9月21日(土)

 午前6時。エンジン全開中なので、眠りが浅い。
 起きたついでに、『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』の仕様書作り。
 長い間温存しておいたカードを、1軍に引き上げるかどうかを決める、いちば
ん楽しいときだ。
『桃太郎電鉄11〜ブラックボンビー出現の巻!』では、そんなに新しいカードは
少なかったけど、『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』では、一気に10枚ぐらい新
しいカードを登場させるつもり。

 午前10時30分。家族3人で、近所の「ワンズ・バーガー」へ。
 スパム・ライスを食べる気分満点のままお店に行ったので、「すみません。き
ょうはスパム・ライスの材料が無くて作れないんです」の言葉にがっくり。
 ラム・チョップライスにコーヒー。
 けっこうこれも美味しかった。  午後12時10分。家族3人で、東京駅から、京葉線に乗車。  舞浜駅は東京から近いけど、海浜幕張駅って、けっこう遠いんだねえ。  午後12時50分。海浜幕張駅下車。  以前なら、東京ゲームショウのポスターで埋め尽くされていたのに、「恐竜 博」のポスターのほうが、圧倒的に目立つ。  それが、ゲーム業界の現実だろう。  私に言わせれば、ゲームショウはいくらがんばっても、10万人、最大でも 40万人を集めるのが限界だ。  それだったら、そのお金で、民放テレビ局の夜中の番組を買い取って、3時間 ぐらいの特番にして、各企業が選挙演説のように、ゲームを宣伝しまくる番組を 作ったほうが効果があると思う。  2〜3%の視聴率だったとしても、200〜300万人の人が見るわけだ。  ビデオ録画して、複数の人が見ることを考えたら、すごい数になる。  午後1時。幕張メッセの東京ゲームショウ会場へ。  今回のゲームショウは、各ブースも、やみくもにチラシやグッズをあげること をやめて、ゲーム内容をお客さんに伝えようとする姿勢が出てきて、けっこう好 感が持てた。  あと韓国の通信ゲーム・メーカーが多数参加しているのも、時代だねえ。  そろそろ本気で、『桃太郎電鉄』のネット・ゲームを考えてもいい時期かもし れない。  ただそのためには、『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』と、その次の『桃太郎電 鉄U(仮)』をちゃんと作れたらだ! 『桃太郎電鉄11〜ブラックボンビー出現の巻!』、『桃太郎電鉄12(仮)〜地方 編』、『桃太郎電鉄U(仮)』の3本続けて、ハドソンといい関係でゲームが作 れたら、いろいろ発展形に手を出してもいいと思っている。  こういう時代だ。  こまかいところにまで血の通ったゲーム作りができるようになるまで、決して 動かない。いま、粗製濫造の作品を作ると、間違いなくそのゲームは、地上から 永遠に消えてしまう。そういう時期だ。  ハドソンのブースに顔を出す。 『桃太郎電鉄11〜ブラックボンビー出現の巻!』の派手なトラックが停まってい た。ゲームを楽しんでいる人たちは、あきらかに東京ゲームショウのなかでは、 異質な人たちだ。  東京ゲームショウの最大多数は、コスプレの女の子たちが、闊歩し、ポーズを 取って、その姿をカメラ小僧たちが撮影している。そんな人たちだ。その場面が 多いなかにあって、『桃太郎電鉄11〜ブラックボンビー出現の巻!』に興じてい る人たちだけが、ごくふつうのお客さんたちだ。しかも家族連れ。  もはや『桃太郎電鉄』のお客さんと、東京ゲームショウのお客さんは、まった く違うということが、よくわかった。
