12月18日(月)

 嫁の風邪はとうとうマスクをして、はあはあ言ってる状態。
 私もぎりぎり風邪の一歩手前で踏み止まっている。朝から何度も目が覚めるが、すぐ
まどろんでしまうのは、風邪のせいだろう。
 森総理も、IT革命とか言っていないで、政府を上げて、風邪の特効薬の開発に全力
を注ぎます!とか、花粉症の研究費に、10億円出しましたと言ったほうが、票に結び
つくと思うのが、いかがなものだろう。

 午前11時30分。麻布十番の洋食屋「EDOYA(えどや)」で、菅沼真理(通称:
すがねまチャン)さんと、食事。嫁も目をとろんとさせながら、同行。

「さくまサンたち、しょっちゅう、麻布十番に来てません?」
「うん。毎週必ず一度は、麻布十番に食べに来てるからなあ!」
 麻布十番は本当に美味しいお店の宝庫だ。
 
 たらふくまんま、浪花家(なにわや)総本店、紅虎餃子房(べにとらぎょうざぼう)、
EDOYA(えどや)。
 レギュラー陣だけでも、これだけのお店がある。

 そのせいで、お蕎麦で有名な「永坂更科(ながさかさらしな)」とか、「更科堀井
(さらしなほりい)」といったお店にまだ一度も行ったことがない。あと2軒、実は
まだ行っていないチェック済みのお店もある。
 グリル満天星も有名だ。焼肉の美味しいお店もたくさんあるらしい。とにかくまだ
まだ開拓していないお店ばかりだ。

 いつも嫁が「原宿より先に麻布十番を知っていたら、麻布十番に住んでたわね!」
というのだが、原宿に住んだからこそ、麻布十番を知ることができたわけで、そうい
つも都合よく物事は進まないものだ。
 それにしても杉並区上井草に40年住んでいた私は、原宿に越してから、5年目。
まるで違う国に住んだような環境の大変化を毎日味わっている。

「EDOYA(えどや)」では、3人揃って、オムライスを注文。ここのオムライス
はお昼にしか食べられない大人気メニュー。ふんわりふわふわの玉子が、なんとも言
えましぇーーーん!
「馥郁(ふくいく)たる」という言葉は、このオムライスのためにあるみたいだ。そ
れと、ひさびさに食べると、格別に美味しいねえ。  
 私はちょっと気に入ると、何度も通って、嫌いになるまで食べる悪い癖がある。最
近登板間隔を空ける智恵がつき始めた。

 さて、そこへ娘から電話が入る。
 きょうは授業が午前中で終わりだったそうだ。どうしてこのガキは、こういう自分
が大好きなお店に私たちが来ているときにかぎって、乱入可能なスケジュールになる
んだ? たとえ早く帰ったときでも、家でくーくー寝てるはずなのに、「EDOYA
(えどや)」みたいなところのときだけ、電話してくるのだ!?

 そんなわけで、私たちはコーヒーを飲んで、娘が来るのを待つ。
 時間短縮のために、着く寸前「牛のバター焼き」を注文しておいて、着くと同時に
食べられるなんて、いったいどこのお嬢様だい?
 やっぱり娘には、食の神様がついているんだろうなあ。
 
 午後2時。帰宅。蔵人総合研究所の赤根豊くんが来る。
 今月はうちの会社の決算なので、社員総会に続き、株主総会。…って言ったって、
該当する人間は、私、嫁、会計監査役である赤根豊くんの3人しかいないわけだから、
ほいほい終了。

 午後3時30分。喫茶店「らぴす」サンに移動して、嫁は鎌倉の家の内装の打ち合
わせ。
 私と赤根豊くんが、会社のことをあれこれ話しているうちに、アリtoキリギリス
の漫画でおなじみの丸堀彩文さんが来る。

 アリtoキリギリス応援ホームページ「アリキリ・カプセル」で始めた、アリキリ漫
画の連載も1周年になるそうだ。いつもながら1年たつのが、早いことよ。

 午後6時。放送作家の福本岳史くんと、エイベックス・トラックスから独立して、
アイテムという会社を立ち上げた市川邦泰さんが来る。
 市川邦泰さんが立ち上げた会社は、なんと我が家から、角を2回曲がると、そこと
いう距離にある。お店の名前を言って、「ああ! あそこのビルね!」で納得。

 業界話などで盛り上がるが、嫁の風邪がますます悪化。
 私も鼻のまわりが風邪状態。
 ひさしぶりに来た福ちゃんを、ちゃんこ鍋のお店につれて行って、土俵の前で写真
を撮る計画は来年に延ばしてもらうことにした。福ちゃん! せっかくの爆笑チャン
スを潰して、ゴメンね!

 午後7時30分。どうにも家族そろって風邪引きさんなので、家から30メートル
ほどの中華料理屋「大熊猫(パンダ)屋」で、白菜と厚揚げのあんかけ煮とか、チャ
ーハンなどを食べて速攻! 家に帰り、身体を休める。

 私も仕事は休んで、本など読んですごすことに。
 ここ数日、本を猛烈に読んでいる。本棚に空きができるのが、快感。先日とうとう
本棚から本が落ちて、頭部を直撃した。司馬遼太郎さんのハードカバーの本が2冊。
司馬遼太郎さんの本で死ねるなら、本望だが、それより積んでおかないで、早く読め!
とのご神託やも知れぬ。

 

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