9月24日(水)

 午前9時。『桃太郎電鉄U(仮)』の仕様書の手直し。
 ようやく、『桃太郎電鉄12〜西日本編もありまっせー!』で変更したチューニング
を『桃太郎電鉄U(仮)』に移し変える作業も、きょうで終了。
 めでたし、めでたし。

 午前11時30分。嫁と、東京駅へ。
 旅に出るわけではない。
 東京ステーションホテルに行く。

 東京駅の丸の内側のあの赤レンガの部分のホテルだ。
 このホテルにけっこうおいしい料理屋さんが入っている。
 古い建物だ。
 まず2Fに上がる階段が見つからない。
 小さな鉄の扉があった。
 どうもここが階段のようだ。
 うへっ。まるで公会堂の楽屋の階段のような急傾斜だ。

 本当にここが、2Fにあがる階段なんだろうなあ…。  2Fに出た。  出ても、ここからがまた迷路のようだ。

 江戸川乱歩か横溝正史の映画のロケにつかえそうな、赤い絨毯が敷き詰められている。  この迷路を歩くだけで、東京ステーションホテルに来た甲斐があるくらいテーマパー ク感覚になれる。

 そのうちのひとつのレストラン「ばら」に行く。  1914年に建てられた古いホテルのカフェレストンで、来ているお客さんも銀髪の 老人や、お金持ちそうな御夫人たちなので、雰囲気がお上品でいい。

 何より、窓から東京駅の1番線から19番線までの電車が見えるので、鉄道ファンに はたまらないアングルだ。  私は、シーフード・カレー・セット。  嫁は、ビーフシチュー定食。

 味のほうは、ちょっと福神漬けの力を借りないと食べられないような凡庸な味で、 困った。  正直言って、ここはコーヒーとケーキをめあてに来たほうがいい。  ケーキは、滅法おいしい。  食後、丸の内口側から、八重洲口側に行きたいのだが、東京ステーションホテルは、 東京駅の南口にある。自由通路があるのは、北口。  ひょっとしたら、Suicaカードで、入場券の代わりになるかもしれないと思い、改札 口の脇の駅員さんに聞くと…。 「あの〜、Suicaで丸の内側から、八重洲口へ…」 「できませんっ!」  ぴしゃり! まるで国鉄時代の駅員さんを思い出されるような、にべもない答えだ。  どうも東京駅の丸の内側の駅員さんとか、みどりの窓口は、愛想が悪い。  わざと人選してここに幽閉しているのか?  くやしいので、何とかSuicaで八重州口に行きたくなる。  自動券売機のところを見たら、まんまとSuicaで、入場券が買えるではないか。   だったら、Suicaで入って、Suicaで出ることができてもいいじゃないか。  Suicaで駅構内に入ったときすでに、いつも130円徴収しているのだから。  おそらく、東京駅でSuicaで入ったお客さんが、たとえば東海道本線の小田原駅から Suicaで入ってきた人と、Suicaを交換するからといった理由で、入場券の用途してつ かえないようにしているのだろう。  でも、Suicaで、駅構内でしか手に入らない駅弁を買いたいお客さんだっていると思 う。  第一、あの愛想の悪い駅員は「Suicaなら、そこの自動券売機で、入場券を買ってい ただけると、八重州口へ…」と丁寧にいえばいいのだ。いや、宣伝になるのだから、率 先していうべきである。  どのJR駅でも、横柄な駅員さんというのは本当に少なくなっているだけに、東京駅 丸の内側のひどさは際立つ。  八重洲口側の「みどりの窓口」で、月末の北海道取材旅行のキップを買う。  ところが、朝8時52分の新幹線はやてに乗って、八戸からスーパー白鳥に乗って、 午後3時過ぎに函館に到着する最速のコースの電車が、満員で乗れない。 新幹線はや ても、ふたり並びの普通席がすでにない。  スーパー白鳥は、グリーン車が満員。  グリーン車じゃないと、パソコン用のコンセントがついていないんだよ〜!  けっきょく、キップを買うこと自体を、断念する。  前日から青森あたりに寄って、1泊してから、函館に行くことでも考えるかなあ…。  午後1時15分。築地のハドソンへ。  本日、こまかい打ち合わせが盛りだくさん。  最初の会議出席者は、ハドソンの大里専務、宣伝部の梶野竜太郎くん、藤原伸介くん。  土居ちゃん(土居孝幸)、柴尾英令くん。  読売広告の岩崎誠。小池玲子さん。  CM制作会社オフィス・ヘンミの農本太一さん、高橋俊也さん。  いよいよテレビCMの第1稿があがってきた。  お笑い芸人さんをつかったテレビCMだ。  この日記を読んでいるみなさん、まだお笑い芸人さんの正解が出ていませんぞ! 浅 草キッド、バッファロー吾郎という予想が多かったけど、この2チームなら近しい関係 だから、さっさとバラしちゃったと思うよ。  しかし、いい出来だ。  というより、本当にちゃんとふつうのCMだ!  16年間、テレビCNに関しては、ずっと不満だっただけに、ここちよい達成感のあ とに、いいしれない脱力感に襲われる。  こんな至極当然のCMが、なぜいままで作ることができなかったのか、不思議で仕方 がない。  11月から、このCMが流れるので、ぜひ期待してください。  奇抜なCMではなく、売り文句をお客さんにはっきりと伝えることができた、ふつう のCMです。  午後3時。農本太一さん、高橋俊也さんが退席して、イベント会社ムーンクリエイテ ィブの城潤一さん、立原鉄兵さん、プラグ・アンド・カンパニーの大津祐司さんが、到 着。

