のようなイメージが強いせ いで、大河ドラマに取り上げづらいのだろう。  でも若いときは、熱血漢で、義に厚く、東海道一の弓取りとまで呼ばれたのだから、 キムタクあたりが主演でやれば、一気にイメージが変わるとおもう。  本能寺の変のときの伊賀越えなど、ぜひ見てみたい。  そういうことを、もっと静岡県民は、NHKに働きかけるべきなのだろうが、のん びりとした県民性というか、強く押すのが苦手そう。

 午前11時30分。東海道五十三次の丸子宿「丁子(ちょうじ)屋」へ。  創業は、なんと1596年!  織田信長が、本能寺の変で、明智光秀の襲撃を受けたのが、1582年。  関が原の戦いが、1600年だから、それより4年前。  気が遠くなるような歴史だ。

 私が、以前作ったiモードゲーム『さくま式東海道五十三次』で、取材し切れな かった宿が3〜4ヶ所ある。  来れなかったうちのひとつが、品川から数えて20番目の丸子(まりこ)宿だ。  丸子宿の名物といえば、安藤広重や、松尾芭蕉も食べた、とろろ汁。  東海道一有名なとろろ汁屋さんが、この「丁子屋」だ。  もちろん、資料や、インターネットでは調べていたので、丁子屋さんの江戸時代の ような建物は、見たままだったのだが、その大きさまではわからなかった。  玄関を開けて、入ると、いかにも茶店風の内装とおもったら、廊下づたいに別棟が あって、80畳くらいの大広間に通された。  なんと、「丁子屋」さんは、300人を収容できる規模なのだそうだ。  お客さんもびっしり。  壁には、東海道五十三次の版画がずらりと並んでいる。

 まずは、定番の「丸子(まりこ)定食」を注文。  とろろは、大好きなので、焼きとろ、切りとろ、揚げとろ、梅とろ、むかご揚げ団 子なども、注文する。  とろろ定食だけに、お櫃でご飯を持ってきてくれるんだけど、そのご飯の量は、半 端じゃない。  調子に乗って食べたら、いくらでも食べてしまえそうだ。  まず、梅とろが、うまかった。  駄菓子の梅ジャムみらいな味。  揚げとろは、静岡名産のたたみいわしが織り込んであった。  とろろの玉子焼きである焼きとろも、ふんわり甘くておいしかったなあ。

 それと、タクワンがよかった。  まるで股旅物の映画の出入りのときに、おにぎりといっしょに出てくるような無造 作なタクワンなのが、妙にうれしかった。  とろろは、生で食べて良し、擦って食べて良し、短冊にして食べて良し、揚げて食 べて良し。  良いことづくしの食べ物だとおもう。  おおっ! あっという間にたいらげで、帰ろうとしたら、ちょうど午後12時。  人気の美術展のように、長蛇の列ができていた。  大型観光バスが何台も停まるような観光地だからね。  このあたりには、この「丁子屋」さんのほかにも、たくさんとろろ汁のおいしいお 店があるそうだ。 「丁子屋」さんの隣りに「一松(いっしょう)園」。  ちょっと遠いけど、タクシーの運転手さんがいちばんおいしいよと教えてくれたの は、「渓月(けいげつ)」。  

<お勧めのお店> 「丁字屋」 住所:静岡県静岡市丸子7-10-10 電話:054-258-1066 営業時間: 11時〜19時 定休日:木曜、月末は水・木曜(祝日の場合は前日)

<私が次に行くためのメモ> 「渓月(けいげつ)」 住所 静岡県静岡市 丸子6077 電話:054-259-1795 料理の種類 とろろ 営業時間:11:30〜14:30 17:00〜19:00 定休日 月曜日・第2火曜日 予約:休日のみ要予約 備考:山合いの静かな店。とろろ定食。

