9月24日(月)

 えっ? 一昨日の日記の松茸バーガーは、「マクドナルドではなく、
ロッテリアだ!」っていうメールが、10通も来ているの?
 『桃太郎電鉄X(ばってん)〜九州編もあるばい〜』解禁のとき以来の
大反響だなあ。しかし何でみんなそんなにファースト・フード情報にくわ
しいの?
 たしかに私も病気する前は、バーガー別、ナゲット別ランキングなんて
作ってたぐらい好きだったし、詳しかったもんなあ。でもメールを読むと、
松茸バーガーの味はいまいちのようだ。

 午後2時。横浜アリーナ。
 きょうはここで、「徳山昌守VSジョリー・ペニャロサ」の一戦が予定
されている。フライ級の世界タイトル・マッチで、TVでも中継される。
 でも私たちにとって、メイン・イベントは、第3戦の「日高和彦VS
山本大五郎」戦だ。

 私たちというのは、菅沼真理(通称:すがねまチャン)さん、小林千尋
くん、ゆみサン、テンユウの杉沢義文さん、服飾デザイナーの豊福陽一郎
くん、JTBの高橋くん、ライターの友清哲くん、私、嫁、うちの娘。
 そして、佐藤志靖さんと美容室『レ・ザンジュ』のみなさん。

 日高和彦くんは、日本ウエルター級8位のボクサー。佐藤志靖さんを通
じて、知り合いになっただけに、なんだか身内が試合に出るみたいで、ま
だ日高くんの試合が始まってもいないのに、ドキドキ、せわしない。

 午後2時。4回戦の試合が始まる。来てみて初めて知ったが、世界タイ
トル・マッチの前座試合が5〜6試合ぐらい組まれていて、大相撲のよう
に、どの試合が何時に始まるかわからないタイム・スケジュールになって
いる。
 そりゃあ、そうだろう。ボクシングには、KOが付き物だから、5試合
が1分ずつで終ってしまうことだってあるだろう。ヘタすれば、世界チャ
ンピオン戦まで、5時間待つ場合だってある。

 そんなわけで、日高和彦くんの試合が3番目の試合といっても、午後2
時の試合から見ておかないといけない。
 広い横浜アリーナは、もちろんガラガラ。午後7時の世界タイトル・マ
ッチがおめあてのお客さんたちが、5時間前の試合から見る人は少ないは
ずだ。

 1試合目、2試合目と、単調に試合が過ぎて行く。
 いよいよ、3試合目。
 ああ! ドキドキする。15年ほど前に、後楽園ホールで、4回戦ボー
イばかりの試合を見たことがあるけど、あのときは出場選手にひとりも知
り合いもいないから、気楽だった。
 きょうは、日高和彦くんだ。
 いっしょに整体さんに行き、いっしょにご飯を食べ、宴席をともにした
選手の試合というのはもう、お尻むずむず、もどかしい。ああ! 早く見
たいような、見たくないような。いろんなことがまぜこぜになって、もや
もや、ごちゃごちゃ。

 銀色のガウンを身に付けた日高和彦くんが、リングに上がる。軽快なフ
ットワークで、シャドウ・ボクシングを始める。もう私が知ってる、にこ
にこした、人なつこい日高和彦くんの顔ではない。

 カ〜〜〜ン! 1ラウンド開始!
 私はあまりボクシングがくわしくないのだが、日高くんがつねにリング
の中心にいて、相手選手が逃げ回る展開なので、たぶん優勢なのだろう。
ときおり、リング・サイドの関係者から歓声が上がるが、どちらのパンチ
に対する喜びなのか、よくわからない。

 えっ? えっ? えっ?
 もうすぐ1ラウンドが終了というときに、日高くんがダウンを喰らう! 
えっ? えっ? 優勢だったのに。ふうっ。すぐ立ち上がった。よかった。
よかった。手数は日高くんのほうが、圧倒的に多いのに、向こうの選手は、
びくともしないので心配だった。

