7月30日(水)

 昨日、旅行していたために、会えなかったうちの娘が朝から急襲して来た!
「さくちゃん! 誕生日、おめでとう! 誕生日記念で、ケーキ食べに行かない
の〜〜〜?」
「おまえの目当ては、やっぱりケーキか!」
 そういえば毎年誕生日恒例の不二家のホールケーキを食べるのを忘れた!

 午前11時。家族3人で、四谷の住宅にある隠れ家のような「マダム・ミクニ」へ。
ここのケーキは、絶品中の絶品!

 まずは、ご飯を少なめにしてもらって、エビカレーを食べる。  早くも娘は、ご飯を注文せずに、ピンク・レモネードに、プリンっぽい食べ物をふた つ! ふたつかよ! しかもこっちが、ご飯を食べ終えて、デザートのケーキを物色し ようとショウケースに向かうと、娘もついてくる。 「まさか、まだケーキ食べるんじゃないだろうな!」 「3つめだよ!」  無敵だ。うちの娘は。

 午後12時30分。さらに四谷の「わかば」で、鯛焼きを食べる。  私と嫁で、1枚。娘はひとりで1枚。 「う〜〜〜、お腹いっぱい!」 「あたりまえだろうが!」

 午後1時。娘と別れて、私と嫁は、築地のハドソンへ。  本日、『桃太郎電鉄12〜西日本編もありまっせー!』の『全国編』のテスト・プレ イ。  しかもきょうのメンバーは、いまのところ最強のメンバーが揃った。 <メンバー> ☆岩崎誠    41歳。O型。 ☆柴尾英令くん 40歳。B型。 ☆友清哲くん  29歳。A型。  見事に、血液型がバラバラである。  まさに3すくみの対決。

 観客席は、ハドソン宣伝部の梶野竜太郎くん、藤原伸介くん。  私、嫁。  そういえば梶野竜太郎くんは、、昨日の岩崎誠が私の誕生日のために作ってくれた 「横浜ベイスターズさくまユニフォーム」が悔しかったらしく、何件かケーキ屋さんを 回って、「桃鉄ケーキ」を私の誕生日プレゼントとして、作ってきてくれた。

