10月14日(土)

 桃太郎チーム、京都合宿3日目〜! 

 午前10時。うちのマンションに集合して、三条堺町のイノダコーヒへ。
 メンバーは、土居ちゃん(土居孝幸)、柴尾英令くん、酒飲みホンダラ・成沢大輔
くん、宮路一昭くん、ゲームディレクターの国政修くん、放送作家の福本岳史くん、
ハドソン桃太郎事業部の石崎仁英くん、武田学くん。
 うちの嫁と娘は神戸に遊びに行った。

 コーヒーなど飲みながら、『桃太郎大全集(仮)』の打ち合わせ。

 午前11時。2日間にわたり、暴飲暴食したので、さっぱりとしたものをと、おろ
しうどんの美味しい「うえだ」へ全員で行く。
 相変わらず福ちゃんの食欲は衰えず、月見おろしうどんの大盛りを、おままごとの
お椀のように小さく持ちながら、うれしそうに食べている。
 京都相互タクシーの宮本さんがわざわざ、土居ちゃん(土居孝幸)が昨日ワンボッ クスカーに忘れた鬼の資料を届けに来てくれた。 「ありがとうございます!」といって、お店に戻ると、席を立とうとした柴尾英令く んが湯呑みの、およびおろしうどんを、国政修くんの膝というか、股間に思い切り、 こぼす! 狭いテーブルとテーブルの間を通るには、柴尾英令は恰幅(かっぷく)が よすぎたようである。  午後12時。うちのマンションで、『桃太郎大全集(仮)』の打ち合わせ。狭い部 屋に男ばかり、9人。  放っておけば、猥談に花が咲いてしまいそうな、むさくるしさである。  肴は、スターバックス・コーヒーのみ。  さて、会議の内容はもちろん、極秘なのだが、観光バスにたとえると、関西方面に 向っていたはずのバスが、いつのまにやら、東北に向っているような大転換をし始め ている。  ひょっとすると、東北地方ではもう紅葉が始まっていて、それはそれで紅葉が見れ てよかったなあ!になるかもしれないが、関西で、祇園の舞妓さんを見るのが楽しみ だったのに、どうしてくれるんだあ!になるやもしれない。  いずれも、ちょっと今後の方向は、しばらく迷走しそうなことは確かだ。  ちょうど煮詰まったあたりで、すぎやまこういち先生からコーヒーブレイクのお誘 いが入る。渡りに舟とばかりに、乗る。  午後3時30分。京都ホテル脇の「ALZA(あるざ)」に行く。  しばらくして、すぎやまこういち先生ご夫妻、京都相互タクシーの宮本さんが到着。  開口一番、すぎやまこういち先生が「こんにちは! 昨日225杯もおそばを食べ たみなさん!」とおっしゃって、大爆笑になる。  しばらく福ちゃんの武勇伝をことこまかにお伝えする。  すぎやまこういち先生が福ちゃんに対して、「君がドラクエのモンスターとして登 場したら、ギガイーターという名前で出てくるだろうなあ!」。  すかさず柴尾英令くんが「『桃伝』だったら、千年デブかな?」 「ありがとうございます! おいしいなあ!」と喜ぶ、福ちゃん。 「福ちゃん、このふたつのあだ名を例題に、福ちゃんのニックネームを日記で募集す るか?」 「えっ! いいんですか? おいしい役だなあ!」  まったくめげやしない。  お暇な方は、福ちゃんの肉ネーム、いや、ニックネームでも考えてくだされ!
 あとは『ダビスタ』伝道師の成沢大輔くんが、すぎやまこういち先生と競馬談義。 競馬の話となると、私にはよくわからない。  さらに昨夜すぎやまこういち先生が『ドラゴンクエストVII』の本編最終ボスを倒し たそうなので、一気に『ドラクエ』話へと突入する。クリア組が多いので、バンバン、 キャラの実名が飛び交い、まだクリアしていない数名には、聞きたくない話が続出。 「え〜〜〜、あいついなくなっちゃうの〜〜〜!」 「うわ〜、聞きたくない〜!」 「でも業界人なら、今時分はクリアしてなきゃね〜!」と、またどんどん話は、『ド ラゴンクエストVII』のディープな話に。    そこへ、ようやく桃太郎チーム京都合宿最後の参加者が到着する。  サザンオールスターズのベーシスト・カズ坊(関口和之)である。  どういうわけか、カズ坊(関口和之)はスケジュールの都合で、京都合宿に参加す るのがいつも最終日になってしまう。しかもだいたい最終日は、あのグルメ・バカ娘 …ああ!、またグルメ・バカ娘と言ってしまった…のイチ押し中のイチ押しのお店 「M」に行くことになっているので、毎回日記では、カズ坊(関口和之)は「M」が 目当てで来ているだけという印象がすっかり定着してしまった。  