5月11日(金)

 午前9時30分。家族3人、京都駅前のバスセンターへ。ローソクタワー
のある烏丸(からすま)口側。

 なんと! きょうはここから、高速バスで、徳島に行く。
『桃太郎電鉄』の作者としては、電車をつかいたいけど、徳島まで高速バス
なら2時間半で着いてしまうのだ。
 しかもバスだと京都からノンストップで観光地まで直接行けてしまう。
 電車だと、主要駅まで行って、そこからバスかタクシーに乗って、観光地
まで行かないといけないから無駄な時間が多いことはたしかだ。

 高速バスの受付のおっさんのよくわからない言葉を何度も聞きなおしなが
ら、なんとか鳴門公園口というところまでのキップを買う。
 これだけ便利な乗り物が、たったひとりの人間のせいで不快になるのだか
ら、不思議なものだ。
 発車まで少し時間があるので、バスセンター内にある「進々堂」で、カレ
ーパンと珈琲で朝食。ああ! カレーパンよ! ひさしぶりぢゃの〜!
 午前10時10分。阿波エクスプレス5号は、徳島に向けて発車する。  2階建てのバスの2階の最後部の席が私たちの座席だった。  ひとつひとつ独立したひとり用の座席が、横に3席並ぶ。  電車だと、2席×3席だったり、2席×1席だったりするけど、高速バス は、独立横3席。深夜バスを想定している座席構成なんだろうなあ。  横にふたり並ぶ席で、深夜、奥の座席の人が「失礼しますう!」と言って、 トイレに行くのって、難しいもんね。しかも深夜、見知らぬ女性の肩に寄り かかってぐっすり寝てしまったら、大変だ。  よく考えてあるものだ。  名神高速道路から、中国自動車道へと、高速バスは走って行く。  天気がいいのに、高速バスの大きな窓ガラスが掃除していなくて、くもっ ているのが残念。  午前11時48分。神戸淡路鳴門道に入る。渋滞していた道路が一挙に空 いたと思ったら、明石海峡大橋が見えてきた。  無数の船が往来する。  瀬戸内海は、プールのように波がないから、船の通ったあとだけに波がで きる。  明石海峡大橋は、全長3911メートル、海面上の高さ297メートル。  いずれも世界最大だそうだ。  この世界最大を高速バスは、あっというまに3分ほどで通り過ぎてしまう。  室津インターで、7分間の一端停止。トイレ休憩が入る。  天気がいいときの淡路島は、ことさらのどか。
 午後1時36分。大鳴門橋を越えて、京都から初めて停車するバス停 「鳴門公園口」で降りる。  あまりにもあっけない粗末なバス停だ。
 大鳴門橋から、うず潮が見えるから、「あれ?」と疑問を持たないけど、 橋をわたってすぐのところで、ひとりだったら、わびしかっただろうなあ。  初めて見るうず潮は、規模こそ思っていたより広範囲なものの、比較的 おだやか。最大で、直径30メートル、時速20キロぐらいの速度で渦が 回るそうだ。渦は北半球だから、左巻き?  まあ、鳴門のうず潮は、子どもの頃から何度もTVで見てしまっている ので、びっくりするような感動はない。  観光汽船がクイック・ターンなどして、サービスしている。
 バス停の近くの「大鳴門橋架橋記念会館」に行く。  4階建ての記念館は、案の定、館内全体が渦のような螺旋になっている。  桃太郎というと、何でもピンク色にされてしまうのとおなじくらいお約 束だ。渦の形を守ったために、けっこう「順路」の看板が探しづらい。
