7月22日(月)

 午前11時。嫁と、京都ロイヤルホテルをチェック・アウトする菅沼真理(通
称:すがねまチャン)さんを迎えに行く。

 私と嫁と、すがねまチャンの3人で、新京極から錦市場に向かって歩く。
「わ〜! 新京極なんて、中学生の修学旅行以来です! 同級生のIくんが、木
刀を買ってました!」と、すがねまチャン。
 修学旅行生は、なぜ今も昔も、木刀を買ってしまうのだろうなあ。
 京都に来るまでは、自分が木刀を買うという想像をしていなかったと思う。
 京都駅には、木刀を買わせるスイッチがどこかに潜んでいるのだろうか?
 新京極のタレントの生写真を売るお店も、なかなかすたれない。

 午前11時30分。錦市場の「黒豆茶庵」へ。
 丹波の黒豆を売っているお店が、ランチを始めた。
 3日前に、ここで丹波黒豆珈琲を買ったときに、知った。

 3人で「黒豆御膳 1000円」を食べる。
 見事なまでに、黒豆ずくし。

   ・黒豆豆腐。
   ・黒豆納豆の海苔包み揚げ。
   ・黒豆の煮豆。甘〜い!
   ・ちりめんじゃこにも、黒豆が2粒。
   ・黒豆の味噌汁。
   ・黒豆のおこわご飯。
 わずか1000円で、ふつうの人の1年分の黒豆が食べられてしまう。  美味しい。このランチは、いいなあ。  ひとりで来ても、入りやすい。  テーブルの上に、臼(うす)が、どですかでん!と置いてあるのが、気になる。  まさかこんな大きなオブジェを、食卓にわざわざ置くか? 「これって、何のために置いてあるんですか?」 「デザートのわらび餅にかける、黄粉をこれで作っていただきます!」  ほえ〜〜〜! そりゃ、おもしろい。  デザートに、さっそく、わらび餅を注文する。 「すがねまチャン! 引いて! 引いて!」 「昔、臼をを引きすぎたせいで、海がしょっぱくなったという…。ゴリゴリ…。 ゴリゴリ…!」 「ギャグはいいから、すがねまチャン、はい、ポーズ!」 「きりっ!」
 こういう、ひと手間かけた遊びが入るのがいいね。  黒豆を臼で引いて出来上がった黄粉は、刷毛で集めて、茶漉しに落として、わ らび餅の上から、雪のようにかける。
 若い女性に、人気の出そうなお店だ。  食後、錦市場を見物しながら、歩く。  あぢぢ…。あぢぢ…。  店に入れば、エアコンも入っているのだが、きょうの暑さのせいで、どのお店 もクーラーの効きが悪い。  さらに錦市場を歩く。
 すがねまチャンに、お土産用に、打田のお漬物と、佃煮の「おやじなかせ」を 推薦する。  ふわわ…。ふわわ…。  どうも酸欠状態のような症状。  暑さにやられたようだ。    午後12時30分。「イノダコーヒ本店」にピット・イン!  コールコーヒーという、南極の氷をつかったアイス・コーヒーを飲む。
 少し息をつくが、体調の悪さは、悪化する一方。  午後1時。私だけ、京都の仕事場に先に帰る。  昨夜、一度書き上げ、今朝、清書した、7月21日(日)の日記が気に入らな くて、全面的に書き直す。  取材旅行をした日は、身体が相当疲労するので、文章がどうしても間延びして しまう。読み直すと、見事なまでにリズム感がない。    午後2時。嫁と、すがねまチャンが、到着。  しばらくして、日記が完成。  嫁にアップしてもらう。  私は、部屋で、本を読みながら、仮眠。  まだまだ元気な嫁とすがねまチャンは、寺町夷川方面に、散歩にでかける。  午後4時。ありゃ? 柴尾英令くんから電話だ。 「大阪での取材が終わって、いま、『週刊ヤングサンデー』の石川享さんと、新 大阪駅にいます。さくまサンはまだ京都ですか?」 「まだ京都だよ!」 「だったら、今から行っていいですか?」 「そりゃあ、おもしろい! どこか美味しいお店を探しておくよ!」  こういう不測の事態は、大好き!  午後5時30分。かくして、京都麩屋町夷川上ルの洋食屋さん、「はふう」 で、『週刊ヤングサンデー』の編集・石川享くん、カメラマンの陣内康行くん と、柴尾英令くんと、待ち合わせ。  いきなり、総勢6人の会食会。
 初対面のカメラマンの陣内康行くんは、来週、30歳になるという。   おや? ひょっとして?と思ったら、7月29日が誕生日だという。  私とおなじ誕生日ではないか。  きりよく、30歳と、50歳だ。  案の定、陣内康行くんは、『週刊少年ジャンプ』&『北斗の拳』ファン! 『ジャンプ放送局』の大ファンで、コミックスも買っていたという。  多いんだ。30歳前後の男の子は、例外なく、ジャンプっ子だからね。  私はハンバーグ・ステーキのコースを注文する。  ハンバーグって、なかなか美味しいお店が少ないと思わない? 「つばめグリル」、「EDOYA(えどや)」などいくつか浮かぶんだけど、 ハンバーグ専門店というと、「ザ・ハンバーグ」しかない。  ぜひとも、ハンバーグの美味しいお店を教えてほしいものだ。
 この「はふう」のハンバーグは、やっぱり美味しかった。 「はふう」は、お肉料理が全部、美味しい。  だから、このハンバーグの美味しさは想像できた。  ハンバーグのランキングを作るとしたら、ベスト3に入ってしまいそうだ。  それにしても、こうしていつも東京で会ってる人たちで、ご飯を食べている と、ここがまるで東京のように思える。  いまから、新幹線で東京に向かうとは、とても思えない。  午後7時30分。そのまま総勢6人で、京都駅へ。  午後7時43分。のぞみ92号に乗車。  6人なので、一応、3人掛けの席を前後に取るが、みなさん、発車と同時に、 睡眠タイムに突入する。  しかし、いつも思うのだけれど、新幹線の電光掲示板ニュースの文章はムチャ クチャだなあ。「て・に・を・は」が、乱れまくっているから、何を言っている のかわからないことが多い。  文章も短くまとめないといけないし、ニュースが入ったら、すぐ伝えないとい けないのだろうが、もう少し、文章を仕事にしている記事を作ってほしい。  午後10時00分。東京駅に到着。 「はや〜〜〜い! 新幹線は早いですね〜!」と、何にでも驚く、すがねまチャ ンが目を丸くする。  そういえば、「目を皿のようにして…」という言葉があるけど、あれって、お 皿を横から見た構図、要するに、目を細めて見る動作のたとえだと思っていたけ ど、違うんだってね。  丸いお皿のように、目を大きくして見るって、意味なんだってね!  そんな! お皿のように大きな目の人間なんているか!  あっ、前の座席にいた。  柴尾英令くんだ!  午後10時30分。帰宅。  ところで、『桃太郎電鉄』ファンに朗報!  今週の7月25日(木)。午後11時15分からの、テレビ朝日 『プラチナロンドンブーツ』をぜひ見てください!  どんなことが起きるかは、見てのお楽しみ!
 

-(c)2002/SAKUMA-