2月10日(月)

 本日、日帰り大旅行!
 京都から、大阪府を通って、和歌山県まで行く。
『桃太郎電鉄』のMAPでも、7駅分の長さ。
 サイコロ1個では、届かない距離だ。

 午前6時。早起きしなければと思うだけで、遅く寝付いて、早く目が覚めた。
 遠足の朝みたいだ。
 目が覚めてしまったので、『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』のお仕事。
 けっこう根をつめる内容だった。
 仕事を終えて眠くなる頃、出発時間の午前9時になってしまった。
 ひ〜、眠い〜!

 午前9時。ヤサカタクシーの宮本さんが、通称:マツタケ号で迎えに来てくれ
て、そのまますぎやまこういち先生ご夫妻邸へ。
 おお! すでにすぎやまこういち先生ご夫妻が外に出て待っていらっしゃる。
「おはようございます!」
「おはようございす!」
「先生、眠くないんですか?」
「ボクは、元気だよ!」
「う〜〜〜、私は、眠いです!」
 きょうのメンバーが全員揃って、いざ出発!
 ひさびさ「大人の修学旅行」だ。

 名神高速道路京都南インターから、吹田ジャンクションへ向かう。  ここまでは、マツタケを食べに行くときの道だったり、徳島へ向かう道だった りする。けっこう見慣れた景色だ。  エキスポランドの太陽の塔が見えてきた。  天気予報では、晴天だったけど、ちょっと曇り空。  吹田ジャンクションから、近畿自動車道へ。

 外の気温は、どんどん上昇して行く。  関西空港を横に見ながら、車は和歌山県へ。  とたんにミカンの山が増えてくる。  トンネルの入り口には、必ずミカンのタイルが貼ってある。  雄大な景色の紀ノ川を越えて、和歌山、海南(かいなん)市へ。  海南市から、海南湯浅道路へ。  湯浅(ゆあさ)というのは、日本の醤油の発祥地だ。  湯浅から、さらに湯浅御坊(ごぼう)へ。  さすがに遠い。  道も単調。  前を走る車が、どうも居眠り運転をしているようで、かすかに、蛇行してい る。 危険なので、車間距離を取って、ゆっくり走る。  眠くなるのも無理がないような天気だ。  気温は、とうとう15度を越えたらしい。  15度とは、2月の気温じゃない。  体感温度は、間違いなく5月か、6月だ。  先週、真夏で、きょうは初夏。  午後12時。御坊(ごぼう)から、国道42号線に入る。  海沿いを走る。  紀伊半島の海は、金色に光るので、美しい。  広い海が広がる。  気持ちいい。  天気もどんどん晴れてきた。

 午後12時。何のトラブルもなく、南部(みなべ)の「梅干館」へ。  以前私が一度来たことがある場所だ。  梅干の製造過程を見学できる。 「梅太郎」が、イメージ・キャラクターのようだ。

 大型観光バスが何台も停車しているので、梅の販売所は新宿駅のラッシュのよ うな大混雑。  梅の香りよりきついおばちゃんたちの化粧の匂いにむせる。ぐふっ…。  あまりにも臭いので、物産チェック途中で、外に出る。

 ここからお昼ご飯を食べる場所に、苦しむ。  通称:マツタケ号のカーナビが調子悪くて、車が左折し終わると「信号を左に 曲がってください」と、反応が遅い。  旅行ガイドで調べてインプットさせておいたお店も、カーナビは通知せずに通 り過ぎてしまう。  第2希望も通り過ぎて、すぎやまこういち先生自ら、第3希望のお店を入力。  ようやく、カーナビは「あと700メートルです」「あと300メートルです」 「目的地の近辺になりました」と言って、第3希望のお店に着いた。  ただこのお店が、まるでやる気がなくて、とても営業中とは思えないような雰 囲気のお店なので、ほかを探すことにする。  かといって、どのお店にするか当てがあるわけではない。  ついにヤサカタクシーの宮本さんが、南部(みなべ)町の商工会議所に行って、 どこかおいしいお店はないかと聞いてくる。  1軒聞いて、海沿いの「井乃芳(いのよし)」へ。  駐車場の地面が土というのが、すごい。  あちこちに水溜りが出来ている。  うっかりマツタケ号を降りると、水溜りにバシャッ!となりそうだ。  お店も、いわゆる典型的なドライブイン食堂。  あまり味も期待できそうもない。  こういう場合、お店の場所を聞いてきたヤサカタクシーの宮本さんが、妙に責 任を感じてドキドキするものだ。 「ひょっとして、おいしくないお店やったら、どうしよう!」  おいしくなかったら、教えてくれた商工会議所の人の責任なのに。  店内は混んでいる。  傾斜角度45度以上のような急勾配の階段を登らされて、2階へ。  民宿のような畳の部屋だ。  いきなり、お店の人の接客が悪い。 「あ〜〜〜、どないしよう!」と、ヤサカタクシーの宮本さんがドキドキする。  接客の悪いお店で、お刺身を頼んではいけない。  地魚の焼き物なら、安全だろうと、注文する。  ところが「地魚はもうすべて出てしまってないんです!」 「うわああああ…」と、ヤサカタクシーの宮本さんが絶望的な顔をする。  けっきょく、イカの一本寿司、サバの松前寿司、イサキの焼き物定食、カンパ チの焼き物定食、マグロの漬け丼などを注文する。  しばらくして、「あの〜、焼き魚は時間がかかるんですが、よろしいですか」 と言いに来た。ええ〜、でも幸い20分ぐらいというので、待つことに。  気ぜわしいのは、ヤサカタクシーの宮本さん。 「まったく、カラオケでも歌ったろかいな!」と、カラオケ・セットのところに 行く。暑いので、エアコンを切ろうとするが、切れない。 「どないなってんやろ…」  ところが、イカの一本寿司と、サバの松前寿司が来て、食べたら、これがうま いの何の!  ヤサカタクシーの宮本さん、大喜び。 「よかったあ! まずかったら、どないしようかと思った!」

