6月18日(火)

 朝から、けっこう激しい雨。
 こんな日に、旅行用キャリーバッグを引きずって、でかけるのは、おっ
くうだ。

 午前11時。嫁と、銀座の「渡辺内科クリニック」へ。
 本日の血圧も、134−86と、すこぶる良好。
「まあ、今のところ、血圧の薬を減らしても、大丈夫のようですね」
「えっ? もう血圧の薬いらない?」…とは、ならず、「この調子を維持
して、ストレスを作らないようにしてください!」とのお答え。
 高血圧の原因はやっぱり、ストレスがいちばん大きいそうだ。
 ストレスを解消法を見つけるといいと言われる。
 音楽を聴くといいとか、スポーツをするといいおか、うちの場合は、う
まいものを食うんだな。毎日食べてるけど。おうっ。だから、血圧下がっ
ているのか。納得!

 午前11時20分。スモーク料理のお店「煙事(えんじ)」で、鶏カレー。
 甘くて、鶏がまた美味しい。
 危ない、危ない、ご飯を残して、終了しないと。

 別にムキになって、ダイエットしているわけではない。
 私と嫁は、身体が小さいから、背が高い人とおなじ量を食べた場合、私
たちのほうが、脂肪燃焼量が少なくて、太ってしまうのだ。

 午後12時。築地のハドソンへ。
 きょうは音楽チームの打ち合わせ。
 メンバーは、池毅(いけたけし)さん、宮路一昭くん、辻邦博さん、札幌
から、佐藤昭洋さん。ハドソン宣伝部の石崎仁英くん。
 サザンオールスターズのベーシスト&ウクレレ伝道師のカズ坊(関口和
之)は、きょうも仙台! おいっ! またW杯見に行ってるんかいっ!!!
 先週、大阪で「日本×チュニジア」戦を見ていたというのに。
 まったくもう。
 まあ、カズ坊(関口和之)もサッカー部だったからな。
 W杯が日本に来ること自体、私たちの年代にとっては、宇宙旅行並みの
かなわぬ夢だったからね。開催どころか、決勝トーナメント進出だもん。
 誰も、カズ坊(関口和之)に文句言えない。
 うらやましいだけ。

 前回の会議で、私がお願いしたアレンジの変更と、追加曲を聴くだけな
ので、簡単にお仕事が終わると思ったら、別の件で、予想外の問題が噴出。
 それも今回『桃太郎電鉄11(仮)』の音楽のクオリティを格段に進歩させ
たんだけど、それが返って、弊害になってしまいそうなのだ。
 
 どういうことかというと、音楽のクオリティを上げることが可能になっ
たせいで、作曲家のみなさんの個性がじゅうぶんに発揮できすぎてしまう
のだ。
 今までは、全員がつかう楽器(オーケストラといったほうがいいかな?)
がいっしょだったので、みなさんの個性がバラバラでも、出来上がりのバ
ランスはほどよい範疇に収まっていた。
 ところが、音楽のクオリティを上げることによって、古い音楽ファンに
向けてたとえるなら、トム・ジョーンズがフルバンドを従えて歌ったあと
のステージに、南こうせつサンがフォークの、生ギターと、ウッドベース
の人だけ、従えて演奏を始めてしまうようなものなのだ。
 今の人向けだと、ブルース・スプリングスティーンのあとに、倉木麻衣
かな?

 要するに、どっちがいいかではなく、異質が目立ちすぎてしまうのだ。
 しかも、ゲーム音楽の場合、突然イベントによって、曲がチェンジして
しまう。
 和田アキ子さんが、歌の1番をフルバンドをバックに歌い、サビの部分
になったら、倉木麻衣さんが、生ギター1本で歌いだすようなものだ。

 その調整をどうするかという難問が生まれてしまったのだ。
 豪華に作曲家さんを3人もつかっているのは、よかったんだけどねえ。
 さらに、音楽のクオリティを上げられるということは、生演奏も可能に
なってしまう。 ということは、音楽スタジオが必要になってくる。
 バンドの人も入れられるってことになったら、1曲録音するのに、50
0万円かかってしまうなんてことも、ありえるようになってしまうのだ。

 機材の進歩、技術の進歩もいいんだけど、お金がかかりすぎたら、お客
さんの元にまで作品を提供することができなくなってしまう。
 これも、過剰サービスの弊害のひとつだと思うなあ。

 こういった問題は、今後ありうる話なので、近いうちに、仙台にサッカ
ー観戦に行ってしまった人を交えて話し合うことに。

 午後2時。会議終了間際に、ハドソン宣伝部の梶野竜太郎くんが到着し
て、少し会話ののち、音楽スタッフは散会。
 みなさん、自宅で「日本×トルコ」戦を見るために帰る。

 私はこのまま、京都に向かう予定だったんだけど、ここまでマスコミが
騒ぎまくる一戦を見ていないというのは、業界の一員として、まずいぞ!
ということになって、ハドソンに残って、TV観戦することになった。

 午後3時30分。別の会議室に移って、「日本×トルコ」戦を見る。
 石崎仁英くんが近所でお菓子や飲み物を買ってきて、サービスに努める。
 いつのまにやら、大里専務がやって来て、いっしょに観戦。
 梶野竜太郎くん、嫁、佐藤昭洋くんもいっしょ。

 キック・オフ!
 
 トルコの選手の足がおそろしく速い!
 インターセプトがうまいっ!
 日本のパスの通りが悪い。

 あ〜〜〜、1点入っちゃったあっ!

 う〜ん。でも、まだまだ!
 
 前半戦、終了。

 後半戦。やっぱり、三都主を替えてきたか。鋭いぞ、トルシェ。

 それにしても、おもしろいのは石崎仁英くん。
「行け! 行け! そこだ! 蹴れ〜〜〜! ああ! 惜しい!」と叫ぶ
のは、問題ないんだけど、ほとんど「惜しくない場面」を「惜しい!」と
叫んでいる。
 ニッポン人やねえ…、石崎くん。

 午後5時。1−0で、終了。
 でも、誰も文句をいう人がいないくらい、よくがんばったよね!
 あらためて予選で敗退すると思っていたチームが、決勝トーナメントま
で進んだことを喜び、誇り、堪能しなくちゃ。

 あとは、年末の『紅白歌合戦』の審査員に誰がなるかを予想しなくちゃ。
 中田英寿は、誘われても出ないだろうから、稲本だな。マスクをつけて
なら、宮本だな。稲本、または小野。これが私の予想だ。
 ちゃっかりトルシェ監督が出たりして! トルシェが歌謡曲を審査する
んかい!

 午後6時。大里専務にハドソンの車で、東京駅まで送ってもらう。
 嫁とは、別行動。
 単身赴任である。

 午後6時20分。のぞみ87号で、私は京都に向かう。
 新幹線車内は、ガラガラ。
 試合を見終わった人たちでいっぱいになると思ったんだけどなあ。
 ガラガラなので、新幹線はシベリア鉄道かい?と思えるほど、クーラー
効きまくり状態になる。ツンドラ〜ッ!

 空いているのを幸い、キャリーバッグから、VAIOを取り出して、お
仕事開始!
 モーレツ・ビジネスマンですぞ!
 背広着ていないけど。

 午後8時37分。京都駅着。
 京都は晴れている。
 傘がジャマだ。

 午後9時。京都のマンションに到着。
 そうか。先週も京都にいたんだ。
 新幹線通勤かい?

 たしかに明日から、新幹線通勤のようなものだな。
 先週に引き続き、日帰り小旅行開始!
 

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