7月2日(日)


 さすがに昨日の疲れが出ているようだ。
 朝から何度も寝直す。
 寝直すことができることもまた、急ぎの仕事が無い幸せではある。

 午前10時30分。家族3人で、近所の「スターバックス・コーヒー」へ。
 カレーツナ・サンドに、キャラメル・マキアート。
 グルメ・バカ娘が新製品のキャラメル・ペプリアーノとか何とかいうのを
飲んで、口を思い切りすぼませている。
 キャラメルを3粒くらい口に含んで、蜂蜜の原液を飲んだような甘さであ
る。これはつらい飲み物だ。

 午後2時。『ポポロクロイス物語』の原作者・田森庸介さんと、漫画家兼
霊能者の岩崎摂さんが遊びに来る。
tamori+iwasaki tamori+sakuma
「ゴチになる会」以来、田森庸介さん、岩崎摂さん、××××××事務所の ×××××サン(本人の希望により削除)、この3人がすっかりなかよしに なったようだ。 「ゴチになる会」の発案者である私としては、こうして世代、業種の違う人 同士がなかよくなるのは、うれしいかぎりである。 ×××××サン(本人の希望により削除)は、きょうは××××××先生の お仕事で北海道富良野に行っているそうだ。北海道かあ。長いこと札幌に行 っていないなあ。まあ、今どこにでも行きたいだけなんだけどね。  田森庸介さんは、この日記に頻繁に登場する人ではないので、田森さんに ついてくわしく知っている人も少ないと思う。  私と田森庸介さんとのお付き合いは意外に長い。  私と田森さんの会話を知ってる人は、いつも私が田森さんのことをからか ってばかりいるように思うかもしれないが、ある意味では、田森庸介さんは、 私がこの業界に来るようになった、きっかけの人でもある。  私が大学に入って、立教の漫画研究会に所属したとき、慶應大学の漫画研 究会に、ひときわ絵の上手い人がいて、その人が、田森庸介さんだったのである。  その田森庸介さんが、どこかの漫画雑誌だかに作品が載ったのだと思う。 「すごいなあ!」と思うのと、同時に、プロの世界というものが非常に身近 になった。  言わば、PL学園に入学したとき、3年生が甲子園に出場したようなもの である。  そんなわけで、私の世代の仲間にとって、田森庸介さんはあこがれの先輩 だったのである。    しかし、30年近い歳月と、誰もが「田森さんって、いい人だよねえ!」 というくらい、温厚でおっとりして、正直者な田森庸介さんは、あこがれの 先輩から、すっかり、おもしろいおじさんのイメージになってしまったので ある。  田森庸介さんと岩崎摂さんは、原宿駅前の「スヌーピータウン」に寄って 来たようで、いろいろお土産を買って来てくれた。  作品はその人の性格を映し出すというけれど、田森庸介さんくらい『ポポ ロクロイス物語』とイコールな人も珍しい。いまどき生きた化石のように、 メルヘンな人である。当年49年間、邪念無くメルヘン道を突き進める人は、 田森庸介さんしかいないと思う。  岩崎摂さんとは、いつものように、霊能力の話。  この人、私が日記に書かなかったことまで当ててしまうからねえ。それを 知ってるから、東武練馬の太った映画狂人が、ことさら岩崎摂さんのことを 恐れているのである。  ♪あれは、3年前〜。いや、5年前のことだ。 「さくまサン、この家ダメだよ、さくまサンに合っていないよ。引っ越した ほうがいいよ。近いうちに見つかると思うし」。  そう言われてから、3ヶ月もしないうちに、今の原宿の家に引っ越して来 たのである。  引っ越すのはお金と意志だから、霊能力でも何でも無いだろうと思う人も いるだろうが、ここに引っ越す前の3年間ぐらい、うちは杉並区の家から、 何度も引越しを試みて、ことごとく失敗していたのである。  手付金まで払って、ダメになった家すらある。  契約してから、無理やり解約した家もある。  そんな3年間だったのに、岩崎摂さんはほいっと、「買えるよ!」とまる でスーパーでキャベツが買えるように言うのである。  そんな調子で、しかも頭金なんて無いですよというのに、住宅斡旋業者の ほうが、必死になって、この家が買えてしまうのだから、運命とはわからな いものだ。  まあ、そんなこんなで霊能力の話をしたり、青春メルヘンおじさん・田森 庸介さんをからかったりの1日。  午後5時30分。家族3人と、田森庸介さん、岩崎摂さんといっしょに近 所の「おけいすし」に行く。  今週末からまた私は京都に行くので、この時期のお寿司はとてもうれしい。 京都はまだ美味しいお寿司屋さんを探せずにいるので、東京にいるときは、 お寿司屋さんに行きたくなる。
okei
 田森庸介さん、岩崎摂さんもけっこうなグルメなので「おけいすし」の江 戸前細工寿司を大いに気に入ってくれる。  このお寿司屋さんは、イカスミのスープが出たり、あわびの肝のミンチが 出たりと、ちょっと見には、キワモノを出すお店のように思えるけど、その どれもが美味しいから信用が置けるのだ。  キワモノを出すだけで終わってしまうお店が多いだけに、この「おけいす し」は、人を誘って良し、食べて良しのお店として貴重である。  午後6時30分。さらに「トゥー・ザ・ハーブス」でお茶。  昨日那須高原で喰らったような激しい雨が降って来て、家に帰ることがで きない。  せっかくだから、岩崎摂さんの今後の漫画のネタを考えたり、やっぱりこ こでも田森庸介さんをからかったり。  いつもオチは「今はこういう気楽な関係になっちゃったけど、田森庸介さ んは、みんなに尊敬されるほど、桁外れに絵の上手い人として名前が轟き渡 っていたんだよ」である。  午後8時。雨が上がったので、それぞれ帰宅。  帰宅後、NHK『葵・徳川三代』を見るも、途中で眠くなる。  昨夜午前3時過ぎまで、日記を書いていたので、眠くて仕方がないのであ る。でもちゃんと録画をしながら見ているので、大丈夫。眠くて真剣に見た かった部分はあとでもう一度見ることにしている。  きょうは、早く寝よう。横浜ベイスターズも3連敗。あいかわらず極端な 球団だ。何も阪神に3連敗することないじゃないか! 最下位がくっきり見 えてきてしまったではないか。  こんな日は、早く寝る!
 

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