3月5日(日)京都


午前11時。最古のさくまにあ・戸田圭祐が京都駅に着いたとい
う電話で起きる。
よほど疲れていたようだ。
 つくづく能登半島の旅は、つらかったなあ。
『ワールド・イズ・能登・イナフ』である。
 何回かは目が覚めたのに、午前11時過ぎても、眠いとは珍しい。

 午前11時30分。戸田圭祐が、京都のマンションに到着。
 家族といっしょに、昨日「M」でいただいた、鯖寿司を食べる。
 いつもがら「M」の鯖寿司は絶品だ。
 市販で、ここの鯖寿司より美味しいお店に当たったことがない。

 ゴホッ、ゴホッ。
 まだ一向に咳が止まらない。

 午後1時30分。嫁とグルメ・バカ娘は東京に戻る。
 グルメ・バカ娘は、昨日の「M」に行くだけのために、わざわざ
京都に来たのである。恐ろしい!

 午後2時。寺町Cゾーンの鈴木千華雄くんのところに行く。
 戸田圭祐の弟がパソコンを買うとかで、鈴木千華雄くんのところ
に来ていた。戸田圭祐はその弟と、何かボソッ、ボソッとしゃべっ
ただけで、あまり会話しない。
 そのうち、弟はどのパソコンを買うか悩んだあと、突然「それで
は!」と言って帰って行った。
 不思議な兄弟である。

 鈴木千華雄くんが、プレステ2を購入したというので、使い心地
や性能について、どう感じたを聞く。
 業界人たちは、自分の立場で新ハードの感想を言ってしまうので、
こういう一般客の感想を常に聞いておかないといけない。まあ、鈴
木千華雄くんはゲームマニアだから、必ずしも多数派の意見ではな
いけどね。

 午後2時。錦市場の近くの洋菓子屋さん「チプリアーニ」に初め
て入る。私がエクレア・キャラメル、戸田圭祐がモンブラン。美味
しいよ、このお店のケーキは。
 京都で甘い物屋さんばかり見つけて、どーする!
 おまけにデジカメするのも、忘れた。

 ケーキを食べながら、いつものように、新作『桃太郎電鉄』のモ
ニター会議。私が考えたアイデアを戸田圭祐に話して、反応を見る。
戸田圭祐の反応がいちばん庶民的なので、非常に参考になるのだ。

 午後3時。さっきの洋菓子屋さんは、1時間以内で食べ終わって
くださいという張り紙があるので、場所を移して、さらに新作『桃
太郎電鉄』のモニター会議。
ノスタルジック・カフェ ノスタルジック・カフェ
     おかげで、次回作のゲスト・キャラがさらにおもしろいキャラに なった。戸田圭祐がアイデアが出るのではなく、私が戸田圭祐と話 していると、よくアイデアが出るのだ。  まあ、言ってみれば「触媒(しょくばい)」みたいなものだ。  二酸化マンガン・戸田と覚えておいてほしい。  むちゃくちゃ語呂悪いやん!  午後3時30分。京都のマンションに戻り、戸田圭祐がやる『桃 太郎電鉄V』を見る。これもモニター会議のひとつだ。  それにしても、あいかわらず気の小さい戸田圭祐のプレイは見て いて笑える。  基本的に、何が起きても「あわわ!」と、狼狽する。  COMキャラが、☆印カード売り場で、オレンジカードを買った だけで「あわわ!」、新潟の水田を買われては「あわわ!」。  私なんかだと、ちっとも動揺しないところで、あわてているので、 おかしくて仕方がない。  圧巻は、貧乏神がついて、それが4年目だということに気がつい ただけで「あわわわわっ!」とあわてる。 「何で?」 「だって、4年目いうたら、キングボンビーに変身する可能性があ るやないですか!」 「でもふつうは,『おや?』のセリフが出てからうろたえるもんじゃ ないの?」 「へ〜、ちょっとでも可能性あったら、怖いやないですか!」  心配性の血液A型の面目躍如である。  その後も、戸田圭祐は自分のオレンジカードが、期限切れになっ ては「あわわわっ!」、遠くのCOMキャラが急行カードで、サイコ ロの出目11を見ただけで「あわわわっ!」、増資カードをつかわれ ただけで「あわわわっ!」と忙しい。  午後6時。戸田圭祐と「ブライトンホテル」に行く。  ステーキハウス「ひもろぎ」に入る。  ステーキなら、大量のにんにくを食べることができる。  早くこの風邪を治してしまいたい。  戸田圭祐は、ずデジカメで、ステーキの写真を取ろうとするが、 緊張してあいかわらず、シャッターチャンスを逃して、変な写真ば かり撮っている。  戸田圭祐のカメラマン能力が低いのは、わが家族のあいだでは、 ギャグになっているくらいだ。    午後7時。京都のマンションに戻り、再び戸田圭祐の『桃太郎電 鉄V』のプレイを見る。  いよいよ、貧乏神がキングボンビーに変身して、戸田圭祐のあわ てっぷりは絶頂に達する! 「あわわわっ! 来るな! 来るな!」  そうなのだ。まだ戸田圭祐にキングボンビーがついてしまったわ けではないのだ。  ついにキングボンビーが戸田圭祐につく。  ひっくり返って、倒れる戸田圭祐!  ほとんどプロレスのブリッジのように、芸術的な倒れ方である。  午後9時。戸田係長は大阪に帰らないといけないお時間。  この続きは、また3月18日からの連休、東京でやろうというこ とになって終了。  いやあ、いつもながら戸田圭祐がやる『桃太郎電鉄』がいちばん 勉強になるなあ! 表面にはまったく出ることがない、戸田圭祐の 能力であるが、立派に『桃太郎電鉄』に貢献しているのだ。  プロ野球でいうと、優秀なバッティング・ピッチャーである。  って書くと、あまりホメたように思えないのはなぜか。  かの落合博満さんは、試合前の練習のときは、この人と決めたバ ッティング・ピッチャー以外の球を打たなかったそうだ。  こう書くと、少しは戸田圭祐の能力も少しは理解してもらえるだ ろうか。    きょうはこのあと、読書をして寝る予定。  明日はもう東京に帰らないといけない。
 

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