「うれしいけど、この子どもがデザインしたような汽車は?」 「ボクが作りました!」 「梶野竜太郎くんか! どうりで、デザインが素人だと思った! お店の人がケーキで 汽車をデザインしたら、『TVチャンピオン』の優勝者みたいにリアルな汽車になるか らね。気持ちはうれしいけど…」 「す、すみません。子どもの工作みたいで…」 「はっはっは!」 「わっはっはっは!」  手作りプレゼントがいちばん!を絵で描いたようなケーキだ。  さて。きょうは、このメンバーで、できるだけ多くの年数をテスト・プレイしてもら おうと思っている。。  前回のどっこいズ(井沢どんすけ、すとろう小泉、石川キンテツ、込山勉くん)が鎌 倉で、最低でも30年はやってほしくて、できれば50年くらいテスト・プレイしてほ しかったんだけど、きっちりというとか、あえなくというか、29年で終了してしまっ た。  どっこいズは、ひとりひとりのプレイが遅すぎるのである。  とくにコイズミリュウジの、サイコロをひとつ振って、出目が3なのに、2マス動い てから、また戻るパターンには、相当みんながイライラして、最近では、だんだんどっ こいズと戦いたいという人が減ってきているのだ。  私としては、どっこいズのように遅いプレイヤーも、お客さんのひとり。  データとして検証しないといけない。  その反対のスピードの速いプレイヤーのゲーム展開も検証しないといけない。  午後1時30分。上級者対決、スタート!  速い! 速い! 速い! 速い! 速い!  試合開始30分で、3年目に突入している!  どっこいズなら、まだ1年目が終了していない時間だ。  迷わない! 迷わない!  立ち止まらない! 立ち止まらない!  3人とも、サイコロ振った瞬間に、移動して、イベントをこなして、次のプレイヤー の順番に移っている。  で、単純な試合展開なのかというと、さにあらず。  丁々発止、技と技の激突だ!  柴尾英令くんが、刀狩りカードで、友清哲くんから、3すすめるカードを奪う。  すると岩崎誠が、カード交換カードで、柴尾英令くんから、3すすめるカードを奪う。 柴尾英令くんは、目的地に入る!  この間のやり取り、2〜3分間!  どっこいズでは、絶対にありえない展開だ。  このスピードのなかで、3人が3人とも、ほかの人が現在、何のカードを持っている か、ぜんぶ暗記しているのだ。 「岩崎誠さん、静かですね!」と、柴尾英令くん。 「うわあ! やられると思った!」  北海道のワープ駅を、指定うんちカードで封鎖される!   指定うんちカードというのは、おなじみのうんちを好きなところに置くことが出来る の『桃太郎電鉄12〜西日本編もありまっせー!』で初登場のカードだ。  岩崎誠は、襟裳近辺にいて、次でワープ駅に入れるんだけれど、柴尾英令くんが、指 定うんちカードを手に入れたのを見て、黙っていたのだ。  万事、この調子で、デッドヒートを繰り広げる。  上級者も、どっこいズも、めまぐるしく順位が変わるところだけはおなじ。  4年目までは、柴尾英令くんが、独走!  しかし、友清哲くんの貧乏神が、キングボンビーに変身する!  しかも、友清哲くんは次の月、目的地に入る。 「うわあああああ!」と悲鳴を上げる柴尾英令くん。  キングボンビーを喰らった柴尾英令くん、あっという間に、最下位に転落。  さらに追い討ちをかけるように、ゲスト・ボンビーも喰らう。  このゲスト・ボンビーの破壊力は、上級者から見ても、キングボンビー以上のようだ。 「いやあ! すごいですよ! あいつは!」 「むしろ、気持ちいいぐらい!」 「すごすぎますよ!」  それにしても、ゲーム展開が速いので、私のメモが間に合わない。    5年目。  岩崎誠が宝くじで、2等を当てる。 「運だけで、岩崎誠さん、きょう20億円ぐらい稼いでいる!」と、柴尾英令くんが憎 まれ口。  すかさず、友清哲くんも「岩崎誠さん! いつもボクにうんちつかってませんか?」  つねに、トップに立ったものが、共通の敵となる。  6年目。  信じられない!  キングボンビーと、ゲストボンビーを喰らって、最下位に沈んだはずの柴尾英令くん が、わずか2年で、トップに返り咲いていた!  もう見ているこっちの目が、痛くなるほど、速い展開。  午後2時。土居ちゃん(土居孝幸)、到着。

 午後2時30分。来客があって、1時間ほど、みんなで打ち合わせ。  この来客は、極秘。  『西日本編』の徳島あたりに秘密がある。  発売されたときに、きょうのことを覚えていたら、『西日本編』の徳島近辺をご覧く ださい。  再び、テスト・プレイ!  9年目。  岩崎誠が、トップに立っていた!  ひとりのプレイヤーが、3年王座を続けられない!  しかも岩崎誠は、まだ一度も目的地に入っていない! 10年目。  友清哲くんが、1位に返り咲く。 「脳がひりひりしてる! すごいゲームだ!」 「おもしろすぎるよ、これ!」 「刺激が強すぎる!」

 この3人の対決は、スピードが速すぎるので、キングボンビーを見る回数が多いよう に感じてしまう。  別に、どっこいズと確率は、変わらないんだけど、テンポが速いので、1時間のうち に、5〜6回、登場しているように思えるのだ。  どっこいズの場合、1時間に1回もキングボンビーに変身しないことなど、ざらだ。  上級者対決の『桃太郎電鉄12〜西日本編もありまっせー!』と、どっこいズ対決の 『桃太郎電鉄12〜西日本編もありまっせー!』。  おなじロムのゲーム内容とは、思えない。  どっこいズは、カードをまったくつかわないし、手に入れたカードを温存して、いざ というときにつかうと言いながら、キングボンビーに捨てられてしまう。  上級者たちは、カードを手に入れるや、すぐつかう。  だから、カード袋に、カードがたまらない。  どっこいズは、便利系カードにいつもカードが8枚。  黄色いカード駅に停まっては、カードを1枚捨てる。  遅いのも、あたりまえである。  それどころか、コイズミリュウジは、便利系カード袋に8枚カードが入っているのに、 福袋カードをつかって、1枚カードが出ては、1枚カードを捨てるを繰り返す。  これを何度もやるので、最近対戦相手がいなくなってきた。  12年目。  珍しく、友清哲くんの天下が4年間続いた。  13年目。  友清哲くんが、ゲスト・ボンビーを喰らう。 「ゴー! ゴー! ゴー!」 「ゴー! ゴー! ゴー!」  柴尾英令くんと、岩崎誠が、「ゴー! ゴー!」と、ゲスト・ボンビーにエールを送 る。  ハドソンの会議室は、まるで甲子園球場だ!  午後6時。わずか3時間で、13年目だ。  きょうは短時間でたくさんテスト・プレイしたいというので、食事に出かけず、梶野 竜太郎くんに、お弁当を買ってきてもらって、みんなで食べる。  そのお弁当も、いまいちばんおいしい駅弁「大人の休日」をわざわざ東京駅まで買い に行ってもらったのだ。

