5月13日(木)

 午前5時。早く目が覚めてしまった。
 きょうの鹿児島地方は、大雨洪水注意報なのに、外は晴れている。
 まいったなあ。
 本来なら、きょうは霧島地方を電車で山越えして、再び鹿児島に戻ってくるという
勇猛果敢な暴走旅行を計画していたのに、天気予報のせいで、さっさと昨日中止にし
てしまった。

 まあ、昨日歩きすぎて疲れたし、いつもの疾風怒濤の強行軍をたまにはやめようと、
嫁と話し合ったから、きょうはのんびりする。
 のんびりすると言っても、せっかちな私のことだから、あちこち弾丸列車のように
突き進むのだろうけど。
 遠出せずに、鹿児島市内を逍遥する。

 いつも鹿児島は、一泊だけで、またほかの土地に行ってしまったりするので、ちっ
とも鹿児島市内の位置関係が覚えられない。
 きょうは鹿児島市内をうろうろして、鹿児島の地図を身体に染み込ませようとおも
う。気分は、鹿児島に住むだ。

 おっ。7時を過ぎたあたりで、激しく雨が降ってきた。
 やっと天気予報通りになった。
 この天気では、遠出したところで、列車の窓から何も見えない。

 午前9時30分。あれ? あれあれ?
 さっき降っていた雨があがってしまっているぞ。
 天気予報では、1日じゅう雨だったぞ。
 さすがに、傘を持って外に出よう。

 嫁と、駅前市場へ。

 あれ? この市場、指宿線朝市という名称があったり、西駅市場、朝市とかいろい ろな言い方があるぞ。なぜなんだ?  理由がわかった。  昭和23年ごろ、鹿児島本線や指宿線など沿線の農家の人々が野菜や魚、生花を持 ち寄り、市場を開いたことが、市場の始まりなのだそうだ。  だから「指宿線朝市」という、電車みたいな名前がついているわけだ。  で、このテント村が定着したのが、20年ほど前らしい。  比較的、近年なんだね。  定着したときに、指宿線朝市(24店)と西駅前朝市(16店)、そのまわりに商 店を構える西駅前朝市通り会(15店)で構成されたから、市場自体の総称がなくて、 「駅前市場」とか「朝市」と呼ばれているようなのだ。  この市場、テントで野菜や、花を売るお店が多い。  鹿児島の人は、先祖を大事にするから、お仏壇に供えるお花がたくさん売れるそう だ。なるほどね。  ぜんぶ合わせて、50軒もあったかなあ。  駅前市場は、ぜんぶで10軒ほどしかないとおもったけど、ひとつのテントに、6 〜10軒分くらいの露店が出ているから、これも1店と数えると、あっというまに、 50軒くらいになってしまうわけだな。  そのなかのひとつのテント村に入る。  野菜、果物、花などを売っている奥に、市場食堂の「鶏飯屋じゅん坊」があった。  カウンターに、大きなテーブルに、折りたたみのイス。  いかにも市場のなかにある食堂だ。

 うわあああ! お店に着いたとたん、バシャ、バシャ、バシャ、ザーーーーーッ! と、ものすごい音がして、雨が滝のように降ってきた。

 お店の人が「いいときに入りましたね!」と、にこやかにいう。  いかにも鹿児島風の濃い顔の人だ。  このお店に来たのは、ここで奄美大島に400年前から伝わる家庭料理「鶏飯(け いはん)」が食べられるから。  一度は、奄美大島まで行って、食べてみたかったんだけど、鹿児島港から、奄美大 島まで、フェリーで11時間! これでは行けない。  ジェット機なら、55分。ふふふ…。  ダメだよ、飛行機にはやっぱり乗れないよ。  ただでさえ、高所恐怖症なのに、近年、閉所恐怖症にまでなっているから、よけい 飛行機が苦手になっている。  何で、飛行機、苦手になってしまったのかなあ…。  というわけで、奄美大島出身だというお店の人たちの「じゅん坊」で、鶏飯(けい はん)を食べることにした。  鶏飯(けいはん)だけだと、350円。  鶏の唐揚げにサラダまでついた鶏飯(けいはん)セットにしても、600円。 値 段が安すぎる。  鶏飯(けいはん)セットにする。 「鶏飯(けいはん)」は、熱々のご飯の上に、鶏肉や錦糸卵、椎茸、パパイヤの漬物、 島みかんの皮などの具を載せ、その上から鶏ガラでとった濃厚なスープをたっぷりか けて食べる。

