7月5日(水)


 午前11時。銀座渡辺内科クリニックへ嫁と行く。
 院長先生や看護婦さんたちから「朝日新聞の見ましたよ!」と言われる。
 言い忘れたが、7月1日土曜日の夕刊に載ったのである。
 この数日、博識な方からは必ず、「見ましたよ!」と言われる。
「さくまににあ」からは、何の通報もなかった。
 どうも、さくまにあの読者のみなさんの知的レベルが知れるようだ。なあ、
戸田圭祐! わっはっはっは。
 新聞は、客層がはっきりしているから、新聞ごとに「見ましたよ!」とい
う人にカラーがあるのがわかっておもしろい。

 ちなみに先日、日刊スポーツに載ったとき、いちばん最初に「見ましたよ
ー!」と言ったのは、アリtoキリギリスの石塚義之くんであった。わかり
やすいカラーでしょ?
 
 さて、本日の血圧は、134−84! 
 おっと、これは、渡辺内科クリニックに通院し始めてから、最高にいい数
字だ! うれしいねえ。
 
 ダイエットもわずかながら進んでいるし、昨年から遅れっぱなしだった仕
事も、ついに一段落して、今、最高に心穏やかだからなあ。
 ストレスは身体の天敵だね、ほんと。
 
 るんるん気分で、嫁と銀座を歩いていると、銀座7丁目あたりで「仙台牛」
の文字が! むむむ! 魅力的な文字だな! 「スモーク」という字もある
ぞ。これもまた魅力的だ。
 お店の名前が「煙事(えんじ)」。
 なかなかしぶい名前だ。

