6月7日(土)

 いつのまにか、携帯電話の迷惑メールが増えている。
 あれだけ防止してもらったのに、1日、3通、5通と、どんどん増えている。
 すごいね。迷惑メールを阻止しようとするドコモ側と、その網をかいくぐろう
とする悪徳業者の戦い。
 悪徳業者も、そんなに頭いいなら、もっと真っ当な仕事をすればいいのに。

 私の場合、迷惑メールは「件名」に名前が無いと、見ないようにしているので、
私にメールをくれる人は、「件名」に必ず、名前を書いてくださいね。
 …といっても、私にメールを送ることができる人は、10人未満なので、口答
で言って、もうすんでいる。
 でもこの風習は、ぜひ定着してほしい。

 それより、夜中のメール音のほうが、つらい。
 どうも最近、夜中に目が覚めることが多いのは、メール着信音のせいじゃない
のかなあ。なにしろ着メロは、ブラックボンビーの曲だから。

 午前8時。『桃太郎電鉄12〜西日本編』の手直し作業。
 直せども、直せども、まだ直しきれない。
 その大半が、確率の合計の計算ミスとか、誤植だ。
 大勢に影響はないんだけど、直しておかないといけない。
 お役所仕事が苦手な私だけに、けっこうストレス。
 でもほかの人にまかせたら、伝達のために説明する時間で、手直しはすむから、
やっぱり自分で直すしかない。

 TVを見ていたら、「ディズニーシー」で、予告無しで、夜のメインイベント
のときに、ミッキーの代わりに、矢沢永吉さんが、『星に願いを』を歌っていた。
 うむむむっ。矢沢永吉さんは、キャロル時代から好きで、何枚もアルバムも買
っているけど、ディズニー理論では、絶対やらないパターンをついにやってしま
った!

「夢の世界に、現実を絶対持ち込まない!」
 この鉄則を、ディズニーシーが自ら、破るとは!
「小次郎、敗れたり!」くらいのショックだ。

 ミッキーマウスが、おなじ場所、おなじ時間に、ふたりいないようにしている
とか、絶対敷地内から、ほかの現実味を帯びた建物が見えないようにするとか、
ゴミを捨てたら、係りの人が拾いにくるとか、本当に素晴らしいことを徹底して
いたオリエンタルランドらしからぬことだ。
 ちょっと嫌な予感がスタートしてしまった気がする。