 食後、近くの丸子梅園を見たり、雑貨屋さんで、コーヒーをごちそうになったり。

 午後1時30分。もうひとつ静岡県で、有名だけど、行ったことのない場所が残っ ていたので、寄って行く。 「登呂の遺跡」だ。  あの教科書や、『サザエさん』のオープニング・アニメで有名な弥生時代の遺跡だ。  でも、その前に、登呂遺跡公園の真ん前に「もちの家」というお店があって、あべ 川餅が食べられるというので、ピットイン。  自動車は、がソロンで動き、私は、甘いもので動く。  福島県奥会津の山奥から移築したという建物は、築200年ほどの農家なので、こ っちもじゅうぶん登呂の遺跡に対抗している。

 私は、あべ川餅。  嫁は、からみ餅。  新幹線の車内販売でもおなじみ「静岡名産、あべ川餅いかがっすか〜〜!」である。  でも鉄道旅啓蒙家の私が言ってはいけないのかもしれないが、お餅のお土産品は、 駅で買わずに、現地で食べないといけない。  仙台名物ずんだ餅は、若い頃に駅で買って食べたので、20〜30年くらい、おい しくない食べ物として、私は認識してしまった。  静岡名産あべ川餅は、車内販売のものでも、かなりおいしいのだが、現地で食べる あべ川餅は、2倍も、3倍もおいしい。  そんなわけで、あべ川餅は、期待通りのおいしさ。  つきたてのお餅のおいしさは、格別だね。もっちり〜〜〜!

 からみ餅は、静岡では、大根おろしと、お醤油と、わさびで食べるそうだ。  関東で、からみ餅というと、大根おろしと、お醤油だけだよね。  わさびは、静岡の名産でもあるから、入れるんだね。

<お勧めのお店> 「もちの家」 住所:静岡市登呂5丁目15番13号 電話:054-287-2111 営業時間:10:30〜17:00 定休日:毎週火曜日

 さて、登呂の遺跡。  へ〜〜〜! 教科書の写真などでは、横床式の住居が1軒載っているだけだったの で、こんなに広範囲の土地にたくさん住居跡や、高床式倉庫が、復元されているとお もわなかった。  なるほどね〜。こんなに大規模だから、教科書に載っていたんだね〜。  どうも私は、古代史のロマンに夢を馳せる男ではないので、登呂の遺跡に来るまで に50年以上かかってしまった。

 横床式住居を見ても、絶対、私はこんなところに住めないなあ!とか、雨季のとき なんか、どのくらい水が漏るんだろうとか、高床式のお米の倉庫などを見ても、相当 湿気が嫌だったんで、こんなに高くしたんだろうなあとか、ネズミに相当お米を食べ られちゃったんだろうなあと、ついマイナス思考になってしまう。  午後2時。登呂の遺跡公園内にある静岡市立「芹沢けい介美術館」へ。

 人間国宝の日本を代表する染色工芸家なのだそうだが、もちろん私は知らない。  嫁がぜひ見たかった美術館だったそうで、珍しく「ここにあると思っていなかった ので、うれしい」と興奮している。

 型染めの着物などが展示されていて、ブルーの色が見たことのないような鮮やかな 色だった。  15分間のビデオで、芹沢けい介さんの生涯を紹介していたけど、最近の美術館の ビデオは、どこもよく出来ている。  最近、知らず知らずのうちに、嫁に着物の知識を注入されているような気がする。  午後2時30分。静岡市立登呂遺跡博物館へ。  子ども向けの「登呂の遺跡」をやさしく解説してくれる博物館だ。  でも、これは大人でもたのしそうだ。  入り口でいきなり、関東衣を貸してくれて、古代人の気分になれる。  弥生時代の稲作の苗を水田に植える趣向など、実に楽しそうだ。

 登呂の遺跡って、昭和18年に発掘されたから、けっこう近年の発見だったんだね。 それどころか、昭和18年といえば、第2次世界大戦の真っ最中。  ここに軍需工場を建設するために、掘り起こしたら、こんな見事な遺跡が出てきて しまったそうだ。  軍部はさっさと遺跡の家に、軍需工場を建ててしまったのでは?と思うけど、この 博物館を見ても、登呂の遺跡は、見事なまでに出土品が、原形のままのものが多く、 日本でも第一級の遺跡だ。  軍部が押し切れなかった遺跡というのは、格好いいね。  私は古代史よりも、このエピソードのほうに、ロマンを感じてしまう。

