10月13日(金)

 桃太郎チーム、京都合宿2日目〜!
 13日の金曜日とお日柄もよろしいなか、日帰り大旅行〜! 

 午前9時。京都ホテル脇の喫茶店「ALZA(あるざ)」に桃太郎チームは集合。
 メンバーは、土居ちゃん(土居孝幸)、柴尾英令くん、酒飲みホンダラ・成沢大輔
くん、宮路一昭くん、ゲームディレクターの国政修くん、放送作家の福本岳史くん、
ハドソン桃太郎事業部の石崎仁英くん、武田学くん、わが家族3人。

 モーニングセットのホットドッグを食べながら、『桃太郎大全集(仮)』の打ち合
わせ。
アルザのモーニング
 午後10時。京都相互タクシーの宮本さん、北川さんが到着。
宮本さんと北川さん
 いよいよ本日の日帰り旅行へと旅立つ。  題して「デブ軍団、丹波へ行く!」  宮本さんが、「桃太郎電鉄 様」と書いた紙を持って来た。観光バスのフロントガ ラスによく貼られているあの紙だ。  この紙を持って、全員勢ぞろいの写真をまず撮る。  一気に気分は、商店会の慰安旅行!
前列左から→土居ちゃん、さくま、娘、柴尾くん 後列→宮路くん、福ちゃん、石崎くん、成沢くん、武田くん、國政くん
 ここで問題がひとつ。  宮本さんが運転するワンボックスカーは、宮本さんを入れて、9人しか乗れない。 3人がもう1台の北川さんの車に乗らなければいけなくなった。一応、うちの嫁と娘 がいちばん仕事の打ち合わせに関係ないので、まず決まった。  ではもうひとりを誰にするか? 「福ちゃんだ! 福ちゃん!」 「福ちゃんに決まってるだろ!」  福ちゃんにあっさり決まった! はっはっは。  いちばん年下という大義名分もあるが、やはり体重だ。  前回もワンボックスカーで、スモーク料理の「メスキート」へ行ったとき、その重 さに車が耐えかねて軋んだと言われるデブたちのなかでもひときわ重いのはなんとい っても、102キロの福ちゃんである。  そんなわけで、9人がワンボックスカー、4人が乗用車というパーティを組んで、 いざ出発!  天気も青空が広がる快晴!  車は京都縦貫道路を行く。  東京の仕事に疲れきっているおじさんたちには、車窓に広がる緑の山は、癒し効果 があるようで、みんな、笑顔、笑顔! 「いいなあ、こういう旅行って〜!」 「ず〜〜〜っと、ひなびた景色の連発ですよね〜!」  そんな景色を見ながら、車中でも『桃太郎大全集(仮)』の打ち合わせ。  会議しながら、私と土居ちゃんは、少しずつ柴尾英令くんの仕事量をこっそり増や していく。しめしめ。  せっかく『レナス』『レナス2』『レガイア伝説』の作者として実績のある柴尾英 令くんがFAで、桃太郎チームに移籍してきてくれたんだから、温存せず、先発でつ かってあげないともったいないではないか。  ときおり、成沢大輔くんのゲーム業界裏話とか、石崎仁英くんのお下劣トークが挟 (はさ)まる。  午前11時30分。薗部の先のドライブイン「丹波の里」で一休み。  トイレタイムのはずが、デブ軍団にとっては、単なる糖分補給のピットイン、いや マラソンの水分補給でしかなかった。次々に、ソフトクリーム、アイスクリーム、栗 まんじゅうなど奪うように食べ、車に戻る。
 綾部を通って、福知山へ。  行けども行けども緑色の景色が続く。  それにしてもこういうワンボックスカーでの旅行は、修学旅行や遠足が10〜20 数年前のおじさんたちのとっては、ことのほか楽しいようである。  値段も安いし、人数が多い場合は、この旅の仕方はけっこうお勧めである。  午後12時30分。北近畿タンゴ鉄道・大江(おおえ)駅に到着。  この「大江」は、あの「大江山の酒呑童子」で有名なあの「大江町」である。  デブ軍団による、食べてばかりの日帰り旅行だけど、ちゃんと真面目に取材もする。    駅裏の駐車場に車を止めに行くと、そこは一面に広がるコスモス畑。  これには驚いた。  こんなに広い範囲に咲き誇るコスモスを見たのは初めてである。CMとか雑誌で見 ることはあっても、こうして生で見ることができるとは思っていなかった。  これはちょっとしたカルチャー・ショックだ。それほど美しい。  コスモスに感動したが、やっぱりギャグはやっておきたい。  コスモス畑がいちばん似合わない男・福ちゃんを花園のなかに入れ、撮影大会。 「うわ〜、ホントに似合わない〜!」 「気色悪う〜!」 「福ちゃん、脱げ〜〜〜!」 「げ〜! それはやめろ〜!」 