 パノラマ映画で見せてくれる「うず潮」の秘密や、「大鳴門橋のできる まで」というビデオは、『プロジェクトX』みたいでおもしろかった。  ピアノ線の束を直径1メートルだか、2メートルにして、つり橋を吊る ようだけど、陸地側に入ると、束ねていたピアノ線を放射状に開いて固定 して、張力を分散させているのを見て、人間の英知って果てしないなあ! と感動する。  さらに3Fは、ゲームコーナーになっていて、明石海峡大橋を時間どおり に自転車で渡るとOKみたいなヴァーチャルものがあったり、釣りゲームが あったりと、けっこう盛りだくさん。  最近のこういう記念館は、どこもけっこう充実している。  私が子どもの頃の観光地の記念館たるや、何も展示物がなく、嫌味そうな おばあさんの顔しか覚えずに帰ってしまう場合がほとんどだった。  さて、きょうはこの「大鳴門橋架橋記念会館」の近くにホテルを予約した。  タクシーで行こうとしたが、どこにもいる気配なし。  記念館のおばちゃんに聞くと、すぐそこを降りれば路線バスがあるという。 一瞬例によって、地方の人の「すぐそこ」は、「遠いこと」を思い出したが、 わざわざバスの発車時間を調べてくれて、あと6分あるから、じゅうぶん間 に合うと言ってくれたから、間違いはないだろう。  林のなかの狭い石段を降りて行くと、なるほど路線バスが待っていた。  ほどよく古いバスの車体の出現に、一挙に土曜日のテレビ東京系の旅番組 の気分になる。「早春バスめぐりの旅」って感じかな。もちろん脳内BGM は、『岬めぐり』でしょう。  午後1時36分。路線バス発車。  ぐるりぐるりと曲がった道を降りて行く。 「うずしお汽船乗り場」とか「うずしお感潮船のりば」といった看板が目立 つ。  ということは、何社も「うず潮」の観光船を出していることだな。  これは『桃太郎電鉄』の物件としてつかえるな。  複数競合するお菓子、産業の場合は、許可を取らずにつかえるから助かる のだ。
 地方の路線バスにありがちな遠回りに遠回りを重ねながら、さっき来た道 を戻りつ進んで行く。  午後2時。大毛(おおげ)海岸通りというバス停で降りる。  すぐ目の前の「ルネッサンスリゾートナルト」に到着。  浜辺に建つ南国風のリゾート気分満点のホテルだ。  ちょっとひと休みして、VAIOを繋ぎ、あわてん坊将軍こと、柴尾英令 くんがインストールしてくれた、ハイパーダイヤというソフトを見れば、 JR鳴門駅から徳島駅に向う電車があと、20分で発車してしまうというで はないか! それは困る! この電車に乗りたかったのだ。しかも乗らない といけない理由がある。下手するとこの路線、わずか310円、30分ほど の短い路線なのに、ひとつ乗り遅れると、2時間数10分かかってしまうこ ともあるのだ。  あわてて、嫁と娘に「オレは、JR鳴門駅から徳島に向うから、あとから 徳島駅に来てくれっ!」と言い捨て、フロントに電話して、タクシーを呼ん でもらう。  しかし、フロントロビーに行っても、タクシーが来ていなくて、そこから じりじりと時間が経っていく。  イスに腰掛け、タクシーを待つ。  そのうち、海岸に出てみると言っていた嫁と娘が「あれ? まだいるの?」 という顔で現れる。 「まだタクシー来ないんだよ〜!」  けっきょくタクシーが来たのは、午後2時15分。鳴門駅まで15〜20 分だと聞いている。電車が出るのは、午後2時36分。映画の時限爆弾ぐら いキツキツの時間ではないか! 「運転手さん、申し訳ないけど、電車の時間があるんで急いでもらえますか?」 「何時の電車ですか?」 「午後2時33分…」  もしものことを考えてサバを読む。漫画家さんの原稿の締切日みたいだ。  でも早くしてもらうには、このくらいのほうがいい場合が多い。  車は海岸線をひた走り、小鳴門橋をくるりと回るところに、大きな大きな ビルの壁に、ポカリスエットと、ボンカレーの絵が。オロナミンCの看板も!  そうだ、そうだった! 鳴門は、大塚製薬の発祥地、いまでも鳴門は大塚製 薬の城下町と呼ばれるほど、依存度が高い町だったんだ。 運転手さんに聞いたら、大塚製薬のほかにも、アース製薬、大鵬薬品なども、 鳴門にあるそうだ。なんだか鳴門はやたら物件候補が多い。