 とろろ汁→あべ川餅→登呂の遺跡のコースは、おすすめ。  午後3時30分。静岡駅北口に戻って、西武百貨店の「無印良品」のビルに入ろう としたら、結婚式場の玄関に「徳川慶喜公屋敷跡」の石碑が見えた。

 徳川慶喜? 徳川最後の将軍!  明治時代に静岡で、趣味の生活を送ったといわれる徳川慶喜公は、こんなところに 住んでいたのか。  いまは「浮月(ふげつ)楼」という結婚式場になっていて、池があって、日本庭園 で、まさに東京の椿山荘のような佇まい。

 いわゆる街の喧騒が嘘のように静かな場所だ。  時間が無い。  そのうちもう一度、ゆっくりここを訪れよう。 「無印良品」で、座布団を購入。  静岡駅に向かう途中で、田丸屋のわさび漬けを買う。  直営店でしか売っていない出来立ての「わさび漬・金印」を量り売りで、70グラ ムだけ買う。タクシーの運転手さんから、わさび漬けは、量り売りで買ったほうが新 鮮で、おいしいと聞いたからだ。

 たこわさびも購入。  午後3時58分。静岡駅から、新幹線こだま416号東京行きに乗車。  こだま号だから、新富士駅、三島駅でも、停車中に新幹線のぞみ号に、どんどん追 い抜かれる。  追い越されるときの風圧がすごい。  心の準備がないとびっくりする。  せめて車内アナウンスで、「新幹線がいまから通過します」くらいのことは言って ほしいものだ。  ありゃ。静岡駅を出たとき、くっきり見えた富士山は、新富士でいちばん近づく頃 には、雲がかかっていてよく見えなくなっていた。残念。  午後4時34分。熱海駅で下車。    午後5時。熱海の温泉家に戻って、さっそくマイ温泉に、ざっぶーーーん!  とろろ汁を食べて、無印良品で座布団だけ買って帰るつもりが、意外と日帰り大旅 行になってしまった。  午後7時。静岡駅で買ってきた駅弁で夕食。  田丸屋の量り売りのわさび漬けもいっしょに食べる。  つーーーん! わさびが効くう!  でも、おいしーーー!

 デザートに、とろろ汁の「丁子屋」で売っていた「黒大奴(くろやっこ)」を食べ る。大井川がある島田の名物和菓子だそうで、偶然今朝、嫁がインターネットで、こ の和菓子がおいしいという情報を仕入れていた。

 和菓子屋さんなどで、たまに売っている「うばたま」タイプの生菓子だ。  しっとりとした繊細な甘さで、おいしい。  もともと私は「うばたま」タイプの生菓子に弱い。  おっと。あやうくひさびさに、箱食いの芸を見せてしまうところだった。  さっそく『桃太郎電鉄』の地域別物件候補の台帳に、島田/黒玉だんご屋とメモし ておこう。  これも仕事なんだよ。  身を削ってじゃなくて、身を太らせて働いているんだよ。  午後8時。テレビ朝日「劇的ビフォーアフター」を見る。  リフォームの技術もすごいが、よく毎回、これだけわけありの住所が、日本じゅう にあるものだ。  午後9時。うっかり、日帰り取材旅行になってしまったので、帰ってからも、資料 を調べるのに時間を取っている。  早く、『桃太郎電鉄16(仮)』の仕様書に戻りたい。  でも、静岡駅の物件数を『桃太郎電鉄16(仮)』で増やそうか迷っていたので、 いい取材になったことは確かだ。  今夜も、もう一度マイ温泉に入って、きょうは寝る。  あっ。もう午前0時になっちゃった。うーーーん。

 
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