10月22日(日)

 朝から『桃太郎大全集(仮)』の仕様書作り。
 風邪引き一歩手前で、なんとか踏ん張っているが、ちょっと鼻声。

 午前11時30分。嫁と表参道の「ロイヤルホスト」で待ち合わせ。
 そこへ最古のさくまにあ・戸田圭祐が来る。
 
 この日記を読んでるさくまにあのみなさんからも、最近花の係長・戸田圭祐が登
場しないのはなぜか?ということをよく聞かれる。
 具体的に書いてしまってもいいのだけど、実は、このところの戸田圭祐は、へっ
ぽこで、とんちきで、すっことどっこいで、ジコチューで、わからんちんで、へま
っぷりおで、アホンダラで、いいかげんで、ダメダメ男で、ひょうろくだまなので、
うちの界隈から、総スカンを食らっていたのだ。

 ところが見るに見かねた、成沢大輔くんが、昨日戸田圭祐を東京まで呼び出して、
柴尾英令くんといっしょに、こんこんとお説教してくれたようなのだ。
 前から、私は「やばくなったら、誰か私にとりなしてくれる人は誰かということ
を、つねに考えながら行動せいよ!」といっていたのに、へっぽこな戸田圭祐はな
す術も無く、マウンド上で火達磨になっていたのである。

 どうやら、成沢大輔くんの発破がきいたようで、しょぼくれた顔をしながらも、
私の前に顔を出したのであった。けっきょく自分から、成沢大輔くんにすがってい
かなかったのだから、成沢大輔くんの男っぷりが、2枚も3枚も上がっただけなの
だが、一応お目通りはかなった。

 いつもこういうときに、加藤清正のエピソードを思い出す。
 豊臣秀吉の勘気をこうむって、謹慎を命じられていた加藤清正が、伏見の大地震
のとき、真っ先に伏見城にかけつけて、豊臣秀吉を助けたという逸話だ。
 この場面で、豊臣秀吉が、大地震でもなお、加藤清正のお目通りを許さなければ、
豊臣秀吉が悪人になる。
 またこういう場面だからこそ、豊臣秀吉も加藤清正を許しやすいのである。

 かつて、うちから消えていった若者たちは、数十人もいる。
 その誰もが、誰かにたよるということをせずに、音信不通のまま今日に至ってい
る。なかには私に会いたがっているということが伝わっている若者は何人もいるが、
けっきょく遠くで叫んでいるだけで、「人を介して」というたったひとつのことが
できずに、ズルズルそのままになっている者が多い。
 待っていても、絶対扉は開かないものだ。
 
 そんなわけで、戸田圭祐は成沢大輔くんの尽力により、復帰することにあいなっ
た。まあ、せっかくだから、さんざん、戸田圭祐をいじめてやった。

「命冥加なやつよの〜! ここ数日の間に、テレビ長崎の山本耕一アナに『戸田圭
祐はアホンダラなままだから、耕一の結婚式には、戸田圭祐の代わりに、柴尾英令
くんを呼んでくれ! 柴尾くんもうちといっしょに長崎行きたがっていたから』と
書こうとしてたのになあ! 惜しいなあ!」

「会社で、ズルズルで、ヘベレケな状態なのを、ホームページの日記でみんなが励
ましてくれてるのに、全然返事書かないもんなあ。冷たいよな〜!」

「古川知子がかわいい、かわいいと私にいっても、メールひとつ送らなければ、相
手に意志は伝わらないよなあ!」

「ペリカン便で、いきなり田森庸介さんや、赤根豊くんに、手紙も同封しないで、
ミネラルウォーターを箱ごと送っても、相手は困ってしまうようなあ! 買えって
ことかと思ってしまうぞ!」

