5月18日(土)

『ハリー・ポッターと賢者の石』は、おもしろかったよ。
『スター・ウォーズ』の1作目の匂いがするね。
『エピソードI』じゃなくて、『エピソードIV』ね。

 午前11時30分。嫁と、伊勢丹の「アフタヌーンティー」へ。
 鮭とブロッコリーのホワイト・ソースにコーヒー。

 午後2時。帰宅。
『桃太郎電鉄11(仮)』の仕様書の手直し。

 午後3時。井沢どんすけが来る。
『桃太郎電鉄11(仮)』のテスト・プレイ。
 あるイベントの細部について、気になっていることがあったので、井沢
どんすけに何度もおなじイベントをやってもらう。8分の1の確率のイベ
ントなので、順調に行けば、8回サイコロを振れば、そのイベントは発生
するはずなのだ。
 ところが、50回振っても、お目当てのイベントは、発生しない。
 それどころか、16分の1の確率のレア・イベントを井沢どんすけは、
何度も発生させてしまう。
「井沢〜〜〜! もう1時間半になるぞ〜!」
「う〜ん。出ませんね〜!」
 どうもこの井沢どんすけという男、いい方にも、悪い方にも、確率の低
いイベントを発生させることで有名なのだが、きょうはその能力が仇にな
っている。
 ど真ん中の球を打てないプロ野球選手みたいだ。
「井沢〜〜〜! そろそろでかけないといけない時間なんだけど…」
「さくまサン! 16年目以降じゃないと、発生しないとか、縛(しば)
りが入っているんじゃないですかね?」
「何言ってるんだよ。オレが作ったゲームなんだから、間違えようがない
よ! 現にこうして、仕様書見ながら、待ってるんだから!」
「そうですかねえ! 出ない…あっ。これですか!」
「そうだ、それ!」
「行きますよ!」
「行け!」
「行きます! それっ!」
「何だ。予想通りだな!」
「そんな! これを見るためだけにずっと、ボクはサイコロを振っていた
ってことですか?」
「そういうものだ。ゲーム作りは! でかけるぞ!」
「はい!」

 午後5時。嫁と、井沢どんすけと、3人で、新橋の牛かつのお店「おか
田」へ。
 しかし、お店はシャッターが閉まっていて、開く様子がない。
 土曜日に来たのは、初めてだ。
 ひょっとすると、休業日?

 仕方なく、銀座8丁目まで歩き、うどんの「木屋」で、磯天おろしうど
ん。
 けっこう美味しかった。
 
 午後6時。築地の浜離宮ホールへ。
 おなじみ朝枝信彦さん率いる、アマデウス・アンサンブル東京のコンサ
ートだ。 きょうも、たくさんの仲間が集まった。

 『DAN DOH!! Xi』でおなじみの漫画家・万乗大智くん。パナソニックの
高田直幸さん。作曲家の宮路一昭くんが、子どもを連れて来た。小学校2
年生には、ちょっとつらいんじゃない? 英才教育?
 ゲームライターの野安ゆきおクン。ポニーキャニオン勤務のけーむらク
ン。電通勤務の柿添尚弘くんと、婚約者さん。ゲーム『どこでもいっしょ』
のディレクター・南治一徳さん。フリーライターの友清哲くんと、婚約者
さん。前回に続いて、朝枝さんのコンサート連続鑑賞の、ストロウ・ドッ
グスのすとろう小泉くんに、石川キンテツくん。うちの娘と、娘の先輩の
大川くん。
 例によって、年齢がバラバラなら、職業も、バラバラ。

 会場には、大阪からわざわざ、サクマニアの高木明光くんも来ていた。
 それと、この日記を読んでいる人には、私がいろんな場所で、ばったり
知り合いに会う「ばったり病」は、有名だと思うが、まさか、きょう、こ
の会場で、ばったり病が発揮されるとは思わなかった。
 大学時代の同級生・青山くんである。
 私の同級生というよりも、ムサシノ広告の伊東正義の同級生という言い
方のほうが正しい。伊東正義よ! あの青山くんに、会場で会っちゃった
よ〜! 

 さて、コンサートのほうはといえば、私は相も変わらず、ちっとも理解
力のアップしない門前の小僧ではあるが、やっぱり、映画『アマデウス』
を見たあとだけに、過去のどのコンサートよりも、身近なものに感じられ
た。
 薄皮が一枚剥がれた感じだね。
 
 とくに今回のコンサートは、ファゴットの音色に魅了された。
 ファゴットっていうのは、私が子どもの頃は、バス―ンと言っていた楽
器だ。木管楽器としては、低音部を強調するときに、つかう楽器の印象が
強かっただけに、まさかこんなに、かわいらしくて、伸びのある高音部を
奏でることができるなんて、まったく知らなかった。

 ファゴット独奏の岡崎耕治さんが、また音色にぴったりの風貌で、ちょ
っと斜めに、ちょうど英語の筆記体の「h」のように身体をかしげて吹く
様が、チャーミングだった。

 休憩時間。
 クラシック・コンサート初挑戦で緊張する井沢どんすけに話し掛ける。
「井沢〜〜〜、どうだったあ?」
「大丈夫です。寝てませんよ!」
「おまえの基準は、寝たか、寝なかったなのかよ!」
「いえ、心にビリビリ響きました!」
「ほんとかあ?」
 ちょっと、怪しい。

 午後10時。さすがに子どもを連れて来た宮路一昭くんが、親子でリタ
イアしただけで、なんとそのまま総勢16名で、神宮前3丁目の「ブルド
ッグ」へ。
 もはや、コンサートの後は、ここで飲み会になるのが、恒例になって来
た。
 あっちで、こっちで、あれこれ、業界話やら、井沢どんすけが『ラクガ キ天国』で、非常にお下劣な絵を描いたという話で、盛り上がる。    午前0時。ストロウ・ドッグスのふたりの「毎日の生活、厳しいッスよ 〜!」を聞き始めたところで、タイム・アップ。私は壮年シンデレラ。午 前0時には、寝ないと、身体に悪い。  二次会に行ったグループもあるかもしれないけれど、私はそのまま、帰 宅。  もちろん、横浜ベイスターズが、11連敗を喫したことは、途中携帯電 話で知っている。三浦が好投したのに、なぜ答えてあげぬ。  めざせ! 30連敗!  30連敗まで、あと19!
 

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