 午後1時30分。東京ゲームショウの入り口脇のかなり広いスペースに、テー ブルとイスが置いてあって、オープン・カフェみたいになっているので、ここで 『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』の仕様書作りを始める。  いまはエンジン全開頭になっているので、1分1秒たりとも、『桃太郎電鉄12 (仮)〜地方編』のことを考えていたい。  新作カードの手直しを、少し曇り空の下で、始める。  けっこう風が心地よくて、高原のロッジで、ノートに書きものをしているみた いだ。  午後3時。東京ゲームショウ会場内のハドソンの控え室へ。  浅草キッドのふたりがすでに来ていたので、「水道橋博士、結婚おめでとうご ざいま〜す!」の会話から。  いろいろ結婚話をしようと思ったら、お土産に、「桃太郎電鉄さぬきうどん」 をあげたら、一気に、さぬきうどん談義に突入!  玉袋筋太郎くんは、すっかり讃岐うどんにはまってしまって、今年のお正月の 家族旅行を、わざわざ高松にしたくらい、讃岐うどんファンだそうだ。  何で、こんなに讃岐うどんの話って、盛り上がるんだろうなあ。  ちなみに、水道橋博士は、讃岐うどんに、ひき肉と納豆をかき混ぜて食べる自 家製讃岐うどんが、いちばん美味しいそうだ。この食べ方は、ちょっとやってみ たい。  玉袋筋太郎くんは、「釜玉」一筋で、天ぷらは邪道だそうだ。  高松の「山越(やまごえ)」の味を気に入っているようなので、ついつい「池 上製麺所」を推薦してしまった。  高松でいっしょだった、『桃いろ』の桃太郎ガールズが控え室に挨拶に来た。  旅先で知り合った子たちというのは、たった1回しか会っていないのに、何だ か親しさが濃く感じる。
「桃娘。」と書いて「ももむす」と読ませる予定だったけど「桃娘」と書いて、 「MOMOKO」と読ませることになったそうだ。  でも「ももむす」で定着しちゃうだろうなあ。  午後4時20分。東京ゲームショウのコナミ・ブース。  浅草キッドさん、私、MOMOKOの11人で出演。  会場はとにかく音の洪水で、司会の人の声がまったく聞こえない。  つらい環境だ。
 ここで、あっと驚く今年の秋のビッグ・ニュース3連発!の最後を発表!  11月から、なんとスカイ・パーフェクTVで、毎週土曜日の24時、 午前0時ってことだね。午前0時から、30分間、『桃太郎電鉄ジャパン カップTV』という番組が始まるのだ。  内容は、これはもう念願中の念願だった、桃太郎電鉄を麻雀の中継みたいに放 送する番組なのだ。  しかも、今年大好評だった「桃太郎電鉄ジャパンカップ2002」を発展させ て、地区予選をTVにして、放送してしまうのだ。  地区予選の激戦のさまを見ることができてしまうわけだ。  もちろん、この地区予選には、みんなも参加できるわけだから、ぜひぜひ出場 してほしいものだ。  時間が許せるかぎり、この地区予選も私は見に行ってみようと思っている。  なお、スカイ・パーフェクTVの「ファミリー劇場」というジャンルで 放送するので、ケーブルTVに加入している人は、わざわざスカイ・パーフェ クTVに加入しなくても、見ることができるようだ。  私がジャイアンツひいき番組「G+」とかを見ることができたのは、このケー ブルTVのサービスのせいだったんだなあ。  ようやくわかってきた。  これを機会に、ケーブルTVに加入のほうが、お買い得かも。  うちはケーブルTVのせいで、VAIOの速度が速い。  午後4時50分。ステージ終了。  きょうはまだこれから、築地の浜離宮ホールへ、朝枝信彦さんのコンサートを 見に行くので、スタッフのみなさんに挨拶もそこそこ、空気男爵・柴尾英令くん とうちの家族3人で、海浜幕張駅まで急ぐ。  午後5時。京浜幕張駅に到着、1分後に京葉線マリン・ドリームに乗ることが できた。これはものすごい時間短縮になりそうだ。  午後5時30分。京葉線東京駅を垂直に上がったところのパシフィック・セン チュリー・プレイスのB1にある「エルテ・カフェ」で、食事をする時間を作る ことができた。ふうっ。  アサリとカリフラワーのトマトソース・スパゲティを食べる。  午後6時30分。浜離宮ホールへ。  きょうのコンサートの題名は、「アマデウス・アンサンブル東京 バッハを弾 くよろこび、聴くたのしみ」。  サクマニアの高木明光くん、上原悟くんは、東京ゲームショウで、私のステー ジを見た足で、このホールに駆けつけたそうだ。  