 たしかに、スープがたっぷりだ。  御茶漬けよりも多い。  あぢぢ…。  でも、うまいっ!   「おいしい!」というより、「うまいっ!」と叫ぶほうが似合うような味だな。  こういう汁かけご飯は好きだし、鶏のスープは好きだから、やっぱり「うまいっ!」 と声を上げたくなる。  行ったことないけど、奄美大島の原生林を思い浮かべたくなるような味だ。  しきりに、お店の人が「おくちに合いましたですかね?」と聞いてくる。  その度に、「うまいっ!」「おいしいです!」と答える。  鶏の唐揚げも、胡麻風味のサラダもおいしかった。  鹿児島に来たら、朝食はここで決まりだな。  何より、朝市だから、朝早くからやっているのがいい。  何たって、午前6時からだからね!

<私がもう一度行くためのメモ> 「鶏飯屋じゅん坊」 住所:鹿児島県鹿児島市中央町15-1 電話:099-206-3005  営業時間:6:00〜13:30 定休日:日曜、祭日

 あいかわらず、外はバシャ、バシャと、激しい音を立てている。  お店の人の愛想もいいので、コーヒーを注文して、もう少し雨が小降りになるのを 待つ。  午前10時30分。テント村を出て、もう少し、駅前市場を見て歩く。

 おっ! あ、あれは! 「おもちの味覚屋」!

 お餅を網で焼いているぞ。  やっぱり市場は、こういうお店がないとね!  傘を差しながら、お店に向かう。  うわ〜〜〜、焼餅がおいしそうだあ!

 煮玉子まで売っている。  むむっ。これは煮玉子ではないな。  ゆで玉子を、たれに漬け込んだものを、網で焼いたものだそうだ。  鶏飯(けいはん)を食べたばかりなのに、焼き餅と、ゆで玉子を買う。  このゆで玉子が、絶品。  甘いじょっぱさが、なんともいえない味だ。  焼き餅も、やわらかいよー!  RPGでやっと、宝箱から、紋章を探し当てたような気分だ。  鶏飯(けいはん)と、この焼き餅と、ゆで玉子だけのために、もう一度鹿児島に来 てもいい! そう思えるほどだ。  午前11時。加治屋町の「維新ふるさと館」へ。

 前に来たとき、西郷隆盛、大久保利通、坂本竜馬といった維新の英傑たちを等身大 のロボットにして、劇の形式で、明治維新の動乱を描く形式に、ひどく感心した。  あのときは、土居ちゃん、宮路一昭くんと来たので、嫁がまだ見ていないのを幸い、 もう一度見ることにした。  どこかの中学生たちも見学に来ていたけど、こういうのを学校の授業にしてみせる と、わかりやすいし、楽しい。

 このドラマ「維新への道」の上演時間は、25分間。  ちょっとした演劇の楽しさを味わえる。  西郷どんの鹿児島弁もいい。  もっと時間があったら、ぜんぶのビデオ解説を見てまわりたいなあ。  このドラマ「維新への道」のほかにも、それぞれ4〜6分間のビデオで、たくさん 明治維新のことを教えてくれる。  よく出来た博物館だ。  鹿児島に来たら、桜島に次いで必見の場所だ。  午後1時。雨のなか、城山観光ホテルへ。  桜島が目の前に見える、鹿児島を代表するホテルだ。  以前は、私も鹿児島に来たときは、このホテルを愛用していた。  でも老朽化が激しくて、部屋の天井も低く、ちょっと利用したくないホテルになっ ていた。  でも、2年半ほど前に、リニューアルしたので、どんなものになったのかを見に来 た。

 ロビーからして、前がどうだったか思い出せないほど、きれいになっていた。  もともと接客には定評のあったホテルだけに、息を吹き返したように溌剌としてい る。  でも、今回のレクストン鹿児島もいいしなあ…。  レクストン鹿児島は、天文館まで散歩がてら歩いて行けるのがいい。  それともうひとつ、おもしろいことを試みに来た。  外来でも、この城山観光ホテルの家族風呂に入れるコースがあるという情報を入手 したのだ。  地下の「さつまの湯」という大浴場に行って、聞いてみると、確かにあるという。 しかもいま、空いているという。  入っていくことにした。  私は、まだ左半身が完全には回復していないので、実は大浴場に入りたくても、入 れない。  片手しかつかえないので、タオルを絞れないのだ。  浴衣の帯も締められない。  意外と、世の中には、両手をつかわないといけないことは多い。  パン屋さんで、トレイを持って、パンを選ぶことができない。  雨の日に傘を右手で差すと、タクシーが来ても、左手を挙げて止めることができな い(最近ぎこちないながら出来るようになった)。  座っていても、左側に倒れたりすると、左手を突くことができないので、そのまま 板のように倒れてしまう。  そんなわけで、家族風呂に入れるのは、助かる。  私が部屋付き露天風呂に固執しているのも、実は身体が不自由なせいだ。  料金は、60分間、4000円+入湯料150円。  私と嫁のふたりで、8300円もするのか、ちょっと高いなとおもったら、家族風 呂使用料が、4000円。  ふたりで、4300円だそうだ。  これはいい。  家族風呂に通される。  へ〜〜〜! 思ったより、はるかに大きい。  お風呂自体は、タタミ10畳以上あるような気がする。  湯船だけでも、3畳ぐらいかな。  こりゃあ、いい!  ゆったり、広くて気持ちいい。  子どもなら、泳げてしまいそうだ。  熱いお湯に浸かって、ぶわっ!と、汗が吹き出てきた。