 カ〜〜〜ン! 第2ラウンド!
 日高くんの対戦は、6回までだから、じょじょに取り戻してくれるとい
いな。
 でも1ラウンド目のダウンは、ポイント的にはけっこう大きな痛手なん
だろうなあ。2ラウンドも、日高くんのほうが優勢。でも相手の一撃がヒ
ットすれば、どんなに優勢でも負けになってしまう。大変なスポーツだ。
 カ〜〜〜ン! 第3ラウンド!  おお〜〜〜! いきなり対戦相手がスリップ! スリップはポイントに ならないのか。期待してしまうぞ。  おお〜〜〜! 今度こそ、ダウンを奪った! 「行け〜〜〜! 行け〜〜〜!」  わが日高和彦応援席の声が大きくなる!  相手がファイティング・ポーズを取る。その一瞬だ。日高くんの左スト レートが決まる! やったあ! ノック・アウトだ! ノック・アウトだ!  2分9秒、KO勝ちだ! やった! やった! 強いぞ! 横浜ベイスタ ーズが勝ったときよりもうれしいぞ!
 日高和彦くんが、シャワーを浴びたらロビーに来るという情報が入った ので、ロビーで待つ。ノック・アウト勝ちだもん。待つほうも気が楽だ。 少しはボクシングの話をして待つが、みんなにとっては力石徹とか、堀口 元気の名前のほうが馴染みがあって、会話のなかにすぐこの名前が出てし まう。どっちも漫画のなかのボクサーでしょうが! 『はじめの一歩』の 主人公をいえるのは、すがねまチャンぐらいのものだ。  日高和彦くんが来た! 拍手! 拍手! 拍手! 「おめでとう! おめでとう!」 「全然、顔腫れていないね〜!」 「すごいなあ、ノック・アウト勝ちだもんなあ!」 「ありがとうございます! 1ラウンド、心配かけてすみませんでした!」  日高くんは、1年近く実戦から遠ざかっていたから、やっぱり第1ラウ ンドではまだ、勘を取り戻せなかったらしいのだ。  相手を冷静に分析していて、絶対勝つつもりでいたのが、頼もしい。
 このまま席にいれば、世界タイトル・マッチを見ることもできるのだが、 世界戦に興味のない人たちは、さっさと帰路に着くことに。もちろん、ペ ーパー・ボクサーでもある友清哲くんや、JTBの高橋くんらは残った。  新横浜駅に向うと、あれ? 向こうから見慣れた顔が! 『ヤングサンデー』編集部の石川享くんではないか!」 「えっ? えっ? もう試合終っちゃったんですかあ? そ、そんな!」 「はっはっは。石川くん、笑わせてくれるなあ! オチだ! きょうの オチになってしまったぞ!」 「いっしょに帰る?」 「横浜アリーナで、待ち合わせしている人がいるんで、行くだけ、行きま す!」 「かわいそうな、石川享くん!」
 実際、私も日高和彦くんの試合がいつから始まるのかわかっていなかっ た。なんとなく午後2時30分ぐらいと聞いていたから、うっかりすると 私たちも見逃したかもしれない。     午後5時。聞けば、新婚の小林千尋くんの奥さん・ゆみサンがきょう誕 生日だというので、それはお祝いせねば!と口実にする。  渋谷に出て「宇和島」へ。メンバーは、テンユウの杉沢さん、すがねま チャン、私と嫁、小林千尋くんと、ゆみサン。  誕生日だから「鯛めし」に「鯛そーめん」だ! めで鯛! 「24歳の誕生日、おめでと〜〜〜!」 「杉沢さ〜ん! 24歳だってさあ。私たちの半分以下の年齢だよ〜!」 「まいりましたな〜!」 
 午後7時。帰宅。巨人対ヤクルト戦をTV中継で見る。  まるで日本シリーズ第7戦のような緊張感だ。  今朝の寒さでまた風邪を引いてしまったようなので、今夜は早々と休む。
 

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