12月18日(火)

 午前6時。iモード・ゲーム用の毎月エッセイを書き始める。
 そろそろ今週末から、京都に行って年越しをするので、東京にいる間に
やらなければいけないことを、あれこれ片づけておきたい。

 午前11時30分。天下無敵の素浪人、元ナムコの岸本好弘(きっしい)
さんが遊びに来る。
 家族3人+きっしいサンの4人で、「おけいすし」へ。

 食後、自宅に戻って、私ときっしいサンは、日本地図を見ながら、あそ
こへ行った、あそこはよかった。今度はここに行きたいということを延々
語り合う。
 40歳を過ぎたおっさんがふたり、日本地図を見ている様は、さぞかし
異様だと思う。その証拠に、脇でふたりの会話を聞いていた、うちの娘が
黙って席を立った。

 午後4時。今朝、博多にいた柴尾英令くんが、羽田空港から直行で、到
着する。
 続いて、土居ちゃん(土居孝幸)も昨日に続いて、緊急到着。

 つい先日も書いたと思うが、こっちの都合を省みず、ハドソンは来年も
『桃太郎電鉄』を作れという。しかし、言ったきり、その後ずっと何の連
絡も無いのだ。
 作家と編集者の関係は、なかなか作品を書かない作家をいかにして、編
集者が書かせるかが、技の見せ所だ。
 ところがハドソンという会社は、こっちが催促しないかぎり、何もしな
い。
 しかも現在、まだ次回作の契約もしていないから、こっちは仕事をしな
くてもいいのだが、いざ始まると、発売日は絶対に動かさない。平気で遅
らせるゲームもあるくせになあ…。

 けっきょく、仕事をしないと、こっちが被害を被るだけなのである。
 だから、きょうこうやって『桃太郎電鉄』の首脳陣である、土居ちゃん
(土居孝幸)、柴尾英令くんに緊急招集をかけて来てもらうはめになるの
である。
 でないと、みんな忙しいから、もう年内集まることができない。

 もう契約書を交わす前に、仕事を始めるパターンを何とかしてほしいな
あ。
「どんなことがあっても、お客さん第一に考えろ!」という『週刊少年ジ
ャンプ』の鉄の掟が呪わしいときがある。
 鉄の掟を守って来たからこそ、『桃太郎電鉄』は15年間も続いて来た
と思うのだが。

午後7時。土居ちゃん、柴尾英令くん、私、嫁の4人で、六本木の「香妃
園(こうひえん)」へ。

「きょうのこの食事は、仕事納めになるのかな?」と、土居ちゃん。
「たぶん、これが仕事始めだよ!」と、私。
「わっはっはっは。本当に信じられない仕事の仕方ですよね!」と、柴尾
英令くん。

 午後9時。帰宅。
 そんなわけで、本日より『桃太郎電鉄11(仮)』の仕事を始める。
 契約書を交わしていないんだから、まだ仕事しなくてもいいんだけどねえ。
はあ…。

 

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