8月1日(火)


 朝からずっと昨日の日記を書く。
 大自然の美しさの前に、文章力の拙さを痛感する。
 この悔しさは絶対いつか晴らしてみせるぞ。

 午前10時。出石(いずし)で買った、マクワウリに、キュウリ、トマトに
コーヒーで朝食。
 野菜だけでも最高に美味しい朝食だ。

 日本じゅうの美味しい野菜を空輸して売っているお店って、東京に無いもの
だろうか。あったら値段いくら高くても買いに行くけどなあ。

 午後1時。帰り支度。
 昨日あんな感動的な景色を見たので、東京に帰る気がしない。困ったものだ。

 寺町などで、買い物をして、京都駅へ。
 
 午後3時7分。のぞみ56号。
 初期型ののぞみ車輌だけど、ものすごい横揺れに驚く。地震でも起きたのか
と思うくらい揺れる。運転が下手なのか、車輌が老朽化したのか? コンコル
ドの事件のあとだけに気になる。鉄道マニアの人がいたら、JRに通報してほ
しいくらい、のぞみ56号の揺れ方は尋常ではなかった。

 車中、『風雲児たち』(みなもと太郎・潮出版社)の27巻から最終巻の30
巻まで一気に読む。
 子どもの頃から「蛮社(ばんしゃ)の獄」あたりの江戸幕府のひどさに憤り
を感じていただけに、再び義憤を覚える。
 今の日本の政治を動かす役人たちも、江戸時代からちっとも変わっていない
のではないのだろうか? 警察の不祥事、ごまかしなどを見ていると、『風雲
児たち』に描かれた世界が漫画のなかだけのこととは思えない。

 午後5時21分。脱線事故を起こしやしないかと思った新幹線のぞみ56号
は、なんとか東京駅着。怖かったなあ!

 さて、「食い物の怨みは恐ろしい」と言いますなあ…って、何で急に落語家
の口調になるんだ?
 表現を曖昧にしたかったんだけど、この家族についての描写だ。
 今さら曖昧にする必要などない。

 午後6時。昨夜の宮津でのお寿司屋の怨みを晴らすべく、人形町の「喜(き)
寿司」に行く。
 このバカ家族はよほど、昨日のお寿司屋さんの味が腹に据えかねたのだ。医
食同源…いや、怨み同源。この家族は極めてまずい物を食べたとき、そのジャ
ンルでいちばん美味しいお店で食べないことには、腹の虫が収まらないのだ。

 そんなわけで、「喜(き)寿司」!
 握りの上手さ、魚の鮮度、いつにもまして、美味しく感じる。
 まずい物のあとだけに、100倍美味しい。
「あ〜、宮津の敵を、人形町で討つだ!」
喜(き)寿司
   午後7時30分。意気揚揚と、帰宅。  この7月はとうとう20日間地方にでかけていた計算。  当分2週間ほどは、東京にいる予定。  最近会っていない人は、ぜひ会いましょう!
 

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