「ほんとに、おいしいですねえ!」 「味付けが繊細だなあ!」 「味も日本一だけど、値段も日本一だからね!」 「いくらですか?」 「2200円!」 「ハドソンさん、おありがとうございます!」  友清哲くんと私が、仕事の打ち合わせしている間に、さっさと岩崎誠と、柴尾英令く んが、駅弁を食べ終え、『桃太郎電鉄12〜西日本編もありまっせー!』の続きを開始 する。 「まだ友清哲くんが、食べてないぞ〜!」 「そろそろ変身しますよ! 友清哲さん!」  全然、会話がかみ合っていない。  14年目。  岩崎誠が、トップに立つ!  友清哲くん、最下位に転落。  中国の『三国志』でも、これほどまでにめまぐるしく政権は交代しないぞ。  15年目。  岩崎誠、トップ。  友清哲くん、2位。柴尾英令くん、3位。  16年目。  岩崎誠。柴尾英令、友清哲くんの順。  岩崎誠の天下が、3年続いた。そろそろ…。  17年目。  やっぱり。柴尾英令くんがトップに立つ。  18年目。  柴尾英令くん。岩崎誠。友清哲くんの順。  19年目。  友清哲くんが、起死回生の一発!  ゴールドカードで、上野の博物館を買った!  総資産274億円で、ぶっちぎりトップ!  友清哲くん。柴尾英令。岩崎誠の順。  午後9時。  20年目。最後の年!  奇跡の大逆転を仕掛ける岩崎誠に、柴尾英令くん!  岩崎誠が1月。☆印カード売り場に入って、持っていたカードを売りまくり、現金を 増やす。  しかし、ちゃんと夢のまた夢カードと、リニアカードを残す。  2月に、夢のまた夢カードで、目的地に近づき、3月にリニアカードで、目的地に入 るつもりなのだ!  なんと、無駄の無い高等技術!  しかし、夢は終わった。  友清哲くんが、牛歩カードをつかったのだ!  カードがつかえない!  情け容赦のない攻撃だ!  でも、岩崎誠と柴尾英令くんが、結託して、最後の最後で、友清哲くんに貧乏神をな すりちけているいのだから、友清哲くんも牛歩カードをつかって、勝利を万全のものに しないと、どんな大逆転が待っているかわからない。    で、岩崎誠は、万事休す! <試合結果> 1位・友清哲くん 253億3490万円 2位・柴尾英令  188億8220万円 3位・岩崎誠    67億4900万円 <収益額> 1位・柴尾英令  26億9280万円 2位・岩崎誠    8億1350万円 3位・友清哲くん  7億2700万円  収益額では、柴尾英令くんのほうが優勢で、友清哲くんは最下位だったのだ。 最後 の最後で、貧乏神に上野の博物館を売られていたら、どうなったかわからない展開だ。  いやあ! 壮絶な戦いだった。  この技と技のぶつかり合いは、ビデオに撮影して、発売したいくらいだよ。  お客さんでも思いつかないような技がたくさん出たからね。  おなじカードでも、彼らはまったく違う使い方を考案する。  午後10時。帰宅。  本来なら2日分の戦いを、6時間ぐらいで見てしまったので、もうぐったり!  でも、『全国編』のほうのチューニングは、ほぼOK!  あとは、グラフィックのチェックと、音楽関係の直しをしれば、『全国編』は、完成 と言ってもいいレベルだ。  あとは、『西日本編』のチューニングだ。  またこのメンバーで、テスト・プレイしてもらったほうがよさそうだ。

 

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