コスモス畑で
 歩いて、大江駅前にある「鬼瓦公園」まで行く。  全国各地で作られた鬼瓦が野外展示されている。  素人さんの作品から、作家ものまで多士済済、見事なものである。
鬼瓦公園
 ビルの窓に「おみやげ屋」の文字が見えた。  今回は『桃太郎大全集(仮)』の取材ではあるが、つねに『桃太郎電鉄』のほうの 取材もしている。この町もそのうち物件駅に昇格させるかもしれない。とにかく見に 行く。   おお! 鬼グッズがなかなか充実しているではないか。  お面、灰皿、漬物、鬼のキーホルダーなど、なかなか品数豊富。  さらに驚いたことにこのおみやげ屋さんの一角に、キップ売り場があるではないか?  ひょっとしてここが大江駅?  本当に、ここが大江駅だ。  改札口はどこだろう?と、石段を登って行くと、そこはもうプラットホームであっ た。いかん、いかん! 私はキップを買わずに改札を通過してしまったようだ。でも 改札の柵なんてまったくなかったぞ!  誰も私を叱る人がいないというのも、のんびりしたものだ。  どうやら、このおみやげ屋さんでキップを買って、電車に乗らないといけないよう だ。「鉄道クイズ」に出題できるほどの珍しいネタではないが、微妙に不思議!  微妙といえば、ここのキップ売り場にかかっていた看板。 「電化高速化に伴い、特急電車が相当のスピードで通過します。危険ですので必要な とき以外はホームに上がらないで下さい」  このあとタンゴエクスプローラーが通過したのだが、3両編成で遅いこと、遅いこ と。 「どこが相当のスピードで通過なんだ?」  大江駅のおみやげ屋さんで、東京に居残りのハドソン桃太郎事業部の梶野竜太郎く んに、みんなで鬼のパンツを買う。  そういえば梶野竜太郎くんも、すっかりこの日記のせいで、知名度が上がっている ようで、先日大阪御堂筋パレードのときに、キングボンビーの着ぐるみに入って、御 堂筋を練り歩いていたときに、見物人が寄ってきて「きょう、なかに入っているのは、 梶野さんですか?」と言われたそうである。  キングボンビーの中身は、梶野竜太郎くん、石崎仁英くん、武田学くんが交代で入 っている。まさに身体を張った宣伝活動である。  鬼瓦公園に噴水があったので、またまた記念撮影。  どうせだから、みんなで鬼瓦の顔真似をして写ろうということになったのだが、 「ホントにみんな、鬼瓦の顔真似してんだろな!」 「オレだけ鬼瓦の顔してんじゃないだろな?」 「裏切るなよ〜!」  信頼感のない人間関係が見事に浮き彫りにされた。  本当はどうだったのだろう。私もわからない。  結果は、↓の写真にて。
     この大江駅は意外なほど、見るべきものが多かった。充実した観光地として評価し たい。駅前のコスモス畑、鬼瓦公園、おみやげ屋、ひなびた駅のホームに、1両の緑 色の車体の電車など、遠くへ来た満足感が味わえる場所だ。  午後1時30分。「日本の鬼の交流博物館」へ。  途中、内宮、下宮、五十鈴川といった、伊勢神宮にありがちな地名がやけに多いな あと思ったら、大江町というのは、「元伊勢神宮」と呼ばれていて、現在の伊勢神宮 は、ここから遷宮されたといわれているそうだ。  どうりで似た地名が多いわけだ。 「うわ〜、一気に寒い!」 「携帯が圏外になった〜!」  何たって、大江山である。朝から蒸し暑いと思っていたくらいなのに、「日本の鬼 の交流博物館」は本当に寒い。大江駅から10分か15分ほどの近さなのになあ。   博物館のほうには、鬼にまつわる話や、世界各国の鬼、なまはげ、酒呑童子に関す る解説などが多数展示されている。まだ完成して間もないのか、館内もきれいで、気 持ちいい。  なかでも『ウルトラマン』の美術監督だった、成田亨(なりたとおる)さんが描い た鬼のキャラ肖像画シリーズは、マニアならこれを見に来るだけでもかなりの価値が ある。  売店では、ヒサクニヒコさんの鬼の漫画も売っていた。
 ちょうど小学生たちがお勉強で見学に来ていたけど、けっこう長い時間楽しめる場 所だ。ぜひ土居ちゃん(土居孝幸)が描いた鬼の絵も展示したいねえという話になっ た。  一応、ご芳名帳に、きょうのメンバー全員で名前を書いておいたので、近所の人は ぜひ見に行ってくださいな。近隣の人はいないかな?