 はあ…。極楽、極楽…。  お〜っとっと。湯船が深いので、身体がふわ〜〜〜と浮いてしまう。  ぷかぷかぷか…。  危ない、危ない。  私の場合、片手が動かないから、お湯をかいても、ぐるぐるその場で回転してしま う…わけがないじゃないか! はっはっは!  いいねえ、極楽、極楽…。。  私が旅先でこんな風にのんびりするなんて、初めてじゃないかな。  扇風機で、涼むなんてこともひさしぶり。  泉質がいいのか、涼んでも、涼んでも、汗が吹き出てくる。  身体の芯から、ぽっかぽかだ。  このあと、マッサージもしていきたかったけど、1時間後でないといわれて断念。 湯上りに、嫁はビール、私はラムネを飲む。

 しゅわしゅわしゅわ…。  ぐびぐびぐび…。  しゅわしゅわしゅわ…。  ぐびぐびぐび…。  ぷっはーーー!  ラムネだよ、やっぱり、湯上りは。  しゅわしゅわしゅわ…。  ぐびぐびぐび…。  しゅわしゅわしゅわ…。  ぐびぐびぐび…。  ぷっはーーー!  お土産売り場で、今回食べきれなかった鹿児島名物を、東京に送る。

 午後2時30分。磯庭園の近くへ。  鹿児島名物に「ぢゃんぼ餅」というお餅がある。 「両棒餅」という字を書く。 「両」とう文字を、中国語で「りゃん」と発音する。  両面を「りゃんめん」という言い方とおなじだ。  竹串が2本ついてることから、「両棒(りゃんぼう)餅」→「りゃんぼ」→「じゃ んぼ」→「ぢゃんぼ」になったといわれる。  最後で、なんで「ぢ」になったのかが、よくわからない。  武士が、刀を二本差していることから、2本の串刺しにしたそうだ。 『桃太郎電鉄X(ばってん)〜九州編もあるばい〜』の九州編のほうで、この「ぢゃ んぼ餅屋」を登場させたことがある。  そのときの収益率は、500万円で、20%→30%→40%と、非常に低い。  この「ぢゃんぼ餅」は、鹿児島の駅と磯庭園で食べてみた。  そのときどちらも、そんなにおいしいと思えなかったのだ。  いわゆるコンビニで売っている、みたらしだんごのたれのレベルで、お餅も粉っぽ かった。  だから、その後も『全国編』には、登場させていない。  ところが、今回鹿児島に来て、地元の人に聞いていくうちに、じつは鹿児島中央駅 (旧・西鹿児島駅)で売っているぢゃんぼ餅が、あまりおいしくないという風評を聞 いた。  しかも磯庭園のぢゃんぼ餅と、鹿児島中央駅のぢゃんぼ餅は、おなじお店で作って いるのだそうだ。  そうか。私は、ワースト2だけを偶然食べていたのか。  取材の仕方が下手だったなと、深く反省。  で、磯庭園のそばに「ぢゃんぼ餅通り」みたいなところがあると聞いて、立ち寄っ てみた。ほう。海沿いに、2軒、3軒、4軒…、ぢゃんぼ餅のお店がたくさん並んで いる。  雨は、あいかわらずバシャバシャ音を立てて、降っている。  タクシーの運転手さんが、「車を停めて待っていますから、どうぞ食べてきてくだ さい!」といってくれる。  いい人だ。  今回ずっと、いいタクシーの運転手さんに恵まれている。  城山観光ホテルから、磯庭園を回って、天文館まで行くのは、短い区間だから、タ クシーを待たせておくのは、申し訳ない。  けっきょく、お言葉に甘えて、「淀川」というお店に入る。  まるで海の家みたいだなあ!とおもったら、シャワー室もあって、本当に海の家だ った。

 ぢゃんぼ餅、一人前8個、300円が出てきた。  8個、300円。鹿児島は、何でも安い。  うわ〜〜〜、放射線状に乗せられたお餅が、きれいだなあ!