 午後2時33分。JR鳴門駅着!  案の定、サバを読んだ時間どおりに着いた! ねっ、そういうもんでしょ?  誰でも時間にだけ間に合わせるからね。こっちはまだキップも買っていない んだよ! 残りあと3分! 『太陽にほえろ!』の音楽、スタート!  必死に走って、窓口で「キップの払い戻しをしてほしい」といっている老 夫婦と、「このキップは払い戻しできないんですよ!」と言っている老車掌 さんのやり取りにじりじりしながら、「徳島まで!」と叫んで、キップを売 ってもらう。
 午後2時36分。みごとに、乗車後3〜5歩、空いてる座席に座ったとた ん、電車が走り出す。  たぶんディーゼル電車2輌編成の電車が、重苦しそうにごとごと音を立て ながら走り出す。しばらく走ったかと思うと、デブの息切れのように、ぶお おおっ!と音を立てて、速度が弱まり、次の駅に停車する。  カメのようにのろい!  10駅程度の距離しかないので、30分ほどで徳島に着くはずなのに、本 当に徳島まで行くのかな? 間違えてないだろうなあ?と心配になるくらい 遅い。  景色も平凡な住宅街を走る。  池谷(いけのたに)駅を過ぎると、徳島と高松を結ぶ、高徳線に入るので、 やっと景色が派手になってくる。  午後3時05分。吉野川を渡る。大きい!  なるほど四国の人が、何かと吉野川を話題にするのが納得できるくらいの 大きな川だ。こういう巨大さは実際に来てみないと、わからないもんだねえ。  車中、『桃太郎電鉄』における鳴門駅の物件名をシミュレーション。 【鳴門】 鳴門わかめ屋・・・・・・・・・・1000万円………50%・・食品 鳴門わかめ屋・・・・・・・・・・1000万円………50%・・食品 鳴門金時畑・・・・・・・・・・・3000万円…………5%・・農林 鳴門金時畑・・・・・・・・・・・3000万円…………5%・・農林 すだち畑・・・・・・・・・・・・5000万円…………5%・・農林 うずしお観光船・・・・・・・・・・・・1億円…………1%・・観光 製薬会社・・・・・・・・・・・・・・・5億円…………1%・・工業 栄養補給飲料工場・・・・・・・・・・15億円…………3%・・工業  最後の「栄養補給飲料工場」が、大塚製薬なんだけど、漢字ばかり8文字 並ぶのは堅苦しい。スポーツドリンク工場だといいんだけど、10文字なの でダメ!  『桃太郎電鉄』の物件名は、9文字がMAX! けっこう毎回この9文字で 苦しめられる。 「栄養飲料工場」なら、6文字だけど、まだ漢字だらけだなあ。 「清涼飲料水工場」なら、7文字。 「スポーツ飲料工場」のほうが、読みやすそうだ。  何かいい名前ないかなあ…。  本当は最初から「オヨヨナミンC工場」って、入れたいんだけど…。  鳴門駅は、鉄道用語でいうと、盲腸線といって、『桃太郎電鉄』でいうと ころの長崎駅のように飛び出た路線なので、ぴったり入りづらくて、目的地 に最適。次々回作あたりで、目的地にしてもいいなあ。  でもローカル版シリーズ・西日本編の目玉として、温存しておきたい気も する。
