7月9日(日)


 昨夜、放送作家の福本岳史くんから電話で、新作『桃太郎電鉄』のアイデア
に対して、激しく叱責、面罵、痛罵される!
「アホ!」
「ボケ!」
「カス!」
「役立たず!」
「へなちょこ!」
「へっぽこ!」
「朴念仁!」
「うすらとんかち!」
「人間のクズ!」
「前立腺肥大!」
「ただ飯喰らい!」
「デブ!」
「面汚し!」
「でくの坊!」
「ミツユビナマケモノ!」
「腐ったミカン!」
「ごく潰し!」
「見掛け倒し!」
「駒田!」
「腰抜け侍!」
「社会のダニ!」
「できんボーイ!」
「恩知らず!」

 午前11時。そんなわけで、「イノダコーヒ四条店」で、私は頭を抱え込み
ながら、新作『桃太郎電鉄』のアイデア出し!

 おっと! ギャグを書くことに夢中になって、放送作家の福本岳史くんの
フォローをするのを忘れていた。本当に福ちゃんが「アホ! ボケ! カス!」
と言ったと思ってしまう輩がいるかもしれない。 
 まあ、いたらそれもいいかもしれないが。わははは。
 ダウンタンの浜ちゃんの松ちゃんに対するツッコミを、本気だと思っちゃう
人が相当多いらしいからなあ。真実を言っておくか。

 実は昨夜、午後9時。放送作家の福本岳史くんから電話が入って、新作『桃
太郎電鉄』のゲスト・キャラについて、福ちゃんが気になるところをあれこれ
言うのを聞いているうちに、私がメインの部分の仕様書を全面的に書き直しを
したくなってしまったのだ。
 ゲスト・キャラというのは、ギーガボンビーとか、ハルマゲド〜ンといった、
いちばん重要なところだ。
 当然いつも何度も何度も書き直す箇所なのである。
 すでに一度、今回のゲスト・キャラに関しては、この春くらいに全面改稿し
ている。
 ギーガボンビーなど、当初のキャラとまったく違うものになってしまったく
らいだ。

 さて、その「イノダコーヒ四条店」でのアイデア出しのほうだが、運良く、
席に座るやいなや、電撃的にアイデアが閃く。
 いつもこのお店はパブロフの条件反射のように、アイデアが出る縁起のいい
お店だということを、この日記を読んでいる人はよく知っていると思う。
 注文したスパゲティ・ナポリタンをほったらかして、殴り書きを続ける。
 よし、よし。これで明日から始まる新作『桃太郎電鉄』の会議に自信を持っ
て臨むことができる。

 午後1時。『桃太郎電鉄』の音楽担当・宮路一昭くん、福本岳史くん、最古
のさくまにあ・戸田圭祐がマンションに到着する。
 きょうはこのメンバーで、『桃太郎電鉄V』大会を開催する。
 対戦相手が変わると、展開も変わるゲームなだけに、つねに新しい人同士を
対決させて、近似値を取って行かないといけない。

 きょうの予想としては、私の師範代として、唯一認める宮路一昭くんが、
「あわわわ!」の戸田圭祐をどこまでも、こてんぱんにするか? 福ちゃんの
「次、ボク、目的地入りますから!」という根拠の無い自信発言が何回出るか
が焦点である。

 宮路一昭くんのレベルと、戸田圭祐レベルの差がありすぎてはいけないので、
もし戸田圭祐がこてんぱんになった場合、ゲーム作りのほうでいろいろ歩み寄
りを考えなければいけないのだ。

