8月31日(日)

 実は昨日、嫁は大阪に来る段階から、ぎっくり腰になっていたようだ。
 あのミスターぎっくり腰の井沢どんすけほどひどくないので、無理して大阪まで来て
しまったのだが、きょうも痛みが止まらず、ついにダウン。

 どうやら自宅のお風呂工事で発覚した雨漏り事件を、無理な姿勢で床下の状態をデジ
カメしたためらしい。

 午前10時30分。ヤサカタクシーの宮本さんが湿布薬を持ってきてくれた。あいか わらずやさしい。  昨日、ヒューマン・アカデミーでもらったパンを嫁に渡して、私と宮本さんは、ハー トンホテルへ、土居ちゃん(土居孝幸)と柴尾英令くんを迎えに行く。  午前11時30分。みその橋の中華の「サカイ」へ。  冷やし中華というよりも、胡麻皿ラーメンといった感じ。  最近、京都でお気に入りのB級グルメだ。

 日記で見た瞬間、柴尾英令くんが「あの冷やし中華食べたい!」と叫んで、すぐ食べ にきた。土居ちゃんも「食べたい!」といっていたが、ずっと食べられず、きょうやっ と実現なのだ。  土居ちゃんが食べられなかったのは、もちろん『桃太郎電鉄12〜西日本編もありま っせー!』の大量のイラストのせいだ。  あの土居ちゃんが、今回だけは途中で、何度か「この作品でもうやめたい!」と私に いおうと思ったそうだ。 『全国編』と『西日本編』と2本分の絵400点以上ををひとりで描いてしまったのだ から、「やめたい!」と思ったのも無理もない。  さすがに私も「二度と、2本入りのゲームは作らない!」と、土居ちゃんに約束した ほどだ。  正直、私ももう2本入りは勘弁してほしい。  間違いなく『西日本編』だけで、『桃太郎電鉄7』、『桃太郎電鉄V』よりも密度は 濃い。まさに本編が2本で、おまけではない。  午後12時45分。京都丹波口の「梅小路蒸気機関車館」へ。

 ここはいまも動ける状態で保存した蒸気機関車が、18両並んでいる鉄道ファンなら あこがれの場所なのだ。

 もちろん、私はきょうが初めてではない。  土居ちゃんと、10年くらい前にも見に来ている。  10年ぶりに来たのは、旧・二条駅が1997年にここに移築されたから。  旧・二条駅は、日本最古の木造の駅舎として、ずっと、二条駅に残っていた。  当時も、けっこうあの駅舎が好きで、よく見に行っていたほどだ。  その駅舎を、そのまま「梅小路蒸気機関車館」の玄関として、移築したのだ。  その移築した部分では、蒸気機関車のビデオが流れていたり、蒸気機関車の練習台な どが陳列されている。  蒸気機関車って、1キロメートル走るのに、40キログラムの石炭を放り込まないと いけなかったんだって。ほとんどずっとじゃない! どおりで、蒸気機関車のフィルム というと、ペダルを足で踏んで、石炭を必死に投げ込む機関士さんばかり映し出されて いたわけだ。

 それにしても、あいかわらず操車場に、扇形に先頭車両を並べた蒸気機関車の姿は勇 壮だ。  男の子は、やっぱり機関車が好きだねえ。  初めてここを訪れた柴尾英令くんも、運転席に座って、うれしそうだ。  間近で見る蒸気機関車は大きいよ。  新幹線の2倍以上の大きさだからね。  動輪の直径だけで、私より高い。  きょうは日曜日なので、蒸気機関車に乗れるサービスもやっている。  昨日よりも温度が低いとはいえ、じゅうぶん蒸し暑いで、蒸気機関車に乗るのは、や める。  レストラン「ん」という、変な名前のカフェで、アイスコーヒーを飲んで、一息つく。  午後2時。自宅にいったん戻る。  嫁は近所の評判のいいマッサージ屋さんにでかけていた。  柴尾英令くんに、プロアトラスをVAIOに再インストールしてもらって、「VAI O、私のいない間にしっかり働けよ!」と声をかけて、再びでかける。  午後3時。出町柳のパン屋さん「柳月堂」だ。  先週の金曜日に来たら、臨時休業にぶち当たり、昨日は、定休日なのを知っていたの で、きょう満を持して来た。  このお店の出来立ての、ふわふわの口のなかで溶けてしまうようなくるみパンを土居 ちゃんと、柴尾英令くんに食べてもらって「うめ〜〜〜ッ!」と羊さんになってもらお うという魂胆だ。  ところが、なんと!  きょうも臨時休業とは!  いったい何があったんだ。  食べる気まんまんだっただけに、もうがっくり。  あまりに悔しいので、「柴尾英令くん、カキ氷、食べたい人〜〜〜!」と叫ぶ。「何 なんですか、その名指しの勧誘は!」と、柴尾英令くん。  午後3時30分。御所近くの「虎屋(とらや)」へ。  宮本さん、土居ちゃん、柴尾英令くんは、宇治金時。  私は、氷あずき。

