7月19日(水)


 午前10時30分。新宿伊勢丹デパート1F「カフェ・フィオーレ」で、
キャベツとベーコンのサンドに、コーヒー。
 意外とおいしい。

 午前11時30分。赤坂のTBSへ。9F第3スタジオ。
 おなじみ「有限会社 桃太郎商店」の録音。
 
 いつもスタジオの前でみんなが雑談してるんだけど、きょうは人がいない。
1分ほど遅れたから、みんなスタジオに入ってしまったのかな。
 おや。ひとりの足が見える。ソファーに誰かすわって、足を伸ばしている。
短パンだ。石塚義之くんか。わかりやすい目印だな。ははは。

 しばらくして、全員揃って、台本の読み合わせ。
 石井正則くんと顔を合わすなり、やっぱり先週京都でいっしょに食べた
「M」の話。
「おいしいかったねえ!」「おいしかったです! ありがとうございました」
「トウモロコシ!」「うわ〜!」
 思い出し笑いというのはあるが、思い出し味である。

 堀越のりチャンは、変におかしい。
 いつもふにふに微笑んでいる。とくに放送作家の福本岳史くんのことがお
気に入りのようで、福ちゃんを見ては「うふふ」と笑う。何? 新婚家庭の
福ちゃん、早くも不倫?…なわきゃない!

 福ちゃんの左手の中指の指輪が、指にめり込んでいるのを見ては、「うふ
ふ」と笑うのだ、毎回。
 福ちゃんは結婚指輪を買ってから、結婚式までメキメキ体重が増えて行っ
たので、ボンレスハムのひものように、指輪が指にめり込み、まわりの肉が
ぷっくり盛り上がっている。たしかにおもしろい。

 きょうは8月18日に、渋谷の駅前、スターバックス・コーヒーがあるビ
ル「Qフロント」で、『有限会社 桃太郎商店』の公開録音があるという告
知! はい、みんなも要チェック! ひさびさに
 会えますぞ! たまにはお盆に実家に帰るかと思ってる人はストップ! 
ぜひ見に来てね!

 それにしてもきょうの石塚義之くんのテンションの高さは異常! こうい
う日は石塚義之くんが暴走して、番組としてはおもしろくなっていいのだが、
こっちは笑いすぎて、疲れる。
 1本目を取り終わった時点でもうへとへと。

 2本目でも、石塚義之くんのテンションは落ちることなく、暴走、また暴
走。わっはっは。あっはっは。腹いてえ! わはははは。うひょひょひょ!
 がははは! ひ〜、苦しい。
 天才だよ、石塚義之くんは。

 スタッフさんが石塚義之くんにつけたニックネームは「清原」!
 巨人の清原だ。いいときの石塚義之くんは、劇的なホームランや連続ホー
ムランを打つが、調子の悪い日は、まったく音無しで、4打数0安打といっ
た感じだ。
 うん。こういう天才っぷりも、清原みたいだ。

 午後3時。近所の「らぴす」サンでコーヒーを飲んでから、帰宅。
 疲れた。疲れた。めっぽう疲れた。
 読書をしながら、仮眠。

 さて、明日からの1泊2日の旅行であるが、結論からいうと、またしても
グルメ・バカ娘の新戦法の前に完封されてしまった!
 まただよ、もう!

 何度も言うが、あいつを連れて行かないと、美味しいお店が定休日だった
り、臨時休業だったりする。
 なんとか行けても、いつも美味しいはずのお店の味が、まずかったりする。
 そんなわけなので、佐渡はひどい目に会うととんでもない事態に発展しそ
うな場所のような気がしたので、断念した。こっちも何度も学習したから、
慎重になることを覚えた。

 そこで私と嫁が考えたのは、豪華老舗旅館に行くこと。
 東京から電車一本で行けて、バブルが終わったら、その値段の高さでお客
さんが減ってそうな旅館。
 ってことで、選んだのが伊豆修善寺の「Y」。
 もうここまで書いて「え〜! ついに修善寺のYに行くの?」と叫んでし
まう人も何人かいると思う。
 そのくらい有名で、超が10個ほどつく豪華日本旅館である。
 値段も私のような人間をもってしても「痛い!」と思うほどの金額である。
ここなら味にも問題は無いだろうし、定休日はすでに調べたし、唯一の心配
は、満員だけ。

 これも、祝日の前日である今夜の宿泊がいちばん混むことは、リサーチ済
みだ。だからわざときょうを外して、明日の宿泊したのだ。

 じゃあ、何で行けなくなったのか?
 な、なん、なんと! 「Y」は、今年の4月から、1年間かけて改装工事
をしているのだそうだ。
 げげげげげ〜〜〜っ! 1年間!? 
 あまりにも剛毅な!  

 やられた…。
 まただよ…。
 カキ〜〜〜ン!
 グルメ・バカ娘がうれしさを隠しながら、ゆっくりダイヤモンドを一周し
ているよ。
 もう投げる球がない。
 どのコースに投げても打ち返される気がする…。

 またしてもグルメ・バカ娘の怨念にやられた…。
 いつもいつも新作で、私たちを呪ってくる! グルメ貞子などと冗談言っ
てる場合ではない。
 その怨念はまだ続く。

 午後6時。おそば懐石の「翁」に電話する。満員。
 日本料理の「たまさか」に電話する。満員。
 あわびなら、グルメ・バカ娘が嫌いな貝類だから、大丈夫だろ。
「分けとく山」に電話する。満員。

 いいかげんにしてくれいっ!
 おまえがいない間は、夫婦でマクドナルドでバリューセットでも食ってお
けってかあ! まいったなあ。

 京都13日間の滞在で身体へばりまくりだから、今回はおとなしくしてい
ようかな?

 午後7時30分。西麻布というよりも、六本木にある日本料理のお店
「京善(きょうぜん)」に初挑戦。
 初めてのお店なら、グルメ・バカ娘の怨念も届くまいと思ったら、本当に
予約できた。

 清潔感があって、カウンターの白木もよく磨いてあるいいお店だ。
 日本料理は、カウンター席のほうが、料理人さんとコミュニケーションが
取れていいし、うちは料理を食べるのが早いので、目の前ですぐ料理がなく
なるのが目に入って、テンポが早くなるからい。
 味もハイレベルになってくると、いいお店かどうかは、料理人さんの笑顔
やしゃべりで決まる。これは実社会でもおなじような気がする。笑顔は大事
だ。

 そんなわけで、グルメ・バカ娘の怨念も届かなかったのか、ドラフト1位
選手のように、活きのいいお店と出会えた。
 こんな時期なのに、銀杏が出る。
 走りの銀杏だそうだけど、みごとな翡翠色。
 指で割れてしまうほど、やわらかい。
 こういう銀杏は初めてだ。
 銀杏マニアの私はうれしいぞ!
   おろしポン酢で食べる米沢牛もよかったなあ。口内炎にしみて、飛び上が るくらい痛かったけど。ははは。  あわびもいい味。  圧巻は、トウモロコシとホタテの炊き込み御飯。トウモロコシが甘くって いい香り。ホタテの焦げ目がまたおいしいんだ。ひもの部分の食感が、炊き 込みによく似合う。  これは最後でいいお店を見つけた。  逆転さよならの1日みたいだって、嫁といっていたら、横浜ベイスターズ も延長戦で、金城がさよならヒット! あいかわらず横浜ベイスターズとリ ンクしてるなあ。  なんとかつじつまのあった1日である。
 

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