12月7日(金)

 いまインターネットで、どの新聞社もホームページを開設している。
 たとえば野村サッチーの逮捕について知りたければ、インターネットで
新聞社のサイトを見れば、最新情報がわかる。
 でもここにかかる費用は、電話代だけである。
 新聞社には、1円も入らない。

 新聞社は宣伝になると思って開設しているのだろうけど、見る側として
は、その新聞社のホームページが充実しているからといって、その新聞を
購読しようと思うだろうか。
 むしろ、ホームページの充実は、ますます新聞はいらないと気づかせる
だけではないかだろうか。
 
 私は毎朝、かかさず神奈川新聞の「デイリー・ベイスターズ」というサ
イトを見ている。横浜ベイスターズの最新情報が必ず載っているので、う
れしいかぎりだ。でもだからといって、うちは原宿に家があるから、神奈
川新聞など取りたくても取れない。
 これが、1回10円でも徴収すれば、1日100万アクセスで、100
0万円の収入になる。これなら新聞社もひとりぐらい専業の人間を起用し
ても赤字にならないだろうに。
 
 でも、インターネットはどこでも無料でスタートしてしまっているから、
誰もお金を払うということを考えつきもしない。

 新聞だけでない。漫画家さんの日記ページなどでよく見かけるが、それ
までは漫画作品を買ってくれていたのに、日記を無料で毎日読めるように
なると、今度は漫画作品を買わなくなってしまうらしい。
 漫画家さんはファンのためと思って、身銭と労力をつかって、日記を書
く。
 その結果、作品が売れなくなるなんて、意味が無い。
 
 この12月で、私のホームページもとうとう4年目になる。
 始めた当初、物珍しいし、おもしろいメディアであるから、やってみた。
 確かに、日記を通じて、知り合いになった人は多いので、業界的には
うまくホームページを利用した側の人間だと思う。

 でもやっぱり、当初、目論んでいた、インディーズ系の雑誌にまで発展
するという読みは、インターネットの無料閲覧で、どうにも動かないとい
うことが確定した気がする。

 たとえば、なかむら治彦くんのドラゴンズ漫画を、1回10円の閲覧に
して、1ヶ月のべ3万人の人が見るようになったら、なかむら治彦くんは
30万円の原稿料を手にすることができる。30万円では少ないと思うが、
まあ、単純計算だ。
 で、こういうことが定着すれば、出版社いらずの雑誌サイトが作れて、
同人誌より1ランク上の活動ができて、有能なる才能を持ったアーティス
トが生まれると思ったのだ。

 無理だったねえ。どうにも。

 気がつけば、無料メールマガジンがたくさん出来ちゃってるくらいだか
らね。
 そんなわけで、今月いっぱいで、宮路一昭くん、なかむら治彦くん、古
川知子のサイトを終了させていただこうと思っています。
 彼らを応援してくださったみなさん、ありがとうございます!

 宮路一昭くんは、来年自分でホームページを立ち上げるそうです。
 あっ。福本岳史くんのサイトも終了させようと思ったんだけど、「やら
せてください!」と言ってくるに決まっているので、続ける予定です。福
ちゃんをやめさせることのほうが相当パワーがいると思うんでね。福ちゃ
ん、やめたかったら言ってね。へへへ。

 午後12時。嫁と、原宿の「八竹(はちく)」へ。
 引っ越した当初はこのお店によく来たんだけど、最近ちょっと存在を忘
れていた。老舗の大阪寿司のお店だ。
 ここの玉子が、なんとも絹のようにふわふわで、甘々で、美味しいのだ。  巾着、鯵の黄味ずし、穴子キュウリ巻きなどを食べて、お腹いっぱい。  午後1時。原宿ラフォーレの近くの喫茶店「コロンバン」で、ユイ音楽 工房のだじゃれ王・篠宮勝さん、ムサシノ広告の伊東正義と打ち合わせ。  いろいろ内密のお話。     午後3時。自宅にて、DVDで映画『シャレード』を観る。  まだマイ・ブームのオードリー・ヘップバーン熱は続いている。  しかも集め始めたときに、新宿高島屋のHMVでビデオ版で見かけて、 近いうちに買えばいいやと、そこからずっと1年近く手に入らずにいたら、 DVDで出てしまった映画だけに、早く観たかった。  いやあ、オードリー・ヘップバーンはやっぱりパリが似合うなあ。しか もサスペンスにコメディが加わると、もう定番中の定番作品になって、安 心して見ていられる。共演はあいかわらず豪華だ。ケーリー・グラントに、 ジェームス・コバーン。ウォルター・マッソー。  ジェームス・コバーンの映画は昔、よく見たなあ。 『荒野の七人』、『大脱走』、『コンバット(TV版)』、『電撃フリン トGOGO作戦』といった作品があったなあ。いわゆる出演者に彼がいた ら、観る動機になるような俳優だった。  だから、やっぱりこの映画も観たことのある作品だった。ところどころ 妙に知ってるシーンが出てくると思ったら、やっぱり私は当時、オードリ ー・ヘップバーン目当てではなく、ジェームス・コバーン目当てで見てい たんだな。  午後6時30分。四谷3丁目の「オーベルジーヌ」の欧風カレーを出前 で頼む。  きょうは嫁も娘もふたりとも風邪を引いているので、こういう出前があ ると助かる。明日は、日帰りで遠出することになっているので、私まで風 邪を引かないように注意しないと。
 

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