7月28日(土)

 これから旅に出るというのに、朝からお仕事。
『桃太郎電鉄X(仮)』の手直し原稿。

 午後12時。嫁と東京駅。
 新幹線のキップを買って、地下の「S」へ。いつもの「資生堂パーラー」
ではない。最近改装されたお店。このお店の従業員(男)が、『バイオハ
ザード』のゾンビかと思えるほど動作がのろく…いや、間違え。『バイオ
ハザード』のゾンビのほうが、はるかに迅速&敏速に思えるほど、のろく
て、ほとほとまいる。
 こっちは新幹線に乗る前に、食事したいんだから早くしてくれよ!

 とにかく、この男、お店が狭くて座席も10人分ほどしか無いのに、片
付けるのが死ぬほど遅い。カタツムリのほうが早い、という言い方が冗談
にならないほど、遅い。
 あげくに、ベテラン従業員が「もうお客さん、入れていいですか?」と、
この男に言ったら「どうぞ、ご自由に!」と言い返しているではないか!
 何だよ、その、どうぞ、ご自由にとは!
 目上の人に言う言葉か!?
 動作も鈍けりゃ、言葉の使い方も知らん!

 さすがにお店を出るときに、レジのところにいたさっきの老年ベテラン
従業員に「悪いこと言わないから、あの男だけはクビにしたほうがいいで
すよ!」と言ってあげた。ここまで言いたくなるアホ従業員は、初めてだ!

 午後12時52分。のぞみ15号。
 夏休みに入ったので、赤ん坊の泣き声がすさまじい! ギャ〜、ギャ〜、
エ〜ン! ワ〜、ワ〜、ママ〜! うぎゃあ! ワ〜、ワ〜!
 あっちでもこっちでも、ア〜〜〜、ワ〜〜〜、エ〜ン!ギャ〜〜〜!

 一応、泣いたらデッキに連れて行くぐらいの配慮がほしいですなあ、
お母さん方。堂々、席に居座って、泣き放題は、焼肉食べ放題じゃないん
だから、カンベンしてほしいよ!

 JRさん! 頼むから、夏の臨時列車に赤ん坊列車を!

 午後3時10分。京都駅着。
 ここでまたトラブル発生!
 なんと、私の乗車券を、改札口の機械が飲み込んでしまったまま、出て
こないのだ!
「乗車券が出てこない!」と私が言っているのに、八条口の駅員Yは「出
口ですから!」と、頓珍漢なことを言っている。
「特急券が出てこない!」と私が言ったら、私のほうがアホなのだが、乗
車券はまだこの先、四国宇和島まで、買ってあるのだ。だから、乗車券は
機械から出てこないといけない。

 先日、NHK『プロジェクトX』で、この自動改札機のドキュメントを
見たばかりなので、なんだかケチをつけたくない気分。
 
 なのに、このちんちき野郎のYは、女子駅員に機械を開けさせて、1枚、
1枚、キップを探させている。機械のなかには、何100枚も入っている
んだよ。それを、1枚、1枚だよ!
 駅員のY! おまえもいっしょにキップを探せよ!
「いや、私はここを動けないので!」
 だっから、援軍を呼べよ!
 ちなみに、このY! 一度として「すみません!」を言わない。
 そのうち、駅員Yのところに「清算をお願いします!」というお客さん が現れた。するとこの駅員Yは「お〜い! 清算!」と、1枚ずつ数えて る女子駅員に言って、女子駅員は、私たちをほったらかして、駅員室に入 って、そっちの仕事を始めてしまうではないか!  20分以上、待たされる。「お待ちください」もない。 「かわりの乗車券を発行すれば、すむんじゃないの?」  こっちは、同行の嫁が宇和島までの乗車券を持っているんだし、東京駅 で領収書までもらっている。    やっと、乗車券を再発行してくれた…と思ったら、何じゃい、これ!
 わら半紙のような薄手の紙に、手書きかい!  これをずっとこの先、四国まで持って行けってかい!?  自動改札もつかえなくなるじゃないか!  四国は、ほとんどまだこの自動改札がないからいいけど。  まいりました。  八条口の駅員Yにも、まいりました!  失敗は誰にでもある。でも問題は謝り方、対処の仕方で、どうにでもな ると思う。ましてや、そのリカバーっぷりで、永遠の知り合いになること だってある。  何もしない人の暴力が、いちばん性質(たち)が悪い。  午後4時。京都のマンションに到着。  午後6時。京阪七条駅近くの手作り洋食の店「B'arbor(びーず あーぼー)」へ。  このお店は、なんと! 「漫画専門店業界に石田あり!」と言われた、 石田秀雄さんがこの春にオープンさせたお店なのだ。  才能のある人は、何の商売でもできるんだねえ。  石田さんが作り上げた、超ジャンボカツレツのドミグラスソースは、 甘くて、こくがあって、本当に美味しかった。  こういう知り合いが出したお店の味というのは、なかなか評価しづら いものだ。美味しくなくてもホメなきゃいけないし、ホメすぎても嫌味 になる場合があるし、お店の人が慢心する場合だってある。
B'arbor(びーずあーぼー) 下京区七条木屋町東入大宮町469 075-361-5115
 そういう点では、「びーずあーぼー」は、知り合いでなくても、一度 食べたら、ドミグラスソースの美味しさを絶賛すると思う。  聞いたら、相当苦労して、このドミグラスソースを完成させたという。  あそりゃあ、そうだろう。この美味しさだもん!  値段の点でいえば、安くはないけど、洋食屋さんの値段としては妥当 な値段だから、あとはお客さんがこの味に、気がつけば大繁盛間違いな しだ。  講談社の『THE一週間』には秋の京都特集に載るようだから、めで たい!  オムライスも美味しいらしいから、次はオムライスを食べてみよう。  元ナムコのきっしいサン、次に京都に寄ったときには、ぜひ寄ってみ てください! この日記を見て、「ルフ」に行くようになった人も、ぜ ひ一度、こっちのお店の味を食べてみて!  デザートのキャラメルソース・アイスクリームも美味しかったよ。
 食後、石田さんから、開店秘話など聞く。 「何でこんなに美味しいのに、もっと宣伝しなかったんですか? 出版 界に知り合いだって多いのに!」 「いやあ、本当に自信のあるメニューができるまで、よう言われんかっ た! 最近やっと宣伝してもいいと思えるメニューができあがったんや!」
 わかるなあ。私も自信持って、お客さんに出せそうもないゲームは、 発売前に潰したことが何度もあったもんなあ。  すっかり石田さんのお店に長居してしまった。  何だか石田さんが、ジャン・レノみたいに男前になっていたので、 ひと安心。年齢の近い人の転職はやはり気になるものだ。  石田さんのように、長年の食道楽が生かされた形で、転職できるなん て、うらやましい!  午後9時。京都のマンションに戻る。  明日からの取材旅行の準備。  乗車券は、一応、四国宇和島まで買ってあるけど、いつ宇和島に行く のか、本当に宇和島まで行くのかは、例によって、未定!  明日行く場所も、明日起きた時間によって、変わる。  とりあえず欲張って身体を壊さないようにしないとな!  そんなわけで、明日から、しばらく日記はお休み。  きょうは京都なので、日記が書けた。
 

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