5月14日(金)

 九州取材旅行、最終日。

 午前9時。荷物をまとめて、ホテル・レクストン鹿児島をチェックアウト。
 嫁とそのまま、鹿児島中央駅へ。

 つばめ新幹線のキップを買って、荷物をコインロッカーに預ける。  昨日に続いて、きょうも駅前市場へ。

 鶏飯(けいはん)セットを食べた「鶏飯屋じゅん坊」に行く。  気に入ったお店は、間を空けずに通って、なかよくなるべし!だ。 「あら、いらっしゃい! 連日のお越しありがとうございます!」  お店のご主人は、私と嫁のことを覚えていた。  昨日、突然の大雨のときに来たから、さすがに印象が強かったのだろう。  このお店のもうひとつの名物である「朝定食」が食べたくてきた。  毎日内容が違うらしい。  きょうの献立は、以下の通り。 ・メイタカレイの唐揚げ。 ・ひとくちカツ。 ・じゃが芋の甘辛煮。 ・キューリとちくわのサラダ。

 これで、なんとお値段、400円だよ、400円。  味はいかにも市場の定食屋らしい素朴な味。  ひとくちカツと、じゃが芋の甘辛煮がおいしかった。  キューリとちくわのサラダは、もともと私が大好きな食べ物なので、大満足。  また、ご主人が「おくちに合いましたですかね?」といってきた。 「はい。おいしかったですよ!」 「きょう、お帰りですか?」 「はい!」 「また来てくださいね!」 「絶対またここに来ますよ!」  出来ることなら、間をあまり空けずに、もう一度鹿児島に来たいなあ。  鹿児島で出会った人たちは、いい人たちばかりだった。  いい人の多い町は、何度でも訪れたい。 「鶏飯屋じゅん坊」のあるテント村で、買い食いをする。  枇杷(びわ)が、おいしそうだ。  えっ? 12個(1ダース)で、100円? 「これ、12個で、100円ですか?」 「はい。そうですよ」 「1個100円じゃなくて?」 「はい。ワンパックで!」  おまけに、1個サービスで、びわをくれたよ。  甘いよー。  みずみずしいよー。  鹿児島はびわの生産が盛んなようで、桜島、大隈半島などで育てられているようだ。  さらに、おいしそうなさつま揚げが待ち構えていた。  いも天、1枚100円。  これは衝撃的な味だったよ。  ふわふわしてるんだよ、いも天が。  マシュマロのような食感は言い過ぎかな。  大根のお味噌汁に入れるような細かく千六本に切られたさつまいもが、さつま揚げ のなかに入っているのだ。  いも天を売っているおばちゃんの笑顔もいい。

 この市場の人たちは、笑顔が格別だ。  心の底から、笑っているのがいい。  こっちまでつられて、笑顔が出てしまう。  午前9時40分。鹿児島中央駅の駅から、路面電車に乗る。

 鹿児島は、けっこう路面電車が発達している。

 バスと平行して走る場所では、路面電車のほうが乗客が多いそうだ。

新型車両

 午前10時。路面電車の終着駅、鹿児島駅前駅に着く。

 この先の駅が昔から、頑として鹿児島駅の名称をほかに譲らない、鹿児島駅だ。  間違いなく、鹿児島市内の真ん中からは、外れている。  たしかにかつては、鹿児島の玄関口は、この鹿児島駅だったらしい。  その後、夜行列車などが、西鹿児島駅で終着駅になるにつれて、町の中心が、西鹿 児島駅のほうに移って行ってしまったようなのだ。  今回のつばめ新幹線の開業で、ようやくこの鹿児島駅は、新幹線駅(旧・西鹿児島 駅)に譲ると私は予想していたけど、やっぱり譲る気がなく、西鹿児島駅は、鹿児島 中央駅という名前に改称してしまった。  今朝も、JR鹿児島中央駅の駅員さんに駅の名称のことを聞いてみたんだけど 「うーん。ねえ!」と歯切れの悪い返事をしていた。  まあ、いろいろ調べてみたら、前にも旧・西鹿児島駅を、鹿児島中央駅に改称しよ うという動きがあったようだし、住民のみなさんもいちばん望んでいた名前が、鹿児 島中央駅だったようだから、いいのかもしれないけどね。  午前10時15分。磯庭園へ。  言わずと知れた鹿児島の名勝、島津のお殿様の別荘だ。  一昨日、鹿児島に来て、昨日は、大雨。  きょうは鹿児島を離れるにあたって、やっぱり桜島をくっきり拝んでいかないと、 どうも後味が悪い。  そこで、桜島が美しく見える場所として、この磯庭園を選んでみた。

