6月25日(火)

 午前11時。西武新宿線上井草駅前の「細見デンタルクリニック」へ。
 きょうこそ、長い通院生活も最後だ!と意気込んで行ったのだが、とほほ。
まだ口内の左下の歯石を取る作業。ってことは、次回は上の歯石を取るらしい。
ちょっとげんなり。
 しかも左下の歯茎の炎症まで発見されて、飲み薬も渡される。
 こうなったら、意地だ。
 何度でも来てやる!
 どうせこの歯医者に来なければ、生まれ故郷である上井草に来る機会はない。

 午後12時。西武新宿駅へ。雨がしとしと降っているので、サブナード地下街
を伝わって、雨に濡れずに家まで帰ってやろうと目論む。

 上井草までの行き帰りに『十津川警部影を追う』(西村京太郎・徳間書店)を
読む。
 このところ、絶好調の西村京太郎さんだが、今回のは、絶好調を通り越して、
過去の全盛期も吹っ飛ばすような勢いだ。
 何冊か、西村京太郎さんの本を読んだことがある人なら、亀井刑事、北条早苗
刑事、三田村刑事、日下刑事の名前を知ってるだろう。
 あの刑事さんたちが、次々にもう大変なことになってしまうのよ。
 まるでジェームス・キャメロン監督の『ダーク・エンジェル』の第1部・最終
話のような総力戦なのよ。
 最初のうちは、それほどのテンポでもないんだけど、中盤から、走る! 走る! 
十津川警部、ピンチ、ピンチ!の連続! カメさんが、ええっ! そ、そんなこ
とになっちゃうの〜〜〜ッ!

 すごいなあ。何で1930年生まれってことは、今年72歳? そんな年齢の
人が、こんなにパワフルなストーリーを書けちゃうの? 
 しかも昨年から急にこの調子なのよ。
 替え玉が入ったとしても、いきなりこんな作品書けるわけないしなあ。
 西村京太郎さんは、デビュー当時のアナーキーな頃に、すっかり戻ってしまっ
た。

 伊勢丹2Fの「ジュース+カフェ」で、フルーツサンドにコーヒー。
 この喫茶店で、むさぼるように『十津川警部影を追う』(西村京太郎・徳間書
店)を読み終える。ふうっ。すごい。まいった。
 ほんとに、すごい!

 食後、空が晴れたので、伊勢丹前から、バスで、千駄ヶ谷小学校まで。
 バスを降りたとたん、小雨が降りだした。
 メガネがくもる…。
 くそ。あと少しだったのに!

 午後1時30分。帰宅。

 午後2時。空気男爵こと、柴尾英令くんが到着。
「柴尾くん、何で1週間会わなかっただけで、そんな風に体型が変わるの!」
「いいじゃないですか!」
 見れば、お腹がぽっこり!
 ズボンのベルトがお肉のなかにめり込んでいる。
 さすが、空気男爵さま!

 柴尾英令くんと、『桃太郎電鉄11(仮)』の手直し作業。
 いよいよこまかい部分の手直しに入って来たので、ひとりで判断すると危険な
ものは、いっしょに考える。

 しかも、今回の作品の仕様書は、昨年暮れからお正月にかけて書き上げたもの
なので、札幌スタッフから質問が来たときに、その部分のことを、私がすっかり
忘れている!
「いったい、誰が作ったゲームなんですか!」と、柴尾くんの罵声を浴びるが、
忘れてしまったものは仕方が無い。
 スーパーファミコン版の『桃太郎電鉄HAPPY』ぐらいまでは、こまかいと
ころまで覚えていたんだけど、もうCDロムになってからは、飛躍的にいろんな
ことが可能になったおかげで、もう覚えきれないよ!

 さて、ここで問題です。
『桃太郎電鉄X(ばってん)』のスイッチを入れてから、マップ上に出て、最初
のプレイヤーがサイコロを振るまでに、桃太郎くんはどこからどこまでいて、夜
叉姫さんはどこから、どこまでに登場するでしょう?

 ってなことを言われると、けっこうあやふやでしょ?

 それが、私の頭のなかで、過去11本の『桃太郎電鉄』を検索しないといけな
いわけですよ。その間も、いちから作り直したオープングというのも、記憶に残
っている。

 第2問です。
 ぶっとばしカードで、プレイヤーをぶっ飛ばした場合、飛ばされたプレイヤー
は目的地の駅にぶっ飛んでしまうことがあるのでしょうか? 無いのでしょうか? 
あるとして、それはホールイン・ワンの判定になって、副賞のカードをもらえる
でしょうか?

 はっはっは。頭痛くなってくるでしょ?
 答えは、仕様書を何ヶ所も見ないといけないから、試してみて! 私は古今無
双の横着者!

 午後6時30分。嫁と柴尾英令くんと3人で、近所の沖縄料理屋さん「藹藹
(あいあい)」へ。沖縄そーきそばに、ミミガーに、紫いもコロッケに、沖縄焼
きそばなど…。
 
 午後7時30分。自宅に戻って、W杯「韓国×ドイツ」戦が始まるまで、『桃
太郎電鉄11(仮)』の手直し作業を続ける。

 午後8時30分。W杯「韓国×ドイツ」戦、キックオフ!
 意外と一方的な展開にならないなあ。
 後半になったら、韓国の選手は足が止まってたね。
 1時間半ぶっ通しで歩くのだって大変なのに、走りっぱなしだもんなあ。
 私がレフト・ウィングだった頃のサッカーなんて、ボールがセンター・ライン
にあったら、戻らなくてもよかったのに、いまは全員で前進して、全員で矢のよ
うに後退するもんなあ!

 それにしても、実況のアナウンサーって、よく選手の名前覚えられるよなあ!
 私なんか、とうとう韓国の選手、アン・ジョンファンしか覚えられなかったも
の。なべやかんとか、雨上がり決死隊の宮迫に似てる選手がいるなあ!としか記
憶出来なかった。

 ドイツが勝った!
 ドイツのキーパー、カーンは本当にすごいねえ!
 ボールを追いかける、追いかけない、ボールを捕りに行く、パンチングで逃げ
るの判断の早いこと! 早いこと!
 あれじゃ、ゴールできまへんがな!

 午後10時30分。柴尾英令くんが帰国、いや帰る。
 私も階下の仕事部屋へ。

 明日は、ハドソンで会議!
 

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