 午後1時30分。10年モードを入力。
 みやじ社長、ふくぽん社長、とだ係長で、スタート!
桃鉄大会
   いきなり、黄色のカードマスで、新幹線カードや、のぞみカードが手に入る 波乱の幕開け!  最初の目的地が、四国松山なので、みやじ社長は、房総半島の館山にあるワ ープマスから、室戸に飛び、松山をめざす。さすが師範代! しかしあわてた 福ちゃんが、宮路一昭くんのあとを追いかけて行ったあたりから、どうもきょ うのみやじ社長は調子が悪い。  いつもなら、すいっと入る目的地なのに、ことごとくほかの社長さんに入ら れる。サイコロの出目も悪い! オレンジカードで、何度も4とか、5が出て しまう。ぶっとびカードをつかうと、サイパンやグアムに飛んでしまう。  午後3時。意外や、戸田圭祐の独走で、中入り。 「イノダコーヒ三条店」に行って、コーヒーを飲みながら、問題点を討議する。 今まで見たこともないシチュエーションも多数見ることができたので、いくつ かルール変更の必要が出て来た。  午後3時30分。マンションに戻り、試合の続き!  ゲームをやりながら、新しいカードを思いついたり、新しいコマンドが浮か んだものの、そのコマンドが勝者に有利すぎることが判明して、自分で廃棄す る。  もったいないと思ってはいけない。  その後も、いっこうに「桃鉄師範代」である宮路一昭くんの調子があがらな い。  どうも、相手が福ちゃん、戸田圭祐ということで、ちょっとなめてかかって いるようだ。なめているというより、私との対戦のときのようなピリピリ感が なく、一手、二手と遅れを取って、貧乏神を引き受けてしまう。おまけにサイ コロの出目が悪すぎて、コントロールが悪いときの横浜ベイスターズ・小宮山 投手のようだ。  午後6時30分。なんと、戸田圭祐の圧勝で終わる!   1位・とだ係長    67億7220万円   2位・ふくぽん社長  31億6050万円   3位・みやじ社長   31億0360万円  意外なわけである。こんな不思議な確率のゲーム展開は見たことがない。  私が『桃太郎電鉄』を作り始めて、10数年たつが、10年モードの試合で、 初めて貧乏神がキングボンビーに変身しなかった。一度もスリの銀次が登場し なかった。これはオリックスのイチロー選手が、10試合連続無安打に匹敵す るくらいの珍しいケースだ。  まあ、いつもおなじ展開になるより、こういう幕下の力士が横綱を倒すよう な金星が出たほうが、盛り上がるから、これはこれでいい結果なんだけどね。  午後7時30分。10年モードが終了したものの、納得が行かない宮路一昭 くんと、福ちゃんが、10年目からの延長戦を要求。  時間短縮のために、マンションからいちばん近い、オムレツレストラン「ラ ケル」で食事。    ちょうどデジカメ撮影が下手なことで定評のある、福ちゃんと戸田圭祐が揃 ったので、全員で、自分たちが注文した料理をデジカメすることにした。  結果は、近々、ここに貼付されるので、もう一度見てね!  なるほど戸田圭祐は、下手だ!   素人目にもわかるくらい下手だ。わっはっは!
ラケル ラケル 戸田圭祐                福ちゃん ラケル ラケル さくま                 宮路くん
   午後8時。マンションに戻り、延長戦。  試合の流れが一挙に変わり、馬鹿ツキ男・福ちゃんのいきあたりばったり戦 法が、ずばり、ずばりと当たる!  10年間一度もキングボンビーに変身しなかった貧乏神が、まんまと、とだ 係長のときに、変身! あれほどにこやかに話をしていた戸田圭祐は、小さく 「あわわわ!」と唱えたあと、ずっと寡黙になる。  どうしたらいいのか、思い切り頭の中が鳴門の渦潮になっているようである。  午後10時。福ちゃんの首位、宮路一昭くんの2位が確定したはずなのに、 最後の最後の2月に、宮路一昭くんが信じられないケアレスミスを犯して、6 億円奪われ、3位に転落。  ちょっとここは今後のルール変更にもかかわる部分なので、ナイショね!  でもやっぱり、きょうの宮路一昭くんの試合っぷりは変である。  さて、明日から、タウンページのように分厚い、新作『桃太郎電鉄』の仕様 書をみんなで読み合わせだ。東京から土居ちゃん(土居孝幸)、国政修くんも 合流する。  みなさん、がんばりまっしょい!
 

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