 イサキの焼き物定食、カンパチの焼き物定食もおいしかった。  カンパチは、脂が乗っていて、肉厚で食べでがあった。  味噌汁も、はまぐりが入ったおいしい味。  作家の吉村達也さんが、旅館のまずい料理のことを、「海の幸」ならぬ「海の 不幸」と書いている。  その「海の不幸」に会った紀伊勝浦も近いだけに、このおいしさには私もホッ とする。

 食後、しばらく海を眺めたあと、本来の目的地である南部(みなべ)の梅林に 向かう。  マイカーが増えて来た。  この「南部(みなべ)」という地名。ちょっと油断すると、つい「南部(なん ぶ)」と読んでしまう。  私がこの「南部(みなべ)」を間違えずに読めるようになるまで、2年かかっ た。『桃太郎電鉄』の作者であるから、覚えないといけないのだが、しばらく旅 行ガイドで出くわす期間が空くと、「あれ? この地名、<なんぶ>って読んで はいけないのは覚えているんだけど、何て読むんだったっけ? <みなみべ>じ ゃないしなあ!」というくらい覚えづらい。  午後2時。日本一の梅の里「南部(みなべ)」に到着。  すぎやまこういち先生の奥様に、梅の多さに驚いていただけた。  さっきのお店は、ヤサカタクシーの宮本さんがドキドキしたけど、ここを紹介 したのは私なので、今度は私がドキドキする番だ。 「南部(みなべ)」の梅は「ひと目100万本 香り10里」というくらいで、 見渡せば、100万本の梅が見えて、その香りは10里まで届くといわれている。  その100万本が誇張とは思えないくらい、山という山に背の低い梅が植わっ ている。  1999年3月5日の日記を読めば、私がひとりでここまで来たことが載って いる。まさかあのときの素晴らしい梅林を、もう一度見ることが出来るとは、お もってなかった。  都合よく、もう一度梅の季節に来れるとは、ついている。 「梅ロード」と呼ばれる細い農道を、通称:マツタケ号は、よろよろ登って行 く。 景色はいいけど、高所恐怖症の私は、ちょっと怖い。  山道だから、ぐるぐる道はカーブだらけ。  ちょっと下を覗けば、谷。  午後2時30分。途中の休憩所に到着。  暑い〜! 湿気もなく、気持ちいい。  コートをマツタケ号に置いてきて、なお暑い。  嫁はノースリーブになっている。  私もTシャツ1枚になろうかとおもった。  空気がおいしい。  この空気を缶に詰めて、販売してほしいくらいおいしい。  どこまでも山が続く。  空が青い。

 観光地に行くときの条件がすべて揃ったような天気、景色だ。  休憩所の売店の人によれば、きょうの梅林は満開だそうだ。  ますます素晴らしい。

 休憩所で、「いも餅 500円」を買い食い。  予想をはるかに越えるおいしさだ。  露店のテーブルに、はちみつが備え付けられていて、ポットのお湯で割って飲 めるようになっているのが、おもしろかった。  もちろん試してみるが、まあまあの味で、ちょっと困る。  抜群においしいか、B級の味のほうが、日記の話題にしやすい。

 顔出し看板もミツバチになっていたから、名産なのだろう。  通称:マツタケ号は、さらに細い細い農道の「梅ロード」を行く。  今度は下り坂だ。  うへ〜、下り坂はさらに怖い。  梅がきれいだ。  下り坂が怖い。  梅がきれい。  下り坂が怖い。  ああ、忙しい。  午後3時。道の駅「南部川村うめ振興館」へ。