きょうもまた、またこのパターンである。  実際「M」が目当てなことも事実なんだけどね。 「関口くん、たまには会議のほうにも出てくださいよねー!」 「ううっ…、へへへ…」  一応、お約束なので、カズ坊(関口和之)を叱責して、カズ坊(関口和之)もお約 束で、うろたえる表情はする。  さて、カズ坊(関口和之)も加わったので、すぎやまこういち先生が、ゲーム音楽 について語ってくださる。カズ坊(関口和之)や、宮路一昭くんには役に立つ話のオ ンパレードである。ありがとうございました。  午後5時30分。桃太郎チームの京都合宿は、ここで終了。現地解散である。  東京へ帰る人、大阪へ行く人、残ってあの「M」に行く人。  それぞれの方向へと、散っていく。  もちろん私は「M」へ行く人。  すでにふとときな親子が「M」で待っている。  本日「M」に行く、酒池肉林が大好きな人たちは、カズ坊(関口和之)、土居ちゃ ん(土居孝幸)、柴尾英令くん、酒飲みホンダラ・成沢大輔くん。  柴尾英令くん、成沢大輔くんのふたりが「M」初体験。  このふたりの腰が抜けるのに、3分間もいらなかった。  今年の巨人軍の先発メンバーというものがある。西志、清水、江藤、松井、清原、 高橋、元木、村田、投手の強力打線だということに異論をはさむ人はまずいないと 思う。横浜ベイスターズ・ファンの私でも認めざるをえない。  しかし、「M」の料理は、巨人の強力打線の2倍、いや3倍以上の 破壊力があると思うのだ。  とにかく料理が出てきた順番を、打順にしてみた! (中)ウニの海苔巻 (遊)フグの刺身 (左)焼きフグ (三)トロ (一)焼き松茸    (右)毛がに (二)鴨鍋 (捕)いくら丼 (投)ハヤシライス、シーフードカレー、レモンのシャーベット  どうだ! 巨人の強力打線も思わず沈黙するしかないだろう。    何たって、文筆業である、柴尾英令くん、成沢大輔くんの両名が完全に失語症にか かって、もがき苦しんでいる。 「うわっ、たっ、はっ、いや〜〜〜!」  成沢大輔くんが、わけのわからない踊りを踊っている。 「さくまサン、あのね…、ふひはほふへほ…」  柴尾英令くん、文筆業、失格だ! 「幸せ…、幸せ…、幸せ…」  うちの娘の「幸せ…」つぶやきが始まっている。巨人の桑田投手が、ボールに向っ て何事かつぶやいているようなものである。 「ふふふふ…」  無口なカズ坊(関口和之)は、ひたすら目を細めているだけであるが、カズ坊(関 口和之)にしては、最大級の目尻下がりである。 「ここの料理を食べるために、さくまサンが必死にがんばるという気持ちがやっとわ かりましたよ! これはがんばるわっ!」と成沢大輔くん。 「うんうん!」と真っ赤な顔でにこにこしながらうなづく土居ちゃん。 「ほれほれ…、はれはれ…、ふひはほへ…」  柴尾英令くん、もう一度いう! 文筆業、失格だ! ちゃんとした言葉で表現せいっ! 「M」のお父さんが「さくまサン、このあいだ糸井さんが来て、くやしがってました でいっ!」という。 「おお〜〜〜! やっぱりあのあと糸井さん、来たんだ〜!」 「くやしがってくれるのが、最高のごちそうだなあ!」  8月28日の日記を読んだ、糸井重里さんが悔しがって、メールをくれたことに繋 がるのだ、この話は。  すでに酩酊状態の柴尾英令くんは、こともあろうに、糸井さんが悔しがってくれた お礼にと、iモードで、糸井さんに、きょうの「M」のメニューを一生懸命送ってい る。何て迷惑な酔っ払いなんだ!   糸井さん、すみません! 「M」のお父さんも、新メンバーふたりの食べっぷりのよさに、悪乗りしたのか、最 後のご飯物を「いくら丼にしましょか? シーフードカレーにしますか?」と聞く。 なのに、ふとどきな餓鬼娘は「あの〜、ハヤシライスありますか?」とたわけたこと を言い出す。 「ほな、全部作りまひょか!」 「うお〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」  もうお腹いっぱいで苦しいと言ってるのに、みんな大喜び。  完全に狂乱状態に入ってる。
 午後9時30分。戦いすんで、日が暮れて。ブライトンホテルでお茶を飲む頃には、 みんな抜け殻状態。  明日、東京へ戻る人、残る人、我が家はもうしばらく京都に滞在の予定。
 

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