 うまいよ〜、これ。 「おいしいですね〜! お餅がやわらかい!」  おいしいときは、素直に「おいしい!」とお店の人に伝える練習だ。 「はい。きょう搗(つ)いたお餅ですから!」  ほんのり焦げ目がついた部分が、上品でおいしい。  平べったいお餅というのも、いいんだなあ。  甘さもちょっと控えめだ。  鹿児島中央駅のぢゃんぼ餅とは、まったく違う味だ。  この味なら、『桃太郎電鉄』の全国編に登場させるに十分すぎる味だ。  なにしろ、あまりこういうお餅が好きではない嫁が、あっというまに8個ぜんぶ平 らげてしまったのだ。これは事件ですよ!というくらい珍しい出来事。  やっぱりさあ…。  その土地の名物は、その土地の玄関口においしいものを置かないといけないよ。  仙台名物ずんだ餅も、私は仙台駅で買って食べたものがおいしくなかったので、ずい ぶん長いこと食べない時期が続いた。  ブッシュ大統領は、「イラクの虐待兵士だけで、アメリカ軍のすべてではないと思 ってほしい」というけど、人間はやっぱり最前線の動向で、すべてを判断してしまう ものだよね。  鹿児島の観光局は、鹿児島中央駅に、もう1軒、ぢゃんぼ餅のお店を作って、いま のお店を駆逐すべきだな。磯庭園もだ。  それか、磯庭園の近くを「ぢゃんぼストリート」と名づけて、もっともっと宣伝に 力を入れるべきだ。  さっそく、『桃太郎電鉄G(仮)』で、ぢゃんぼ餅を登場させよう。  天文館に向かう。 「運転手さん! ぢゃんぼ餅、おいしかったです!」 「よかったあ! そういわれると、こっちまでうれしくなる!」 「運転手さん! やっぱり鹿児島では、大久保利通さんっていうのは、評判悪いんで すか?」 「そうさねえ…。西郷さんは、西郷先生と呼ぶけど…、大久保さんは…」 「大久保さんは…」 「大久保利通と呼び捨てにすることが多いね。はっはっは!」  西郷隆盛が、西南の役で斃れたのは、大久保利通だというのが定説だ。  でも私から言わせれば、西郷隆盛の下にいた桐野利秋の暴走にあったと思うんだけ どなあ…。今回、「維新ふるさと館」にあった写真を見ても、人の言うことを聞かな さそうな顔をしていた。  私は、大久保利通は、西郷隆盛よりも3歳年下で、西南の役での出兵は、苦渋の選 択だったと思うなあ。  午後5時。天文館へ。  鹿児島に来たら、必ず寄るお店がある。  氷白くまの「天文館むじゃき」だ。  これはもう『桃太郎電鉄』の鹿児島の物件としても、有名だとおもう。  これもまたコンビニなどで売っている「氷白くま」を、氷白くまとおもってほしく ない。  また、鹿児島の人は、黒豚と同様に、白熊を食べるとおもってはいけない。 「氷白くま」は、かき氷だ。 

 大きな白熊のぬいぐるみが目印。  氷白くまの巨大ディスプレイも鎮座している。  でも、この「天文館むじゃき」は、実はカキ氷のお店ではなくて、中華料理のお 店。ラーメンとか、海老チリなどがメニューにある。  でもこんな雨降りの寒い日にも、お客さんはみんな、氷白くまを注文している。  おっ! レギュラー・サイズに続いて、ベビー・サイズというのが新しく出来たよう だ。これなら、何種類でも、食べられるぞ!  一応、定番の氷白熊667円と、チョコレート白熊441円を注文する。  まずは、定番の氷白熊から。

 う〜ん! なつかしーなー、このヨーグルト風味の練乳!  やっぱり鹿児島に来たら、氷白くまを食べないと、いかんですたい。  チョコレート白熊は、ハーシーのチョコレートみたいなのがかかっていて、コーン フレークも乗っている。

 氷の部分がちょっとココアっぽい味で…、はっはっは! うまいに決まってるでし ょ!  だいたい私は子どもの味覚だから、チョコとか、練乳という言葉に弱けりゃ、味に も弱い。  ちょっと食べ始めて、頭が痛くなり始めた嫁を尻目に、私は悠然と、氷白熊とチョ コレート白熊を食べ続ける。  子供の頃に、カキ氷を食べたときに、頭がキーン!となったことはあるけど、20 歳過ぎたあとから、一度もキーン!となったことがない。私は冷たいもの専用超人ハ ルクなのかもしれない。

