8月10日(土)

 けっきょく昨夜、『ダーク・エンジェルII』を6巻まで全部見てしまった。
『I』ほどの衝撃はないものの、『II』もじゅうぶん楽しい。

 しかし実に、日本的な漫画的なストーリーだ。
 外人さんの趣味が変わって来たのかなあ。
 昔だったら、絶対こんな純愛っぽい(幼稚に近い恋愛の)ストーリーの映画っ
て、向こうでは受け入れられなかったと思うんだけどなあ。
 まるで少年漫画週刊誌のレベルだ。
 そのうち、日本的な映画にするために、日本人の俳優さんたちが、続々向こう
の映画で主役になる日が来るのかな。

 ありゃ。田中真紀子さん、議員を辞職しちゃったんだ。
 本当に小泉内閣っていうのは、人を辞めさせるのが、お仕事なんだねえ。
 政治をやってほしいよ。

 午後12時。家族3人で、品川プリンホテルのショッピング街2Fの「麻布茶
房」へ。
 冷し肉みそうどんとおにぎりのセット。
 うーん…。  駅のそばのチェーン店特有の味だなあ。  四角て大きいおにぎりに、ちょっと美味しさを期待しすぎたようだ。  このあと品川駅の本屋さんに寄ったり、パンを買ったり。  品川駅の構内はいろんなお店があって、ヒマつぶしには最適だ。  午後12時51分。横須賀線の列車が品川駅のホームに滑り込んで来たときに 「あっ!」と思い出した。  きょうの鎌倉駅での待ち合わせ時間は、午後1時だったんだあ!  1時間間違えた!  品川駅でヒマつぶしをしていた場合ではなかったあ!  あわてて、井沢どんすけに電話を入れる。  鈍感な井沢どんすけは、携帯電話にまず気づいてくれない。  すとろう小泉くんに電話して、時間を間違えたことを伝える。  10分で、鎌倉駅に着かないしなあ。  どうすることもできないので、本を読むことにする。 『仕事、三谷幸喜さんの』(三谷幸喜・角川文庫)がおもしろい。  三谷幸喜さんはよく自分の過去の仕事を覚えているなあ。  私は本当に覚えていない。  井沢どんすけから電話が入る。 「遅くなりましたが、いま、鎌倉駅に着きました!」 「井沢! 悪い、こっちはまだ電車のなかだ!」  午後1時30分。鎌倉駅に着く。意外と早く着いた。  小町通りの「不二家」で、井沢どんすけと、ストロウ・ドッグスのふたりには 待っていてもらった。  せっかく人数が多くなったので、不二家のホールケーキLサイズを注文して、 みんなで食べることに。  私の誕生日の日に、この店で、ショートケーキを食べたんだけど、やっぱりホ ールケーキの足元にも及ばない味だったので、雪辱を果たしたかったのだ。  願いがかなった!
 うーーーん。やっぱり不二家のホールケーキは、世界一美味しいなあ。  このあまったる〜〜〜い、ホイップクリームの味。  気泡の多そうなスポンジ。  上品というよりは、下品のほうに針が振れているB級さ加減がいいんだなあ。  大満足〜〜〜ッ!  午後2時30分。鎌倉長谷の仕事場に行き、さっそく試合開始! いや、『桃 太郎電鉄11(仮)』のテスト・プレイ開始!  っていっても、この日記を読んでいる人には、きょうは井沢どんすけに負けた ストロウ・ドッグスのふたりが再戦を求めた試合であることは、誰もが知ってい る。  さっそく3人の決意のほどを聞いてみる。  まずは、井沢どんすけから! 「きょうは防衛しますよ! ディフェンディング・チャンピオンですからね、ボ クは! 400戦無敗をめざしますよ!」 「井沢! 400戦無敗の前に、すでに400敗していないか?」 「えへえへえへっ!」  石川キンテツ! 「きょうこそ本気でやりますよ!」  すとろう小泉! 「きょうから伝説が始まりますよ!」  本当にこの3人、本気というか、真剣なのだ。  ピンポ〜ン! おや、成沢大輔くんがもう到着だ。 「あれ〜? 午後3時の約束だから、遅刻アーティストとしては、午後5時くら いだと思っていたのに。30分も早いじゃないかあ!」 「そろそろ遅刻アーティストを返上しようと思って!」 「とりあえず、しばらくこの3人のプレイをチェックしないといけないので、い っしょに、見ていてくれる?」 「いいですよ!」  というわけで、井沢どんすけストロウ・ドッグスのふたりの因縁の対決はスタ ートした。 「井沢くん、ずいぶん静かだなあ!」 「序盤は大切ですから、真剣に!」 「どうせ最初だけだろ?」 「ええ。まあ、そうなんですけどね。あっ。きょうは違いますよ!」