 午後3時12分。徳島駅着。  いやあ、ついに来た! 徳島駅!  感動! 感激! 感涙! 号泣…まではしないか!  この徳島駅に降り立つことは、私にとって、とても意義のあることなのだ。  実は18歳のときから始めた、国内旅行シリーズ。すでにもう日本全国を 2周も3周もしているのだけれど、47都道府県のうちで、たった1県だけ (沖縄を除く)都道府県庁所在地の駅に降り立っていないのが、この徳島駅 なのだ。  一昨年、すぎやまこういち先生ご夫妻、北岡ご夫妻と高松を訪れた帰りに、 徳島県には来ているのだけど、あのときはマイクロバス。駅には寄っていな い。  とにかく県庁所在地の駅に、電車で着いて、改札口から出たいのだ。  だからこそ、鳴門のホテルから、タクシーまたはバスで徳島まで来てはい けなかったのだ。私だけのこだわりなんだけどね。  バカバカしいルールかもしれないけれど、ただいま私は48歳。18歳か ら始めた都道府県庁所在地の駅にすべて降り立つの偉業をついに、30年間 ぴったんこで達成したのだ! ワーワー! パチパチパチパチ!  いやあ、長かった、長かった!  正確に記憶していないけど、あと残りひとつとなってから、10数年たっ ていると思う。ゲームを作り始める前からだから、15年以上前かも。それ ほど徳島駅は遠かった!  相当うれしかったのだろう。徳島駅の改札口を出ようとして、デジカメを 入れた鉄腕アトムの手提げ袋をさっきの電車に置き忘れて来たことを思い出 す。やっぱり気持ちが、47都道府県達成のほうに行ってしまっていたんだ なあ。  まあ、3ヶ月に一度、どこかに携帯電話を忘れる映画好きのゲームデザイ ナーよりましだと、自分をなぐさめる。  それでも必死に跨線橋を不自由な足で駆け登り、さっきまで乗っていた電 車に飛び込む。  幸い、終着駅だったので、まだ発車せず。ふうっ!     さて、駅ビルのクレメントのB1で、徳島県のお土産品を売っているよう なので、まずは取材! 取材!  おお! これは大漁だあ!  お目当ての品物のオンパレードだ!  まずハレルヤ製菓の「金長(きんちょう)まんじゅう」ね。  この金長まんじゅうというのは、チョコレート饅頭、いわゆる「チョコまん」 を日本で最初に作った会社なのだ。  甘い物好きの私としては、チョコまんは、死刑台に登る前に、バウムクー ヘンとチョコまんのどっちかひとつだけ食べていいと言われたら、困り果て るぐらい好きな食べ物だ。何も死刑台を例に出す必要はないが!
 というわけで、この金長まんじゅうをいきなり試食する。  あとで大量に買う気でいるので、ついつい試食を2片、3片と食べてしま う。  4片食べたら、金長まんじゅう1個分じゃないか!  た、た、食べちゃったよ〜!  と思ったら、もう嫁と娘がもう到着した。  海岸で遊んで、それから部屋に戻って、タクシーで来たという。電車で来 た私とほとんど変わらないではないか! これじゃ電車が衰退するわけだよ なあ。  家族3人で、徳島のお土産品を物色。  さっそく「蒸しまんじゅう」なる美味しそうなものを発見。ピンポン玉を 2回りか3回りくらい小さくしたようなかわいいおまんじゅう。和菓子マニ アなら、「うばたまサイズ」とか、「松露まんじゅう」よりも小さいという と、その大きさがすぐわかるのになあ。
 値段も1個10円。さっそく3人で、3個買って食べる。美味しい! 出 来たてだから、あつあつで美味しい! 電子レンジでチンすればいいと書い てあるから、買おう! 買おう! …と思ったら、このおまんじゅう、日持 ちしないので、明日の朝までしか持たないというではないか! 明日は高松 だ。ホテルの部屋に電子レンジはない。  う〜ん。悔しいけれど、美味しいものは日持ちしないもんだなあ。  ここまで来て、また食べろ!ってことか。
 ほかにも、徳島のお土産品を物色。  すだちプリン、すだちようかん、ぶどうまんじゅうといったお土産品を買 って、東京に送る。  鳴門は、鳴門金時(なるときんとき)と呼ばれるサツマイモの品種の栽培 が有名で、このサツマイモをつかった品物が多い。実際この鳴門金時は、美 味しい。 