<私がもう一度行くためのメモ> 「天文館むじゃき」 住所 : 鹿児島県鹿児島市千日町5-8 電話 : 099-222-6904 営業時間 : 11:00〜21:30(日曜、祝日、7・8月は10:00〜) 定休日 : 無休

 食後、天文館通りを散歩。  天文館からも、鹿児島中央駅の観覧車が見える。  昨日初めて見たときは、ずいぶんと無粋なものを作ってるなあ…とおもったけど、 こうして天文館からも見えると、富士山のようなもので、いま自分がどこにいるのか がわかって、非常にわかりやすい。  これはけっこうヒットかもしれない。  覚えづらかった鹿児島市内の地図が、頭のなかにすーーーっと入ってきた。

 きょうも、天文館をあちこち散歩してしまったために、また足が痛くなってきた。 ちっとも1日のんびりになっていない。  午後4時30分。天文館の「てもみん」で、私も嫁も、50分間マッサージを受け る。  私を担当してくれた人のマッサージが上手かったので、かなり身体が楽になった。  午後5時30分。あとは、黒豚キャベツ丼を食べれば、当初予定していた鹿児島取 材のほぼ全部が終了だ。 「六白(ろっぱく)」というお店を探す。  ガイドブックを片手に、地図を上にしたり、逆さにしてみたり。  まだ駅前の観覧車は、ガイドブックに載っていないので、いわさきホテル・ザビエ ルを起点に、地図を見る。  え〜と…。いわさきホテル・ザビエルの手前を右に曲がって、あれえ、この辺なの になあ…。  昨日の「こむらさき」の前を通っちゃったよ。  あれあれ…。さっきの「てもみん」に戻っちゃったぞ!  あっ! あっ! あっ! 「てもみん」の真ん前じゃないか!  2階のお店だから、気づかなかった! 「六白(ろっぱく)」というのは、黒豚なんだけど、手足と鼻、尻尾の6ヶ所が白い ところから、呼ばれるようになった新品種。  最近、「六白(ろっぱく)」というだけで、おいしい豚のことを指すようになった ほどだ。    その「六白(ろっぱく)」の名前がついたお店。  ここにキャベツたっぷり、六白(ろっぱく)のカツ乗せ丼の「キャベ丼」があると ういうので、やってきた。 「キャベツ丼」でなくて、「キャベ丼」。  キャベジンではなくて、「キャベ2」みたいなもんだな。  特選六白ロースとか、特選六白ヒレといった名前が並ぶなか、後ろのほうに、キャ ベ丼、520円の表示があった。  1000円以上の特選六白シリーズのなかで、520円は安すぎる。  ちょっとズルをする。  お店の人に無理を言って、特選六白ロースでキャベ丼を作ってもらうことにした。 この2日間で、鹿児島の人が親切なので、だんだん私たちは図々しくなっているかも しれない。  でも、にこやかにいいですよ!と言ってくれて、値段も900円にしてくれた。   値段が安すぎるよ〜!

 サクサクのとんかつを口に運んで、箸を丼のなかに刺せば、ジャキッと、大量の キャベツが押し返してくる。ほんとに、キャベツたっぷりだよ。  うまかー! うまかー!  ほいほい食が進む。  気づけば、とんかつ、かつれつの類は、必ず2割を残して、ご飯は半分近く残すよ うにしているのに、「ぺろり!」という音がして、とんかつ完食、ご飯4分の3食べ つくす。  おいしい証拠でござるよ。

<私がもう一度行くためのメモ> 「六白(ろっぱく)」 住所 : 鹿児島県鹿児島市東千石町14-5 池畑ビル2F 電話 : 099-222-8885 営業時間 : 11:00〜15:00(土・日曜は〜15:30)、17:30〜21:00 定休日 : 水曜(祝日の場合は営業)

 午後7時。雨のなか、天文館のアーケードを通って、コンビニでお水を買って、ホ テル・レクストン鹿児島まで歩いて帰る。  きょうは1日雨だったけど、鹿児島市内でのんびりできて、うれしい。  あいかわらず、あちこち、せっかちに動き回っていたけど、私なりには、最高にゆ ったりの1日だ。  日帰り温泉に行くというのは、ヒットだったな。  明日帰るのが、もったいない。  鹿児島好感度、うなぎ上り!

 
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