 氷あずきは、初めてだったんだけど、うまい!  上にかかっている蜜が、キャラメル風味なのだ。  キャラメルと小豆は、不思議な取り合わせだけど、実にうまい。  お待たせしました。  カキ氷のランキングを発表しましょう! <カキ氷ランキング> 03年8月31日現在 1位・軽井沢「シブレット」のいちごミルク。 2位・伊勢「赤福」の赤福カキ氷。 3位・西荻窪「甘いっ子」のイチゴのカキ氷。 4位・新京極「ふれかんて」のスイカのカキ氷。 5位・京都「虎屋」の氷あずき。 6位・京都寺町「染井」の宇治ミルク白玉金時。 7位・麻布十番「浪花家総本店」の氷あずき。 8位・鎌倉「不二家」の苺みるく。 9位・鎌倉「埜庵」の氷あずき。 10位・京都「自遊人」のスイカのカキ氷。 「虎屋」の氷あずきは、5位に初登場だ。  けっこう4位〜7位は、もう一度食べると順位が変わるくらいの僅差。  カキ氷で、ベストテンを決めるほど食べるなって?  そういう罵詈雑言、ありがとう!  本望ですたい!  午後4時。京都の隠れ家に戻る。  嫁は、ぎっくり腰の一歩手前と診断されたそうだ。  それでも、今朝みたいにまるで動けないという状態からは、脱したようだ。  午後5時。嫁もいっしょに、嵐山のうなぎ屋さん「廣川(ひろかわ)」へ。  あの「特に名を秘すM」のお父さんが、休みの日になると、しょっちゅう食べに来る お店というだけで、魅力的だと思わない?  料理人がごひいきのお店くらい、信頼度の高い情報はないよね。  うまいっ! 抜群にうまいっ! 「M」のお父さんが気に入る味なんだから、こってりしていて、暴力的なうな重が出て くると思ったんだけど、バランスの取れた、まるで好・走・守のすべてを兼ねそろえた 西武ライオンズの松井稼頭央選手みたい。

 ふんわり、ふわふわで、まあ〜、ご飯との相性がいい。 「うちでは、山椒無しをおすすめしています」という言葉に、繊細さのなかにも大胆さ を感じる。  ひさびさに、「う〜〜〜ん!」とうめくようなおいしさだ。  午後7時30分。京都駅へ。  途中、突然、柴尾英令くんが「目のなかで、コンタクトレンズがどこかに紛れ込んだ !」と、わけのわからない言葉を口走る。  なんと! 柴尾英令くんは目が大きいから、目のなかで、コンタクトレンズがずれて、 目のすみっこに行ってしまったようなのだ。  そんなことがあるんだ。へぇ〜〜〜、へぇ〜〜〜、へぇ〜〜〜、と感心するが、柴尾 英令くんはそれどころではない。  ドライブインのトイレに飛び込んで、なんとか目のなかにコンタクトレンズを発見し て、元の位置に戻した。  最後まで、笑わせてくれる柴尾英令くんであった。  京都駅で、土居ちゃん、柴尾英令くんとは、お別れ。 「また東京でね〜!」  午後8時。私と嫁は京都の隠れ家へ。  NHK『武蔵MUSASHI』を見ながら、ついうとうと…。  2週後に、巌流島というのに、ちっとも盛り上がらない。  脚本も、役者さんも悪くないと思うんだけど、微妙にチューニングの悪いゲームのよ うで、もったいない。  横浜ベイスターズは、案の定、負けた。 『武蔵MUSASHI』より、チューニングの悪いチームだ。  いつのまにか、夏はきょうで終わり。

 

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