5月15日(火)

 連日、NHK「衆議院予算委員会質疑」の国会中継がおもしろくて仕方
がない。
 でも、あいかわらず人のいった言葉に対する揚げ足取りが多いのには、
困ったもんだねえ。
 どうしても議論はいつも「言った」「言わない」に終始してしまうのだ
ろう。大事なことは、いまから、明日からどうするかなのに、ずっと田中
真紀子外務大臣のドタキャンについて、歴史上見たことのない失態だのな
んなのとうるさい。アメリカの国務副長官との会談をキャンセルしてしま
ったことは事実。今後どうすべきかが問題なのに、田中真紀子潰しに邁進
する代議士たちの態度は見苦しい。

 午前中、『桃太郎電鉄X(仮)』の高松の物件を修正。
 今回、四国高松の物件に、銀座「さか田」でおなじみの、生じょうゆう
どん屋を入れておいたんだけど、ここ2回の高松遠征で、セルフうどんの
お店が、主流を占めていることが顕著で、しかも美味しい。
 これは、「セルフうどんの店」に変更するしかない。
 やっぱり現地に行って、取材した情報を『桃太郎電鉄』のなかに織り込
んで行きたいものだ。
 臨時収入にもしたいので、臨時収入のメッセージも変更ののち、ゲーム・
ディレクターの國政修くんに送る。

 午前11時。嫁と新宿の「航海屋ラーメン」へ。
 私はひさびさに、ワンタンメン。
 ここのワンタンは、肉がぎっしり入った、ひそかに美味しいワンタンだ。
 嫁は、このお店の名物「清流めん」。
 和風冷やしラーメンと呼ぶべき、清流めんは、夏の暑いときに食べたら、
絶品の味だ。
 午後1時。帰宅。  旅から帰ったばかりなのに、旅の本をいくつか読む。  梅雨の季節に入る前に、旅行して『桃太郎電鉄』の取材を稼いでおきた いのだ。夏になってしまうと、暑さが身体にこたえるし、秋になると気候 は最高によくなるけど、混む。だからいまの季節が、私にとっていちばん 旅に出るのに楽な季節なのだ。    あるDVD映画を、SF映画と思って、買ってしまった。  きょう見てみたら、なんとアニメであった。  CGなどをつかって悪くはない映画なのだが、いつのまにか見事に熟睡。  夕方、嫁からの電話で起きて、今度は『どら平太』を観る。  四騎の会(黒澤明、木下恵介、市川昆、小林正樹)がかつて映画化しよ うとして果たせなかったシナリオがついに映画化されたものだ。  これだけの巨匠がいっしょに書いた作品なのだから、重苦しい作品なの かと思ったら、これがなんと、痛快娯楽時代劇!  ひとことでいうなら、「遠山の水戸越前」!  とにかく飄々としたスーパーマンなのよ。  腕は立つ! 嘘は平気でつく。荒唐無稽。  下手すれば、B級はおろか、C級にも、D級にもなってしまいそうな内 容を、あの時代の監督お得意の見事な美術で、格調の高い画面に仕上げて いる。  監督は、市川昆さん。「昆」の上に、本来「山」が入るが、フォントに ない。おお! そういえば、「昆」の上に「山」なら、『桃太郎伝説』に 出てくる「こんろんの玉」の「こん」ではないか。  だったら、単語登録してあるはずだぞ。 「崑崙の玉」。うん。この「崑」である。  というわけで、市川崑監督。  市川崑さん、深作欣二さんと、老齢の映画監督がいまもずっと元気な日 本映画界はあまりいいことではないのだが、こういう痛快な映画を撮られ てしまったのでは仕方ない。    しかし役所広司さんという役者の柔軟性の振幅の広さには、驚かされる なあ。  どんな映画で、違ったイメージの役を演じても、みごとに演じ切ってし まう。不思議な役者さんだ。 『どら平太』を、今後、日本の若い映画監督に撮らせていくというのも、 日本映画、いや時代劇映画継承の点でも必要なことではないだろうか。  午後6時。テレビ神奈川にて、横浜ベイスターズ対中日戦を見る。  またしても勝てる試合をわざわざ負ける。  これで4連敗。  打つ手、打つ手がことごとく外れる。  森祗晶監督もつらいだろうなあ。  得点確率の高い作戦を実行しているのに、それを生かせない選手たち。 野球をやるのは選手たちなのに、そのうち采配の批判を受けてしまうのだ ろうなあ。  月末、マリナーズからやってくる27歳のサンダース外野手に期待する しか、いまの横浜ベイスターズには、何の希望もないなあ。名前を変えて、 ローズ選手が戻ってこないかなあ。漫画だったら、覆面をした選手が登場 する場面なのになあ…。  きょうだって、去年中日をやめたはずの出戻りゴメス選手に決勝打を打 たれてるんだからさあ…。  何をいっても、愚痴しか出ない。ぶつぶつ…。ぶつぶつ…。
 

-(c)2001/SAKUMA-