 さて! 最初の目的地に井沢どんすけが入るのは、もはやお約束のように定着 しているが、きょうも最初の目的地に一番乗りでガッツ・ポーズ! 「やりました! きょうも行けます!」 「井沢、どうせ最初だけなんだろう!」 「いえ。きょうはこのままぶっちぎりで最後まで!」  …という言葉は、5年持たなかった。  4年目の6月。井沢どんすけに、キングボンビーがついた。 「ああああああああああっっっっっっ〜〜〜!」  淋しく井沢どんすけの悲鳴がこだまする。  さらに、もう一度! 「ああああああああああっっっっっっ〜〜〜!」  淋しく井沢どんすけの悲鳴がこだました。  ボンビラス星に向かったのである。  5年目4月。井沢どんすけにゲスト怪獣がついた。 「ぎええええっ! 何でこいつまで!」  5年目8月。井沢どんすけに、キングボンビーがついた。 「ああああああああああっっっっっっ〜〜〜!」  淋しく井沢どんすけの悲鳴が、何度も何度も何度もこだまする。  驚くなかれ、4年〜5年の年間に、キングボンビー2回、ゲスト怪獣が1回つ いたのである。  成沢大輔くんが涙を流して笑っている! 「おもしれ〜〜〜! おもしろすぎる〜〜〜!」  ちなみに2度目のキングボンビーのときなど、1回目の悪行で、井沢どんすけ はボンビラス星に向かった。 「ええ! ま、またかよ〜!」 「そういえば、井沢! ボンビラス星は、スタート地点まで戻ると、地上に帰れ る裏技があるの知ってた?」 「ええっ! そ、そんなのあるんですか?」 「井沢さん! やってみてくださいよ〜!」と、すとろう小泉くん。 「やだよ!」 「何でですか!」 「さくまサンのことだから、絶対うそですよ!」 「テスト・プレイじゃないですか!」と、石川キンテツくん。 「絶対ないもん!」 「井沢! 小学生みたいな怒り方するなよっ!」  井沢どんすけのいうとおり、この裏技は嘘である。  あしからず。  その後も、井沢どんすけは、5枚も持っていた徳政令カードをキングボンビー に捨てられたりして、成沢大輔くんを大いに笑わせた。 「成沢くん! 試合の行方も決定したことだし、仕事の打ち合わせを始めよう か?」と、私。 「そうですね。どんちゃんのビリは決定しましたからね!」 「待ってくださいよ! まだ15年もあるんですから!」  そんなわけで、テスト・プレイを横目で見ながら、成沢大輔くんと、現在進行 中の企画の打ち合わせを始める。  試合のほうは、石川キンテツくんが首位を走る。  午後6時。8年目のデータを保存して、7人で、長谷3丁目の「ココモ」へ。  きょうの海は波が高いので、ウインドウ・サーフィンがたくさん出ていて疾走 している。  ピザにソーセージに、パスタをもっちりもりもり食べる。  午後8時。鎌倉長谷の仕事場に戻り、成沢大輔くんに加わってもらって、4人 でバラエティゲームをテスト・プレイ。  けっこう重要な手直しが見つかった。  午後9時30分。成沢大輔くんが退席。  再び、井沢どんすけとストロウ・ドッグスのふたりの対戦の続き。 「井沢〜〜〜! 妙に静かじゃないか!」 「いえ。今、秘策を練っているところで…」 「ほう! どんな秘策だ?」 「その秘策が、浮かばないんですよねえ!」  はっはっはっ。 「もうダメだあ…」  井沢どんすけ得意の小声で「もうダメだあ…」が出た!  その後、一時、すとろう小泉くんが首位に立つが、再び、石川キンテツくんが 首位に返り咲く。  われらが井沢どんすけは、ミスター・サブマリン。深く潜行したまま。レッ ド・オクトーバー! Uボート! クリムゾン・タイド! イエロー・サブマリ ン! サブマリン707!  しかもそのうち、井沢どんすけはドジラースが出現すると、ストロウ・ドッグ スのふたりに、モモトラマンの出動を要請し始める。 「井沢! モモトラマンカードないのか?」 「無いんですよ〜!」 「だからふたりに頼んでるのか!」 「はい。もう後輩に養われているようなもんですから!」 「井沢! その卑屈な態度をやめろよな!」  しかし、石川キンテツくんにキングボンビーがつくと、真っ先にガッツポーズ をする井沢どんすけであった。 「井沢さ〜ん! あれだけドジラースのときに助けてあげたのに!」 「えへえへえへっ!」 「井沢さん、きょういちばんの笑顔ですよ!」 「いやあ、やっぱり他人につくキングボンビーはね〜!」  しかしさすが首位を行く石川キンテツくん。キングボンビーのサイコロ10個 振りにも耐える。今回、キングボンビーが奪うお金は前よりも…、おっとっと。 NGワード、NGワード。  午前0時。15年目。依然、井沢どんすけが最下位のまま、ストロウ・ドッグ スのふたりが1位・石川キンテツくん、2位・すとろう小泉くんのまま、ついた り、離れたりのまま、夜はふけて行くのであった。  この試合の行方は?
 
さくまNEWS

●9月21日(土)午後7時開演 浜離宮朝日ホール(築地)全席指定6000円
アマデウス・アンサンブル東京--バッハを弾くよろこび、聴くたのしみ--」


※業界の方で鑑賞希望の方は、うちの嫁まで、8月31日(土)までにご連絡ください。
 メールはこちら→sakumacb@za2.so-net.ne.jp

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