 午前11時30分。嫁と、新宿南口「広島夢てらす」へ。

 私は、広島風お好み焼き。  嫁は、穴子炊き込みご飯。

 穴子炊き込みご飯は、新メニュー。  広島、宮島あたりは、穴子がおいしいからねえ。  穴子の味はよかったんだけど、ご飯とまだ合ってない感じ。  そのうち、改善されるだろう。  開店当初、広島風お好み焼きの味がたいしたことなかったのに、そのうちいい 味になったお店だけに、穴子の次回が楽しみ。  食後、新宿駅南口の「みどりの窓口」で、来週の北海道取材旅行のキップを買 う。今年最大1週間の旅なので、体力が持つか、とても心配。  私が、京都に家を持っているのは、地方取材に疲れたら、京都に戻って、体力 を回復すれば、また出陣できるため。  先月の、南紀白浜→京都→大阪→京都→生野銀山→京都。  このパターンは、体力温存、体力回復のローテーションなのだ。  キップを買ったのは、片道2日間分なのに、ものすごい枚数。 「みどりの窓口」のお姉さんも、時刻表を取り出して、営業距離とか、いろいろ 調べて、大変、大変!  このあと、高島屋に寄ったり、カメラのさくらやで、デジカメ用のメモリー・ スティックを買ったり。  1週間ぶっ通しの旅ともなると、メモリー・スティックも足らなくなる。  日記も来週は、1週間お休みですよ。  京都を挟まないから。  午後2時30分。帰宅。  昨日、録画しておいた『マトリックス』を観ながら、いつのまにか、熟睡。  いかん、いかん。  劇場でも観たのに、ほとんどのシーンを忘れているなあ。  最近、どうも観た映画を覚えられない。  クレージー・キャッツの映画なら、いまでもほとんどのシーンを暗記している んだけどなあ。若いときの集中力が無くなって来た…と言いたいところだが、い までも横浜ベイスターズの試合のほとんどは覚えているのだから、集中力のかけ 方の差だろう。  午後4時30分。家族3人で、「スターバックス・コーヒー」へ。  きょうはこれから「小池一夫塾」の開塾式なので、食事をする時間がないとい けないので、とりあえず何かちょっと胃を満たしておこうと、サラダサンドにか ぼちゃスープ。  食後、嫁と「小池一夫塾」に向かおうとすると、娘もついて来るというではな いか。 「見学したいのか?」と聞くと、どうもそうでない。  まさか!  やられた!  してやられた! 「小池一夫塾」の生徒だというではないか! 「ねえ、ねえ、さくちゃん! 私が塾に入ると、孫弟子ってことになるの?」 「違うよ! 私は一期生だから、先輩、後輩だよ!」 「先輩なんだ!」 「目を輝かすな! おまえは後輩だ!」  まったく、まいった展開だ。  かくして親子二代、小池一夫師匠のお世話になることになってしまった。  午後5時。新宿2丁目の東北新社へ。 「おう、さくま! おまえを待ってたんだぞ!」と、小池一夫師匠。 「えっ? 先生、集合は午後5時ですよね!」 「5時だよ。1分前だ!」 「じゃあ、いいんじゃないですか! 先生、せっかちだから!」 「それじゃ、始めるよ!」 「えっ!? 打ち合わせとかは…?」  ぎええええっ。午後5時集合で、30分くらい打ち合わせしてから、開塾式だ と思っていた〜。

 本当にそのまま、開塾式は始まってしまった。  生徒さんは、けっきょく60名募集のところ、80名になってしまったそうだ。  おお! いるいる、コイズミリュウジ!  じつは、テンユウの杉沢義文さんも入塾している。  そして、うちの娘だ。  私の顔を見て、にやにやしている。  やりづらい娘だ…。  講師を務める梶研吾(かじけんご)くん、岡崎武士(おかざきたけし)といっ しょに挨拶。

 午後6時30分。小池一夫師匠の第1回目の講義が始まる。  おお! 25年前に聞いた、キャラクター原論、再びだ。  このキャラクター原論のおかげで、『ジャンプ放送局』も、『桃太郎伝説』も 『桃太郎電鉄』も、『さくま式東海道五十三次』も作られている。  コイズミリュウジがあとで「本当に、『ジャンプ放送局』も、キャラクタ―原 論で出来ていたんですね!」と、興奮していたけど、本当にそうなのよ。  うーーん。昔、教えていただいたキャラクター原論は、進化しているぞ。  この講義を聞いて、いちばん得しちゃうのは、私かもしれないな。はっはっは。  それにしても、あいかわらず小池一夫師匠の話術の巧みさには、舌を巻く。  25年前に、私もかかった集団催眠に、みんなもかかっている。  あの話術に騙されて、私も明日から、漫画原作が書ける気になったもんだ。

 午後8時30分。すごい! 御年67歳の小池一夫師匠は、2時間ノンストッ プでしゃべり通してしまった!  まいりますなあ、あの元気には。  午後9時。私、嫁、娘、杉沢義文さん、コイズミリュウジの5人で、喫茶店で お茶。  案の定、コイズミリュウジが興奮が冷めなくて、「オレ、やるっすよ!」と訳 のわからない言葉を連発している。  杉沢義文さんも興奮している。  うちの娘も興奮している。  興奮しちゃうのよ、ほんとに。  小池一夫師匠が、宗教家じゃなくてよかったよ。  午後10時。帰宅。 『マトリックス』の続きを見ないと。  メイキング・ビデオまで見ているのに、なぜ本編を見ると、眠くなってしまう のだろう。  私も、なんとなくまた漫画の原作を書いてみたくなった。  いかん。これじゃ、コイズミリュウジとおなじだ。

 

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