 このメンバーで、10月14日東京根津の妙泉寺に建立される「貧乏が去る像」のイ ベントの打ち合わせ。  なんと! 四国高松の鬼無駅に建立された「桃太郎電鉄石像」のうち、貧乏神の上に 猿が乗った部分だけが、あの石像よりも、もっと豪華な石をつかって、根津の妙泉寺に 建立されることになったのだ。  残念ながら、お寺の境内が狭いので、当日はマスコミ関係者のみしか見ることができ ないイベントになってしまったのだ。  また全国各地から、「貧乏が去る像」を見に来てほしいと思ったんだけど、ちょっと 無理のようだ。  その「貧乏が去る像」のイベントの打ち合わせ。  当日は、テレビCMのお笑い芸人さんが、『桃太郎電鉄』のCM出演のお披露目もす ることになっている。  午後4時30分。土居ちゃんが描いた『桃太郎電鉄U(仮)』のオープニング・アニ メの絵コンテを、みんなでチェック!  おもしろい。  実に楽しい。  どうおもしろいを説明すると、『桃太郎電鉄U(仮)』の全貌が簡単にバレてしまう ので、もどかしい。  早く、『桃太郎電鉄12〜西日本編もありまっせー!』が発売されてしまってほしい。 そのときは、こっそりここでバラしてしまうつもりだ。 『西日本編』のときのように…、おっとっと。みんな最近どんどん勘がよくなっている ので、本当に気をつけないと。  午後6時。私、嫁、土居ちゃん、岩崎誠、柴尾英令くんの5人で、銀座日産ビルの裏 の「越後叶家」へ。  どういうわけか、きょうはみんなの意見が「このお店のへぎそばが食べたい!」で、 一致した。  ここのへぎそばは、実にうまいっ。  私も昨日、テレビで山形のあらきそばを見てしまったので、昨日からずっとこのお店 のへぎそばが食べたいと思っていた。  柴尾英令くんが、ガソリンスタンドで「ガソリン、満タン!」というように、焼酎を が〜〜〜ッ! ぐびぐびぐび…と、柴尾英令くんのアメリカ車のような大きな車体に流 し込んでいく様は、あっぱれなり。  柴尾英令くんの動力(ガソリン)なんだろうなあ、お酒は。  午後8時。帰宅。  北海道取材旅行のプランの練り直し。  地図とにらめっこ。  にらめっこしていくうちに、『桃太郎電鉄16(仮)』のMAPを作りたくなってし まった。はっはっは。本当に私は地図が好きだ。  子どもの頃、おもちゃが少なくて、竹馬で遊んだような世代だ。  外で遊べないときは、毎日地図ばかり眺めていた。  夜は、ふとんに地図を描き…、おあとがよろしいようで。

 

-(c)2003/SAKUMA-