「京都の『忘吾(ぼあ)』に行きたいなあ、ひとりで行くの淋しいなあと、ホーム
ページに書いておいて、山本耕一に京都まで来いと命令するもんなあ。鈴木千華雄
くんが近くにいるのに、誘ってあげないもんなあ!」
首の皮一枚
 とにかく言いたい放題言ってあげた。  でも、こうして意を決して、恥を覚悟で来れば、人は許すものである。  かつて、消えて行った人たちへの、いましめの言葉として、わざわざ書いてみた。 戸田圭祐には恥をかかせてしまったが。こういう役を嫌がらずに演じるのが、戸田 圭祐のいいところでもあるのだから。  だからこそ、成沢大輔くんもわざわざ戸田圭祐に声をかけてくれたのだろう。  ますますうちの娘が、成沢大輔に惚れてしまいそうだ。  娘よ、競馬好きの酒飲みホンダラとの人生は、苦労が多いぞ。しかし危険な匂い のする男はもてるなあ。ははは!  午後1時。帰宅。  娘が戸田圭祐に会いたいというので、待つがなかなか帰って来ない。  きょうは日曜日なのに、英語の検定試験とかで、学校に行っていて、 「もうすぐ帰るから待ってて!」というから、待っているのに。  午後2時。けっきょく、娘が帰って来なかったので、嫁と戸田圭祐 は、柴尾英令くん主催の映画の会にでかけて行った。
WMCI会会員のみなさま
 私には家に残って、『桃太郎大全集(仮)』の仕様書作り。  昨日桃太郎チームに送った、仕様書第1稿に早くも、国政修くんが今朝反応して、 電話をくれた。こういう風に、すぐ反応があると、クリエーターという種族は、豚 もおだてりゃ、マッターホルンの登頂に成功するで、どんなに過酷な道のりも駆け 上るものだ。  きょうはのんびりビデオを見ようと思っていたけど、働く。  いよいよ宿屋メッセージや、神社のメッセージに手をつけるまで、仕事は進んだ。 しかし、実はまだ『桃太郎大全集(仮)』の製作は、まだハドソンと契約していな いのだ。 「シナリオが完成してから、RPGを作りたい!」  この一念のみである。  契約まで、緊張を途切れることなく、シナリオを書き続けることは、短気な私に とっては、滝浴びの苦行のようである。  午後6時。娘と、麻布十番の「EDOYA(えどや)」に行き、ビーフバター焼 きに小ライス。カキフライがメニューに出ていたので、食べたかったのだが、ひと つか、せいぜいふたつぐらいなら、カキフライは美味しいのだが、それ以上になる と、どうも苦手だ。娘はまったく苦手だというので、断念する。今度嫁と来たら、 食べることにしよう。  午後6時30分。帰り道、鯛焼きの「浪花家(なにわや)総本店」にまだのれん がかかってるのが遠くから見える。  娘が走り出す!  まだ営業しているではないか!  やったあ!   この親子は、大トロ、松茸、三嶋亭のお肉とおなじくらい、この「浪花家(なに わや)総本店」の1枚150円の鯛焼きが好きである。美味しいものは、値段がい くらでも美味しいものだ。関西特有の「値段が安いわりに、美味しい」という論理 を否定はしないが、私は選択しない。1万円でもまあまあの味なら食べないし、3 0円でも美味しいものは、格別である。  鯛焼きが美味しい季節なだけに、「浪花家(なにわや)総本店」は大繁盛! 「10分待っていただけますか! すぐ作りますから!」 「待ちますとも!」  行列が無いのにと思ったら、予約で名前がずらりと並んでいて、すでに予約した お客さんたちの分を必死に作っているところだったのだ。  な〜るほど。  包装紙に包んでくれた鯛焼きを受け取って、間髪いれず、この親子は必死に広げ る。  鯛焼きが包装紙の中で、ふにゃふにゃになる前に、食べたいのだ!  「浪花家(なにわや)総本店」の鯛焼きは、どこよりも外側がパリパリッだから、 美味しい。この機を逃してなるものぞ! 「熱っ、熱っ、はふはふ…」 「熱っ、熱っ、あぢぢ…!」  小豆が、無茶苦茶、熱いよ〜!  でも美味しいよ〜!   午後7時。帰宅。  日本シリーズを見て、NHK『葵・徳川三代』。  ダイエーに勢いがあるなあ。3対0と巨人がリードしていたときは、このままだ と、10月28日の『有限会社 桃太郎商店』の放送が無くなるなあと思ったけど、 ダイエーが逆転したら、シリーズが4勝1敗で終わる可能性が出てきた。    それなら放送可能なだけに、急にダイエーを応援したくなる。いいかげんなもの だ。  なんとか風邪は、小康状態なので、このあと身体を休めながら、ちょっと仕事を して、読書ののち、寝る予定。今週はハドソンで『桃太郎まつり』の最終テストプ レイが待っている。風邪を引いているわけにはいかない。  気合いで風邪を吹き飛ばそう!
 

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