4月17日(月)


 昨日はたっぷり寝たはずなのに、まだ疲れが残っている。
 でも疲れを感じることのほうが幸せだ。
 病気で倒れる前は、前日2時間しか寝ていなくても、なんともな
かった。いや、神経が麻痺していて、疲れすら感じなくなっていた
のだ。
 最近柴尾英令くんが、私のこのパターンにはまり出しているよう
で、心配だ。  

 午前11時30分。新宿伊勢丹前のビル7F「牛たんのねぎし」
に嫁と行く。
 いつものねぎし定食に、単品で、からし焼きみそというのも頼ん
でみたが、味噌が強くて、辛さとあまり混ざっていないような気が
する。
 定番のねぎし定食に勝てるメニューはそうカンタンにできないも
のだな。

 食後、さくらやホビー館、紀伊国屋の漫画専門店などを覗いて、
買い物したあと「ニュートップス」で、ロイヤルミルクティー。

 さらに、三越の地下街で、梅園の豆大福8個、利久まんじゅう8
個を買う。何なんだ、このすごい量の甘いものは? 相撲部屋を訪
問するのか?
 
 そのまま地下鉄丸の内線に乗って、終点の荻窪駅へ。
 5年前まで、荻窪のほうに住んでいたので、「この町も5年でず
いぶん変わっちまったなあ!」のひとことも言いたかったのだが、
ちっとも変わっていなかった。
 荻窪近辺には、43年間住んでたからなあ。
 はっきりいって、荻窪は20年以上まったく変わっていない。

 午後2時。荻窪の土居ちゃん(土居孝幸)に行く。なんと、桃太
郎チーム初の、土居ちゃんの家で会議なのだ、きょうは。何で土居
ちゃんの家でわざわざやるかというと、単に今までそういうことを
したことがなかったら。それだけが理由。
「土居ちゃんの家でやろう! それはおもしろい!」
 それだけである。

 メンバーはおなじみ、ハドソン桃太郎事業部の梶野竜太郎くん、
武田学くん、石崎仁英くん、国政修くん。
 宮路一昭くん、放送作家の福本岳史くん。

 というわけで、三越で買って来た豆大福とまんじゅうを広げる。
 土居ちゃんと、豆大福のツーショットはよく似合う。富士には月
見草がよく似合うがごとく。
大福
     まずは『桃太郎まつり(仮)』の会議から。  悩んでいた新キャラについて会議。土居ちゃんのラフスケッチを 見ながら、こいつはどういうことをしそうだとかを、みんなで考え る。ふつうこういうのは、私が3日3晩、うんうんうめいた末に、 やっとまとまるものなのだが、新キャラのモデルが、梶野竜太郎く んだったりするので、すらすら浮かぶ。  しまいには、梶野くんのキャラにないものにまで成長していった。 これは楽しい新キャラだ。早く、みんなに教えてあげたいものだ。 もうしばらく待っていてね!
会議中
 引き続き、新作『桃太郎電鉄』の会議。  かなり今回大胆なことを考えているので、それをどうやってグラ フィックに落とすかの相談。イメージを伝えるのは非常に難しい。 私は『子連れ狼』の原作者・小池一夫さんの下で、原作の書き方の 作法を学んでいるので、2Dの絵の指定は、非常に得意だ。  でも3Dになると、どういう作法で指定していいのかがわからな い。 「かつてのニュースステーションの天気予報の画面のようなものの 上を、新幹線が向こうからガーーーッと来て、ぶわーーーんと通り 過ぎていく」としか言いようがない。  ところがこの伝え方のほうが、わかりやすいようだ。へ? ちょ っと拍子抜け。なんだ、CGもそんなもんなのか。何のジャンルで も似たようなもんだな。    今でも『桃太郎電鉄』自体は、CGが似合わないと思っているの で、「こんなバカげたところに、CGをふんだんにつかってー!」 と、呆れられるような使い方をしてみたいものだ。  午後6時。今後の宣伝方法に至るまで、みっちり会議。  ようやくみんながめざしてるゲームの方向が見えてきたような気 がする。やっぱりコミュニケーションは大切だ。  午後6時30分。荻窪駅前のスパゲティ屋さん「ペントーラ」で 食事。メンバーは、土居ちゃん、福ちゃん、私、嫁の4人。  土居ちゃんと嫁は、春野菜のスパゲティ。  私はキノコとベーコンのスパゲティ。  福ちゃんは、受けねらいで、娼婦風のスパゲティ。あきらかに、 名前だけで注文している。  何で「娼婦風」なのか、お店の人に聞けばいいのに、やれ、辛い ところだの、色が赤いところだとか、みんなで適当なことをいう。  食後は、コーヒー。 「土居ちゃん(土居孝幸)は、ケーキも?」 「いや、ボクには大福があるから…」  作戦どおり、大福を多めに買ったのは、土居ちゃん(土居孝幸) の家に残しておけば、思わず土居ちゃんが食べてしまうだろうとい う魂胆だったのだが、すでにその予定していたようだ。  このチームは、自分のデブを隠すために、なんとかほかの人を太 らせて、自分を目立たなくさせようという、頭の悪そうな作戦を必 死に遂行している。  しかもその作戦に、みんながまんまとはまるから、情けない。  私と嫁がダイエットのために残したスパゲティを、まんまと福ち ゃんが「食べていいですか〜」と、食べてくれる。 「太るぞ〜!」 「いえ、最近晩ご飯食べたら、あと寝るまで何も食べませんから!」  食べないと言っても、これだけほかの人の分まで食べれば、夜、 食べなくてもおなじじゃないか? 「お土産にもらった、おまんじゅう、今夜食べちゃうんじゃないの?」 という土居ちゃんの言葉にも、「大丈夫です!」と福ちゃん。 「もうさっき食べましたから!」  ダメだ、こりゃ。  心ゆくまで太りなさい。  午後8時30分。帰宅。いつも荻窪から千駄ヶ谷に向かうために 乗っていた総武線に乗って、自宅に帰るのはちょっと不思議な気分。  荻窪がすでに故郷になりつつある。
 

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