 かなり予定より時間をオーバーして出発。  デブ軍団はお昼ご飯を食べていないので、空腹のブーイング開始。  おとなげないったらありゃしない。  京都相互タクシーの宮本さんが安全運転ながら、必死に速度を速めてくださる。  それにしても今回も私は宮本さんに、「午後10時集合。行きたいところは、大江 町、出石(いずし)町、午後7時までに京都に戻る!」と、これだけしか言っていな いのに、あとは全部プランニングしてくれた。こんな楽チンな人はいない。  午後3時。というわけで、出石に到着。  うちの家族が7月に、宮本さんといっしょに来た、あの皿そばの出石町である。 「うお〜、腹減ったぞ〜!」 「食べまくるぞ〜!」 「ここっていったいどこ?」  前回とおなじお店「よしむら」に入る。  さて、いよいよデブ軍団の本領発揮である。  驚きまっせ!  皿そばは、1人前5皿である。  この皿そばをデブ軍団は、一体何皿食べたでしょう?  はい、シンキング・タ〜イム!  チッチッチッチ…。  別にそんなにもったいぶる必要はないのだが、とんでもない動物をわれわれは見て しまったのである。  その動物の名は、福ちゃん(学名:debu)である。 「さくまサン、ボクは何皿くらい食べればいいんんでしょうか?」 「皿そば、20枚食べると、手形がもらえるんだってさ!」 「はい! じゃあ、まず20枚食べればいいんですね!」  まるで朝、コーヒーを1杯飲むような調子で軽々と引き受ける福ちゃんであった。 20皿といえば、4人前だぞ! 「福ちゃん! 福ちゃん! 31皿以上食べると、壁に名前が載るそうだよ!」 「はい! じゃあ、20皿食べたあと、挑戦してみます!」  何なんだ、このデブのすこやかな顔は!  20皿、31皿というが、もう一度確認するが、1人前は5皿なのである。  さあ、お店の人が大変だ!  突如、13人の団体さんが来て、食べる! 食べる!  皿を置けば、さっ!と誰かが手を伸ばして、皿がニューヨークの摩天楼のように積 み上げられて行く。  しかも福ちゃんの必勝宣言の影に隠れているが、いずれも強者(つわもの)ぞろい である。みんな密かに、20枚の手形を狙っている。揃いも揃って、負けず嫌いだら けである。  5皿、6皿、7皿、8皿、9皿、10皿…、みんな笑いながら、わんこそばのよう に食べている。この人たちは一体何者? よく間違えられるのは、大学の相撲部の同 窓会である。
 はい! 早く結果を聞きたいんですよね。  発表しましょうね!  ビリから順に『ザ・ベストテン』のように発表しましょうか?   ビリは、私さくまあきらの8皿ですよ。そんなのいいから上位陣を発表しろですか?  はい、そうしましょうね! 一応、ドラムロール!  このお店の支払いは、ハドソン桃太郎事業部が持ってくれるというので、たったい ま冠スポンサーがつきました! 「ハドソン、プレゼンツッ! 第1回出石皿大食い選手権、優勝者は…」  ダラダラダラダラダラダラダラダラダラダラダラダラ…、ジャーーーン!    1位・福本岳史    33皿    2位・さくま娘    21皿    3位・柴尾英令    20皿       成沢大輔       石崎仁英        武田学    7位・土居ちゃん   15皿       宮路一昭       さくま嫁       宮本さん   11位・国政修     12皿   12位・北川さん    11皿   13位・さくま      8皿    なんと13人中、6人が、20皿以上食べて、手形をゲ〜〜〜ット!  合計枚数225枚〜〜〜!  1位の福ちゃんは、私の4倍強! ほぼ7人前〜〜〜!  2位のうちの娘に11枚差をつけて、ぶっちきりトップ!  まさに皿そば業界のマクガイアである。  皿そば大リーガー!  さらに、さらに、皿に(出石そばだけに)、福ちゃんはお店側が追加注文に追いつ かなくなってきたので、とりあえず33皿でストップしただけなのである。  食べる前と、食べたあとの表情がまったく変わっていない! 「食べようと思えば、40皿くらいは行けますよ!」 「最高記録は66皿だっていうから、福ちゃん、挑戦してみれば?」 「それはさすがに…」  何たって、福ちゃんは食べてる途中も、楽しそうに軽やか!  リズムでいえば、ギャロップのような食べ方である。  TVで放送するならフォスターの『おゝ! スザンナ』または『草競馬』がBGM で流れるような軽快さである。