 磯庭園の正式名称は、仙巌園(せんがんえん)という。  1658(万治元)年。19代島津光久公の代に、この地に別邸を構えたのが始ま りで、以後代々の当主に受け継がれてきた。  広さは約1万5千坪。名勝として国の文化財に指定されている名園だ。

 桜島を独り占めできるような別荘を持つなんて、やっぱりお殿様しかできないよね。

 おお! 見事な桜島だ。  …といいたいけど、ちょっと煙っていた。  それでも、桜島を間近に見ることができて、満足。

 磯庭園に来たのは、もう3度目か、4度目なんだけど、妙に今回、狭く感じた。  1万5千坪なんだから、狭いわけないんだけど、入り口近くに、たくさんお土産屋さ ん街が出来てしまったせいかなあ…。

 お土産屋さんを覗く。  鹿児島名産の薩摩切子細工が、きれいだ。  薩摩切子細工(さつまきりこざいく)。  磯庭園で、薩摩切子細工…。  磯庭園の切子…。  磯の切子…。  磯野貴理子…。  ギャグが浮かんだから、とりあえず書き留めておく。  それにしても、磯庭園は毎回来るたびに、印象が変わる。  こっちのせいなのか、磯庭園がつねに手を加えているのか。  以前来たときなど、川と石橋なんて、なかったような気がする。  いずれにしても、桜島を拝むには、この磯庭園と、城山が白眉だ。  鹿児島最後の日に拝むことができて、うれしい。  あっ! 鹿児島で道の脇で、真っ赤に咲いていた、いかにも南国風のきれいな花の 名前がわかった! 「サンゴシトウ(珊瑚紫豆) 」というのか。  沖縄の県花、デイコ(梯梧)の仲間かあ。 「デイゴの花」とかいう歌なかったっけ?

 磯庭園には、植物にみんな名前がついているので、鹿児島市内で気に入った植物は、 ここに来て確かめればいい。覚えておこう。  午前11時30分。再び、駅前市場へ。  今朝食べた、いも天がどうしても、もう一度食べたくなった。 「あれ? おばちゃん! いも天は?」 「売り切れてもうた!」 「ええ〜〜〜! おいしかったから、もう一度食べたかったのにー!」 「もうない!」 「だったら、こっちの野菜天、もらっていくよ!」  この野菜天も、ふわふわでうまかった。  駅前市場の「鶏飯屋じゅん坊」のあるテント村で売っているさつま揚げは、絶品だ と書き記しておこう。  駅前市場のもうひとつのテント村で売っていた、飛び魚のさつま揚げも買う。 こ れも、おいしかったよー!  こういう風に、市場で買い食いするのが、楽しいねー!  さらに、もう一軒。  昨日も買った「おもちの味覚屋」へ。 「あら? また来てくれたんですか? 」 「おいしかったから、どうしてももう一度食べたかったから、来たんです!」 「ありがとうございます!」  鹿児島のお店の人は、やたらと私たちのことを覚えていてくれる。

 お餅2枚に、ゆで玉子2個買う。  きょうは、ひとり1個ずつだ。  地下道を通って、鹿児島中央駅へ向かう。  鹿児島県出身の歌手・長渕剛さんが、つばめ新幹線用の文字を書いていた。  見事な書だね。

 駅前に、イギリスに留学に行った青年たちの像が建っている。  新しい鹿児島中央駅のモニュメントだ。

 午後12時。鹿児島中央駅の改札を通る。  改札を入ったところに、お土産屋さんがあって、一昨日着いたときに「帰りに必ず 買います」と約束したお土産があったので、買いに行く。  お店の人はもう忘れているだろうけど、旅人として、誠実でありたい。 「あら〜〜〜! ごめんなさーーい! あの抹茶ショコラ、売り切れちゃったのよー!」  お店の人は、私たちのことを覚えていた。  あの日嫁は着物を着ていたから、着物姿は覚えただろうけど、きょうは洋服に着替 えているので、覚えづらいと思う。  鹿児島の人たちの情の濃さを感じる。 「ごめんなさーーい!」と言いながら「また来てくださいね!」と、こっちは何も買 っていないのに、木の栞(しおり)を、お土産にくれた。  なんかお店の人の気持ちがうれしいので、こっちも意地になって、さつまいものお 菓子をひとつ買う。  いままで何回か、鹿児島に来ている。  鹿児島に対する印象は、さほどいいほうではなかった。  桜島の噴煙で、町が埃っぽかったり、西郷どん、大久保利通といった明治維新の英 傑の魂はどこに行ったんだろうと思うくらい、町に活気がなくなっていた。  今回、新幹線が開業したことで、一気に町が明るくなったとおもう。 「もう一泊したかった」と思える町はひさびさだ。  また来るぞ、鹿児島!  午後12時16分。新八代行きつばめ新幹線46号に乗車。  ここからは、一気に博多までの旅だ。  新八代まで、わずか40分の旅だから、車窓からの景色を楽しもうとおもったら、 トンネルばかりだった。  用地買収が難しいんだろうなあ。

