4月16日(月)

 午前11時。嫁と、銀座の渡辺内科クリニックへ。
 本日の血圧、139―100。
 下が高い。
 まだ横浜ベイスターズ最下位独走の後遺症が抜けないみたいだ。
 巨人ファンと違って、4位あたりに漂っている程度で、じゅうぶん心
健やかな毎日なんだけどなあ…。

 午前11時30分。銀座メルサ8F「由庵(いおり)」に初挑戦。
 嫁は、二段わっぱ飯弁当。
鯛の石焼き御膳は、画像無しです。すいません。
 私は、鯛の石焼き御膳。  私のは、鯛をつかった石焼ビビンパみたいな食べ物。  胡麻風味の鯛が、石焼の丼で焦げて、なかなかいい味。  ローテーション入りまでは行かないけど、開幕一軍ベンチ入りといっ たお店だ。  午後1時。築地のハドソン。  きょうから連日『桃太郎02(仮)』のテスト・プレイだ。  月・火・水の3日間が、テスト・プレイの天王山。  木、金で総まとめというスケジュールになっているので、1日、1日 がゲームの行方を左右するとっても重要な毎日。  この数日間、ゲスト・テスト・プレイヤーが続々登場するので、この 日記を読んでいる人にとっては、楽しい毎日。
おや? これはいったいなんだ!?
 さて、きょうは初日からスーパー・テスト・プレイヤーの登場だ。  以前から、来たい! 来たい!と言ってくれていた、アリtoキリギ リスの石井正則くんが、ついに登場だ。  ちょっと反則なぐらい、豪華なテスト・プレイヤーの登場だよねえ!   しかも奥さん・石井愛(かな)との直接対決の好カード。  まるで、高校野球の選手宣誓のすぐあとの第一試合の対決が、PL学 園対横浜高校になってしまったみたいなもんだ。  事実上の決勝戦?  ゲーム・ディレクターの國政修くんが、所用で外出しているので、き ょうの司会進行役は、スっとこどっこいマンこと、石崎仁英くん。ちょ っといいかげん!   はっはっは。いいかげんが石崎仁英くん最大の持ち味なので、悪口で はない。  土居ちゃん(土居孝幸)は、会議室の脇で、『桃太郎電鉄X(仮)』 のイラストを黙々と描いては、私と打ち合わせ。  さっそく、石井夫婦で、『桃太郎02(仮)』のミニゲーム部分を対 決してもらう。  石井正則くん、初見なのに、すぐゲーム内容を飲み込んで、ほいほい 高得点を上げる。くやしがる、石井愛(かな)さん。  石井正則くんも、負けず嫌いだけど、石井愛(かな)さんも負けず嫌 い。  このあとのバトルは、壮絶! 「ううっ!」 「何〜〜〜!」 「うがっ!」 「よかったあ!」 「も、もう1回やろう!」 「やべー! 超失敗だあ!」 「うれしい〜〜〜!」 「これは難しいよ〜!」 「う〜〜〜、くやしい〜!」 「勝ったあ!」 「ボクは目押しが弱いからな〜!」
 恐ろしいのは、ふたりとも「あっ、ダメだ!」とかいいながら、続々、 新記録をマークしてしまうことだ。  しかもふたりがやると、「つまらないかな?」と思っていたゲームも、 おもしろく見えてしまう。  ふつうの人なら考えつかないような、プレイの仕方を考案するのだ。  誰もがこういうプレイヤーなら、ゲームデザイナーは楽で仕方がない んだけどねえ。プレイヤーが何回かプレイしているうちに、気づいてく れるかどうかが、いつも心配。せっかく深みのあるゲームにしても、気 づいてもらえないのは困る。  かといって、あっさり全貌が見えてしまうゲームは、つらい。  その点では、かなりいい出来のようで、ひと安心。  午後3時。柴尾英令くん、到着。
 柴尾英令くんとは、10日ぶりぐらいなのに、ずいぶん長いこと顔を 見ていなかったような気がする。