 下校時間の小学生たちが、トイレの前に、ランドセルを置いて、遊んでいる。  そういえば、きょうは平日だった。  話を聞くと、「ポケモン」の話題をしていた。  思わず「おじさんは、昨日クリアしたぞ!」と会話に加わりたくなる。  道の駅「南部川村うめ振興館」は、3階建て。  どうも3階が、物産販売所のようだ。  石段を登る。  何! 3階が正面入り口。大胆だなあ。  おまけに、入り口には、梅の種で作った観音像が建っていた。  これはすごい。

 道の駅「南部川村うめ振興館」というくらいだから、物産は梅だらけ。  試食できるので、次々に食べる。  酸っぱ〜〜〜!  酸っぱいとわかっていても、試食する。  酸っぱ〜〜〜!  1か月分の梅を食べたような…。

 んん? 何という名前の梅干だ? 「辛子梅太子」? 「辛子明太子」ではなく「辛子梅太子(からしうめたいこ)」だ。  嫁が試食したら、桁外れに酸っぱ辛かったそうだ。  以前、南部(みなべ)に来たとき、ハチミツ梅干を買って帰ったんだけど、き ょうも試食したらおいしかったので、買う。  梅干型のキーホルダーも買う。  指で梅干を押すと、感触が梅干に似ているのが笑える。    梅ソーダのドリンクをその場で飲む。  これがおいしかった。  午後3時30分。帰路に着く。  すっかりいい気持ちになった私は、いびきをかきながら熟睡。  途中、もう一度海沿いの堤防に寄ったような気がするが、あまりよく覚えてい ない。夕方の海は、金色に輝いていたことは、かろじて覚えている。  午後5時。紀ノ川サービスエリアに寄る。  さんま寿司、柿の葉寿司、梅だんご、ミカンまんじゅう、備長炭といった予想 通りのお土産品が並ぶ。  予想通りなので、『桃太郎電鉄』の作者である私は、ホッとする。  新しい商品が開発されて、ずらりと並んでいたら、あわてないといけない。  再び、私はマツタケ号で、うとうと…。  午後7時。予想以上に速いペースで、車は京都南インターに到着。  おお、京都に戻って来たぞ〜、高速を降りて、国道1号線に合流と思った瞬 間、通称マツタケ号の左側ドアを、無理やり後ろから合流してきたライトバン が、バックミラーで、ガリガリガリッ!  おいおい!  何をあせっているんだ、このライトバンは!  たいしたキズではないものの、一応、事故は事故なので、ヤサカタクシーの宮 本さんは、警察を呼ぶ。ヤサカタクシーにも電話して、事故処理の手続きを取る。  迅速で、正確な行動だ。  悪いのは一方的に向こうなので、気は楽なのだが、ラッシュ時だけに、なかな か代車の車が来ない。  ありゃ。パトカーが来るのかとおもったら、ミニバイクでおまわりさんがやっ て来た。村の駐在さんみたいだ。  ほどなく、ヤサカタクシーの車が到着。  ふーーん。事故処理というのは、こういう風にやるんだなあ。  会社というのは、こういう処理を迅速にできる会社が一流なのだろう。  見事な段取りだ。  午後7時30分。ヤサカタクシーの宮本さんは残って、代わりの車で、高辻御 前の和食料理屋さん「魚津(うおづ)屋」さんへ。  ここは、「特に名を秘す京都M」と並ぶ、京都の和食料理屋さんの両横綱だ。  もちろん「嵐山吉兆」は、別格だ。 「嵐山吉兆」は、さすがの我が家も、3年に一度くらいしか行けない。  時期的に「魚津屋」さんなら、松葉蟹か、寒ぶりがあるとおもってきた。  きょうは、松葉蟹だった。

 うまい。ひさびさの「魚津屋」さんは、何もかもうまい!  鴨のつみれと水菜のスープのおいしいこと!

 松葉蟹は、煮て良し。焼いて良し。蟹みそを入れて良し。  うーーーむ。おいしいなあ。ほくほく。  最近は、松葉蟹一匹、一匹に「松葉蟹」の札がついてくるそうだ。  あまりにも牛の表示偽装とかが世間を賑わせているので、対抗策のようだ。  嘘はいかんよ、嘘は。  嘘は絶対にバレる。  う〜〜〜、食った、食った。食べ過ぎた。 「魚津屋」さんで、量を少なく食べようというくらい無理なことはない。  明日から、減量体勢に入らないと本当にやばい。  ダイエットは明日からだ!  午後9時30分。ヤサカタクシーの宮本さんが自家用車で迎えに来てくれて、 帰宅。  いやあ、楽しかったけど、疲れた。  日記を書き始めるけど、はっはっは。文章になっていない。きょうはやめて、 明日書こう。たまにこんな日がある。    風呂に入って、寝る。

 
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