 鳴門金時キャンデーなど食べながら、買い物かごに、ひとつふたつと放り 込んでいく。美味しそうなものは、東京に送って、東京で試食するのだ。以 前ならその場で、売り場のほとんどのお土産を買って食べてしまったものだ が、いまどきそんなことができるのは、放送作家兼巨漢タレントの福本岳史 くんか、泥酔時になると満腹中枢が壊れる柴尾英令くんぐらいのものである。  とかいいながら、この家族は、ぱくぱく試食を繰り返して、けっこうお腹 いっぱいの状態。嫁と娘が来る前に美味しそうだなあ!と、私が睨んでいた 和田の屋というお店の「滝のやき餅」にふたりはやっぱり目をつける。
 目の前でおばあちゃんが、ひとつひとつ丁寧に焼いていく、京都上賀茂神 社の前の神馬堂の焼き餅みたいな食べ物。神馬堂のより生地が薄いから、食 感はこっちのほうがよさそうだ。  もうお腹いっぱいになって来たから、買って宅配便しようといったら、こ の「滝のやき餅」も日持ちしないから、宅配できないという。  そこまでいわれちゃあ、この場で食べるしかないでしょう。  カウンター席に座る。  抹茶のセットもあったけど、珈琲のセットもあったので、珈琲にする。 「滝のやき餅」は、抜群の美味しさだったけど、それにもまして、こんな美 味しい珈琲をついぞ飲んだことがない! 舌の上で転がるようななめらかな 味なのだ。このあたりの名水「錦竜水」をつかっているからだという。 「滝のやき餅」が美味しいのも、この「錦竜水」のせいだとお店の人はいう。  「でもそのお水って、どこにも売ってませんよね。売ればいいのに!」とい うと、「この辺のお水は水道水でも美味しいから、わざわざお水を買いませ んよ!」とのこと。  そりゃそうだわな。だったら東京で売ってほしいよ。  腹ごなしに、ポッポ街という不思議な駅前アーケードを歩く。
 午後5時。本日のお目当てのお店「青柳本店」に行く。  あの東京虎ノ門にあって、いまや和食料理では、一、二を争うといわれて いる「青柳」。田中長野県知事を始め、多くの食い道楽が足繁く通うといわ れている「青柳」。かつて絶品の「親子丼」を食べるために、行列に並ぶの が嫌いな私と嫁が並んだ「青柳」。 その「青柳」の本店が実はこの徳島にあったのだ。  本来、今回の旅はひとりで来るつもりだったから、徳島の夜は、徳島ラー メンになる予定だった。どうもこの食い道楽親子は、徳島に行くなら「青柳 本店」があるなと感づいたようである。だからいっしょに行くと言い出した のではあるまいか? 
青柳本店のお料理は画像をクリック!
「青柳本店」は、環境的には、ソープランドの真ん前という劣悪な立地にあ る。でもお店のなかに入れば、別世界。  廊下もすべて、畳張りの上品きわまりない風情に、水がちょろちょろ流れ る音だけが響く。掘りごたつ風の部屋は楽でいい。  じっくり煮込まれた蛸や、鯛に舌鼓をぽんぽこ、ぽんぽこ打ちまくり。  やっぱり「青柳」の味はいいなあ。  奇をてらうのではなく、いい素材を、当たり前のように料理する。  まるで西武ライオンズの全盛期時代のように、火の打ち所のない見事さな のだ。さすがオーナーが、「吉兆」で修行しただけのことはある。 「吉兆」の流れをくむお店の料理は、本当に手堅く堅実な料理を作る。 「守りの野球」ならぬ「守りの料理」だ。  午後7時30分。鳴門の「ルネッサンスリゾートナルト」に戻る。  9Fの展望大浴場で「は〜、極楽! 極楽!」  すだち温泉なら、シャンプーも、すだち風味。  気持ちのいい温泉だ。  お湯が熱すぎず、程よいので、いくらでも入っていられる。  こういう機会は少ないので、しっかり湯に浸かる。  午後9時。TVを見ながら、日記の下書き。長くなるねえ、やっぱり旅先 は。  早く眠りたい…。  目の前の海の音を聴きながら、寝る。  こういう時間って、尊いですの〜!
 

-(c)2001/SAKUMA-