 ゲームによって、柴尾英令くんと、土居ちゃん、または石崎仁英くん が加わって、4人対決のミニゲームをプレイ。  私は、SEの足らない部分をメモなどして行く。  さすがに、今週でチューニングを決定したいテスト・ロムなだけに、 理解不能な部分が噴出しなかったのは、めでたい。  おかげですっかり会議室は、ゲーム・センターと化したけど、それは それで、作者としては、うれしい限り。  午後4時。先日初めて会った、JTBの高橋秀幸くんが、打ち合わせ にハドソンまで来たのをいいことに、「ちょっとテスト・プレイしてみ ない?」と誘って、ゲームの解説文で理解できない部分がないか?を チェックさせてもらう。  初めてゲームを見る人にわからない文章が並ぶのが、いちばんいけな いことなので、高橋くんみたいな人がいると、助かる。
 しかし、高橋くん、ゲームは好きだとは聞いていたけど、本当にうま い! 「高橋くん、いま、何歳なの?」 「25歳です!」 「25歳だったら、子どもの頃、思い切りアクション・ゲーム全盛の頃 だよね!」 「はい!」 「その頃に、名前が高橋なら、高橋名人って言われてなかった!」 「言われてました!」 「やっぱりね〜〜〜! はっはっは。誰でもいうだろうなあ!」  午後5時すぎ。石井正則くんは、仕事で退席。    残ったメンバーで、さらにテスト・プレイ。  土居ちゃん(土居孝幸)が、ある物をぶつけられると、点数がマイナ スになって、人にぶつけると点数が高くなるゲームというのがあって、 土居ちゃん以外、全員プラスなのに、なぜか毎回、土居ちゃんだけ、マ イナス。  土居ちゃんは、ぶつけられてもいいから、人に物をぶつけたいだけな のが、判明して、大笑い。いかにも土居ちゃんらしいゲームのやり方だ。  午後6時30分。今週は連日テスト・プレイが入っているので、きょ うのところはこの辺で、ストップする。例によって、私の眼精疲労が そろそろ黄色信号。  このまま続けると、ピコン、ピコン!と、カラータイマーが鳴ってし まう。  午後7時。石井愛(かな)さんが来たときは、テスト・プレイ代の代 わりに、穴子を食べさせる決まりになっているけど、毎回築地の「太老 樹(たろうき)」ばかりでは、芸がないので、インターネットで調べた、 穴子専門店に行ってみることにする。私も行くのは初めて。  場所は、三越前駅、室町仲通りにある「あなごの吉五郎」。  わざわざ名前に「あなごの…」とあるのだから、相当味に自信がある のだろう。  メニューにあるわ、あるわ、たくさん穴子料理があるではないか! 「よ〜〜〜し! きょうは、石井愛(かな)さんが、もういいっていう まで、穴子を食べまくろう!」 「うれしい!」 「いいですねえ!」 「かたっぱしから注文するぞ〜〜〜!」  本当に、片っ端から、注文してしまった。  注文した、穴子物を列挙する。 ・穴子の炭火焼三種。  白焼き。  蒲焼。  つけ込み焼き。 ・穴子の蒲焼中華ちまき。 ・たるたる穴子フライ。 ・穴子の天ぷら。 ・穴子のかき揚げ。 ・穴子の骨せんべい。 ・穴子の出し巻き玉子。 ・生穴子にぎり寿司。 ・煮穴子にぎり寿司。 ・穴子蒲焼とろろ。  ど〜〜〜だ!  絶品は、生穴子にぎり寿司。  まるで、ふぐみたいな味で、ぷりぷりしている。  思わずもう1皿、追加注文する。  あっ。言っておくけど、列挙した穴子は、種類がこれだけって意味だか らね。物によっては、何皿も注文してるからね。
 ここまでみんなで、穴子を食べると、自然と笑いっぱなし状態になって しまう。集団催眠状態。こういうバカげたことを楽しそうに付き合ってく れるメンバーって、いいなあ。  これで石井愛(かな)さんも、すっかり桃太郎チームの一員だ!  午後9時。とことん食べ尽くして、全員お腹いっぱいになって、お開き。  午後9時30分。帰宅。  きょう、またちょっとしたゲームのアイデアが浮かんでしまったので、 アイデアをまとめる作業。  このままゲーム化するかどうかは、まったく未定。    明日も、築地のハドソンで、テスト・プレイ。
 

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