 午後1時3分。新八代駅で、リレー号に乗り換え。  3分間の乗り換えも、ホームがおなじだから、あまりあわただしくないね。

 午後1時6分。博多行きリレーつばめ46号に乗車。

 午後2時52分。博多駅で下車。  早いや! まだ3時前だよ。  本当に鹿児島は、博多に近くなった。  むらむらむらっ…!  おっと! 恐ろしい野望を思いついてしまったぞ、私は!  博多駅である。  すでにこの日記の熱心なさくまにあ読者のみなさんは、私が博多駅で、松露饅頭を 買いに走ると思っているでしょう!  半分、当たり!  博多といえば、もうひとつ私が大好きな食べ物があるでしょう! 『桃太郎電鉄』でも、やたらと臨時収入の確率が高いお店が!  そうです! イカ料理の「河太郎」です! 「みどりの窓口」で、2時間後の京都行きの新幹線のキップを買って、「河太郎」に 向かう。  午後3時10分。「河太郎」へ。

 イカの活き作りと、イカ・ウニ丼を注文する。  こんな時間なので、お客さんがいないのをいいことに、お店の人に許しをもらって、 VAIOの充電もさせてもらう。  さっきまで、リレー号のなかで、仕事してしまって、京都まで充電が持ちそうもな かったのだ。  甘いよー! イカが甘いよー!

 イカ・ウニ丼は、ウニしか入っていないじゃないか!と思ったら、ウニの下に透明 なイカがびっしりだったんで、見えなかったんだよー!

 おっと、もう食べ終えちゃったよー!  うーーーん。どうしよう。  この時間なら、1本前の新幹線に乗れてしまうかも!  さっさと、会計を済ませて、博多駅へ。  午後4時。博多駅へ。  嫁が、博多駅の商店街マイングに松露饅頭を買いに走り、私は新幹線の指定席の変 更に走る。

 見事な連携プレイというよりも、西村京太郎さんの推理小説のアリバイ作りに走る 犯人たちのようだ。  なにしろ、博多滞在時間は、まだ1時間だ。

 発車まで15分ほどある。  駅構内のお土産品売り場を物色。  おお! 九州の豚(とん)、いや、九州の首領(ドン)・柴尾英令先生がこよなく 愛す小倉・揚子江の豚まんが、冷凍されて売店で売っていた。  あのゴールデン・ウィークの鎌倉テスト・プレイのときに、柴尾英令くんがわざわ ざ東京から10個も持参して、みんなに食べさせたあの豚まんだ。  あの土居ちゃん(土居孝幸)も小倉で食べて以来、大好きな豚まんだ。

 思わず、衝動買い!  本当に条件反射なだけだ。  午後4時25分。東京行きのぞみ28号に乗車。

 このまま新幹線に乗っていれば、夜の9時くらいには、東京に着いてしまう。  でも、どうしても西日本を旅したときは、京都に寄って行きたくなってしまうんだ なあ…。  何か、ホッとするんだ。  潜水艦から外に出るときのあの気密室みたいな役目なのかなあ?  午後7時8分。京都駅で下車。   ヤサカタクシーの宮本さんが迎えに来てくれて、京都の隠れ家に荷物を置いて。ブ ライトンホテルへ、  宮本さんとひさびさに談笑。  午後9時。京都の家に戻る。  きょうはずっと食べっぱなしだったので、晩御飯を食べずに、調整。  でも3日間の疾風怒濤の暴飲暴食で、2キロ増!  予想はしていたけど、やばい!  仕事とはいえ、食べすぎ。  でも鹿児島で食べたものはぜんぶおいしかったからなあ。  旅先の日記を書いているうちに、あっという間に午前1時。

 
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