4月13日(土)

 午前10時30分。嫁と、寺町通りの「進々堂」へ。
 ブレックファーストのセットだ。

 食後、マンションの管理人さん・久野さんから、きょうは京都御所が一
般公開されているという情報をもらったので、寺町を北上して、京都御所
まで歩いて行くことにする。

 途中、寺町丸田町あたりに、「横井小楠(よこいしょうなん)殉節跡」
という石碑が立っていた。
 明治維新の有名人・横井小楠(よこいしょうなん)だ。
 しかし「殉節(じゅんせつ)」とは、どういう意味だろう。
 あとで、国語辞典で調べてみたけど、載っていない。
 インターネットで調べると、どうやら、暗殺された場所という意味のよ
うだ。
 どうも歴史というのは、こういう「スカした単語」をつかう悪い癖があ
る。
 石碑を建てて、歴史に興味を持ってもらうのが目的なのに、小難しい単
語づかいで、歴史離れを助長してど〜する。

 午後11時30分。ひ〜〜〜、京都御所の玉砂利を歩いたので、思い切
り足がだるくなる。でもまだ京都御所の入口まで、たどり着いていないの
だよ〜!
 別に、どうしても、京都御所が見たいわけではないんだけど、年に2回 しか見ることができないものだからね。  しかもこの一般公開は、妙にゴールデン・ウィークとか、紅葉の時期を 外すからなあ。本当はあまり見せたくないんだろうなあ。  見られないと思うと、見たくなるのが、人間の本能だ。  途中で、妙なものを見た。  砂利道に、一本の長い筋が走っている。どこまでも真っ直ぐ走っている。  嫁がこの不思議な道のことを知っていた。 「自転車の轍(わだち)」と呼ばれているで、京都御所を自転車で横切る 市民たちが、玉砂利を走るのがつらいので、みなおなじ細い道を通って道 ができたというのだ。  なるほどねえ。あっ。本当に自転車が走って来た。おもしろい!
 それにしても、玉砂利の道を歩くのは、つらい。  濃いグレーの靴が、もうすっかり真っ白になっている。  ほかの観光客の人たちの靴も、みんな真っ白だ。  玉砂利の道を、警護の車が周回していた。 「皇宮警察」と、車の横に印字されている。車種は、トヨタのスターレッ トだったような気がする。最近の車の名前はよくわからん。  こういうオリジナルな自動車に興味がある。  御所専用の消防車があった。  あまり赤くない配色に、何か理由でもあるのだろうか。
 ようやく、京都御所の入口まで来た。  ひや〜〜〜、ものすごい数の人間だなあ。
 入場料無料のまま、長い行列の後ろから、牛歩戦術のように、ゆっくり、 ゆっくり進んで行く。この長い行列は、途中で引き返せないようだ。  清涼殿に、人形が昔の衣装を着て、立っていたりする。  私たちは流れの遅い川の魚のように、流れに従って、黙々と歩く。  京都御所だからといって、特別美しい庭園が広がっているわけではない。
 健礼(けんれい)門近くの広い場所で、蹴鞠(けまり)をやっていた。  この蹴鞠(けまり)を見ることができたのが、よかったな。
 あとは、ずっと行列を見物に行ったようだ。  京都では、「御所を見に行って来た」というと、必ず「ぎょうさん、人 がおったでしょう!」と返ってくるくらい、人が多いことで有名なようだ。  私もはっきりいって、行列の人たちしか覚えていない。  紫宸殿(ししんでん)は、正門のことだなあ程度の知識しかない。
京都御所内の古〜い看板 と 便乗商売のにぎわい
 午後12時30分。必死に御所を歩き切って、蛤(はまぐり)御門から 出て、和菓子の「虎屋茶寮」まで、よれよれになりながら歩く。  ふうっ。昨日あれだけ歩いたのに、またこんなに歩く必要なかったよ。  でも抹茶と和菓子が美味しく感じられたから、満足、満足。
 午後1時。京都のマンションに戻る。  ここで嫁は、帰京。  私は京都に残って、ひたすら日記を書く。  ちょっと取材を欲張りすぎたので、書いても、書いても、書き切れない。  しかも浜田駅から乗った観光タクシーの運転手がいいかげんなので、あ の運転手がくれた情報すべてに対して、インターネットなどで裏付け捜査 をしないと、嘘を書くはめになってしまうので、ふだんの日記より相当つ らい執筆となってしまった。  おまけに、午後2時から、TVで横浜ベイスターズ対阪神タイガースの 中継を始まったものだから、TVも見ないといけない!  接線になったものだから、よけい執筆時間が減る。  午後6時。よっしゃあ! 横浜ベイスターズ、怒涛の今期3勝目!  とほほ…。  横浜ベイスターズが勝つ瞬間を見るのは、今シーズンは初めてかもしれ ないなあ。  晩御飯は、パン食。2日間の取材先で、たくさん試食を繰り返したので、 胃が荒れている。口内炎ができる寸前。粗食にして、整腸させよう。  夜も、ずっと日記の執筆。  日記のせいで、仕事ができないよ〜!
 

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