 お店の人も「よく団体さんが来て、20皿食べる人はいるけど、これだけ大量に2 0皿を突破する人が多い団体は初めてですよ!」と、あとで語っていたそうである。  食後、出石町の中央の時計台のある場所に向って歩く。  みんな「苦しい! 苦しい!」を連発しながら歩く。  ひとり福ちゃんだけ、涼しい顔である。  7月に来たとき、べらぼうに美味しかった、大きな甕(かめ)に入ったトマトを売 っていたお店に到着。お目当てのトマトはさすがに、季節はずれで売っていなかった。 代わりに、焼き芋を売っていた。  さすがに焼き芋を食べたいという人は少なかった。  もちろん、福ちゃんは焼き芋を食べるのであった。何食わぬ顔で…。
 福ちゃんはさらにそのお店の2、3軒先のお店で、焼きたての「もち焼きせんべい」 も食べる。この底知らずの大食漢に、そろそろみんな呆れ果てる。
 とうとう、観光地によくある、顔のところがくりぬいてある、記念撮影用の看板に 福ちゃんが顔を入れて、顔が抜けなくなる写真を撮ろうという企画が持ち上がる。  しかし、まさか福ちゃんが、顔が抜けなくなる前に、顔自体が、くりぬかれた穴に 入らないということを誰が想像できただろうか。  こうして、出石町の話題を福ちゃんがすべて独占して、本日の日帰り旅行の行事は すべて終了。京都へ向って、帰路につく。  午後7時。すっかり真っ暗になった京都に到着。  ここで解散…ではなくて、このデブ軍団は、お肉を食べに行く!  三条寺町の「三嶋(みしま)亭」である。  わずか4時間前に、皿そばを食いまくってた人たちである。しかし誰も出石の皿そ ばのせいで、「もう食べられません!」という人がいないのも恐ろしい。  三嶋(みしま)亭名物・オイル焼きをみんなで食べる。 「うま〜〜〜い!」 「何なんだ、この肉の美味しさは〜〜〜!」 「夢のような1日ですよね、これは〜!」 「は、箸でお肉が切れるなんて…!」
 ここでちょっとした異変。  福ちゃんがお肉を、一人前で断念したのである。  どうも変である。ちっとも顔が苦しそうではないのにだ。あやしい。 「福ちゃん、お肉の追加いらないのか?」 「いえ、もうさすがにお腹がいっぱいなんで…」 「それは変だなあ…」 「いえ、もう十分!」 「そうか、福ちゃん、デザートにすき焼き食べるからか!」 「わっはっはっは!」  午後8時。三条の喫茶店「リプトン紅茶」でお茶する。  このとき、福ちゃんは、練乳のモンブラン・ケーキに、ミルクティーを注文した!  やっぱり! 福ちゃんは「三嶋(みしま)亭」のお肉の値段がべらぼうに高いので、 遠慮しただけだったのである。  デブは、甘い物を目の前にすると、正直な行動を取るものだ。
 午後10時。ここでわが家族は、みんなと別れて、マンションに戻る。  このあとの酒飲み軍団の夜の行状は、柴尾英令くんのホームページでお楽しみくだ さい。昨夜の行状も知ることができます。  午前0時。うひょ〜い。また午前0時を過ぎてしまった。福ちゃんの話だけしか書 いていないのに、こんなに時間がかかるなんて!  明日は、京都合宿最終日。  桃太郎チームには、まだもうひとりメンバーがいるのだが、まだ到着していない。 まさかその男、会議に出席せず、夕飯のときだけ来るあの男ではないだろうな?  その結末は、明日の日記で!  それではまた!
 

-(c)2000/SAKUMA-