 昼から、仙台牛は「いかがなものか」な食べ物だが、何しろ今シーズンの
最高打率じゃなかった、血圧でいい数値が出たので、嫁の許可もすぐ出た。
 血圧だから、防御率という言い方のほうが合うなあ。
 甘いところにボールが行くと、本塁打になるように、甘い物を食べると、
血圧上がるからな。
煙事 煙事
   仙台牛ビーフカレーと、自家製スモーク地鶏サンド。  ランチとはいえ、仙台牛のカレーなので、2300円と、ちと値段がお高 い。  でもその分、甘くて辛い不思議な味のカレー。  カレー好きの人は、このお店のカレーを知っておかないと、コンプリート と言えないレベルの美味しい味だ。  こんなお店あったかなあと思ったら、まだ5月の末にオープンしたばかり だそうだ。  オーナーシェフがあだ名が熊さんというくらいで、大きくて太っていて、 いかにも美味しそうな顔をしてる。そのうちなかよくなったら、デジカメに 登場してもらうね。  仙台出身なんですか?と聞くと、日本全国のお肉を食べ歩いて、 1に仙台牛、2に伊賀牛が美味しいと、思い至ったそうだ。それじゃ、まっ たく私とおなじじゃないの!と笑う。  本来は飲み屋さんのようだけど、メニューを見ただけでも、相当な美味し い物好きのようなので、今後に期待。しばらく通ってみようと思う。あの恐 ろしい「美味しい物スカウター」のついたタベック星人のグルメ・バカ娘を 連れて…。  このあと、嫁と別行動。  私は東京駅へ。  午後12時56分。のぞみ15号で、京都へ向かう。  今週の日曜日からの桃太郎チームの合宿の前に、私は京都で休暇を取るこ とにしたのだ。このところひとり合宿のためだけに京都に来て、まったく何 の景色も見ていなかったし、見たとしても目に入らない状態だったので、埋 め合わせをしたかったのだ。  それと、マヌケな理由だけど、漫画の『風雲児たち』(みなもと太郎・潮 出版社)を8巻の途中まで読んで、東京に戻って来てしまったことが気がか りだったせいもある。  早く、続きが読みたいのだ。はっはっは。漫画くらいで、京都に行くなよ なあ。  日記だし嘘でもいつも京都には、嫁にはナイショの不倫旅行で来ているの だと書きたいところだが、京都に知り合いが増えすぎた。  どこでも行動がバレそうだ。  午後3時10分。京都駅着。  八条口にある本屋さん「ふたば書房」で、しこたま本を買ってしまって、 身動きが取れなくなる。今回京都でもたくさん本を読むつもりなのだ。先週 から、すでに50冊以上の本を買っているぞ。   『レガイア伝説』の柴尾英令くんが、先日日記で買った本を羅列していたか ら、私も公開しようかなあ。私は柴尾英令くんのように、端倪すべからざる 頭脳の持ち主ではないので、買い方が非常に俗っぽいぞ! 「関西をさぼろう」(三田征彦・東方出版) 「本能寺・上・下」(池宮彰一郎・毎日新聞社) 「脳にマラカスの雨が降る」(栗本慎一郎・光文社) 「最良の日、最悪の日」(小林信彦・文藝春秋社) 「『捨てる!』技術」(辰巳渚・宝島新書) 「京都滋賀・鉄道の歴史」(田中真人・宇田正・西藤二郎・京都新聞 社) 「『株のしくみ』がよくわかる本」(西野武彦・PHP文庫) 「プロ野球『しぐさ』の深読み心理学」(渋谷昌三・新講社) 「モノの呼び名がわかる事典」(中村三郎・日本実業出版社) 「数の悪魔」(エンツェンスベルガー・晶文社) 「カルロス・ゴーンは日産を変えるか」(財部誠一・PHP) 「福島正則」(高橋和島・PHP文庫)  調子に乗って、買いすぎたな、こりゃ。  買いすぎてるのに、「『捨てる!』技術」なんて本、買っちゃいかんよな あ。  あと週刊誌を少々。神戸のガイドブック、少々。新幹線のなかで読んでい たのは「巨泉」(大橋巨泉・講談社)。へっへっへ。こんなにたくさん本が 読めるなんてうれしいなあ。  京都のマンションに行けば、さらに読みかけの本もたくさんある。本に埋 もれた生活をするのだあ!  とにかく去年からずっと仕事がぶっ通しで、切れ目がなく、読書量が極端 に減って、本当にイライラしていた。あの仕事さえなければ、もっと本が読 めたのにと、ずっと八つ当たりしたかった。  読書は、文筆業のガソリンだからねえ。  山道で、もうガソリン切れかけなのに、ガソリンスタンドが見つからない!  思わず運転席で、身体を乗り出してハンドル握って、あちこちきょろきょ ろしているような状況だったよ、去年の秋ぐらいから。    午後4時。ぶはっ! 京都のマンションに着く手前から、またしても大粒 の雨が! 2〜3分もたたないうちに、雷鳴が! お〜い。きょうもまたか いなあ!  うへっ。昨日の大雨とおなじくらいの勢いじゃないか。  まだTBSにいるみたいな気分だぞ。  東京はどうなのかな?  これでとうとう私は5日連続で、雷雨に遭ってしまったぞ!  その間、横浜ベイスターズも負け続けているのはいかがなものか。  京都のマンションに到着。タクシーをマンションの玄関に横付けしたおか げで、ずぶ濡れは回避できた。  ふひ〜!   へばった、へばった。  この疲れ方は、連日の雷雨疲れだな、きっと。    さっそく、ベッドにひっくり返って、読書開始!  ふへへへ。うれしないあ!  おっと、そういえば、宅配便の不在連絡票が来てたんだっけ。ハドソンか ら新作『桃太郎電鉄』の仕様書の束を送ってもらったのだ。早いな、着くの が。  電話、電話。いつもこういうことは嫁がやってくれるので、不便だな。単 身赴任のお父さんは大変だな。  おや? 電話の向こうは機械音。機械の声だ。  うひょ。イヤだなあ。まだ私は片手しか動かないから、右手で受話器を握 ると、メモすらできないんだよー。 「お客様の電話番号を押してください!」  おいおい。京都の電話番号なんて暗記してないぞ。  ええっと。どこに書いてある。わからん。名刺見よう。 「0…7…5…」  よし! これでいいだろ! 「…たら3、よかったら6を押してください!」  えっ? 何言ってるんだ?  失敗したら、3ってことか? それにしても答えるのが早すぎるよ!  よくFAXを送って来て、送り終わったとたん、「今のFAX読んでくれま したか?」というやつみたいだなあ。 「お客様番号を押してください…」とか言ってるな。  ああ! 面倒だ。 「0…、4…、0…」  ふん。これでよし! 「…たら3、よかったら6を押してください!」  おい、またかよ! せっかち過ぎるぞっ! まるで最古のさくまにあ・戸 田圭祐みたいなせっかちだな、この機械は!  そういえば、戸田圭祐も宅配業界の人間ではないか!  どこの会社だ? 「日本○運…」。  戸田圭祐は、ペリカンだから、違…わないわいっ!  社員がせっかちだと、自動電話までせっかちじゃのー!  午後6時。お昼に豪華な仙台牛カレーを食べてしまったので、あまり食欲 が無い。  それより前回一度も食べれなかった「カスケード」のモルトくるみパンを 買いに行こう。  町に出る。  よかった。雨が上がっている。豪雨だったらどうしようかと思った。よし よし。  ♪コンチキチン、コンチキチン。  おお! もう祇園祭の音楽が流れているぞ。夏だなあ。   面倒だ。「カスケード」で晩飯用のパンも買ってしまおう。午後7時以降 に、ペリカン便が来るはずなのだ。私が電話入力さえ間違えていなければ。 早く帰らないと。    午後7時。マンションに戻る。読書、読書!  他球場の途中経過を聞くだけのために、関西テレビをつけて、読書、読書。  おっ。4回で、横浜ベイスターズが8対0? そ、そ、それはよすぎるち ゃ〜〜〜ん! 見間違えていないだろな。iモードで確認しよう。血液A型 は、疑り深いでしょ。ふにふに。うおっ。4回表。9対0! うれしい見間 違いじゃないのー! 1点増えてるよー!  おおっ。ペリカン便も来たぞ。  よーし。心置きなく、今夜は読書だ〜!  それじゃ、また明日!
 

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