私たちとおなじように、必死だったんだねえ。  さて、きょうも仲間の業界人さんたちが来てくれた。  年齢順に、パナソニックeP(イーピー)放送の高田直幸さん。あれ、高田直幸 さんがきょうは最年長か。しかも独身!  空気男爵・柴尾英令くん。  ポニー・キャニオン勤務のけーむらクン。  きょうも遠く長崎から駆けつけた、テレビ長崎の山本耕一アナウンサー。 『特命リサーチX』、『情報ツウ』などを担当している放送作家の野呂エイシロ ウくんが、初登場! 瀬戸内放送『桃いろ』も構成してくれた。  週刊少年サンデー『青春学園』連載中のストロウ・ドッグスのすとろう小泉く ん。    午後7時。コンサート開始。  途中、朝枝信彦さんのヴァイオリンの弦がパン!と切れるアクシデントが発生。  名人は、こういう場合、残りの弦だけで弾き続けるというエピソードを音楽の 本で何度も読んだことがあるけど、実際に見るのは、初めて! すごい!  きょうはちょっとうれしいことがあったんだな。  毎回、毎回、朝枝信彦さんのコンサートを見に来ているけど、私はまだまだク ラシックに関しては、幕下にも入れないほどの、ほんの序の口レベル。  その私が、休憩に入る前の演奏が、いつもとは違う、ただならぬほどいい出来 というのが、わかったのだ。  これって、すごい進歩だと思わない?  やっぱり何でも10回以上味わってみないと、変化に気づくようにならないっ てことだね。  朝枝信彦さんも、この演奏の素晴らしさに相当興奮したのか、駒ヶ根のビート ルズで、第一ヴァイオリンを務めた斎藤真知亜さんの肩を抱いて、喜びを表現し ていた。  そのことが、演奏中にわかったことが、うれしい。  休憩時間。  すぎやまこういち先生が、政治家の柿沢こうじサンの息子さんで、東京都議会 議員の柿沢未途(かきざわ みと)さんを紹介してくださった。  あまりにも縁遠い職業の人だなあ!と思ったら、なんと私のファンだというで はないか。それも『月刊OUT』時代からのファンだというではないか!  私の読者だった人が、東京都議会議員に!  これはすごいことだなあ。  投稿者で、芸能人になった人は、何人かいるけど、政治家さんは初めてだなあ。  ちょっと驚いたあとに、感激。  後半の演奏はさらにすごかった。  朝枝信彦さんの鬼気迫る演奏、天使のようにやさしい演奏。  格の違いを見せつけるような素晴らしさだった。  そんなことも、けっこうわかるようになってきた。  わからないことが、少しずつわかってくる瞬間というのは、楽しい。  午後9時30分。麻布十番の「手羽からもんもん」へ。  メンバーは、高田直幸さん、柴尾英令くん、けーむらクン、山本耕一、野呂エ イシロウくん、すとろう小泉くん、うちの家族。
 もちろん、麻布十番だから、菅沼真理(通称:すがねまチャン)さん、到着!
 恒例、コンサートの後の飲み会だ。  野呂エイシロウくんのような新しい人が参加してくれると、話題が広がって楽 しいねえ。顔ぶれがおなじだと、村社会になってしまって、独特の方言ばかり生 んでしまう。自然と排他的な雰囲気も作ってしまう。  全員にわかる話し方をしないといけない足かせは、けこうつらいけど、大切な ことだ。  そういう意味では、山本耕一のように、長崎にいる人間が加わるというのも、 非常にいい。  たとえば、柴尾英令くんと「『マネーの虎』のあれがさ…」ですむ言い方も、 「耕一、『マネーの虎』って見てる?」という言葉が入らないといけない。  でもこういう気配りを忘れてはいけないので、つねに新しい人を加えていきた いものだ。  午後11時。私は夜更かしできないので、ここらでリタイア。  あとは、酒飲み大魔王の空気男爵が、朝までみんなと飲んでくれたことだろう。  午後11時30分。帰宅。  西武ライオンズが、4年ぶりの優勝。  4年前の対戦相手は、横浜ベイスターズだったんだよ〜、とほほ。  もう10年ぐらい前の話のように思える。  いよいよ私は、明日から、京都ひとり合宿。
 

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